著者
新井 イスマイル 川口 誠敬 藤川 和利 砂原 秀樹
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.2319-2327, 2007-07-15

近年,口コミ情報サイトを例とする,ユーザの行動を基にした店舗・施設の検索サイトが注目されている.これらの検索サイトでは,位置に基づいた検索が可能であることと,店舗・施設に対して複数のユーザからの第3 者の評価情報が取得できることが求められている.しかし,商用の検索サイトには広告収入や検閲の影響により,被評価店舗にとって不都合な情報が現れにくく第3 者の評価情報の提供に問題がある.また,従来の情報取得手法ではWWW 上の情報をすべて収集し,複雑な自然言語処理によって位置に基づいた評価情報を抽出する作業が必要となり,サービス構築コストが膨大となるという問題がある.そこで本研究では従来の全文型検索エンジンを活用し,目的の分野を示すキーワードと商用検索サイトを除外するキーワードを組み合わせることによって目的の第3 者の評価情報を収集する手法と,単純な形態素解析と文字列のパターンマッチングを用いた文字列処理によって住所を抽出する手法を提案する.この手法に基づいてWeb インデクサを評価した結果,一度の収集のうち44%が目的とする個人サイトであり,位置情報の取得再現率が59%という結果が得られた.
著者
新井 重光 菊地 正武
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.189-196, 1971-10-29

草地の不耕起簡易造成への易溶性カルシウム塩の利用の可能性につき圃場試験で検討した。試験地は愛知県北設楽郡設楽町の名古屋大学草地研究施設内の雑木林地で土壌は腐植に富む「黒ボク」である。得られた結果は次のように要約される。1)酢酸カルシウム施用によって,牧草収量,牧草率および荳科率が高まった。しかし,2年目には炭酸カルシウム区の収量および牧草率は酢酸カルシウム区のそれらに近くなった。2)土壌分析の結果では酢酸カルシウムあるいは炭酸カルシウム施用のいずれによっても表層5cmまでのpH (H_2O,KCI),y_1に影響がみられたが,より下層では明らかではなかった。しかし,下層の置換性カルシウム含量は酢酸カルシウム施用によって明らかに増大した。このことから易溶性カカシウム塩による草地化促進の効果の原因を推定した。3)これらの結果から易溶性カルシウム塩の利用の可能性が結論された。
著者
新井 学 倉田 佳明 磯貝 哲 高橋 信行 橋本 功二 平山 傑 土田 芳彦 村上 裕子 辻 英樹 井畑 朝紀 成田 有子
出版者
北海道整形外科外傷研究会
巻号頁・発行日
2010

肘頭骨折を合併した小児上腕骨外顆骨折の2例を経験した。【症例1】7歳男児,遊具から転落受傷し,上腕骨外側顆骨折はJacob 分類stageⅢ,肘頭骨折は2mmの転位であった。両骨折に対し観血的骨接合術を施行した。【症例2】4歳男児,ソファーから転落受傷し,上腕骨外顆骨折はJacob 分類stageⅡ,肘頭骨折は転位がわずかであった。右上腕骨外側顆骨折に対し観血的骨接合術を施行した.肘頭骨折は保存的加療とした。2症例とも骨癒合が得られ可動域制限なく経過良好である。肘頭骨折に上腕骨外側顆骨折が合併する受傷機転として,肘関節伸展位で内反および外反力が関与し,上腕骨外側顆骨折を合併した肘頭骨折は比較的稀であるが,見逃されると機能障害を残すため認識しておくべき損傷形態である。
著者
直井 信久 中馬 秀樹 中崎 秀二 丸岩 太 新井 三樹 中野 徹
出版者
宮崎医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本年度の研究は人体で計測した臨床電気生理学的実験とネコ、ニワトリ網膜を用いて行った動物網膜の電気生理学的実験を行った。臨床電気生理学的には正常者と網膜内層の異常があると考えられる緑内障眼において、多局所網膜電図(Sutterら)を測定した。緑内障眼では有意に多局所網膜電図各波の振幅の低下、頂点潜時の延長が認められたが、これが網膜内層の変化を反映しているのか、視細胞など外層の変化を反映しているのかは、来年度以降の基礎実験が必要である。基礎実験の内、M波については薬理学的手法を用いて行った。TTXを用いてナトリウム依存性活動電位を抑制するとM波は変化しないがERGのoff反応は減少した。M波のon反応はAPB投与により極性が反転し、この反転した波はaspartateによって消失した。また網膜電図のSustained negativer responseはAPBによって変化しなかった。この様にM波の臨床的ERGへの関与は小さいが、パターン刺激のように小さい刺激野で刺激する場合などでは関与する可能性が考えられた。Scotopic threshold response(STR)に関しては、微少電極でこの波のdepth profileを調べることができたが、STRは内網状層付近で最大となり、網膜中心付近(60%の深さ)で極性が逆転した。このことは、この点より近位側に電流のsinkが存在することが推定され、電流のsourceはさらに遠位側にあると考えられた。またカリウム選択性電極を用いてカリウム変化を測定した結果ではカリウム濃度の変化と網膜電図の変化に密接な関係がみとめられた。
著者
新井 三樹
出版者
宮崎医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

パターン視覚誘発電位(PVEP)は眼科領域では眼底黄斑部や視神経の機能評価に用いられ、病変による機能障害の判定などに利用される。PVEPのうち刺激の反転頻度が早い、8ヘルツ以上のものをsteady-statePVEPという。刺激の空間周波数を変化させるとPVEPの振幅はある空間周波数で最大となり、その空間周波数より高いものでも低いものでも振幅は低下する。この現象を空間周波数特性と呼ぶが、この特性を利用して他覚的に視力を測定することができるようにしたものがスイープPVEPである。この方法で得られた視力(PVEP視力)と通常の視力表を使った自覚的視力検査との違いをみるために正常者の眼前にアクリルフィルターをおき視力を低下させてPVEP視力と通常の視力を測定し比較した。フィルターなしの状態で通常の視力検査での視力が1.0以上のときでもPVEP視力は0.6から0.7を示した。アクリルフィルターの数を増やすと通常の視力検査による視力が低下するよりも早くPVEP視力は低下を示した。通常の視力検査とPVEP視力は0.3で一致したが、1.0から0.3のあいだでも両視力検査の値は1オクターブ以上離れることはなかった。実際の臨床ではどれくらい視力が障害されているのかを評価することに使用するため、視力が良い状態での両視力検査の乖離はあまり問題にならないと思われる。また、各種眼疾患による視力障害をもつ80例に対しても両視力検査を行い相関をみた。通常の視力検査では0.3より良い症例ではPVEP視力は低くなり、反対に通常の視力が0.3以下になるとPVEP視力はよくなる傾向がみられた。両視力検査の間の相関係数は0.66であった。特に黄斑疾患の症例で両者の相関は高かった。乳幼児に対してもPVEP視力測定を行う予定である。
著者
新井 洋由 井上 貴雄 高根沢 康一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

生体膜を構成するリン脂質には炭素数や二重結合の違いにより様々な脂肪酸鎖が結合している。このような「リン脂質脂肪酸鎖の多様性と非対称性」は昔から良く知られているが、その形成機構や生理的意義はほとんど明らかになっておらず、生体膜リン脂質分野における大きな課題である。我々は、遺伝学的解析が容易な線虫C. elegansを用いて、リン脂質脂肪酸鎖の多様性・非対称性に関与すると考えられる新規脂質関連遺伝子について、網羅的に欠損変異体を作製し、その生理機能ならびに反応機構を解析を行った。主な研究成果は以下のとおりである。・細胞内型ホスホリパーゼA1の機能解析を行い、細胞内型ホスホリパーゼA1が細胞内小胞輸送系(特に逆行輸送系)を介し、上皮系細胞の非対称分裂を制御することを見出した(非対称分裂に関わるβカテニンの細胞内非対称局在を制御)。・上皮細胞に選択的に発現するホスホリパーゼPAF-AH(II)についてノックアウトマウスを用いた解析を行い、PAF-AH(II)が酸素ストレスによろて障害を受けたリン脂質を代謝し、酸化ストレス防御因子として機能することを個体レベルで示した。・線虫をモデルとした遺伝学的手法により、細胞内シグナル伝達において極めて重要な役割を持つホスファチジルイノシトール(PI)に高度不飽和脂肪酸を導入する遺伝子mboa-7を同定した。今後、mboa-7/LPIATの解析により、PIの脂肪酸鎖の構造がPIの関与する生命現象にどのように寄与するか、といった生体膜脂肪酸分子種の本質に初めて迫ることが可能となる。
著者
新井 雅隆 斉藤 正浩
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

ディーゼル機関から排出される粒子状物質(すす)を除去するために,すすの捕集と燃焼を繰り返すことで連続処理を可能とした電界式すす除去装置(E-DPF)を新たに開発した.この装置の特徴として,E-DPF内に電極を兼ねたステンレス製の多孔板が層状に配置されており,交流電界(0〜260V)あるいは直流電界(0〜350V)を電極間に印加した.E-DPF装置の基本的性能を調べるために,ディーゼル排ガスの模擬ガスとしてアセチレン火炎から発生するすすを用いて実験を行った.その結果,すすは電極を兼ねた多孔板を通過する際に,電界の作用により帯電し,分極したすす粒子が多孔板に付着して電界方向に粒子のブリッジを形成することがわかった.そのブリッジ状すすの捕集量と電極間の電流には相関があり,印加電圧が低い領域では比例関係となるが,印加電圧を高めてブリッジ状すすが再燃焼する領域では,多孔板間のブリッジが局所的に切断されて電流値の増大が抑えられる.ブリッジ状すすの生長速度は電界強度が比較的低い約50kV/mで最大となるが,すすが再燃焼するには至らなかった.また,電界強度が100kV/m以上になるとブリッジ状すすが火花放電あるいは直接通電によるジュール熱ですすの再燃焼が生じ,本実験範囲では150kV/m付近において,すすの再燃焼効率が約30%で最も高くなることがわかった.さらに,電界強度が200kV/m以上では,ブリッジ状のすすの成長が強度の火花放電によって抑制され,これがすすの捕集効率を下げることにつながり,結果として再燃焼効率は低下した.
著者
平田 大二 新井田 秀一 山下 浩之 田口 公則 笠間 友博 小出 良幸
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.自然史リテラシーの育成を目指した学習プログラムの開発と実践自然を総合的、能動的にとらえ、自然に接する能力や態度をもつことができるような自然史リテラシー育成の取り組みを行うとともに,市民の自然に対する知的好奇心と知的ニーズに応えるため,「誰もが,いつでも,どこでも,いくらでも」利用できる学習システムの運用と実践を行った.さらに地域の自然と実物標本からなる各種データベースの構築し、ネットワークを活用した自然を理解するための学習プログラムを展開した。2.インターネットを活用した人と博物館のネットワークの構築遠隔地の博物館同士、あるいは博物館と利用者とが相互交流できるインターネットを活用した双方向型ネットワーク・システムの構築し、実践と評価を行った。また、小中学校における授業や課外活動での連携、博物館活動におけるボランティアや友の会との連携などの活動を展開し、児童生徒から社会人、研究者まで多様な階層を交えたネットワークの構築を試みた。3.データベースの拡充すでに公開しているデータベース「地球のからくり」、「神奈川の大地」、「地球地学紀行」、「人と大地と」に加えて、神奈川県および周辺地域を対象とした地球科学分野のデータベース(DB)「神奈川の地球誌」の構築を進めた。さらに火山灰DBと神奈川の川DBの構築、地球科学文献DB、丹沢山地の地形・地質DB、航空写真DB、の補完、愛媛県西予市城川地質館と周辺地域を対象とした地形地質DBの補完を行った。
著者
新井 清 東海林 健二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1510-1511, 1988-09-12

物体の識別に関する一手法を提案する。生産工程における部品の組み立てや検査などでは,3次元物体の識別やその姿勢の決定に対する要望がある。幾何学的な物体の場合は,濃淡画像を処理して得られる頂点や辺などが利用できるが一般曲面体の場合には難しい。また,任意の姿勢で置かれた物体への適用も難しい。そこで,3次元物体データと2次元断面データとのマッチングに問題を置き換える。すでに物体形状のデータは得られていて,新たに物体のある部分を切断して得られる断面の輪郭線データが与えられた場合,その輪郭線が物体のどの部分に一致するかがわかれば輪郭線が得られたときの傾きで物体の姿勢を判断できる。また,一致する部分の有無により物体の識別も可能である。今回は,物体と断面輪郭線との照合にDPマッチング法を適用し,その結果について報告する。
著者
川村 静児 中村 卓史 安東 正樹 坪野 公夫 沼田 健司 瀕戸 直樹 高橋 龍一 長野 重夫 石川 毅彦 植田 憲一 武者 満 細川 瑞彦 佐藤 孝 佐藤 修一 苔山 圭以子 我妻 一博 青柳 巧介 阿久津 智忠 浅田 秀樹 麻生 洋一 新井 宏二 新谷 昌人 井岡 邦仁 池上 健 石徹白 晃治 市耒 淨興 伊藤 洋介 井上 開輝 戎崎 俊一 江里口 良治 大石 奈緒子 大河 正志 大橋 正健 大原 謙一 奥冨 聡 鎌ヶ迫 将悟 河島 信樹 神田 展行 雁津 克彦 木内 建太 桐原 裕之 工藤 秀明 國森 裕生 黒田 和明 郡和 範 古在 由秀 小嶌 康史 小林 史歩 西條 統之 阪上 雅昭 阪田 紫帆里 佐合 紀親 佐々木 節 柴田 大 真貝 寿明 杉山 直 宗宮 健太郎 祖谷 元 高野 忠 高橋 忠幸 高橋 弘毅 高橋 竜太郎 田越 秀行 田代 寛之 田中 貴浩 谷口 敬介 樽家 篤史 千葉 剛 辻川 信二 常定 芳基 徳成 正雄 内藤 勲夫 中尾 憲一 中川 憲保 中野 寛之 中村 康二 西澤 篤志 丹羽 佳人 野沢 超越 橋本 樹明 端山 和大 原田 知広 疋田 渉 姫本 宣朗 平林 久 平松 尚志 福崎 美津広 藤本 眞克 二間瀬 敏史 前田 恵一 松原 英雄 水澤 広美 蓑 泰志 宮川 治 三代木 伸二 向山 信治 森澤 理之 森脇 成典 柳 哲文 山崎 利孝 山元 一広 横山 順一 吉田 至順 吉野 泰造
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 (ISSN:13428349)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, 2006-03-04
著者
新井 寧子 西田 素子 上田 範子 石井 香澄
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

申請者新井は、半規管遮断前後のサル温度眼振の三次元記録より、温度眼振には、対流とは異なったしかし重力に依存する成分の存在を推察した。そこでこれらの現象を明らかにする目的で、本研究プロジェクトを立案した。ニューヨーク大学マウントサイナイ医療センターとの共同研究として、短期間の実験設定およびインターネットを介したその後の持続的交流により、カニクイザルの温度眼振を分析した。左右の全半規管を外科的に遮断されたサルの温度眼振と頭位との関係を調べた結果、管の遮断によっても術前に匹敵する温度眼振が出現すること、この眼振は重力方向に従い変化すること、それらは、半規管神経終末への温度の影響のみでは説明不能なことがわかった。そこで(1)温度変化による神経終末の自発放電の変化、(2)温度による内リンパ液の体積変化が遮断によりクプラへの圧を及ぼすこと、(3)中枢前庭系の速度蓄積機構との和で説明し、シムレーションを行った。その結果この遮断後の温度眼振を再現することができたので、論文にまとめ投稿した。また、内リンパ腔の立体構築を明らかにする目的で、上田がカニクイザル内リンパ腔の三次元再構築をコンピュータ上で行い、学会に発表した。西田は、鳩の頭部を拘束せずに、その動きを二台のビデオ記録した画像より、頭振の三次元解析を行う方法を確立した。ハトでは半規管を骨片でブロックすることができないので、両側の外側半規管を挫滅した後フィブリングルー内で切断し、まず回転後頭振の変化を記録した。その影響は固体差が大きく期待したものではなかった。一方、明所での回転中頭振は、正常ハトでは薄暗がりでも活発であるが、外側半規管切断後は明所のみで回転中頭振が活発であった。そこで、回転中および回転後頭振への明るさの影響を先に調べる必要がでて、検討中である。
著者
蔵本 博行 上坊 敏子 新井 正夫
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.191-200, 1977-02-01

当院腫瘍外来では,昭和46年7月26日の開院以来,満3年にて登録数1,000名となつたので,これを集計し統計的考察を加えた. 1) 実登録患者977名中,30〜50歳が69.5%を占めた. 2) 悪性腫瘍患者は147名,15%と高率である.子宮頚癌は128例で,悪性腫瘍の86.4%を占めたが,C.I.S.とIa期はわずか1/3であつた.一方異形成上皮は全登録者中10.8%であつた.その他転移性癌が9例発見されている. 3) 癌患者の年代別罹患率は26〜40歳で10%以下,40〜55歳で約15%,61歳以上では50%を越える.疾患別平均年令は高度異形成上皮38.6歳,C.I.S.39.8歳,Ia期44.5歳,Ib期以上57.0歳であつた. 4) 癌患者の主訴は不正出血と血性帯下が55.9%と最多で,逆に無症状で癌検診希望は19.5%と低い. 5) 細胞診結果は陰性76.9%,疑陽性10.6%,陽性12.5%である.頚癌中偽陰性はなく,偽陽性は0.2%であつた.胃癌からの転移3例を診断している. 6) コルポ診異常を呈した頻度は正常上皮の10%(偽陽性),扁平上皮化生の50%,各異形成上皮の70%強,CISの90.9%,Ia期の89.5%,Ib期以上では97.5%である.L, F, G,の関与する頻度は異形成上皮では,軽度67.6%,中等度68.0%,高度75.0%で,またCIS 78.4%,Ia期84.2%となる.AUは単独の時40%は真ビラン,L, F, G,と合併する場合は約70%は悪性であつた. 7) CIS, Ia期とも各90%はコルポ診と細胞診との併用で診断し得ており,異形成上皮ではコルポ診の重要度が高い. 8) 狙い組織診の結果,L, F, GとAUの悪性率はそれぞれ30.9%,24.2%,26.9%,43.6%である. 9) 術前診断の正診率では,高度異形成の33.3%,CISの22.2%,Ia期の20%はそれぞれ1ランク低く診断され,初期浸潤疑性は75%がIa期であつた.
著者
新井 健司 石井 久夫 伊藤 孝 内田 克 遠藤輝 岡部孝次 熊井 久雄 小菅 範昭 近藤 洋一 郷原 保真 酒井 潤一 斎藤 義則 塩野 敏昭 島田 安太郎 下野 正博 隅田 耕治 角谷 邦明 関口 尚志 田中 俊廣 趙 哲済 中西 一裕 中島 豊志 中村 由克 林田 守生 松本 俊幸 三谷 豊 柳沢 文孝 山本 裕之 吉野 博厚
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.93-102, 1977-02-21
被引用文献数
11

A wide-spread lake assumed to be larger than the recent Matsumoto Basin had existed in Early Pleistocene, and the Enrei Formation and its equivalent formations had been deposited in the lake. An extensively even erosion surface formed on the sediments in the latest Early Pleistocene is called the Ohmine geomorphologic surface. After the formation of the Ohmine surface, the recent mountainous areas such as the Northern Japan Alps, Mt. Hachibuse, Mt. Utsukushigahara and so on had been upheaved, while the Matsumoto Basin area had been depressed and the Nashinoki Gravel Formation, the upper Middle Pleistocene, had been deposited. The base of the Enrei Formation is 1,800 m above sea level in Mt. Hachibuse, while 700 m above sea level in the southern part of the Basin. The amount of upheaval of the mountainous areas can be estimated to be more than 1,000 m. The Matsumoto Basin area had been depressed again in the middle part of the Upper Pleistocene (about 40,000 years B. P.) and the Hata Gravel Formation had been deposited. The amount of depression may be estimated to be about 150 m in the eastern periphery of the middle part of the Basin.
著者
渡辺 暉夫 新井田 清信 前田 仁一郎 在田 一則
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

神居古澤変成帯・三都変成帯およびオーストラリアのニューイングランド〓曲帯の泥質片岩の変形についてまとめ、オーストラリアのニューイングランド〓曲帯で認められた典型的シース〓曲の産状をくわしく検討した。その結果、このシース〓曲は形態状むしろ舌状〓曲というべきであって、単にsimole shear成分だけではなく、pure shear成分やshear方向の回転をともなっているものであることを明らかにした。神居古澤ではこのような変形を受けた岩石の石英ファブリックの検討も行なった。このような振動は流体相の存在によっても促進されるので、流体包有物の研究も行なった。この研究からは変形帯がductile-brittle境界を横切る時に形成されたと思われる流体包有物が確認された。全体の研究を通して、変成帯の基質を構成する岩石の変形がsimple shear,pure shear,rotation の複合によることが明かとなり、この変形はメランジュ一般に適用できるであろうことか示唆された。また本研究ではマイクロリアタ-を用いた合成実験から岩石の流動が変成反応に及ぼす効果を明らかにすることを課題としていたが、マイクロリアタ-は5Kbの条件下で2週間圧力を維持できるものしか完成しなかった。原因はガスケットに使った材質が不適当であったためである。今年4月以降、装置の改良を待ち、実験を行う予定であったが、改良されたモデルは圧力の維持がさらに悪くなっており、使用に耐えなかった。現在更に改良を要求している。2週間の実験ではFeパンペリ-石成分のものからモンモリロナイトとザクロ石が生成された。パンペリ-石が生成されない理由はさらに検討しなければならない。
著者
坂本 和彦 新井 哲也
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.130-134, 1997-06-20 (Released:2010-02-19)
参考文献数
16

Particle formation by radiolysis was observed in the neutralizer of the differential mobility analyzer (DMA) in air or N2 under presence of O3 and/or SO2. The effects of SO2 concentration, relative humidity and O3 concentration on the particle formation in the neutralizer were investigated. This particle formation may cause artifacts in aerosol size-measuring using a DMA. The particle number concentration increased with increasing of SO2 concentration and relative humidity. In low humidity condition, remarkable increase of the number concentration was observed when 0.1 ppm of O3 was added to SO2 (0.2 ppm)/N2 (H2O < 15 ppm) mixture. The mechanisms of the particle formation in the neutralizer under presence of O3 were discussed.
著者
浅利 靖 島津 盛一 西村 博行 新井 伸康 中 英男 大和田 隆 比企 能樹 柿田 章
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.2461-2465, 1991-09-01
被引用文献数
9

中年の男性に発生した巨大な膵のsolid and cystic tumor(SCT)を経験し,その臨床経過よりdoubling timeを算出した.また本邦報告例139例について検討した.症例は58歳男性.腹部腫瘤を主訴に入院.開腹したところ,膵体部に被膜におおわれ充実性かつ弾性軟の,24×19×8cmの腫瘤が存在し,膵体尾部脾合併切除施行.病理組織学的に,充実性で髄様増殖パターンを呈し,免疫染色では上皮系マーカーに陽性でありSCTの診断を得た.4年前の初診時の腫瘍径と今回術前の精査時の腫瘍径とからdoubling timeを算出したところ,240日とslow growingな腫瘍に分類されることを証明しえた.本邦報告例139例について検討したところ,本例は男性例としては最年長かつ最大の腫瘍径を持つものであった.術後1年経過した現在,患者は健在であり,再発も認められていない.