著者
原田 勇彦 加我 君孝 水野 正浩 奥野 妙子 飯沼 寿孝 堀口 利之 船井 洋光 井上 憲文 安倍 治彦 大西 信治郎 牛嶋 達次郎 宮川 晃一 伊藤 修 佐久間 信行 北原 伸郎 土田 みね子 飯塚 啓介 小林 武夫 杉本 正弘 佐藤 恒正 岩村 忍 矢野 純 山岨 達也 広田 佳治 仙波 哲雄 横小路 雅文 鈴木 光也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.380-387, 1994-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。
著者
小林 武
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は2年を期間としたもので、第1年度たる平成13年度においては、基礎をなす作業にとりくみ、まず直接民主政にかんする研究文献に検討を加え、またスイスに赴いて、その直接民主主義制度を調査した。これをふまえて、第2年度の平成14年度においては、文献の研究を深め、また、アメリカ合衆国カリフォルニア州の直接民主政、とくに住民投票について調査した。こうした研究の進行の中で、大韓民国において憲法上定められている重要政策についての国民投票をも検討対象とし、その調査のためにソウル市に赴いた。わが国で、この間に直接民主政にかんして顕著な動向がみられたのは、住民投票、とりわけ市町村合併についてのそれである。市町村合併は、住民生活の場のありようを決定する基本的な問題であるだけに、住民投票の動きが全国各地で生じており、直接民主政研究にとっての重要テーマである。そこで、関係の自治体に赴いて実態にふれ、調査した。併せ、国立国会図書舘等で文献研究を進めた。以上の作業をとおして、平成14年には、スイスの国家緊急法制および政治過程を扱った各研究、またわが国の民主主義を立憲主義との関係で論したものとを公にした。ついで、平成15年には、憲法改正手続および首相公選構想における国民投票と、市町村合併等における住民投票にかんする論稿を発表した。『研究成果報告書』は、これらを軸にしたものであり、そして、今後できるだけ早い時期に、本研究の包括的成果を一書にして上様したいと考えている。
著者
小林 武彦
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.ii-iib, 1979
被引用文献数
1
著者
小林 武夫 石毛 美代子 一ノ瀬 篤司
出版者
THE JAPAN LARYNGOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.12-14, 2013-06-01 (Released:2013-09-27)
参考文献数
9

Spasmodic dysphonia (SD) is a focal dystonia that affects the larynx. Abductor SD (ABSD) is less common than adductor SD (ADSD). ABSD is typified by breathy breaks in connected speech.A male professional classic baritone singer, age 46, presented with gradually increasing breathy unphonated breaks in singing over the course of three years. He visited various institutions and was said to have incomplete elevation of the soft palate of unknown origin, myasthenia gravis, etc. His symptoms were remarkable in pronouncing vowels following unphonated consonants. He had been exposed to neither vocal abuse nor heavy singing performances. Our diagnosis was ABSD. An injection of Botulinum toxin (BT) into the posterior cricoarytenoid muscles was done via lateral cervical approach. His voice improved remarkably. His daily conversation became smooth; however, he could not regain his previous brilliant singing voice. He was obliged to discontinue his professional singing performances.
著者
松本 哲一 小林 武彦
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-12, 1999-03-05 (Released:2017-03-20)
参考文献数
12
被引用文献数
4

A systematic K-Ar age determination has been made on thirty-seven samples from the Older Ontake volcanic products, Ontake Volcano, central Japan, with analytical uncertainties mostly within ±5% (1σ level). The “Kuragoehara Lava”, which the previous researchers used as a key bed for stratigraphic correlation, gives significantly different eruption ages in each disthbution area, and some lavas classified into the same stratigraphic units among each area also show quite diffrent K-Ar ages. Hence, a revised volcano-stratigraphy is proposed based on the radiometric data obtained in the present study. The Older Ontake Volcano may be a compound volcano consisting of more than four stratovolcanoes with different vents. The first one, “;Tobu Volcano Group”, erupted at around 750-650 ka on the wide eastern side. The second one, “Tsuchiurazawa Volcano”, erupted at around 680-570 ka mainly in the western area. The third one, “Uetawarayama Volcano”, produced lavas at around 540-520 ka, and the products filled along valleys in the western area. The last one, “Mikasayama Volcano” erupted at around 440-420 ka in the southeastern area. The inactive period between the Older and Younger Ontake volcanic products continued for more than three hundred thousand years. The present study has revealed that the K-Ar age determination is effective for estimating a time gap between the Quatermary volcanic products whose stratigraphic relation can not be well defined in field.
著者
川崎 永大 富樫 結 小林 武司 佐藤 惇司 山本 優一 藤田 貴昭 蛯名 葉月 大河内 香奈 佐藤 達夫 大槻 剛智
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.EbPI1421-EbPI1421, 2011

【目的】<BR> 日本人の死亡因子の上位である脳卒中は、心筋梗塞の発症率と比較し高い罹患率にある。また、脳卒中後の後遺症は健常者と比較し転倒リスクを高めるため、内・外的因子を踏まえた上で介入方法を随時検討する事は周知の通りである。<BR> 脳卒中後の後遺症により歩行障害を呈した対象者の足関節背屈機能の低下は特徴的で、歩行能力低下の一因子となる。麻痺側下肢の足関節背屈機能の低下は、麻痺側立脚期の前方推進力を非効率的なものとし、健側下肢は各動作において多彩なパフォーマンスが要求され努力的な歩行を強いられる。<BR> そこで、本研究では慢性期脳卒中患者を対象とし、足関節背屈機能の代償が期待される転倒予防靴下の有効性をこの場にて検証した。<BR>【方法】<BR> 慢性脳卒中患者7名(年齢62~86歳 男性4名 女性3名 発症期間3.0±1.2年 Stroke Impairment Assessment Set平均52±9点)を対象とした。明らかな高次脳機能障害や足関節拘縮が認められず杖を用いれば監視下にて歩行可能な対象者とし装具は装着していない。<BR> 検査者は対象者の10m最大歩行を自覚的な疲労に応じ1~3回実施し、裸足、市販靴下+ルームシューズ、転倒予防靴下+ルームシューズの3条件で異なった歩行様式から歩行時間と歩数を記録した。<BR> 統計処理として対象者の歩行時間と歩数をFriedman検定および多重比較試験(Bonferroniの不等式)にて統計処理を行い有意水準は5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> すべての対象者には、慢性期脳卒中患者を対象とした研究と説明した上でヘルシンキ宣言に則り書面にて同意を得ることができている。<BR>【結果】<BR>10m最大歩行は平均値にて裸足22.8±10.4秒、市販靴下+ルームシューズ22.8±9.3秒、転倒予防靴下+ルームシューズ18.7±9.3秒となり、裸足と転倒予防靴下+ルームシューズの間に有意差が認められた(p<0.01)。平均歩数は裸足28±4歩、市販靴下+ルームシューズ28±5歩、転倒予防靴下+ルームシューズ27±5歩となり裸足と転倒予防靴下+ルームシューズの間で有意差が認められた(p<0.01)。<BR>【考察】<BR> 片麻痺患者の歩行特性の一つとして、歩行時の足関節背屈機能の低下が問題とされる。転倒予防靴下は健常成人を対象とした研究において、歩行または段差昇降における高いtoe clearanceを保ち足関節の背屈機能を代償するとされている。<BR> 本研究では3種類の条件が異なった歩行において転倒予防靴下+ルームシューズの組み合わせが最も高い歩行能力を発揮した。歩行時の足関節背屈機能の改善は、床反力の前後成分を変化させ、床反力の制動成分を減少し、立脚初期より後方に位置する身体重心を効率よく前方へ推進させ全体的に歩行時間及び歩数の減少に至ったと考える。しかし、その他の群間検定においては有意差がみられなかったが、持参していただいたルームシューズの素材や形態が異なり、靴着用時に足部より受ける床反力を定量化できなかった事が問題であり今後の検討課題としたい。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 転倒予防靴下は脳卒中患者の足関節の機能を代償し歩行能力を改善させるため、リハビリテーションのみならず屋外歩行での積極的な利用が進められると推察される。
著者
今田 千秋 阪田 圭 寺原 猛 小林 武志
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.371-378, 2014 (Released:2014-05-27)
参考文献数
32

日本近海の海底堆積物および陸土壌から分離した 605 株の放線菌についてアルギン酸リアーゼ(A.L.)活性を調べた。その結果,18 株の有望株が得られ,これらの株について 16S rDNA の塩基配列から近縁種と性状の比較を行った。このうち大槌湾の水深 100 メートルから分離した Micromonospora sp. OB40608 株が最も高くしかも安定した活性を有していたため,A.L. を培養液上清から単離精製し,諸性状を明らかにした。本酵素の分子量はポリアクリルアミドゲル電気泳動(native-PAGE)で調べた結果,114 kDa であり,至適温度は 50°C で,至適 pH は 7.0 であった。
著者
茅野 千春 丸山 隆久 小林 武司 相澤 孝夫 武井 学
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.719-724, 2001-09-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
3

向精神薬の長期服用中に,著明な低酸素血症と肺高血圧症を呈した慢性血栓塞栓性肺高血圧症を経験した.症例Iは58歳,女性.分裂病で抗精神薬の長期服用歴あり.平成8年より労作性の息切れ,呼吸困難が出現.動脈血酸素分圧47.4mmHg,肺動脈圧75/28(45)mmHg.肺血流シンチで両側肺野に多発性に集積低下,欠損像を認め,右下肢深部静脈血栓症も認めたことより,慢性血栓塞栓性肺高血圧症と診断した.下大静脈フィルターの留置,抗凝固療法,在宅酸素療法,t-PAの静脈内投与を行った.平成10年3月右心不全で死亡.診断後約1年6カ月の経過だった.剖検で肺動脈内に血栓閉塞と再疎通所見,血栓の器質化による血管腔の狭小化,著明な右室肥大(500g)を認めた.症例IIは63歳,女性.トリアゾラムの長期服用歴あり.平成10年に顔面の浮腫で発症.動脈血酸素分圧38.1mmHg,肺動脈圧97/40(62)mmHg.肺血流シンチで両側肺野に集積低下,欠損像を認め,肺動脈造影で主幹部の拡張と末梢での途絶,消失像を認めた.下肢静脈瘤あり.平成12年1月呼吸不全で死亡.発症約2年の経過だった.ともに小太りの初老の女性で,下肢の静脈異常を有し,向精神薬の長期の服用歴があった.発症に向精神薬の関連が示唆された.