著者
岩下 篤司 市橋 則明 池添 冬芽 大畑 光司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0129, 2004 (Released:2004-04-23)

【目的】 我々はこれまで、ペダリング動作における負荷量や回転数の変化が膝・足関節筋の筋活動量に及ぼす影響を検討してきた。しかし、体幹および股関節周囲筋の筋活動については未解明であった。本研究の目的は、負荷量と回転数を変化させてペダリング動作を行ったときの体幹および股関節周囲筋の筋活動を検討することである。【対象と方法】 対象は健常成人9名(年齢25.0±2.7歳、身長164.8±6.7cm、体重56.0±7.9kg)とした。筋電図の測定筋は右側の脊柱起立筋、腹直筋、外腹斜筋、大殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、半膜様筋の8筋とした。表面筋電図を双極導出するため銀塩化銀電極(直径8mm)2個を電極中心間距離20mmで筋線維の走行に沿って貼付した。筋電図の測定にはフルサワ・ラボ社製筋電計を使用し、整流平滑化筋電図(Rectified Filtered electromyography:以下RFEMG)を求め、AD変換しパソコンに入力した。自転車エルゴメーターはコンビ社製のPOWER MAX Vを使用し、サドルの高さは、下死点にて膝屈曲30度に設定した。また、体幹の前方傾斜角度を60度とした。負荷量1.0kp、2.0kp、3.0kpと、回転数60rpm、120rpmの組み合わせにて、6設定とした。ペダリング動作を行ったときのRFEMGを測定し、5周期分の筋活動量をデータとして用いた。筋電図データは、各筋の最大等尺性収縮時の筋活動を100%として正規化した。統計処理には反復測定二元配置分散分析及び、Tukeyの多重比較を用いて、負荷量と回転数を変化させたときの影響を分析した。【結果及び考察】 負荷量と回転数の変化により、脊柱起立筋の%RFEMGは9.4~22.3%、腹直筋は21.4~80.7%、外腹斜筋は28.9~74.4%、大殿筋は12.1~46.2%、中殿筋は7.2~30.9%、大腿筋膜張筋は9.1~37.4%、大腿直筋は15.4~39.9%、半膜様筋は13.2~40.7%の筋活動量を示した。回転数を増加させることにより、全ての筋で有意に筋活動量は増加した。負荷量を増加することにより、外腹斜筋を除く全ての筋で有意に筋活動量は増加した。多重比較の結果、脊柱起立筋と腹直筋は1.0kpから2.0kpへ増加しても有意な影響を認めなかった。大殿筋は2.0kpから3.0kpへ増加しても有意な影響を認めなかった。中殿筋と大腿筋膜張筋、大腿直筋と半膜様筋は全ての負荷量増加で有意に筋活動量は増加した。今回の結果、負荷量2.0kpと回転数120rpmにおいて腹直筋と外腹斜筋は77.4~80.7%と高い筋活動量を示し、高負荷でのペダリング動作では体幹屈筋の高い筋活動が必要であることが示唆された。また外腹斜筋の筋活動量を高めるには負荷量よりも回転数を増加させるほうが有効であると考えられた。
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
岩下 篤司 小西 有人 吉田 正樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.183-187, 2013 (Released:2013-06-25)
参考文献数
28
被引用文献数
2

〔目的〕ペダリングとトレッドミル歩行,スクワット時の下肢筋活動量を比較検討することとした.〔対象〕健常成人9名とした.〔方法〕筋電図を用い,仕事率60 Wと120 Wでのペダリング,4 km/hと6 km/hでのトレッドミル歩行,60回/分でのスクワットの動作における筋活動量を計測した.〔結果〕歩行時と比較した筋活動量を見ると,大腿四頭筋ではスクワットとペダリング(120 W)で,腓腹筋は歩行(6 km/h)で,ハムストリングスは歩行(6 km/h)とペダリング(120 W)で,前脛骨筋は歩行(6 km/h)やスクワット動作でそれぞれ高値を示した.〔結語〕大腿筋群の強化にはペダリングとスクワットがよく,またペダリングとスクワットでは腓腹筋が,ペダリングでは前脛骨筋が歩行よりも筋活動が少なく訓練効果が少ない.