著者
阿部 智和 山口 裕之 大原 亨
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.171, pp.1-26, 2019-03

セイコーマートは、2000年代前半に、事業の拠点としてきた北海道にターゲット市場を絞り、価値提案を当該市場に適したもの (プライベート・ブランドの展開、店内調理の導入など) へと変化させていく。さらに、この動きに併せて、取扱品目の生産・物流部門の内部化 (垂直統合) を進めていく。本稿の目的は、この動向を追跡することにある。具体的には、当時の競争環境について概観したうえで、同社の物流活動、販売活動、生産・調達活動を記述する。最後にこれらの活動間のシナジー効果を示す。
著者
山口 裕之
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.89-100, 2001-11-10 (Released:2009-05-29)

These days, "biological determinism" is getting popular, corresponding to the pubulic interest in biology. Such determinism is a false opinion, which is ethically destructive. But, not only popular determinists, but "real" biologists also try to explain human characters by genes, which are segmented by the researchers' arbitrariness or social bias. On this point, there's no difference between popular determinists and real biologists. Human mind should not be understood as determined by genes, but as an "emergence" from life system which consists in the interaction between genes and proteins. From this point of view, we can make scientific researches on the human freedom.
著者
阿部 智和 山口 裕之 大原 亨
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.170, pp.1-37, 2019-03

セコマのビジネスモデルは、2000年代後半以降、高い差別性を有するものへと変化を遂げていく。コンビニエンス・ストアを運営するリテール事業だけでなく、物流・サービス、および原料・製造事業から構成される3事業体制が確立されていく。本稿の目的は、この動向を追跡することにある。具体的には、この期間のセコマの概要とおよび当時の競争状況について確認したうえで、物流・サービス事業、生産・調達事業、販売事業のそれぞれの動向を整理していく。
著者
山口 裕之 阿部 智和
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
pp.20220801-2, (Released:2022-08-01)
参考文献数
58

ビジネスモデルの逸脱的変化を巡る先行研究では,ビジネスモデルの慣性が前提に置かれることで,一時的な変化プロセスが注目され,継続的な変化プロセスは看過されてきた.この間隙を埋めるべく,支配的なビジネスモデルからの逸脱を継続的に果たした事例を対象とした経時的事例分析を行う.この分析からは,慣性をもたらすと考えられてきた要因によって逸脱的な局所変化が誘発・波及・増幅されていくダイナミクスが明らかとなる.
著者
山口 裕之
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.76-86, 2007-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
23

既存の技術革新研究では,技術転換期に既存企業が競争地位を落とす理由として,新規技術への移行に遅れることが指摘されており,新規技術への迅速な移行をいかに果たすかという問題が重要視されてきた.これに対し,本稿では,新規技術への迅速な移行は既存企業に必ずしも望ましい結果をもたらすわけではなく,むしろ競争地位の低下・喪失につながる場合があることを指摘する.
著者
阿部 智和 山口 裕之 大原 亨
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.179, pp.1-23, 2020-03

セイコーマートは大手コンビニエンス・チェーンの攻勢にさらされながらも、北海道において最多の店舗数を保持し続けている。コンビニエンス・ストアの合併などが進んだ現在では、地方企業がトップ・シェアを有する都道府県は北海道のみである。コンビニエンス・ストア業界内で激しい競争が展開されていくなか、セイコーマートはいかにして北海道市場における競争優位を確立し、維持できたのだろうか。本稿では、創業から2000年頃までの同社の出店戦略、物流システム、情報システム、商品力強化および販売活動に関する動向を整理することで、同社の競争優位の背景を探っていく。
著者
大川原 舞 山口 裕之 上田 幹也 前田 高宏
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.195-199, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
8

症例1 は39 歳男性,作業中に突然の後頸部痛で発症した右椎骨動脈解離.約1 カ月間で疼痛・解離ともに軽快したが,6 カ月後に再度後頭部痛があり右椎骨動脈解離部が紡錘状に拡張しており,急激に増大していくため破裂予防のために親動脈閉塞術を行った.症例2 は48 歳男性.突然発症の左耳の奥の痛みあり,左椎骨動脈に紡錘状拡張が認められ解離性動脈瘤と診断し降圧治療を行った.1 度は疼痛が改善したが,左耳の奥の痛みが8 カ月にわたり断続的に繰り返され,徐々に動脈瘤の増大が認められたためステント併用動脈瘤塞栓術を行った.椎骨動脈解離に伴う疼痛が慢性期にも持続する場合は解離性動脈瘤の増大を示唆している可能性があり,厳重な経過観察を要すると思われた.
著者
西川 久 山口 裕之 西橋 毅 田中 亜実 道関 隆国
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.137, no.11, pp.1435-1442, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
14

This paper presents a method of wireless-power transmission to devices which move from close distance to far area from transmitting antenna. UHF range, specifically 430 MHz, was selected in this study so that both of the near-field and the electro-magnetic energy would exist in the applicable distance and the rectenna would be small enough. The resulting hardware is compact and light enough to be installed on a moving target with only minor sacrifices in size and weight. As a demonstration of this concept, a rectenna and two driving motors were embedded in each of the four rotors of a quadcopter. The rotor assembly (rotor, antenna, rectifier, two motors) is powered by UHF waves and rotates around a mechanically fixed shaft. Successful test flights of the quadcopter demonstrate the feasibility of wireless power transmission to mobile targets.
著者
山口 裕之 脊戸 英臣 岸本 崇
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.851-851, 2003

【はじめに】高齢者は加齢により筋力やバランス機能などの低下が起こるため、転倒の発生率が高くなる。転倒により、身体的、心理的、環境的に変化が起こり生活での活動が減少してしまうことも少なくない。このことに対して、自治体・病院等では介護予防の観点から転倒予防教室などの取り組みが行われている。しかし、要介護や要支援状態にある通所リハビリテーション(以下デイケア)利用者に対して転倒予防教室を行っているという報告は少ない。今回、デイケアでの体操を主とした集団的な転倒予防教室(以下「ころばん塾」)の取り組みとその効果について報告する。【「ころばん塾」の対象と内容】当介護老人保健施設デイケア利用者のうち、歩行で屋内移動をしている方で、希望された81名に対し、自主的な運動習慣をつけるための転倒予防体操・転倒に対する講義等を行った。参加者の利用日に一回30分程度、2ヶ月のうち各曜日4回ずつ行った。内容は一週目:自宅でできる自主体操の練習、二週目:自主体操の復習と日常生活での留意点の講義、三週目・四週目:バランスを取り入れた踊り、とした。【研究の目的】利用者の転倒状況、転倒予防に対する意識を調査、バランス機能の検査などから、デイケアでの転倒予防教室の位置付けや効果を検討する【研究対象と方法】日常生活の状況を調べるためのアンケートと機能の変化をみるためのバランス検査を行った。実施前後にアンケートは実施前と終了2ヵ月後にデイケア利用者全員に対して過去2ヶ月間の転倒の既往と転倒状況・日常での運動習慣の有無などについて質問した。なお、ころばん塾参加者には実施直後にもアンケートを行った。ころばん塾参加者のうち30名に対しては、バランス検査としてBerg Balance Scale(以下、BBS)と歩行能力検査として10m歩行時間測定をころばん塾前後と終了3ヶ月後に行った。【結果】BBS平均総得点は実施前45.7点、実施直後48.3点であり、実施後に有意に改善し、3ヶ月後もほぼ維持されていた。10m歩行時間は平均で実施前13.5秒、実施直後12.7秒と短縮傾向を示し、10m歩行の平均歩数も実施前25.2歩、実施後23.9歩と減少傾向を示した。転倒回数は実施後アンケートで減少していた。【考察:デイケアでの転倒予防教室のあり方】集団的な転倒予防教室は、実施直後においては運動習慣をつけるきっかけになっており、今回、BBSの改善がみられたことにより、効果が見られたといえる。一方、自主体操を継続するためには期間をおいて複数回教室を実施するなどの工夫が必要と思われた。また、個々人の転倒危険因子への対策については個別的な評価と取り組みが必要であり、今後は個別リハビリとの組み合わせ方や小グループでの対応、在宅生活の評価について工夫していきたい。
著者
山口 裕之 梶原 昭博 林 尚吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.567-579, 2000-04-25
被引用文献数
3

小型航空機やヘリコプタが比較的低高度で航行するとき, 山林や建物等の前方障害物を検地しクリアな航路を確保することは, 衝突事故防止において極めて重要である.このような障害物のうち, 特に高圧送電線は背景とのコントラストが得にくいため視認性が悪く, これまで多くの接触事故が報告されている.本論文では, 航行における前方障害物検知に対してミリ波帯レーダセンサを想定し, 物理光学法(PO)を用いて高圧送電線のミリ波帯レーダ反射断面積(RCS)を検討している.まずPOの有効性を確認するために, 電波暗室内で取得した94GHzにおけるRCSと比較・検討する.次に, 送電線はアルミニウム線をより合わせたより線形状(周期的な表面特徴)をしていることに着目して, より線形状がRCSに与える影響について明らかにする.実際, 送電線はレーダ照射範囲よりも長い.そこで本計算では, アンテナの指向性をガウシアン分布と近似することによって上記の状況を模擬し, RCSを算出している.