著者
山本 博文 藤井 純子 安田 正成 岡本 拓夫 外岡 信一郎
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

若狭湾地域に位置する福井県高浜町薗部の海岸低地において,津波によって形成されたと考えられるイベント砂層が見出された.薗部地区におけるコアリングおよびトレンチ調査により,深さ1m以浅のイベント砂層は海岸から550m以上内陸まで分布し,海岸の砂と同様のよく円磨された岩片を特徴とし,ところによっては貝殻,有孔虫,ウニのトゲなどの生物遺骸を含んでいた.また砂層基底部には明瞭な浸食が認められ,砂層中にはリップアップクラストがみられた.この砂層の堆積年代としては,上下の泥炭質層の14C年代測定結果からすると,14~16 世紀頃と推定された.
著者
日野 義之 二木 昭人 稲葉 高志 田川 正二郎 安田 正實
出版者
千葉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

1.解析的研究実績いくつかの公理系をみたす相空間上の無限遅れをもつ関数微分方程式の研究はすでに多くなされている。しかしそれを実際にある種の積分微分方程式に応用しようとすると相空間の具体的選び方に難しさがある。この難しさをFavardのMini-Max理論を応用することにより、線形周期系に対しては有界な解が存在すれば周期解が存在することを示した。2.位相幾何的研究実績余次元1の【C^2】級葉層構造内の例外極小集合が区分的に線形なものに位相共役ならば、それに含まれる半真葉は、有限枚であることを示した。さらに例外極小集合の例をたくさん作ることに成功した。3.微分幾何的研究実績(1)compactな複素多様体Mの解析的自己同型群H(M)に対し、ある準同型f:H(M)→RがMの複素構造の特性類との関連、M上のk【a!¨】hler-Einsteinmetricの存在との関連を論じた。(2)Fano manifoldには標準的なmoment mapが存在することを証明し、次にこのmoment mapを使って作られるsymplectic quotientのRiui曲率を計算した。この計算の系として、sympletic quotientも再びFano manifoldとなることがわかった。
著者
三好 征夫 桝田 佳寛 安田 正雪 荒金 直樹
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.361-366, 1998-06-30
被引用文献数
2

通常の強度レベルで目標スランプフローが450mmの,若干の締固めは必要であるが,流動性に優れ,じゃんかなどの施工欠陥を作りにくい分離低減剤を用いた準高流動コンクリートの開発を目標として,高性能AE減水剤や分離低減剤の使用量,粗骨材量を変化させて,スランプフローやVロート流下時間などのフレッシュ性状や硬化物性を検討した。この結果,準高流動コンクリートは,少量の分離低減剤を使用し,350〓/m3程度の粗骨材量で,建築用の軟練りのコンクリートと高流動コンクリートの中間に位置する諸性状を有することが明らかとなった。
著者
中神 潤一 蔵野 正美 安田 正實 吉田 祐治 田栗 正章 種村 秀紀 辻 尚史
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

ファジー推移のマルコフ決定過程への導入は千葉大学計画数学グループ[蔵野正美、安田正實、中神潤一、吉田祐治(北九州市立大学)]の主要研究課題で1991年より始められている。本研究課題は、動的ファジーシステムの最適構造についてファジー演算から導出される数学構造の意味付けを深めることにより、最適停止問題・ゲーム理論等に応用できる具体例の作成を通じて、ファジー理論の本来の要請である頑健性構造の解明に研究を拡大することを目標とした。科研費の内示当初より、共同研究者である吉田祐治教授(北九州市立大学)と共同の本格的な科研費研究集会を千葉2回九州2回と交互に4年間に渡って毎年開催する運びとなった。13年度は北九州市立大学、14年度は千葉大学、15年度は千葉大学、最終年度の16年度は北九州市立大学で科研費研究集会「不確実性下での数理決定とその展望」を開催、18件の発表が好評のうちに行われた。最新の研究成果の発表に対する討論と貴重な情報の交換が得られ大変有意義であった。このような交流は境界領域としての学問を進めていく上でぜひ必要と考えている。本研究課題において、裏面に記載した研究成果を含む10編の査読付き論文を作成した。国際Proceedings及び報告論文は17編、国内外の研究発表は29件になった。以上の研究成果は、今後の研究の発展と共に、国際シンポジウム等で積極的に発表し、国際的に評価された学術専門誌に投稿しその評価を受ける予定である。最近ザデーが提唱しているパーセプション(認知)の概念をファジー集合の新しい解釈として、ファジー値をもつ最適停止問題に適用した論文を発表した。これに続く論文としてマルコフ決定過程に適用した論文を作成中である。またファジー選好順序を動的決定過程に取り入れて、人間的決定を考慮した人工知能等の定式化を試みている。次年度以降の研究目標の一つとしたい。また、最後になりましたが、計算機・図書関係の整備等への補助金の支給に感謝致します。
著者
沢村 信一 原口 康弘 安田 正俊 松坂 修二
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.103-107, 2009-02
被引用文献数
4

抹茶の流動性試験の結果をまとめると以下のようになる.(1) 石臼抹茶,ボールミル抹茶,微粉抹茶の流動開始振動加速度はほぼ同じであった.粗粉抹茶は,流動を開始するのに強い外力を要した.(2) ボールミル抹茶は,流動開始振動加速度と終了加速度が近接しており,非常に流動性が良かった.(3) 石臼抹茶は,帯電しやすく流動性は低かった.帯電は湿度と関連しており,抹茶を取り扱うときはある程度の湿度を保つ方ことで流動性が良くなる.(4) 抹茶は帯電制御によって流動性が向上するので,抹茶を扱うプロセスには除電設備を備えるのが望ましい.(5) Carr流動性指数では,粉砕方法の異なる抹茶の差は小さかったが,本粉粒体流動性試験装置を用いることによって,抹茶の流動性の違いを明確に評価できた.; Matcha, powdered green tea, is difficult to handle in the factory or manufacturing facilities due to its small particle size and low density. In the present study, the powder flowability properties of various matcha samples were investigated using a dynamic powder flow tester with high detection sensitivity to facilitate machine handling during matcha manufacturing. The sample powders were prepared from tea leaves picked during different seasons (i.e. the first, second, third, and fourth crops) using a stone mill or ball mill. Matcha ground with the electrostatically charged stone mill showed poor flowability, whereas that ground with the ball mill showed fairly good flowability. The fine and coarse powders classified after ball-milling had different characteristics. Furthermore, it was found that the electrostatic discharge of matcha can improve flowability, depending on humidity.
著者
安田 正昭 山田 剛史 石原 昌信 当山 清善
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.125-134, 1992-12-01

酵素活性及び生酸性のバランスがとれた泡盛麹菌(Aspergillus awamori, Nakazawa IFO 4033)の生産するα-アミラーゼ及びグルコアミラーゼの酵素化学的諸性質を検討し,以下の結果を得た。(1)供試菌株の生産するα-アミラーゼの反応最適pHは4.5∿5.5,pH安定性は3.0∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は65℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(2)供試菌株の生産するグルコアミラーゼの最適pHは5付近(4.3∿5.3)で,pH安定性は3.5∿6.0の範囲で安定であった。本酵素の反応最適温度は60℃,温度安定性は60℃まで安定であった。(3)供試菌株グルコアミラーゼの米(タイ国産砕米,うるち,もち),馬鈴薯,甘藷,小麦,とうもろこしの糊化デンプンに対する反応性を調べたところ,いずれも可溶性デンプンとほぼ同様の値を示した。(4)供試菌株グルコアミラーゼのタイ国産砕米デンプンに対する加水分解率は反応時間の経過に伴い増大し,反応24時間における値は82%であった。(5)供試菌株の生デンプン(タイ国産砕米)の分解活性の反応最適pHは3.2∿3.5であった。(6)供試菌株の各種生デンプン分解活性はウルチ米,タイ国産砕米及びもち米などで高い値を示し,小麦やとうもろこしにも比較的高い値を示した。しかし,生馬鈴薯デンプンに対する分解活性は著しく低い値を示した。
著者
安田 正美 赤松 大輔
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、イッテルビウム(Yb)光格子時計における、光格子レーザー由来の不確かさ低減のために、Yb原子の青方離調魔法波長を探索することを目的として、以下の成果を得た。①Yb光格子時計のさらなる高度化を達成し、絶対周波数測定不確かさを1桁以上低減した。これによりYb光格子時計が秒の2次表現に採択された。②Yb/Sr光格子時計周波数比の直接測定に成功した。マイクロ波周波数基準による光シフト周波数測定と比べて、1桁以上測定時間を短縮できる。③光シフト誘起用青色レーザー光源の開発に成功した。赤外線半導体レーザーを光増幅し、第2次高調波発生により、波長399nmで100mWの出力を達成した。
著者
安田 正次 沖津 進
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.43-47, 2001-03-31
被引用文献数
5

群馬・新潟県境に位置する平ヶ岳湿原が乾燥化していることが近年報告されている.その原因を探るため,現地に近い十日町・水上・片品の3地点の積雪深の経年変動を比較検討した.その結果,1970年代後半から片品の積雪深が減少していることが明らかになった.冬季の季節風の向きから,平ヶ岳は片品の風上にあり,積雪状況が片品と連動していると考えられるので,平ヶ岳も片品と同様に積雪深が減少していると推測された.一方,片品の積雪深の減少と同じ時期から水上の積雪深の増加が認められた.積雪深の減少の原因は,降雪をもたらす雪雲が水上方面に偏在したために,片品方面で降雪が少なくなったためと解釈された.この降雪量の減少が原因となり,平ヶ岳の湿原の乾燥化が起こっていると考えられた.