著者
新井 啓之 宮川 勲 小池 秀樹 長谷山 美紀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.26, pp.33-36, 2008-06-23
被引用文献数
1

デジタルサイネージの広告効果測定への適用を想定した,混雑時にも適用可能でかつ簡易な初期設定で利用可能な映像からの人数推定方法を提案する.本手法では,各画素が実空間の人物表面上でどのくらいの面積を占めるかを考慮することにより,画素から人数への変換係数を定義する.そして入力画像において検出された前景画素に沿ってこの変換係数を積算することにより推定人数を得る.局所的な処理結果の単純な積算として人数を推定できるため,混雑時においても安定な処理が可能となる.また処理に必要な幾何パラメータは,人の平均身長など先験的知識から決定されるものとカメラ校正により取得できるもののみであり,カメラ校正を行っておけばカメラ毎の細かなチューニングは不要となる.実画像を用いた実験により本手法の妥当性を確認した.
著者
宮崎 政志 井田 一昭 宮崎 正和 猿渡 達郎 横田 英樹 小林 浩之 濱田 芳樹 杉山 裕一 新井 理恵 中村 裕紀
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.298-304, 2007-07-01
被引用文献数
1

近年の電子機器には,小型化,高機能化および高速化が要求されている。一方,実装枝術には,これら電子機器の要求に対処するために,さらなる高密度化が要求されている。しかしながら,従来のプリント配線板上への2次元的な部品の高密度実装には限界がきており,樹指基板内に3次元的に部品を配置する部品内蔵技術が注目されている。われわれは,部品内蔵技術としてEOMIN(Embedded Organic Module Involved Nanotechnology)を開発した。EOMINの特徴は,銅コアに形成したキャビティ内に電子部品を内蔵させることと,銅めっき技術により内蔵した電子部品と電気的な接続を取る点てある。EOMINによるモジュール構造では,シミュレーションによる検討結果から,発熱量の大きな電子部品を内蔵したときに,発熱した熱を銅コアに拡散させ,効率的にマザーボード側に放熱できることがわかった。また,銅めっきを用いた内蔵部品との接続は,従来のはんだによる接続と比較し ヒートショック時の銅の塑性歪量が小さく,信頼性の高い接続技術であることがわかった。今回,われわれは,次世代の高密度実装技術としてEOMINを紹介する。
著者
道下 尚文 越智 和之 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.50, pp.7-12, 2002-05-09

近年,無線通信においては使用周波数の高周波化が進んでいる.波長が短くなることによりアンテナ部分だけでなくアンテナ付近の線路やコネクタなどの導体部分でも共振してしまう可能性がある.そのため,アンテナ特性をアンテナ部分の形状のみから決定することができなくなる.本報告では,高周波数帯におけるパッチアンテナを同軸給電線路やコネクタ,半田部分までモデリングし,HFSSシミュレータにより解析を行う.実験結果と解析結果を比較するこで給電回路がアンテナ特性に及ぼす影響について検討した結果,アンテナ部分だけでなくその給電回路も含めた解析モデルによる解析の必要性を確認した.
著者
大武 美保子 新井 航平 前田 貴記 加藤 元一郎 高木 利久 淺間 一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.590, pp.41-44, 2007-03-09

意志作用感(sense of agency)とは,ある動作や思考などを,他人ではなく自分の意志によって為しているという感覚をさす.統合失調症患者は,この意志作用感が障害される。ある時は,自分の動作や思考が他者の意図によるものと感じ,また逆に,自分が制御していない事柄を自分が引き起こしたと感じることがある.本稿では,意志作用感の障害を説明する認知モデルを構築し,シミュレーションを行うことにより検討を行う.
著者
新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.210, pp.67-70, 2007-08-30
被引用文献数
3

本報告では比較的低利得な単方向の指向性を切り替えることで移動体通信等に応用することを前提に,指向性切り替えアンテナを分類してその特徴を明らかにする.まず給電法で分類すると,異なる方向に対応する複数の給電ポートを持つものと,一つの給電ポートで寄生素子,反射器,移相器の条件を制御するものに大別される.アレイ構成とする場合は,素子アンテナが無指向性のときには主にカージオイド指向性となるので,素子アンテナの指向性を効果的に利用する必要がある.特に,単方向性を実現するためのアンテナ素子として,本稿では立体的な構造ではなく,平面構造のものについて検討し,二つのモードの異なるアンテナを組み合わせる手法,放射素子間の位相差を制御するもの,寄生素子や反射素子を組み合わせるものに大別しその特性を明らかにする.また,給電ポートを一つにして指向性を切り替えるものは,追加した付加機能を切り替えるものと,移相器やバラクタダイオードによってアナログ的に重み付けをするものについて議論し,指向性切り替えアンテナを実現するための指針を示す.
著者
上馬塲 和夫 仲井 培雄 許 鳳浩 王 紅平 大野 智 林 浩孝 新井 隆成 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.119-126, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1

西洋ではすでに広く家庭で活用され安全性と有効性がわかっている,特に不眠に用いられるバレリアンやレモンバームなどを含むハーブティーの睡眠への効果と安全性の検証を試みた.不眠で悩む病院職員志願者女性 14 名(年齢 21–62 歳:35±11 歳,BMI 21±3 kg/m2)を対象として,文書による同意を取得し,オープン試験によって 1 週間の対照観察期間の後 1 週間,ハーブティーを夕方 2 回摂取させた.睡眠の質の変化を,OSA 睡眠調査表とVAS (Visual Analogue Scale) で評価した結果,摂取開始の翌日の夜において,対照期間より入眠と睡眠維持について睡眠の質が向上する傾向を認めた.また睡眠の質の悪い群で効果が高く,眠気や胃腸症状を認める例も 19%程度は認めたが継続しても全例自然消失したことから,安全性には問題がないと思われた.
著者
田所 義晃 西島 正博 林 輝雄 根本 荘一 吉原 一 巽 英樹 島田 信宏 新井 正夫 鶴野 和則 飯島 美典 天野 広子
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.267-274, 1988-06-30

北里大学病院における1982年1月から1985年8月までの胎児超音波計測値を用いて,胎児Biparietal Diameter (BPD),及びFemur Length (FL)の標準発育曲線を作成した。さらに妊娠期間の推定についても検討を行った。計測値は各週数ごとにまとめ,平均値,標準偏差を算出した。これを3点移動平均法で平滑化し,高次回帰曲線で近似した。BPDの平均発育は,y=(-3.45)×10^<-4>x^3+(2.34)×10^<-1>x^2+(-2.31)x+(2.73)×10となり,FLの発育はy=(-2.76)×10^<-2>x^<-2>+(3.70)x+(-3.18)×10(y: 計測値(mm), x: 過数)と示された。また同じ方法を用いて計測値から妊娠期間を推定する回帰式を作成した。BPD, FLからの平均妊娠期間の予測は,それぞれy=(0.17)x10^<-1>x^2+(5.34)×10^<-1>x+(79.7), y=(0.18)×10^<-1>x^2+(1.43)x+(82.8), (y: 妊娠期間(days), x: 計測値(mm))と示された。また±1.5SDで規定される範囲を推定の幅とすると,妊娠中期では±1週,末期では±2週程度の誤差で妊娠期間が推定されることが示された。
著者
新井 郁男 Arai Ikuo 上越教育大学 Joetsu University of Education
出版者
東洋館
雑誌
教育社会学研究 = The journal of educational sociology (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.18-30, 1988-10-03

This article looks chronologically at the main teacher education related reports and recommendations submitted by government councils (mainly, the Central Council for Education and the Council for Training of Teaching Personnel) after World War II, and, based on an analysis of these reports and recommendations, points out some basic issues. Before the war, the main institution of teacher training was 'normal schools'. After the war, however, the normal school system was abolished and instead teacher training came to be conducted at the university level. It became possible for any institutions of higher education to provide teacher training programs, although universities specifically designed for teacher training were also established. At present, the basic level of education required of elementary and secondary school teachers is four years of undergraduate education, but the government has recently been planning to introduce a higher certificate which requires a master's level of graduate education. This means that the government places an emphasis upon formal education rather than on experience as a main channel of raising the quality of teachers. This principle is also reflected in the plan to abolish the system under which teachers with at least fifteen years of teaching experience can obtain a teacher's certificate of higher level without receiving any formal education at universities. The government, however, has also been considering a tpecial way which certifies those who do not hold regular teacher certificates but have knowledge and skills necessary for teaching. This plan is contradictory to the emphasis on formal education as the main channel for teacher supply. The government considers that the introduction of such a system could activate the ailing schools but it is doubtful. The fundamental issue here is whether teachers need only be knowledgeable in the content of teaching subjects or whether they need special professional education. This question was discussed by the government council formed immediately after the war, and has been debated since. The recent government teacher policy seems to be a compromise between these two extreme stances. It is concluded that more discussion and research needs to be made on this question. Otherwise, the plan to raise the basic qualification of teachers, even if it is institutionalized, will not function properly.