著者
白川 真裕 島田 貴仁 樋口 匡貴
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.516-525, 2023 (Released:2023-02-25)
参考文献数
32

Based on the protection motivation theory and previous studies that discussed the effects of risk perception, perceived response effectiveness, and self-efficacy on behavioral intentions and changes in behavior, this study conducted an experiment to examine the effects of the Metropolitan Police Department's crime deterrence task force’s official Twitter account on crime prevention behavior. Information on the threat of communications fraud, the effectiveness of preventive behavior, and self-efficacy was presented via Twitter, and changes in behavioral intention, behavior, fear, effectiveness, and self-efficacy were checked over time. Participants in their 20s to 50s were assigned to a Metropolitan Police Department group presented with tweets about scams or to a control group presented with other tweets. The results of the analysis of the 60 participants in the police department group and the 49 participants in the control group showed that the presentation of information increased behavioral intention, but it did not necessarily lead to changes in behavior. Therefore, it was suggested that there may be other factors that increase behavioral intention and changes in behavior.
著者
横田 賀英子 渡邉 和美 和智 妙子 大塚 祐輔 平間 一樹 島田 貴仁
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.1-11, 2023 (Released:2023-04-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1

The aim of the current study was to examine the psychological responses of victims during sexual assault, focusing on tonic immobility (TI). TI is characterized by immobility in situations involving the threat of death or a threat to one’s physical integrity. In the current study, 143 sexual assault victims consented to participate in the survey and completed the questionnaires. An exploratory categorical factor analysis revealed that the psychological responses of victims during sexual assaults comprised two factors: TI and fear. Results of structural equation modeling indicated that victims’ fear during the sexual assault increased their TI responses. Furthermore, the high variation of violence, which was influenced by prior relationships between victims and offenders, increased fear and TI responses.
著者
白川 真裕 島田 貴仁 樋口 匡貴
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.21044, (Released:2022-11-10)
参考文献数
32

Based on the protection motivation theory and previous studies that discussed the effects of risk perception, perceived response effectiveness, and self-efficacy on behavioral intentions and changes in behavior, this study conducted an experiment to examine the effects of the Metropolitan Police Department's crime deterrence task force’s official Twitter account on crime prevention behavior. Information on the threat of communications fraud, the effectiveness of preventive behavior, and self-efficacy was presented via Twitter, and changes in behavioral intention, behavior, fear, effectiveness, and self-efficacy were checked over time. Participants in their 20s to 50s were assigned to a Metropolitan Police Department group presented with tweets about scams or to a control group presented with other tweets. The results of the analysis of the 60 participants in the police department group and the 49 participants in the control group showed that the presentation of information increased behavioral intention, but it did not necessarily lead to changes in behavior. Therefore, it was suggested that there may be other factors that increase behavioral intention and changes in behavior.
著者
水島 宏一 島田 貴也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.194_2, 2018

<p> 本研究の目的は、平行棒の懸垂前振り上がり開脚抜き伸身かつ水平位で懸垂(以下「バブサー」と略す)の運動経過を分析し、その類似技である倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立(以下「チッペルト」と略す)の技術と、異種目である鉄棒の懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂(以下「トカチェフ」と略す)の技術の類似点をバイオメカニクス的視点から探り、高難度の技を効果的に習得するための基礎資料を得ることである。</p><p> 被験者は、バブサー、チッペルト、トカチェフの3つの技を実施できる3名と、バブサー、チッペルトは実施できるが、トカチェフを実施できない1名である。各技をビデオカメラで撮影して角度、軌跡、速度を算出した。各技の離手局面までの運動経過を比較したところ、バブサー、チッペルト両者の肩関節及び股関節角度の変化と肩、腰、膝の軌跡は、鉄棒のトカチェフともかなり類似していた。また、肩、腰、膝、足首の速度もトカチェフと類似した変化が見られた。これらのことから、同種目の同系統の技だけでなく、異種目間であっても同系統で類似する技術を有する技であれば、効果的に技を習得するための指標になることが示唆された。</p>
著者
山根 万由子 雨宮 護 白川 真裕 大山 智也 島田 貴仁
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.385-392, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
22

都道府県警察が公開する犯罪発生マップでは,カーネル密度地図(KD図)の活用が推奨されている.KD図においては,その配色パターンと階級区分の組み合わせで地図の印象は異なるが,適切な組み合わせは明らかになっていない.本研究では,犯罪発生マップの地図表現の実態調査と,2つの実験により,KD図の配色・分類手法(階級区分)が犯罪多発地域の位置推定と犯罪発生頻度の見積もりに与える影響を明らかにした.実験の結果,等量分類が犯罪多発地域の位置推定を不正確にし,また犯罪発生頻度を多く見積もらせることなどが明らかになった.結果に基づき,犯罪発生マップをKD図で表現する際に留意すべき事項などについて議論した.
著者
雨宮 護 齊藤 知範 島田 貴仁 原田 豊
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.7, 2008

わが国における「子どもの防犯」は,その必要性が主張される一方で,取り組みの基盤となる実証的な知見に乏しい状況にある.そこで本研究では,兵庫県神戸市の5つの小学校を事例に,小学生の日常行動と犯罪被害の実態を把握し,さらに既存の子どもの防犯を目的とした施策の評価を試みた.2396名の児童と1875名の保護者を対象とした調査の結果,以下の3点が明らかとなった.a)児童の放課後の単独歩行行動は,児童の歩行行動全体の約四分の一を占め,時間的には下校後の外出先への行き帰りに,空間的には通学路など少数の領域に集中する傾向がある.b)児童の単独歩行の集中する時間・空間に,犯罪被害も集中する傾向がある.c)既存の防犯対策は,児童の単独歩行が集中する領域を有効にカバーできていない可能性がある.以上の結果は,既存の子どもの防犯を目的としたまちづくりに,子どもの行動特性を反映させることの必要性を示唆するものと考えられた.今後は,例えば,子どもの単独歩行の集中する領域で,具体的な場所の改善を図るなど,場所だけに特化しない取り組みが必要と考えられた.
著者
島田 貴仁
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.459-470, 2016-05-20 (Released:2020-11-05)
著者
大坪 寛子 小林 正之 酒井 紀 海渡 健 吉田 真弓 島田 貴 増岡 秀一 西脇 嘉一 佐伯 明子 坂本 光男 関田 徹
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1425-1427, 1996

Severe anemia A 37 year-old male with therapy resistant multicentric Castleman's disease (MCD) anemia was treated by subcutaneous injection of erythropoietin. Although immunoglobulin and CRP concentration increased, anemia obviously improved with hemoglobin levels increasing from 4.8 g/d<i>l</i> to 8.5 g/d<i>l</i> without any side effects. Colony assay revealed that the bone marrow mononuclear cells responded to erythropoietin in a dose dependent manner. The mechanism of anemia of MCD is not clearly understood, and treatment is sometimes very difficult. There is no other previous report concerning erythropoietin as a treatment for anemia in MCD.
著者
増岡 秀一 大坪 寛子 小笠原 洋治 酒井 紀 小林 正之 海渡 健 吉田 真弓 関田 徹 佐伯 明子 西脇 嘉一 島田 貴 落合 成正
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.156-158, 1995

Bilateral ankle skin ulcers developed in a 61-year-old man in the chronic phase of chronic myelogenous leukemia receiving hydroxyurea therapy. The circulating immune complex (anti-C<sub>3d</sub> antibody) was high in this case, but vasculitis was not observed in the pathological findings of biopsied skin materials. This association has been reported in patients who had chronic myelogenous leukemia or other myeloproliferative disorders and were treated with hydroxyurea. It is likely that skin ulcers are caused by hydroxyurea.
著者
山本 功 島田 貴仁
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.80-97, 2016 (Released:2017-10-31)

従来,わが国の犯罪情勢が論じられるにあたって,人びとの意識を表すものとして「体感治安」や 「犯罪不安」という語が用いられてきた.新聞や行政文書においては「体感治安」が用いられ,学術研 究においては「犯罪不安」が主たる研究対象とされてきたが,これらの差異には関心が向けられてこ なかった. 本稿は,千葉県コンビニ防犯ボックスモデル事業を事例として,この事業が地域住民にもたらした 体感治安とリスク知覚・犯罪不安に対する効果を分析する.異なる2地点で実施された同事業の事前 と事後の2回,地域住民に対する調査が実施された. 分析の結果,同事業は概して体感治安の向上をもたらしたが,部分的に犯罪リスク知覚と犯罪不安 の上昇が観察された.これらの結果から,「体感治安」と「犯罪不安」は異なるものであることが明ら かになった.防犯事業を評価する際には,犯罪不安と体感治安の両者を測定することが必要であるこ とが論じられた.
著者
島田 貴仁
出版者
科学警察研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、各種犯罪に対する一般市民のリスク認知特性を探るための構造的な質問紙調査、防犯対策を実施中の自治体住民を対象にした調査、各種条件を統制した防犯情報の提示実験の3研究を行った。その結果、リスク認知特性は2因子を有すること、住民パトロールによってリスク認知を高めることは可能だが、住み心地を下げるおそれがあること、一般市民に、犯罪の知識と、有効な対処方法を伝えることが、犯罪不安をあおらずに対処行動につながる可能性があることが示された。
著者
島田 貴仁
出版者
科学警察研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

犯罪不安(Fear of Crime)は、犯罪や、犯罪に関連するシンボルに対する情緒的反応と定義される(Ferraro,1995)。日本では近年、犯罪の増加に伴い犯罪不安の高まりが指摘されるようになったが、犯罪不安に影響する性別、年齢などの個人差、犯罪発生率との関係などの地域差に関する基礎的な研究が不足している。このため、本研究では1)日本における犯罪不安の測定尺度の確立2)犯罪率が異なる複数地区における犯罪不安の比較、3)リスク知覚を含めた犯罪不安の説明モデルの構築を目的とする。本年度は、予備的な分析として、JGSS(日本版総合社会調査)、ICVS(国際犯罪被害調査)の犯罪リスク知覚(FEARWALK,近隣で危険を感じる場所の有無)を被説明変数にした再分析を行った。米国での知見と同様に、女性は男性よりも、若年者は高齢者よりも犯罪リスクを知覚している割合が高いことが示された。ロジスティック回帰分析の結果、性別、既婚・未婚、年齢が有意にリスク知覚を予測した。また、パス解析により、犯罪リスク知覚が居住満足感を低減させ、政府の犯罪取締支出に対してより許容的にさせることが示された。変数FEARWALKは、米国の世論調査ではデファクトになっているが、構成概念妥当性への疑義や、個人の犯罪不安の程度を示すことができないといった欠点が指摘される。このため、空き巣やひったくりなど12の犯罪について「被害にあう心配」を4件法で尋ねる犯罪不安尺度を構成した。確認的因子分析の結果、財産犯と身体犯の2因子構造をもち、犯罪不安の性差は身体犯不安に起因することなどの知見が得られた。今後、HLM(階層線形モデル)を用いて、個人差と地域差とを統合した分析を行う予定である。
著者
島田 貴仁 鈴木 護 原田 豊
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.51-64, 2004-10-18
被引用文献数
1

本研究では,東京都大田区南部の104町丁目に住む3,120名を対象にした社会調査データに構造方程式モデリングを適用して,犯罪不安と被害リスク知覚の認知構造とその形成要因を検討した.調査では12罪種を提示し,犯罪に対する情動的な反応である犯罪不安と,主観的な発生確率の見積りである被害リスク知覚とを区別して測定した.まず,確認的因子分析により,犯罪不安・リスク知覚はともに財産犯と身体犯の2因子構造を有し,空き巣やひったくりなどの財産犯は,一般市民には身体犯としても認知されていることが示された.次に,被害経験・見聞,地域の無秩序性,富裕度,家族内弱者の有無が犯罪不安,犯罪リスク知覚にもたらす影響を検討した.これら形成要因は被害リスク知覚を媒介して間接的に犯罪不安を生起させていたのに加え,直接犯罪不安を喚起していた.また,ゴミや落書きなどの地域の無秩序性が財産犯被害不安を生起させていることや,子どもや高齢者を家族に持つ回答者は,身体犯被害の伝聞情報によって犯罪不安を生起させていることが明らかになった.