著者
庵 功雄
出版者
ココ出版
雑誌
一橋日本語教育研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-12, 2012-07
著者
庵 功雄
出版者
日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
no.86, pp.p52-64, 1995-07

願望文の目的語の格標示には「水が飲みたい/水を飲みたい」のように2つの可能性がある(この現象を「ガ―ヲ交替」と呼ぶ)。しかし,実例における分布やその他の考察を行うと,実際にはガは極めて限られた語嚢・構文上の環境にしか現れないことが分かる。本稿ではこの構文における無標の格標示をヲと考え,有標であるガが現れることができない環境を記述した。その結果,この現象には「典型性」と「他動性」という2つの要因が関与していろことが分かった。この2つの概念を導入することで,単純形だけでなく,複合形におけるガとヲの分布も説明できるのである。
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 豊田 哲也 宮部 真由美 早川 杏子 田中 牧郎 ビアルケ 千咲 志賀 玲子 志村 ゆかり
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

令和元年度は、日本の公立中学校でのフィールドワークを通した教材開発の成果として、外国につながる生徒のための日本語総合教科書(初級版、初中級版)を刊行し、その概要と具体的なアプローチについて、口頭発表を行った。JSL児童生徒のための漢字シラバス開発に資するべく、中学校教科書コーパスから漢字の音訓使用率を算出し、文理教科書における漢字情報の使用傾向の対照分析を行い、論文による成果報告を行った。また、非漢字圏のJSL児童生徒あるいは成人日本語学習者の効果的な漢字字形学習方法を探るために、彼/彼女らの漢字字形認知の様相を明らかにする目的で、漢字の構造と構成要素を軸に初見漢字の再認実験と漢字要素分解調査を行い、口頭発表によって報告を行った。ろう児に対する日本語教育の実践を続ける一方、日本語と日本手話の対照研究を続け、口頭発表で報告した。日本語学習教材の自動生成方法について検討し、言語処理分野の機械学習モデル「Word2Vec」を用いた類義語を用いて、日本語能力テストの多肢選択問題を構築する手法を検討する一方、学術共通語彙知識の発達やその読解力との関係についての横断的調査を行った。さらに、学習者の語彙力測定のためにWebブラウザから語彙情報を収集するフレームワークを提案し、学習者が登録した語彙から関連語彙を「Word2Vec」を用いて推定し、日本語学習教材の自動構築に役立てる仕組みを検討した。「やさしい日本語」の理念の拡張について考究するとともに、講演、新聞や雑誌への寄稿などを通して、「やさしい日本語」の理念の地域社会への普及に努めた。
著者
庵 功雄 Isao Iori
出版者
国立国語研究所
雑誌
言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop
巻号頁・発行日
no.4, pp.199-204, 2019

会議名: 言語資源活用ワークショップ2019, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2019年9月2日−4日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター「は」と「が」は日本語文法の根幹に関わる要素であるだけでなく、両者の違いを明らかにすることは日本語における予測の実相を考える上でも重要である。本発表では、「は」と「が」の違いに関する三上章の主張の妥当性をCSJ-RDBを用いて検証した。
著者
庵 功雄 寺沢 拓敬 有田 佳代子 牲川 波都季
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究 (ISSN:21889600)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.3, 2017 (Released:2018-06-05)

本稿は,2017年2月25日に関西学院大学において開催された言語文化教育研究学会第3回年次大会シンポジウムの記録である。
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
庵 功雄
出版者
日本語/日本語教育研究
雑誌
日本語/日本語教育研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.103-118, 2010-05

中国語母語話者は日本語を習得する際、漢語があるため有利になる部分がある。しかし、漢語の知識が負の転移となって習得を阻害する場合もある。本稿では、漢語サ変動詞のボイスを対象に、この問題をアンケート調査に基づいて考察した。その結果、次のようなことが示唆された。(1) 非能格自動詞と他動詞では(正用と誤用の)ゆれが見られないのに対し、非対格自動詞ではゆれが見られる。(2) 非対格自動詞の中にはゆれが見られるものと見られないものがある。(3) 非対格自動詞の他動詞形ではゆれが見られる。(4) 受身にはゆれが見られない。(5) 使役にはゆれが見られ、和語>サ変動詞、自動詞>他動詞、という習得のしやすさの差がある。
著者
庵 功雄
出版者
日本語/日本語教育研究
雑誌
日本語/日本語教育研究
巻号頁・発行日
no.1, pp.103-118, 2010-05

中国語母語話者は日本語を習得する際、漢語があるため有利になる部分がある。しかし、漢語の知識が負の転移となって習得を阻害する場合もある。本稿では、漢語サ変動詞のボイスを対象に、この問題をアンケート調査に基づいて考察した。その結果、次のようなことが示唆された。(1) 非能格自動詞と他動詞では(正用と誤用の)ゆれが見られないのに対し、非対格自動詞ではゆれが見られる。(2) 非対格自動詞の中にはゆれが見られるものと見られないものがある。(3) 非対格自動詞の他動詞形ではゆれが見られる。(4) 受身にはゆれが見られない。(5) 使役にはゆれが見られ、和語>サ変動詞、自動詞>他動詞、という習得のしやすさの差がある。