著者
青柳 健隆 鈴木 郁弥 荒井 弘和 岡 浩一朗
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.265-273, 2018 (Released:2018-08-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1

School-based extracurricular sports activity (SBECSA) has widely spread in Japan as a means for youth to play sports or exercise. Especially in junior high school and high school, SBECSA is actively conducted with a high participation rate of students. There have also been reports that elementary schools in some Japanese municipalities also have SBECSA. However, there has been little information about which municipalities conducted SBECSA in elementary schools. Therefore, the present study aimed to clarify the existence of SBECSA in elementary schools in each municipality, and to create a municipal map of implementation status. A complete enumeration questionnaire survey was conducted with all 1741 municipalities’ educational boards. Question items were in regard to the existence of elementary schools’ SBECSA in their municipalities. Answerers were requested to choose one response from the items; “almost all elementary schools have SBECSA”, “some elementary schools have SBECSA”, “there were SBECSA (about 10 years ago), but now there is no SBECSA”, “there weren’ t any SBECSA before 10 years ago”, “we don’ t know”, and “we don’ t answer” . To increase the response rate, a second survey was conducted with Sports Associations or similar sports related organizations in each municipality. Additionally, a third survey was conducted with educational boards again at the same time as the feedback of results was given. As results, 88.0% of all municipalities’ implementation status was identified (response rate = 92.5%). And 23.0% of all municipalities were shown to have SBECSA in elementary schools, although 64.9% did not have it. More than half of the municipalities in Aomori prefecture, Chiba prefecture, Aichi prefecture, and Kumamoto prefecture have SBECSA in elementary school. Based on the results of the present study, it is suggested that further development of the youth sport environment should be discussed. In addition, means to decrease the burdens on teachers who coach and manage SBECSA must be considered.
著者
上野 智貴 山本 民次 福岡 浩一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.67-73, 2022 (Released:2022-03-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

瀬戸内海では, 長期的な窒素・リンの総量規制により, 近年では魚介類の漁獲量低下やノリの色落ちといった貧栄養化問題が指摘されている。対策の一つとして, 下水処理場等事業所からの排水の緩和が行われるようになってきたが, 陸域からの負荷は沖合まで届かない。そこで本研究では, 栄養塩を溶出させることで魚介類を増殖・成長させることを想定し, 実海域で使用できる施肥材を開発することを目的とする実験を行った。原料は完熟発酵鶏糞を主成分とし, これに鉄分と固化剤を加えてプレスした固形の施肥材を作成した。フラスコレベルで溶出試験を行い, 施肥材から溶出するN/P/Fe比が微細藻類の増殖にとって好適な比となるよう工夫した。現場用にサイズをスケールアップした施肥材を用いて溶出試験を行ったところ, 5か月以上の溶出持続性が確認された。以上より, 開発した施肥材が海域において持続的な栄養塩の供給機能を発揮できることを明らかにした。

15 0 0 0 OA 座位行動の科学

著者
岡 浩一朗 杉山 岳巳 井上 茂 柴田 愛 石井 香織 OWEN Neville
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.142-153, 2013 (Released:2014-06-11)
参考文献数
62
被引用文献数
6

背景:現代社会では,移動や職場,自宅などの様々な生活場面において長時間の座位行動が蔓延している.日常生活における座位時間の多寡が,心血管代謝性疾患のバイオマーカーや2型糖尿病,ある種のがん,早世のような健康アウトカムと関連があるという証拠が急速に蓄積されつつある.重要なのは,これらの関連が身体活動に費やす時間の影響を調整した後でも認められることである.本稿では,成人を対象にした座位行動研究に関する今後の方向性を明らかにするため,近年の研究動向を行動疫学の枠組みを応用することによって概観した.内容:このレビューには,座位行動(座り過ぎ)と健康リスク指標との関連についてのエビデンス,自己報告および機器を用いた座位行動の測度,鍵となる座位行動の分布およびトレンド,座位行動のエコロジカルモデルおよび環境的関連要因,座位時間を減らすための介入の有効性,座位時間を減らすことや中断することに関する公衆衛生勧告の概要を含めた.結論:今後行うべき座位行動研究として,座位時間が健康アウトカムに及ぼす影響を明確に理解するための機器を活用した測度による地域住民を対象にした前向き研究,様々な行動場面における長時間にわたる座位行動の多水準の決定要因を解明するための前向き研究,自宅や職場,移動環境における座位行動を減少および中断させる更なる介入研究,日常生活において座位時間を減らすことに関するメッセージを広めるためのトランスレーショナルリサーチ(マスメディアキャンペーンなど),発症機序および量反応関係を解明するための実験研究などが挙げられる.
著者
森岡 浩
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.457-464, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)

インターネット上での情報サービスは,技術の進歩による環境の変化や,そのサービスを利用する人の変化によって,変化していかざるをえない。こうした環境や利用者の変化に対して,サービス提供者側は,時代の波に流されることなく,どのように対処していけばいいのだろうか。インターネット以前のパソコン通信の時代から,30年間にわたってほぼ一貫して同じスタンスで書誌情報の提供を続けている「BOOK」サービスを例に,刻一刻と環境が変化していく中での,有料情報サービスのあり方を考察する。
著者
小﨑 恵生 前田 清司 岡 浩一朗
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.147-155, 2022-02-01 (Released:2022-01-14)
参考文献数
67

Sedentary behavior is ubiquitous in modern lifestyles and defined as any waking behavior with an energy expenditure of ≤ 1.5 metabolic equivalents while sitting, reclining, or lying. Epidemiological evidence suggests that high volumes of sedentary behavior are independently associated with an elevated risk of cardiometabolic disease and all-cause mortality. By contrast, a growing body of experimental evidence showing the potential benefits for cardiometabolic risks of reducing and breaking up sedentary time. Therefore, recent physical activity guidelines indicate the importance of reducing and regularly interrupting prolonged sitting. In this narrative review, we summarize the findings from experimental studies that investigated the acute impacts of prolonged, uninterrupted sitting and interrupting sitting on several cardiometabolic risk factors, including vascular function, blood pressure, and glucose metabolism. Here, we highlight experimental evidence from controlled laboratory trials that may lead to a better understanding of biological plausibility, the causal structure of relationships, and potential mechanistic insight on linking sedentary behavior with adverse cardiometabolic outcomes. Our literature review collectively suggests that in addition to increasing moderate- to vigorous-intensity physical activity, reducing sedentary time may contribute to cardiometabolic health. However, the recent evidence remains limited and inconclusive, thus future studies are needed to develop a deeper causal and mechanistic understanding of the biological pathways through which prolonged sitting can adversely influence cardiometabolic health outcomes.
著者
鶴岡 浩志 渡邊 洋平 朝長 啓造
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.105-108, 2005 (Released:2007-11-13)
参考文献数
14

2歳齢,雌の雑種猫が左後肢の破行を主訴として来院した。消炎鎮痛剤の投与を行うものの,病状は進行した。初来院から3日後,食欲不振,左前肢挙上で再来院した。この時点での血液検査では特に異常は認められなかった。脳炎を疑い,プレドニゾロン,抗生剤の投与を始めたが,7日後には起立不能,採食不能となった。経鼻カテーテルを設置し,強制給餌により維持していたが,全身の麻痺は進行し,10日後には自力排尿も困難となり,11日目に全身麻痺のため死亡した。病理検査では大脳の表面に非化膿性の髄膜炎が認められた。抗体検査ではボルナウイルス抗体が検出された。大脳組織を用いたRT-PCRによりボルナウイルス遺伝子が検出された。このことから本症例はボルナ病ウイルス感染症であることが強く示唆された。
著者
畠山 豊 宮野 伊知郎 片岡 浩巳 中島 典昭 渡部 輝明 奥原 義保
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.267-277, 2013 (Released:2014-12-05)
参考文献数
10

健康診断において被験者の問診項目情報も利用する解析を行う妥当性評価のために,問診項目の記述内容と健診における検査結果との関係性を解析した.問診情報は多数の項目(270項目)から構成されているため被験者ごとの記述特徴を直接的に抽出することは困難である.各被験者の生活習慣を潜在トピックとし,その条件下で回答パターンを確率モデルとして記述し,潜在的ディリクレ配分法によって各潜在トピックを抽出することにより,被験者群の問診特徴を自動で抽出する.4,381被験者に対し30トピックで分割し検査値分布の比較を行い,各群において検査項目(血糖値,TG,eGFR)が他の群と比較して差が存在している(p<0.05)場合,その検査値に対応した問診項目回答パターンであることを示した.この解析結果は,診断時における主訴や病歴情報と同様に,被験者の状態を把握するために問診情報が重要な判断基準として利用可能であることをデータに基づき示した.
著者
岡 浩平 平吹 喜彦
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.189-199, 2014-11-30 (Released:2017-08-01)

本研究は、仙台湾南蒲生の海浜から海岸林のエコトーンを対象にして、2011年大津波後の海浜植物の再生と微地形の関係性を調べた。調査は、津波から約2年4ヶ月後に、海浜に3本、海岸林に1本の調査測線を設置して行った。調査の結果、海浜植物の種構成は海岸林と海浜でほぼ共通していたが、生育密度は海浜よりも海岸林で顕著に高かった。海岸林では、津波時に地盤が堆積傾向であったことから、海浜から埋土種子や地下茎が供給されたため、海浜植物の再生が早かったと考えられた。また、海岸林では、比高の低い立地を除いて、外来草本もしくは木本が優占していた。そのため、将来的には、侵入した海浜植物は徐々に衰退し、樹林へと植生遷移することが予想された。一方、海浜では、海浜植物が全体を低被度で優占していたが、津波による洗掘で形成された深さ2m幅20m程度の凹地だけは、海浜植物の種数と被度が高かった。凹地では防潮堤が建設される予定であるため、種の多様性の高い立地が消失することがわかった。以上のことから、対象地では、安定した海浜植物の生育地は十分に確保されておらず、海浜植物の保全のためには多様な微地形の維持・創出が重要であると考えられた。
著者
長澤 唯史 立岡 浩
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

北米地域の研究および調査では、日本で流通するコンテンツがほぼリアルタイムに海外でも受容・享受されている現状が明らかになった。またインターネット利用者の多くを占める若年層においては、日本語はさほど大きな障害と考えられていない。日本のポップカルチャー・コンテンツは、普遍的なジャンルとしての地位を確立しつつある段階にすでに入っている。
著者
深町 花子 荒井 弘和 石井 香織 岡 浩一朗
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.61-69, 2017-01-31 (Released:2017-10-11)
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究の目的はアクセプタンスおよびマインドフルネスに基づいた介入のスポーツパフォーマンス向上への効果について系統的に概観することであった。国内外の複数のデータベースにて「マインドフルネス」や「パフォーマンス」などの関連する検索語を用いて検索を行い、11件の研究を採択した。日本では該当する研究は見られなかった。ほとんどの研究では(n=8)スポーツパフォーマンスを高めるうえでポジティブな結果が得られていた。残りの3件のうち2件でもフォローアップ期にはスポーツパフォーマンスが向上していた。本研究の結果より、アクセプタンスおよびマインドフルネスに基づいた介入は、スポーツパフォーマンス向上に効果的であると思われる。ただし、国内では全く研究が実施されていない。今後は日本のアスリートにおいてもアクセプタンスおよびマインドフルネスに基づいた介入研究が必要である。
著者
水野 史人 秋田 利明 森岡 浩一 三上 直宣 野口 康久 小畑 貴司 四方 裕夫
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.395-398, 2013-09-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
9

症例は31歳,女性.胸痛,呼吸苦を主訴に来院,右房内腫瘍を認め,循環器内科入院となった.入院後,心タンポナーデとなり,心嚢ドレナージを施行された.上大静脈の高度狭窄および三尖弁への腫瘍の嵌頓が危惧され,組織診断未定のまま準緊急的に右房亜全摘および上大静脈切除,Xenomedica patchによる右房再建,人工血管による上大静脈再建を行った.病理所見は血管肉腫であった.心臓原発血管肉腫は稀な腫瘍であり,生存期間4~9カ月と予後不良であるが,本症例では手術を行うことでいったん退院でき,術後約5カ月間の生存期間を得ることができたので報告する.
著者
安永 明智 柴田 愛 クサリ ジャヴァッド 岡 浩一朗
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.21-27, 2021 (Released:2022-05-14)
参考文献数
47

This study reviewed previous studies and discussed the relationship between sedentary behaviour and mental health in older adults. We also discussed the impact of the COVID-19 pandemic on sedentary behaviour and mental health in older people. The findings suggest that longer sedentary time may have a negative impact on mental health. Especially, previous studies consistently reported that mentally-passive sedentary behaviour, such as television viewing, is associated with poorer mental health in older adults. The COVID-19 pandemic has affected people of all ages, including the older population, by decreasing their physical activity and increasing their sedentary time. These changes in activity have led to deterioration in mental health. Therefore, it is essential to send public health messages to people encouraging them to reduce sedentary time in their daily lives and be physically active to maintain and improve their health, including their mental health, even in the COVID-19 pandemic. It is crucial to reduce mentally-passive sedentary behaviour, such as television viewing, to maintain mental health in older people.
著者
岡 浩一朗
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.208-215, 2003 (Released:2014-12-10)
参考文献数
24
被引用文献数
25

行動変容のトランスセオレティカル・モデル(TTM)は,人がどのように健康行動を変容するかを理解するために用いられてきた。元々は,不健康な習慣的行動(たとえば,喫煙)の変容を説明あるいは予測するために開発されたものであった。最近では,身体活動・運動行動の研究分野においても TTM を利用することが支持されている。本研究は,日本人中年者を対象に,運動行動における TTM の構成要素について検討した。特に,運動行動の変容段階と運動セルフ・エフィカシーとの関係を調べた。 初めに,本研究では運動セルフ・エフィカシーを査定するための尺度を開発した。467人の中年者が,調査票に回答した。ステップワイズ変数選択による探索的因子分析の結果,5 項目 1 因子からなる尺度が開発された。計量心理学的分析の結果,この尺度が高い信頼性と妥当性を有することが示唆された。 次に,変容段階とセルフ・エフィカシーの関係を検討するため,中年者808人を対象に横断的調査が行われた。運動行動の変容段階と運動セルフ・エフィカシーを査定する調査票を実施した。運動行動の変容段階分類と運動セルフ・エフィカシーとの間に有意な関連が認められた。特に,本研究の対象者におけるセルフ・エフィカシー得点は,無関心期に属する人が他の段階の人と比較して最も低く,維持期の人が最も高かった。一般的に,段階を通じて直線的なパターンで変化した。 本研究では横断的調査デザインおよび非無作為サンプル抽出法を用いているために結果の解釈が制限されるが,本研究と先行研究の結果の類似性は,運動行動の変容段階と運動セルフ・エフィカシーの関係が,年齢や文化の違いに関わらず支持されることを示している。これらの関係を正しく理解することによって,健康増進に関わる専門家は身体活動・運動の増進に対する働きかけを改善させることができる。
著者
家村 芳次 片岡 浩平 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.130-135, 1996-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
9 10

The laboratory-scale sake mashing was carried out using rice of various polishing ratio; 70%, 80% and 90%.Amino acidity of sake mash was the lowest at polishing ratio 90%, in spite of highprotein content of polished rice.To elucidate its mechanism, the balance of nitrogen in sake mashwas investigated, and results described below were obtained. More than 50% of nitrogen releasedfrom koji and steamed rice was taken in yeast cells in sake mash.The amount of nitrogen releasedfrom both koji and steamed rice was the largest at polishing ratio 90%, whereas, the amount of nitrogen taken in yeast cells was about 1.5 times as large at polishing ratio 90% as that at polishing ratio 70%. Consequently the nitrogen concentration of liquid phase was lowest in sake mash atpolishing ratio 90%. The cell concentration of yeast in sake mash at polishing ratio 90% was 2.5times as high as that at polishing ratio 70%, whereas the amount of nitrogen per dry weight of yeast was about the same regardless of polishing ratio, though the dry weight per 108 yeast cells at polishing ratio 70% was 1.7 times as high as that at polishing ratio 90%. From these results, it was comprehensible that the amount of nitrogen taken in yeast cells in sake mash was the largest at polishing ratio 90%.