著者
永原 陽子 浅田 進史 網中 昭世 粟屋 利江 石川 博樹 今泉 裕美子 大久保 由理 愼 蒼宇 鈴木 茂 難波 ちづる 中野 聡 眞城 百華 溝辺 泰雄 飯島 みどり 松田 素二 上杉 妙子 丸山 淳子 小川 了 ジェッピー シャーミル サネ ピエール テケステ ネガシュ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、20世紀の戦争において植民地と他の植民地との間を移動した人々(兵士・軍夫、軍に関連する労働者、「売春婦」等の女性)に着目し、とくに世紀転換期から第一次世界大戦期を中心に、これらの人々の移動のメカニズム、移動先での業務と生活の実態、様々な出自の人々との接触の内容、移動の経験が帰還後の出身地社会においてもった意味、などについて検討した。その結果、植民地の場における労働と戦争動員との連続性(「平時」と「戦時」の連続性)、兵士の動員と不可分の関係にある女性の自発的・強制的な移動の事実、さらに従来の研究の中心であった知識層の経験とは大きく異なる一般労働者・女性の経験が明らかになった。
著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。
著者
今泉 裕美子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

①日米政府の刊行・未刊行史・資料、聴き取りから、信託統治への移行期に関する統治及び政策の全体像の提示、②米海軍が収集した日本の統治に関する情報が極めて限定されており、アメリカ文化人類学者の植民地社会分析を日本による統治の実態と突き合わせて検討、③信託統治への移行過程は、米軍の南洋群島占領統治から検討すべきこと、非現地住民引揚げまでで時期区分する必要性を提示、④米の極東政策と信託統治政策との関係を日本兵と非現地住民の帰還政策から分析した。但し⑤新たな史・資料を収集しえたが情報が僅少で、改めて今後の調査方針をたて、⑥当時10代後半以後の中等教育を受けたインフォマントからの情報の重要性を確認した。
著者
今泉 裕美子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

日本統治下の南洋群島研究は、国内外に残存する文書史料が少ないと見なされてきたこと、ゆえに実証に裏付けられた研究が少ないだけではなく、海軍占領以来の日本の統治期全般を射程にいれた研究は行われてこなかった。こうした研究状況に加え、戦前、戦時期の日本の南洋群島統治時代を経験した人々が格段に減りっつあるなか、とくに聴き取りや個人が所蔵する史料の調査は緊要な作業であった。本研究では、国内外での文書史料を収集(米国議会図書館、ハワイ大学図書館、北マリアナ諸島歴史保存課、サイパン博物館、韓国政府記録保存所、日本国立公文書館、日本外交史料館、など)し、その内容分析に留まらず、個別分散して所在する各史料の関係を明らかにしようとした点で、南洋群島関係史料の発掘に大きな成果をもたらした。また面接調査、および個人や引揚げ者団体が所蔵する史料の調査を進めたことも、僅少な文書史料を裏づけ、まな文書に残されない諸事実を発掘することになった。これら諸史料に基づき、日本海軍による南洋群島占領(1914)から、第二次世界大戦中および戦後にかけての米軍による占領と日本人引き揚げまで(1946)を射程にいれた日本の南洋群島統治政策、及びそのもとでの植民地社会の形成について分析を進めた。なかでも、在住日本人については、出身地(沖縄、福島、九州、八丈島、朝鮮半島など)別の、あるいは職業別、男女別、そして子どもの生活など植民地社会の形成を多面的に追究した。現地住民については、サイパン、テニアン、パラオおよびアンガウルで聴き取り調査を行い、植民地社会下での彼、らの生活や意識に、ついて分析を進め、現在論文を作成中である。しかし、以下の事態から本計画の取材対象の多くを日本人にせざるをえなかった。それは、研究期間中の2005年が日本の「敗戦60周年」にあたり、これを機に、南洋群島関連の主要な引揚げ者団体や親睦団体がつぎつぎと解散したこ.とである。報告者は、約20年にわたってこれら諸団体や徊人の取材を進めてきたが、この間の活動を踏まえながら、組織の最終段階を取材することができたごとで戦後の南洋群島引揚げ者たちの活動を明らかにするという次の研究課題の準備ともなり、また解散時だからこそ聞きうる貴重な情報を得た。一方、従来、充分に明らかにされていなかった朝鮮半島出身者についても韓国の史料と米国の史料をつき合わせて、その実態の一端を明らかにした。同時に、ミクロネシアの研究者との交流も行い、現地では大きく不足している文書史料調査や分析についても、今後も積極的に協力を続けることとなった。また、これら研究は随時、研究会で報告し方法論や史料分析について示唆を得た。米軍占領下における占領政策とそのもとでの「植民地社会」については、主に日本人の聴き取り調査に終始したが、今後はミクロネシア住民からの聴き取りと、当該時期み公文書史、料の収集をすすめ、本研究課題を発展させ、論文化を進めたい。
著者
南塚 信吾 下斗米 伸夫 加納 格 伊集院 立 今泉 裕美子 佐々木 直美 木畑 洋一 橋川 健竜 小澤 弘明 趙 景達 山田 賢 栗田 禎子 永原 陽子 高田 洋子 星野 智子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、1980年代の世界史を、いわば輪切りにして同時代史的に分析し、それを一つの有機的に繋がる世界史として認識する視座と方法を探り出すことを目的とした。そして、まず、現代に繋がるグローバルな諸問題を確認した。それは、(1) グローバリゼーションの過程の始まり、(2) ネオリベラリズムの登場とIMFモデルの神格化、(3) 市民社会論の台頭、(4) IT革命、(5) 大量の人の移動などである。次いで、このグローバルな問題に対応して、世界の諸地域での根本的な変化を確認した。そして、アフリカやラテンアメリカでの構造改革から始まり、中越戦争、アフガン戦争、イラン革命の三つの変動を経て、ソ連や東欧での社会主義体制の崩壊、イスラーム主義の登場と湾岸戦争などにいたる世界の諸地域の有機的相互関係を析出した。