著者
山口 真美
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.47-52, 2016-09-30 (Released:2016-10-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1

In this paper we discuss two topics of infants' studies. First is typical and atypical development of face processing. There are many studies on the atypical social development, especially infants' development with high risks is current topic in developmental disorders. In these studies under 12 month olds who have an older sibling diagnosed with the disorder were selected for high-risk infants. Many studies have documented that impairments of the face processing was found in individuals with autism spectrum disorders (ASD). And recently, abnormal development of a subcortical system originates in the magnocellular pathway of the primate visual system was primary trigger to impairments of higher visual processing. McCleery, Allman, Carver, & Dobkins (2007) reported that contrast sensitivity of the high-risk infants exhibited greater than that of normal infants. Second topic is development of face processing. In these studies we found similarity in the developmental pattern between languages and face processing. Further, we discuss importance for infant's learning faces in poor resolution. Infant's face learning model showed that poor image faces (low-pass faces) made facial learning easily, additionally this low-pass face learning could generalize to process the normal faces. In a sense, infant's poor acuity decreases the information in the face processing during infancy and this promote face learning.
著者
山口 真美
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.47-52, 2016

<p>In this paper we discuss two topics of infants' studies. First is typical and atypical development of face processing. There are many studies on the atypical social development, especially infants' development with high risks is current topic in developmental disorders. In these studies under 12 month olds who have an older sibling diagnosed with the disorder were selected for high-risk infants. Many studies have documented that impairments of the face processing was found in individuals with autism spectrum disorders (ASD). And recently, abnormal development of a subcortical system originates in the magnocellular pathway of the primate visual system was primary trigger to impairments of higher visual processing. McCleery, Allman, Carver, & Dobkins (2007) reported that contrast sensitivity of the high-risk infants exhibited greater than that of normal infants. Second topic is development of face processing. In these studies we found similarity in the developmental pattern between languages and face processing. Further, we discuss importance for infant's learning faces in poor resolution. Infant's face learning model showed that poor image faces (low-pass faces) made facial learning easily, additionally this low-pass face learning could generalize to process the normal faces. In a sense, infant's poor acuity decreases the information in the face processing during infancy and this promote face learning.</p>
著者
山田 竜彦 菱川 裕香子 久保 智史 山口 真美
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.1198-1200, 2012

バイオ由来の液体燃料として,バイオエタノールは,デンプン等の糖類由来は既に商用化され,加えてセルロースからも糖化・発酵法等で製造可能であり開発が進んでいる。一方,ディーゼル油,灯油,ジェット燃料に相当する液体燃料は,パームオイル等の植物油や微細藻類の産するオイルの研究開発が進んでいるものの,地上に最も多量に存在する有機化合物であるセルロースから直接に製造した例はほとんどみられない。<BR>我々は,セルロースから誘導可能なディーゼル油相当液体燃料としてのポテンシャルを持つ有用化合物として「バイオレブリネート」なる物質を見いだし,検討を進めている。バイオレブリネートとは,糖の酸加水分解物により得られる有機酸である「レブリン酸」とアルコール類がエステル結合したレブリン酸エステル骨格を持った化合物である。レブリネート類の燃料としての物理パラメータ(沸点や引火点)は,石油化学でいうケロシンに相当し,ディーゼル油,灯油,ジェット燃料源として期待されている。加えて,MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)やETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)に替わるクリーンなガソリン添加剤(ブースター)としても期待される。<BR>本報告では,紙パルプ産業分野への技術の応用を見据え,種々の製紙スラッジを用いた,簡易な酸加溶媒分解法でのバイオレブリネートの調製について紹介する。反応としては,硫酸を含むn―ブタノールで抄紙スラッジを還流するだけあるが,ブチルレブリネートの生成率は抄紙スラッジのヘキソース基準で50―70%と高収率であった。
著者
山口 真美
出版者
中央大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、乳児期の顔認知発達に関する多くの研究成果を産出した。乳児の注視行動を計測する行動実験では、表情や顔向きのような顔の動きが顔認知を促進することを明らかにし、自然場面で見られるような顔の社会的情報の重要性を示した。さらに顔観察時の脳活動計測から、顔の同定や母顔などの既知顔認識が生後7-8ヶ月頃に発達することを示し、顔認知の社会的側面の発達過程の解明に大きく貢献した。
著者
金沢 創 山口 真美 北岡 明佳
出版者
淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、乳児の知覚を検討するプロジェクトの一環として、「錯視図形」をキーワードに、乳児の視知覚の発達を実験的に明らかにしたものである。平成18年度においては、(1)拡大運動と縮小運動の感度の非対称性、(2)正方形と円を重ねたとき、背後の円の輪郭を補完するアモーダル補完、(3)2つの重なった領域の明るさの順序により、2つの透明な領域が重なっていると解釈される透明視、のそれぞれについて、その知覚が発生する時期を実験的に検討した。それぞれの成果はInfant Behaviour and Development誌、Perception誌、などの国際的な学術雑誌に発表された。また、平成19年度は、(1)右方向と左方向に運動しているランダム・ドットを重ねると、2つの透明な面が見える運動透明視、(2)共同研究者である北岡が作成した、緑と赤の小さな領域が囲まれた色影響により彩度が低下する色誘導刺激、についてそれぞれ知覚発達を検討し、これらの成果をPerception誌やInfant and Child Development誌に発表した。さらに最終年度の3月までに、(1)静止しているランダムドットの一部の領域の色を、時間的に次々に変化させていくと、運動する輪郭が知覚されるいわゆるcolor from motion刺激や、(2)局所においてはバラバラに動いて見えるバーが、それを隠す領域を配置すると四角形が補完されるパターン、(3)輪郭と白黒の配置から、絵画的な奥行き手がかりが知覚されるパターンなどの知覚発達も検討し、(1)についてはInfant Behaviour and Development誌に発表され、後者2つについては、Journal of Experimental Psychology、およびVision Research誌にそれぞれ掲載されることが2008年4月現在、決定している。
著者
長田 佳久 西川 泰夫 鈴木 光太郎 高砂 美樹 佐藤 達哉 鷲見 成正 石井 澄 行場 次朗 金沢 創 三浦 佳世 山口 真美 苧阪 直行 藤 健一 佐藤 達哉 箱田 裕司 鈴木 光太郎 櫻井 研三 西川 泰夫 鈴木 清重 増田 知尋 佐藤 隆夫 吉村 浩一 鈴木 公洋 椎名 健 本間 元康 高砂 美樹 仁平 義明 和田 有史 大山 正 鷲見 成正 増田 直衛 松田 隆夫 辻 敬一郎 古崎 敬
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 国内で行われてきた実験心理学研究に関連した機器や資料の現状の把握, 保管方法の検討及び活用方法に関して検討した。本研究活動の成果として,1) 国内の研究機関で保管されている機器の状態の把握,2) 廃棄予定の機器の移設,3) 機器・資料のデジタルアーカイブ化,4) 機器・資料の閲覧方法の検討の4つが挙げられる。これらの成果を通じて, 日本の実験心理学の歴史的資料を残し, 伝えるための手法に関する基盤を築いた。
著者
山口 真美 加藤 隆 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.279-287, 1996-02-25
被引用文献数
54

本研究は, 顔の2次元的なパーツの配置情報が年令と性という次元に関してどの程度明確な指標となり, ヒ卜の感性的な評価を支持するものなのかを探索的に調べた分析を報告する. 分析の結果から, (1) 本研究で使用した顔の物理的情報から, 年令の分類がうまくなされること, (2) 性による顔の分類が顔の "部分的な特徴" によってなされるのに対し, 年令による顔の分類は顔の "全体的な特徴" によってなされる傾向が見られること, (3) 特に男性の顔に関しては男らしさといった感性的評価が年令の次元でなされること, 等が示唆された. これらの結果をもとに, 生物的な刺激に対する感性情報を "年令" と "性" の次元からとらえることについて議論を進めた.