- 著者
-
坂本 美紀
- 出版者
- 神戸大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2006
研究代表者の転勤に伴い,新しい勤務校で,協力学生を募った。大学と教育委員会との提携に基づいて小中学校にスクールサポーターとして派遣されている学生を対象に,実態アンケートの依頼と協働学習への勧誘を行ったところ,アンケートの回収率が非常に低かった上,協働学習の参加学生を確保できなかった。やむなく今年度の研究計画を変更し,ボランティア配置校の担当教員への意識調査を実施した。まず,学生アンケートの回答のうち,現場での支援活動の実態と,彼らが体験した困難や問題点を,事業の設定,教育・研修,実践活動の調整,校内連携の4つの観点で整理した。その結果,教育研修,実践活動の調整ともに十分でなく,打合せがあっても予定を話す程度で,教師との協議やスーパービジョンの場になっていない事例が大半であること等,学生の活用を支える基本的条件が十分でない実態が明らかになった。この結果を元に,教員インタビューの質問項目を設定した。提携先の教育委員会からの許可を待ち,冬休みから3学期にかけて配置校を訪問し,学生の活動内容や,学生活用を支える条件の実態,学生および派遣元の大学,派遣コーディネーターへの要望について,担当教員等から意見を聴取した。インタビューの模様は,許可を得て録音した。録音記録は現在分析中である。結果の概要を以下に示す。活動記録が単なる提出・保管用で,一方通行となっている学校が大半であること,打合せが最小限であること,指導機会の不足を認識している担当者もいることが明らかになった。学生の活用に対する要望として,活動スケジュールなど派遣された学生に対する要望,制度や派遣元の大学での人選に対する要望を採取することが出来た。得られた結果のうち,学生のデータをH19年度の学会で発表した他,本年度の主要な成果である教員インタビューの結果を,H20年度の学会で発表予定である。