著者
神林 潤一 鈴木 康弘 沖津 卓二
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.41-48, 2004

教室と廊下の間が, 壁や窓によって区画されないオープン型の普通教室が増えているが, 従来型の教室に比べ騒音環境の悪化が懸念される。そのため, 全教室がオープン教室である仙台市立の3小学校ならびに従来型普通教室をもつ小・中学校4校において, 教室内の騒音測定と現場の教師に対するアンケート調査を行い, それぞれの騒音環境について比較検討した。その結果, オープン教室の騒音レベルは, 明らかに学校環境衛生の基準値50dB (A) を超えていること, オープン教室内では児童も教師も隣接教室からの騒音に少なからず影響を受けていることが分かった。以上のことから, 学校の新設に際しては, 騒音に対する十分な配慮が必要であり, 既存のオープン教室に対しては, 適切な防音対策が望まれる。
著者
松林 潤 平良 薫 余語 覚匡 鬼頭 祥悟 浦 克明 豊田 英治 大江 秀明 川島 和彦 石上 俊一 土井 隆一郎
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.328-336, 2015-04-01 (Released:2015-04-17)
参考文献数
37

症例は62歳の男性で,健康診断にて胆道系酵素上昇を指摘され,当院を受診した.画像検査で肝左葉に直径3 cmの腫瘤性病変と,その近傍に拡張した肝内胆管を認めた.胆汁細胞診はclass IIであったが,多数の肝吸虫の虫卵が証明された.本患者にはフナの生食の嗜好歴があった.Praziquantelを内服後,肝吸虫症に合併した肝内胆管癌と考え,肝左葉切除術を施行した.病理組織学的検査は低分化型腺癌であった.腺癌周囲にはリンパ球浸潤や線維化が生じており,慢性胆管炎後の変化が見られた.胆管内には結石などその他の慢性炎症の原因となるものはなく,本症例は肝吸虫症による慢性炎症が胆管癌発生に関与したと考えられた.淡水魚の生食歴などがあれば,糞便検査や十二指腸液検査などを行い,肝吸虫や虫卵を認めた場合は,駆虫するとともに胆管癌合併の可能性を考慮する必要がある.
著者
宗廣 孝継 小林 潤一 吉田 満 松岡 順一 上田 芳信 開沼 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.257, pp.53-57, 2013-10-22

通信やレーダ用途において,フェーズドアレー方式のシステムが検討されている.この方式では,指向性の高い電磁波ビームを形成するため,アレー素子の小型化と高出力化,高効率化の要求がある.そこで,これらの要求を同時に満たす増幅器として,フェーズドアレーレーダシステムへの応用を念頭に置いたMPM(マイクロ波増幅モジュール)に適する9〜10GHzの周波数範囲で高周波出力800W以上,総合効率41%,寸法20mm(W)×20mm(H)×213mm(L),質量0.4kgのミニTWT(小型進行波管)を開発したので報告する.
著者
田中 亮太 則永 行庸 工藤 真二 林 潤一郎 渡邊 裕章
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
石炭科学会議発表論文集 第50回石炭科学会議 (ISSN:24238295)
巻号頁・発行日
pp.62-63, 2013-10-21 (Released:2017-03-22)

This study focuses on the syngas production by partial oxidation of coke oven gas (COG). The reforming of COG, which is a multi-component mixture, in a turbulent flow includes various complex processes. Previous studies were limited to the results using simulated gas with a laboratory scale small reactor and a laminar flow. In this study, we developed a model which considers both chemical reactions and fluid dynamics for simulating the reforming characteristics of the actual COG in a bench scale relatively large reactor. The detailed chemical kinetic model which consists of more than 2000 elementary reactions and 257 species was reduced to 410 reactions and 47 sepcies for realizing coupling a finite rate reaction model with the turbulence model. Numerical simulations could fairly reproduce the reformed gas compositions and temperature profiles in a reformer.
著者
小林 潤平 関口 隆 新堀 英二 川嶋 稔夫
雑誌
研究報告ドキュメントコミュニケーション(DC) (ISSN:21888892)
巻号頁・発行日
vol.2015-DC-98, no.8, pp.1-8, 2015-07-06

本研究では,文章を読む目の動きを電子リーダーによって自然なかたちで簡素化する手法を提案する.紙の書物では紙面に文字が固定されているために,読者自身が最適な停留場所を探しながら視点を動かして読み進めていた.一方,電子リーダーでは文字側を自由に書き替えられるために,読者の目の動きを電子リーダーで代替するような柔軟な表示設計も可能となる.そこで本研究では,スクロール機構と文字レイアウトの工夫によって文章を読む目の動きを簡素化することを目的に,1 行を 1 文節で構成するとともに行頭を階段状にインデントさせた電子リーダーを開発し,その効果を読み速度や眼球運動の点から検証した.その結果,単文節行と階段状インデントを有する電子リーダーでは,読み速度や理解度を低下させることなく,インデント幅分の一定長で短いサッカードという単調な目の動きで読める傾向が認められた.
著者
小林 潤平 関口 隆 新堀 英二 川嶋 稔夫
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

日本語文章における視点の停留場所は,文を構成する意味のまとまりに対応しているとの報告がある。現在の日本語リーダーには改行を含むレイアウトが多く採用されているが,改行によって意味的まとまりをもった文字列が分断されている場合が多く,読み効率の低下を招いている可能性がある。そこで本研究では,意味的まとまりのひとつである文節を改行で分断しないようにレイアウトする日本語リーダーを開発し,その効果を検証した。
著者
林 潤
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,平均粒径および粒径分布の幅が噴霧火炎構造に与える影響の解明および様々な噴霧特性を持つ噴霧火炎に対して適用可能な解析手法を開発することを目的とした.実験では,粒径分布が制御された噴霧を層流対向流場に供給することで形成された噴霧火炎に対するレーザー誘起赤熱法計測を行った.その結果,同一平均粒径を持つ場合には,粒径分布の幅が広い条件においてすす一次粒子の生成領域が減少することが明らかとなった.また,単分散噴霧火炎構造の重ね合せによる多分散噴霧火炎構造の評価を行った結果,噴霧火炎特有の群火炎構造が表現できる可能性は示唆されたものの,小粒径の燃料液滴による燃焼を過剰に見積もる傾向が示された.
著者
川島 隆幸 狩野 直和 小林 潤司 後藤 敬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、斬新な特定位置占拠型配位子の設計と、それらを活用した高配位典型元素化合物の創製を目的に行われた。まず、電子・立体効果の両面で安定化能力にすぐれた三座配位子の実現を目指し、三方両錐構造の二つのアピカル位と一つのエクアトリアル位を占拠するように独自に設計・開発した、新規な平面型三座配位子の応用を検討した。次に、配位座の完全固定化による高配位状態の安定化を指向し、全てのエクアトリアル位と一つのアピカル位を占拠しうる剛直な四座配位子を開発し、その高配位リン化合物および高配位14族元素化合物の合成への応用と、四座配位子のアピカル炭素原子を他の典型元素へ置き換えた新配位子の開発を試みた。続いて、デンドリマー型置換基の開発を行い、これを3個導入することにより、フレキシブルなエクアトリアル位占拠型置換基として機能し得るかどうかを検討した。さらに、ジチオカルボキシラト配位子およびカルボキシラト配位子を二座配位子として活用した6配位ケイ素化合物の構築について検討した。これらの検討の結果、熱的に安定な4配位1,2-ヨードキセタンの酸化剤としての応用、三つの酸素原子がエクアトリアル位を、炭素原子が一つのアピカル位を占めたカルバホスファトランやカルバシラトラン、および5配位ケイ素原子あるいは7配位ケイ素原子同士が連結したジシランの合成に成功した。加えて、これらの関連化合物、リンとアルミニウムからなるホスファアラトラン、オレフィン重合活性を示すカチオン性シラノラトジルコニウム錯体、および電子供与能の最も高いアミノ(イリド)カルベンの創製にも成功した。このように独自に開発した配位子を活用して、従来の配位子では安定化し得なかった新規な有機高配位典型元素化合物を創製し、その構造、結合様式および反応性を明らかにするとともに、有機元素化学の発展に貢献する新構造に基づいた新しい知見を得ることができた。
著者
丹羽 佐紀 山下 孝子 大和 高行 小林 潤司 杉浦 裕子 Niwa Saki Yamashita Takako Yamato Takayuki Kobayashi Junji Sugiura Yuko
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要 人文社会科学編 (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.145-223, 2008

2006年1月から2007年7月にかけて、鹿児島在住の英国近代初期演劇研究者の仲間たちが集まって、月に1回の割合で、エリザベス1世時代の劇作家、ジョージ・ピールの『ダビデとバテシバ』の輪読会を行なった。一連の翻訳は、その輪読会の成果である。ジョージ・ピールは彼の劇作品に様々な題材を取り入れており、『ダビデとバテシバ』は、聖書のサムエル記下の記事を題材として扱ったものである。劇のあらすじは、基本的には聖書の中に書かれた内容と同じであるが、その描き方にはかなりの相違点が見られ、ピールの独自性が顕著である。翻訳に際しては、毎回、担当者が準備してきた試訳を全員で細部にいたるまで議論、検討し、その都度必要に応じて修正した。それを、丹羽佐紀が取りまとめて文体の統ーを図った。従って、原文の解釈については5名の共訳者が等しく責任を負い、訳文の文体および表現については、主に丹羽に責任がある。解説と訳注の執筆は、丹羽が担当した。
著者
下山 晴彦 屋嘉比 光子 西村 詩織 平林 恵美 林 潤一郎
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.163-184, 2009-03-10

The purpose of this study was to develop and to evaluate psychological education programmes in school setting. They were made in terms of cognitive behavioural group treatment in children and adolescents. At first, 4 sessions programme for elementary school children was developed and carried out and the result was evaluated. Next, 11 sessions programme which was revised in the light of the evaluation was implemented at a reformatory and the result suggested that it could promote the control of anger. Finally, 6 sessions programme on changing negative mood was developed and was examined in 199 junior high school students. The result showed the psychological education program significantly promoted the skill of changing negative mood.