著者
鴨井 久一 宮田 裕之 扇 正一 清水 智幸 小出 和良 中島 茂 小島 武志 西澤 聡 東堤 稔 坂本 雅子 土屋 利政 波多江 新平
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.660-666, 1990-06-28 (Released:2011-06-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

歯周病原菌といわれる7菌種 (Bacteroides gingivalis, Bacteroides intermedius, Bacteroides melaninogenicus, Fusobacterium nucleatum, Actinobacillus actinomycetemcomitans, Capnocytophaga ochraceae, Eikenella corrodens) 及び対照として2菌種 (Streptococcus intermedius, Pseudomonas aeruginosa) に対して, ポビドンヨード液 (10% PVP-1) を用いて, その殺菌効果をin vitroで検討した。希釈倍率は原液及び100倍, 400倍, 800倍, 1, 600倍, 3, 200倍, 6, 400倍, 12, 800倍までを設定し, PVP-I接触時間は15秒, 30秒, 60秒とした。その結果, 歯周病原菌7菌種, 対照2菌種に対するPVP-Iの殺菌効果は, 400倍希釈, 15秒 (最少接触時間) で殺菌効果が認められた。このことは, 口腔粘膜の殺菌及び歯周ポケット内へのPVP-I薬液投与の有効性を示唆するものである。
著者
清水 智恵 島田 順
出版者
Japanese Society of Farm Work Research
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.163-169, 2003-09-19 (Released:2010-02-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We examined how the long-term manure application and reduced tillage had exerted influence on the population dynamics of soil mesofauna in the field. Over the cultivation period of corn (Zea mays), we collected soil samples from the four types of field, where managed with the different combination of manure or fertilizer application and conventional or reduced tillage, at regular intervals. Then soil mites and collembola were extracted by using tullugren apparatus. Mites and collembola were classified into several groups mainly on the order or family level, to calculate the density of each group.Fungivorous species were dominant in every field. Although the reactions of mites and collembola were different among the groups, the density of both mites and collembola were higher in the manure applied plots than in the fertilizer applied as a whole. In particular, in the plot where manure application and reduced tillage combined, the densities of them were higher than other combination plots remarkably.These results correlate positively with the fungal biomass in each treatment plot apparently. And predatory mites density also correlates positively that of fungivorous species. It is considered that manure application or reduced tillage may support to maintain the population of predatory macrofauna on higher trophic level, by increasing mites and collembolan as their food resources.
著者
坂井 幸子 久保田 良浩 加藤 久尚 森 毅 清水 智治 谷 眞至
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.978-984, 2018

<p>症例は在胎30週4日,812 gで出生した女児.日齢36に壊死性腸炎を発症,日齢44に消化管穿孔に対して開腹術を施行し,壊死小腸を切除して残存小腸は約50 cmとなった.術後11日目に母乳を再開し順調に増量できたが,日齢90頃より下痢便が出現,乳糖不耐症を疑いMA-1<sup>®</sup>へ変更し改善した.日齢123に血便,腹部膨満,CRP上昇を認め,消化管アレルギーを疑いエレメンタルフォーミュラ<sup>®</sup>へ変更したが改善せず,1週間絶食後に経腸栄養を再開したが腸管ガス貯留が持続し,腸内細菌異常増殖症(small intestinal bacterial overgrowth;SIBO)を疑いmetronidazoleの投与を開始した.数日後には腸管ガスの著明な減少を認め,経腸栄養再開後も症状の再燃は認めなかった.本症例では未熟性による腸管蠕動不良,壊死性腸炎,消化管アレルギーなどの要因が加わりSIBOを発症したと考えられた.</p>
著者
清水 智弘 吉川 眞 瀧浪 秀元 御崎 哲一 髙橋 康将 中山 忠雅 内田 修 近藤 健一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:22489622)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_45-I_53, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
11
被引用文献数
9

適切に橋梁構造物を維持管理していくためには,各種データを一元管理する必要がある.JR西日本では通常のメンテナンスは展開図を参照することによって検査,補修が行われている.しかし,変状もしくは補修の位置や形状を記録する維持管理用の展開図は,寸法のない模式図である.さらに,検査と工事で共通に使用できず,時系列管理を行いにくいという課題がある.そこで,著者らは,3Dモデルを活用した橋梁維持管理システムを開発した.また, 点検や修理を管理するための展開図を簡単に作成できるシステムを開発した.さらに,本システムの有効性を確認した.
著者
加藤 駿 石崎 良祐 三橋 亮太 清水 智恵 島田 順 普後 一
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1_039-1_042, 2014 (Released:2014-05-26)
参考文献数
7

2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故で,福島県内は放射性物質の甚大な汚染をうけた。桑園とクヌギ畑の土壌,桑やクヌギ葉,幼虫,蛹,繭等の放射性物質濃度の測定,作業環境の空間放射線量等の具体的なデータを収集し,養蚕業や天蚕業に及ぼす放射性物質の影響について考察した。調査地の空間放射線量測定の結果,飼育室内の空間放射線量は,圃場に比較して特段高い値ではなかった。2012年5月と9月測定時の桑園およびクヌギ畑土壌中の放射性Cs濃度は,Cs-134,Cs-137ともに1000Bq/kg以上の値を示していた。しかし,9月時点の桑葉とクヌギ葉の放射性Cs濃度は,いずれも厚生労働省の定める一般食品中の基準値(100Bq/kg)を下回っていた。カイコ幼虫,蛹と繭についてはCs-134,Cs-137ともに検出限界値以下であった。天蚕の繭からはCs-134が20.7Bq/kg,Cs-137は36.3Bq/kg検出された。これらの結果から,福島県での養蚕業あるいは天蚕業への放射性物質の直接的な影響はないと考察した。
著者
清水 智子
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.127-133, 1984-03-31

島根県における保育所保母のヘルス・ケアのあり方を研究する立場から,今回は,保母に多発し医学上問題となっている頸肩腕障害と日常生活の不便,苦痛の実態について調査を行った。本調査対象者は,市部62.1%(公立53.8%,私立66.1%),農山村52.3%(公立51.0%,私立52.3%),離島68.8%(公立57.9%,私立88%),へき地40.0%(公立のみ)であった。対象者は年令構成では20代が全体の53.4%,経験年数では10年未満が62.1%,未・既婚別では既婚者が60.2%,平均労働時間では8~9時間が93.6%を占めた。頸肩腕障害の症状では,「物忘れ」や感覚器,とくに「目の疲労」,「視力がおちた気がする」,さらに「肩こり」,「腰痛」など頸肩腕障害の典型的なパターンがみられた。日常生活の不便・苦痛の訴えでは,精神神経系に関する症状が中年層に最も多くあらわれていた。業務の実態では,「休憩時間が十分とれない」あるいは「家庭への仕事のもち帰り」など日常生活への影響も明らかになった。本調査結果から,今後,保母の労働条件,職場の環境条件,作業および保育内容,一日の生活時間配分などを具体的に考慮したプライマリ・ヘルス・ケア対策や,適切な健康教育あるいは生活指導の展開が緊要な課題と考えられる。本研究の要旨は,第27回日本小児保健学会(1983,埼玉)ならびに第30回日本公衆衛生学会(1983,横浜)において発表したものである。なお,本研究にあたり御指導を賜わりました本学名誉教授大久保英子氏ならびに,島根医科大学第2環境保健医学教室教授山根洋右氏,同助教授吉田暢夫氏,また,調査に御協力いただきました島根県各保育所長,ならびに保母の方々,島根県および関連市町村の社会福祉関係の方々に厚く御礼申しあげます。
著者
玉井 幸恵 清水 智美 永井 文乃 熊谷 晶子
出版者
一般社団法人 日本女性科学者の会
雑誌
日本女性科学者の会学術誌 (ISSN:13494449)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.33-38, 2015-03-27 (Released:2015-03-31)
参考文献数
10

唾液は、血液に比し、非浸襲、安全に採取でき、特にストレス研究において注目されている。唾液ストレスマーカーとして、α-アミラーゼ活性やクロモグラニンAが知られているが、これらの研究は急性期ストレスに限られ、長期的ストレス状態緩和での研究はほとんどなされていない。今回、海岸ウォーキングストレス緩和法について検討した。唾液アミラーゼ活性、血圧測定、ストレス心理テストをウォーキング前後で実施した。約40名の唾液サンプルのうち、アミラーゼの活性がウォーキング後に低下していた3サンプルについて、解析を試みた。唾液アミラーゼ分子について抗体を用いウェスタンブロッティング、ドットブロット分析を行った。これらの結果から、アミラーゼ活性の減少は、唾液腺からの分泌低下というより、別の因子による可能性が示唆された。現在、これらバイオマーカーに関してプロテオーム解析を継続中である。
著者
清水 智子
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.127-133, 1984-03-31

島根県における保育所保母のヘルス・ケアのあり方を研究する立場から,今回は,保母に多発し医学上問題となっている頸肩腕障害と日常生活の不便,苦痛の実態について調査を行った。本調査対象者は,市部62.1%(公立53.8%,私立66.1%),農山村52.3%(公立51.0%,私立52.3%),離島68.8%(公立57.9%,私立88%),へき地40.0%(公立のみ)であった。対象者は年令構成では20代が全体の53.4%,経験年数では10年未満が62.1%,未・既婚別では既婚者が60.2%,平均労働時間では8〜9時間が93.6%を占めた。頸肩腕障害の症状では,「物忘れ」や感覚器,とくに「目の疲労」,「視力がおちた気がする」,さらに「肩こり」,「腰痛」など頸肩腕障害の典型的なパターンがみられた。日常生活の不便・苦痛の訴えでは,精神神経系に関する症状が中年層に最も多くあらわれていた。業務の実態では,「休憩時間が十分とれない」あるいは「家庭への仕事のもち帰り」など日常生活への影響も明らかになった。本調査結果から,今後,保母の労働条件,職場の環境条件,作業および保育内容,一日の生活時間配分などを具体的に考慮したプライマリ・ヘルス・ケア対策や,適切な健康教育あるいは生活指導の展開が緊要な課題と考えられる。本研究の要旨は,第27回日本小児保健学会(1983,埼玉)ならびに第30回日本公衆衛生学会(1983,横浜)において発表したものである。なお,本研究にあたり御指導を賜わりました本学名誉教授大久保英子氏ならびに,島根医科大学第2環境保健医学教室教授山根洋右氏,同助教授吉田暢夫氏,また,調査に御協力いただきました島根県各保育所長,ならびに保母の方々,島根県および関連市町村の社会福祉関係の方々に厚く御礼申しあげます。
著者
内藤 佑介 清水 智 加藤 智行 小林 功郎 植之原 裕行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.258, pp.103-108, 2012-10-18

ループバック装荷半導体モノリシック集積SOA-MZI型全光フリップ・プロップ回路は、高速・広波長帯域・低偏波依存性の特徴を持ち、全光パケットスイッチの光パケットの光ゲート制御信号生成や光ラベル識別動作への応用が期待される。しかしながら、従来はSOAと光導波路のハイブリッド集積回路に光ファイバ・ループを外部で接続した構成での動作実証のみであり、ループの伝搬遅延に制限される数10nsのパルスでの動作が報告されるに留まっていた。そこで数10psの入力光パルスでの動作を目的として半導体モノリシック集積回路について動作検討を行った。SOA利得の波長・注入キャリア密度依存性を考慮したモデルを用いたレート方程式を解析し、CWプローブ光パワーとループ減衰量に対してセット・リセット動作を同時に実現可能な動作条件について明らかにした。またFWHM 18psの光パルスに対してフリップ・プロップ動作を実証したので報告する。
著者
清水 智行 米山 暁夫 柳原 広昌 中島 康之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.99, pp.23-28, 2003-10-03
被引用文献数
4

H.264はMPEG-4やH.263などの従来の動画像圧縮符号化方式に比べて最大で2倍の符号化効率を目標とした符号化方式である。しかし、従来方式に比べて符号化処理の複雑さが非常に大きいため、実用化のためには符号化処理を効率よく行なうための手法が必要である。本稿では、H.264の複数ブロックサイズによる動き補償予測処理において、ブロックサイズの選択および動きベクトル探索処理を高速に行なうための手法について検討する。具体的には、最初に小さなブロックサイズでの動き探索を行ない、隣接ブロックの動きベクトルの類似性から、より大きなブロックサイズを適応的に選択し、かつ探索範囲を絞り込むことによって、H.264参照モデルJMと比較して0.1-0.4dBのPSNR低下で予測誤差計算回数を6-7%に削減することができた。H.264 is a new video coding standard, which has coding efficiency about twice as much as existing standards such as MPEG-4, H.263, etc. Because it has larger computation complexity than existing standards, faster coding algorithms are desired for practical use. We propose a fast algorithm for multiple block size motion estimation. In this algorithm, motion vectors in smaller-sized block are searched at first, and a more suitable block size is chosen and search range is limited according to similarity of the motion vectors. As a result, search steps are reduced to about 6-7% of the H.264 Reference Model (JM), while loss of PSNR is at most 0.1-0.4 dB.