著者
野村 大成 山本 修
出版者
大阪大学
雑誌
核融合特別研究
巻号頁・発行日
1987

トリチウムの遺伝的影響の個体レベルの研究, 特に, 哺乳動物を用いた突然変異の定量的研究は, 従来の方法では不可能に近い. しかし, in vivo体細胞突然変異検出法PTーHTF_1法を用いることにより, 少数のマウスで突然変異の検出が可能であることがわかった. 本研究では, トリチウム水によるマウス個体での遺伝子突然変異誘発の量効果を求め, ヒトへの遺伝リスクの推定を試みた.1.突然変異の検出: 大阪大学医学部無菌動物室にてPTマウスとHTマウスを交配し, 新幹線にて広島大学原医研へ移送し, トリチウム水処置(妊娠10.5日目)とF1マウスの飼育を行った. 生後4週齢で屠殺し,F1マウス(a/a,b/+,c^<ch>/+,p/+,d/+,ln/+,pa/+,pe/+)で毛色変異を指標にし, 体細胞突然変異を検出した.2.トリチウム水による遺伝子突然変異の量効果: トリチウム水4.4MBq/g2.2MBq/g,0,7MBq/gを腹腟内注射した場合の毛色変異頻度は, 22/85(0.26), 12/92(0.13), 7/90(0.08)であり, トリチウム水の投与量に比例し, その頻度は直線的に上昇していることがわかった.3.トリチウム水投与によるマウス胎児のトリチウム吸収量の時間的変化:トリチウム水2.2MBq/gを同一マウスの腹腟内に妊娠10.5日目に注射し, 経時的に胎児臓器中のトリチウム比活性を測定した. 胎児臓器内トリチウム比活性は, 時間とともに指数亟数的に減少し, 突然変異を検出可能な4日間(10.5ー14.5日)の吸収線量は約30radであることがわかった.4.RBE値の推定: 現在までに得られている成果よりRBE値を求めた. 対照放射線として, X線110rad緩照射(0.5rad/min)での結果を用いた. あくまでも30radまで直線関係が成立すると仮定した場合の値であるが,RBE値は, 2.5となった.
著者
古宮 誠一 加藤潤三 永田 守男 大西 淳 佐伯 元司 山本 修一郎 蓬莱尚幸
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.100(1998-SE-121), pp.99-106, 1998-11-05

ソフトウェアに対する顧容の要求を抽出する技術をインタビュー技術であると捉え、インタビューによる要求抽出作業を誘導するシステムをWWW上に開発中である。この論文では、インタビューによる要求抽出作業を誘導するシステムの実現方式を明らかにしている。
著者
猿渡 卓也 山本 修一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.282, pp.73-78, 2011-11-03
参考文献数
13

組み込み系システムの開発では,USDMによる要求仕様書が数多く作成されている.しかし,USDMによる記述では,要求の抽出が不十分になることが考えられる.本稿では,USDMで書かれた要求仕様書をSysMLに変換して分析する手順を提案する.提案した手順を適用し,USDMで書かれた要求仕様書をSysMLに変換することにより,USDMでは抽出できなかった要求が抽出できることを確かめた.
著者
山本 修平
出版者
南紀生物同好会
雑誌
南紀生物 (ISSN:03897842)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.149-152, 2000-12
被引用文献数
1
著者
小澤 理恵 大岩 幸太 牧野 俊夫 島村 祐輝 山本 修悟 小川 博 安藤 元一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;神奈川県厚木市では総延長約 25kmのシカ・サル兼用の広域柵が,2008-2012年に段階的に設置された.このような広域柵は耕作地の周囲に設置される簡易柵と異なり,違い容易に張り替えることはできないし,頻繁な維持管理作業も困難である.本研究ではこうした広域柵の維持管理状況を踏査と聞き込みによって調べた.踏査は 2009~ 2012年にかけて 2週間に 1回の割合で実施し,倒木による破損数,動物による破損数,柵上部にある電気柵への通電の有無,破損箇所の修理状況,サルが枝伝いに柵を越えることのできる樹木(柵から 2m以内の樹木)の数を記録した.柵の管理については市役所と自治会にも聞き取りを行った.<br>1)広域柵の設置には地権者の了解が必要なので,柵 25kmの設置を完了するのに 5年を要した.設置費用は 12,000円/m,年間維持管理費用は年間 100円 /mであった.市が管理を地域自治会に委託する折には,月 1回の見回りと年 2回の草刈りが委託条件であった.しかし実際の管理方法は自治会ごとに異なり,倒木や柵のめくれ等が何年も放置されている場所も見られた.<br>2)倒木による破損は 0.6ヶ所 /kmの割合で見られた.地権者の伐採許可を得ることができないために,サルが柵を越えることのできる樹木は 78本 /kmの割合で存在し,サルが広域柵を超えられる場所は数多く存在した.柵基礎部分の土砂が流出することによって将来的に倒壊の危険性のあるカ所は 3.7カ所 /kmの割合で見られた.台風のために大規模な修理を要する柵破損カ所は 1.5カ所 /kmの割合で見られた.すなわち,柵メーカーの示す耐用年数は 16年であったが,実際にはその半分の年数も満たないうちに多くの破損が確認されたことになる.<br>3)漏電や倒壊のために柵上部の電線に電気が流れていない期間は,ある区間の例では 177日中 44日に及んだ.距離で見ると,多くの調査日において 25kmのうち 2-3kmは通電されていなかった.
著者
山本 修一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.468, pp.49-54, 2011-03-03
被引用文献数
1

複数のシステム間における情報連携を容易化することは,個別システムの機能を越えた非機能要求である.本稿では,非機能要求シナリオに基づくアーキテクチャ分析手法を情報連携性に適用することにより,情報連携アーキテクチャを分析できることを明らかにする.
著者
井部 己文 山本 修一郎 佐藤友合子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.107, pp.1-6, 2007-11-02
被引用文献数
9

i* フレームワークは,アクタ間の依存関係を表現する有効な手法として期待されている [1][2]。しかし,その有効性や限界については,まだ十分解明されていない。実際のビジネス構造を i* フレームワークを用いてモデル化し,適用評価を行ったところ,(1) 各アクタ間の関係としてのソフトゴールの網羅性を確認することができないこと (2) アクタがおかれている利用シーンが表現できないといった課題があることがわかった [3]。本稿では,これらの課題を解決するため,アクタ関係行列を用いたゴール指向要求分析方法を提案する。i* framework is expected as an effective technique for analyzing the dependence between actor [1][2]. However, neither the effectiveness nor the limits have been clarified enough. When an actual business structure is modeled by using i* framework, and the application evaluation was done, we found (1) Covering a soft goal as the relations between each Actor should be not able to be confirmed. (2)The following problems, the use scenes of Actors are not expressible [3]. To solve these problems in this text, we propose the method of the goal oriented requirements analysis using the Actor relationship matrix.
著者
山本 修一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.371-379, 2008-04-15

最近の要求工学に関する国際会議(RE06,RE07,REFSQ06,REFSQ07)論文の約35%が非機能要求とゴール指向に関する論文であることから分かるように,非機能要求とゴール指向は現代の要求工学の中で最も活発な研究分野となった.本稿では,非機能要求(NFR,Non Functional Requirements)と主要なゴール指向要求定義手法について解説するとともに,ゴール指向とNFRや従来手法との関係についても紹介する.
著者
山本 修身 佐藤根 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.419-426, 2011

The fifteen puzzle is a sliding puzzle which has fifteen pieces on which numbers from 1 to 15 are printed. Using the IDA* algorithm with an admissible evaluation function, we can obtain an optimal solution of the puzzle. The performance of the algorithm depends on the evaluation function. The most simple evaluation function is the Manhattan evaluation function, whose value is the sum of the Manhattan distances from the positions of the corresponding pieces in the goal configuration. In this paper, we propose an evaluation function whose values are greater than or equal to that of the Manhattan evaluation function. Our evaluation function refers an approximated database of the gap-2<i>n</i> set. The database is computed beforehand like pattern databases, but it is completely different from pattern databases. The belongingness of a configuration of pieces to the set has to be checked by the database. Using an evaluation function based on the gap-8 set, we were able to reduce the number of search nodes to about 2.5×10<sup>-4</sup> times in average with the IDA* algorithm compared with the Manhattan evaluation function. We also show that combining an evaluation function by gap-8 set and an evaluation function by additive pattern databases of disjoint seven and eight pieces, we were able to reduce the number of search nodes by about 53 compared with the evaluation function only by the additive pattern databases.
著者
小林 義行 山本 修司 徳永 健伸 田中 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.47, pp.1-8, 1994-05-27
被引用文献数
3

複合名詞の解析は、実用的な自然言語解析システムの実現において、解決しなければならない困難な問題の1つである。本論文では、語の共起の統計的な情報とシソーラスを用いて日本語複合名詞の構造を解析する方法について述べる。語の共起関係は16万語の4文字熟語から獲得した。新聞、用語集から抽出した平均4.9の漢字からなる複合名詞を解析し、最終的に約80%の精度で解析することができた。Analyzing compound nouns is one of the crucial issues for natural language processing systems, in particular for the systems that aim wide coverage of domains. In this paper, we propose a method to analyze structures of Japanese compound nouns by using both statistics of word collocations and thesauruses. An experiment is conducted in which 160,000 word collocations are used to analyze compound nouns of which average length is 4.9. Finally, the accuracy of the method is about 80%.
著者
金 〓季 山本 修一郎 石原 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.732, pp.19-24, 2003-03-11

1T2C型強誘電体メモリアレイにおけるデータ書き込みディスターブ効果について等価キャパシタモデルを用いて解析した。また、その結果からディスターブの低減に効果のある改良されたV/3ルール書き込み法を提案し、SPICEシミュレーションと実験とによりその効果を検証した。その結果、提案した書き込み法によるディスターブ低減効果が認められた。
著者
廣田 豊彦 山本 修一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.504, pp.19-24, 2002-12-06

2002年9月11日から13日まで,スロベニアのマリボルで開催されたFifth Joint Conference on Knowledge-Based Software Engineering (JCKBSE2002) の概要について報告する.