著者
渡利 泰山
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.362-371, 2016-06-05 (Released:2016-08-10)
参考文献数
13

超弦理論は重力子を含む量子論になっている(つまり重力の量子化をする理論である.その理論を我らが自然が択んでいるかどうかはまた独立な問題だが).そして,超弦理論では,時空が1+9次元になっていないといけないらしい.でも,9次元のうち6次元分が十分に小さければ,既存の実験事実とは矛盾しないからOK.さらに,超弦理論の低エネルギーでは,重力子のほかに,素粒子の標準模型っぽい代物も(おおざっぱに言えば)ついでに出てこないでもなさそう.だいたいうまくいっている感じ….一般向け科学啓蒙書によく書かれているこのお話は,ほぼ1980年代の半ばまでに専門家の間で成立してきた理解を基にしている(文献2).それから30年ほどが経った.その間,このお話はどのように深化してきたのだろう.超弦理論と現実世界との関わりという文脈でのお話の続きを紹介するのが,本稿の目標である.その他の文脈での弦理論の発展には立ち入らない.本稿ではお話の続きを三本立てという形で切り出して紹介する.1点目は,コンパクト化って何?という点で,80年代後半から90年代後半の進展にあたる.主なメッセージを抽出しておくと,空間の次元という概念自体が量子重力の理論たる超弦理論では自明なものでなくなること.そして,超弦理論の双対性の発見は,弦理論と現実世界との接点という問題を考えるうえで(も),革命的な変化をもたらした,ということである.2点目は,弦理論の解の全体像の理解の深化.別の表現では,冒頭の「だいたいうまくいっている感じ」を精密化しようという話でもある.現時点での超弦理論の理解に従うなら超弦理論には解がきわめてたくさんある,ということが知られている.それらの解の低エネルギーでのゲージ群や物質場の世代数は,個別の解ごとに種々様々であり,粒子の相互作用の結合定数の値も,様々である.ゆえに,冒頭に「素粒子の標準模型…出てこないでもなさそう」と記したのは,この種々雑多な解の中の一つとして,我々の宇宙を記述する解も多分存在するんじゃない…?という意味で理解することになる.学問分野としては,“多分”ではなしに“ちゃんと”存在を示せ,という話になる.これを示せれば,超弦理論という仮説を棄却する必要がなくなるからだ.そのためには,どうするか.コンパクト化という手法で得られる超弦理論の解の範囲内に話を限れば,まず,コンパクト化に用いる幾何と低エネルギーで実現される場の理論模型との間の翻訳関係を調べ,次に,幾何の選択肢の範囲内で素粒子の標準模型が実現できるかを調べることになる.超弦理論の双対性の発見から十数年が経った現在,ゲージ群,世代数,それにクォークやレプトンの質量,混合角のおおまかな特徴をどのように翻訳すべきか,理解が整理されてほぼ落ち着きつつある.3点目は,超弦理論が現実に矛盾しないという消極的達成だけでなく,何か素粒子物理に新たな知見をもたらす積極的達成はないの?という話.全くないわけでもないですよ,,,というのが現状である.紙幅の都合上,陽子崩壊の分岐比,右巻きニュートリノの質量,ゲージ結合定数の統一,の3つのテーマについて得られた弦理論ならではの知見を取り上げて,紹介する.
著者
渡利 泰山 大河内 豊 高柳 匡 Chung Yu-Chieh Kehayias John 西尾 亮一 Gang Dong-Min Weissenbacher Matthias
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

素粒子物理の現象論や模型構築というアプローチは、低エネルギー有効局所場の理論を言語とする。そのため、この理論的枠組みの持つ限界から逃れられない。今回の研究では、超弦理論を用いて、その限界を打破する試みを2通りの方法追及した。1つは、超弦理論のコンパクト化を用いるものである。フラックスコンパクト化の解の統計学をF-理論で適用可能にすることにより、ゲージ群、湯川結合定数などの分布関数を導いた。もう1つは、AdS/CFTを用いたハドロン高エネルギー散乱の理論的枠組みの拡張。2体から2体への散乱ながら、非弾性散乱でも扱えるように拡張し、一般化されたパートン分布関数の定性的性質を弦理論を用いて導いた。
著者
菅野 美穂 市坪 拓之 ヌル アデリン 市坪 誠 渡利 高大 山口 隆司
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.2_55-2_60, 2022 (Released:2022-03-20)
参考文献数
17

Generally, the acquirement of professional knowledge and skills for engineering is the essence of Kosen (Japanese colleges of technology) education. This research aims to analyze the elements of quality assurance of the Kosen education system from external evaluations. This research is based on the external evaluation and accreditation data from National Institution for Academic Degrees and Quality Enhancement of Higher Education (NIAD-QE). The result from the quantitative text analysis reported that significant educational achievements of technical colleges included graduate attributes such as knowledge and ability. Furthermore, the quality elements from external evaluations were discussed compared to quality elements from internal evaluations in the Kosen from the viewpoints of the knowledge and skill acquirement for professional engineers.
著者
中根 俊成 渡利 茉里 安東 由喜雄
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.383-393, 2018-04-01

自己免疫性自律神経節障害(AAG)では抗ニコチン性自律神経節アセチルコリン受容体(gAChR)抗体の出現を血清中に認める。gAChRの構成サブユニットはα3とβ4であり,いずれかもしくはいずれに対しても自己抗体の産生が認められる。この抗gAChR抗体がAAGの病因であることを証明するin vitro実験は既に報告されており,患者血清IgGによる疾患移送もなされている。われわれは本邦におけるAAGの臨床像として,①慢性経過の症例が多い,②広範な自律神経障害を示すことが多いが,部分的自律神経障害(体位性起立性頻脈症候群,慢性偽性腸閉塞症など)の症例でも陽性と呈することがある,③extra-autonomic manifestations(自律神経外症状)として中枢神経症状(精神症状,記銘力障害など),内分泌障害などを呈することがある,④一部の症例において悪性腫瘍,膠原病などの自己免疫疾患の併存がみられる,などを報告してきた。これら以外の未解決の事項としてAAGと同じく自律神経障害を病態の主座とするニューロパチー(急性自律感覚ニューロパチーなど)が同じ疾患スペクトラム上にあるものか,異なるものか,が挙げられる。われわれはこれらの病像にアプローチするために他のニコチン性AChRサブユニットに対する自己抗体の検出についても研究を進めている。
著者
渡利 一夫 星野 忠也 木下 睦 岩島 清 本田 嘉秀
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.336-345, 1976

原子力開発,それに伴う核燃料再処理工場の稼動,そして低レベル放射性廃液の海洋放出による環境汚染等の問題から放射性Ruの重要性が認識されている。本稿は,放射化学,核燃料再処理,保健物理あるいは海洋放射生態学等の分野における放射性Ruの研究の実情を,それぞれの観点からまとめたものである。
著者
石渡利康著
出版者
高文堂出版社
巻号頁・発行日
1988

1 0 0 0 論理學

著者
渡利彌生 樫山欽四郎著
出版者
小石川書房
巻号頁・発行日
1948

1 0 0 0 論理学

著者
渡利弥生 樫山欽四郎共著
出版者
評論社
巻号頁・発行日
1951
著者
山敷 拓也 羽賀 俊雄 熊井 真次 渡利 久規
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.79, no.804, pp.1156-1160, 2013 (Released:2013-08-25)
参考文献数
5

A vertical type high speed twin roll caster is able to cast an aluminum alloy strip directly from a molten metal that is poured between the rotating rolls. However defects such as small cracks and unsound thickness distribution of the cast strip occur at faster roll speed. They are related to the contact condition of the roll surface and the melt. In the present study, we used the grooved roll to eliminate the defects, and to save the cost at the same time. We experimented using several grooved rolls with different patterns. When the groove width was 0.45mm; depth 0.2mm; pitch 0.1mm and 1.0mm, stable casting was possible. The shape of bulge was formed on the cast strip surface by the grooved roll. As a result of the color check, the grooved roll could eliminate the small cracks. The surface condition of the strip was more sound using the grooved roll with the pitch of 0.1mm than that of 1.0mm. Stopping the rotated roll during the casting, we observed the contact condition between the melt and the roll, and confirmed how the bulge was formed. To cold-roll for strip with bulges was possible and the bulges was erased. To cast for the sound strip was possible by the vertical type high speed twin roll caster with grooved rolls.
著者
西村 義一 魏 仁善 金 絖崙 渡利 一夫 今井 靖子 稲葉 次郎 松坂 尚典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.244-247, 1991-06-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

Chitosan derived from chitin which is a cellulose-like biopolymer distributed widely in nature, especially in shellfish, insects, fungi and yeast, is known to be one of the natural chelating agents. The purpose of the present study is to investigate whether chitosan can be applied to the animal and human body in order to reduce the bioavailability of radiostrontium in foods.Chitosan solution was orally given and immediately after then 85SrCl2 was administered to rats using a stomach tube. The whole-body retention of 85Sr determined by in vivo counting was lower than that of control rats which were not given chitosan. The activity ratio in urine and f eces f or chitosan-treated rats was higher than control rats.Ten percent of alginate food was given to rats during 10 days and 85Sr was administered orally. The whole-body retention of 85Sr alginatetreated rats was decreased sharply compared with control rats.These results suggested that chitosan and alginate can be used as a drug to reduce bioavailability from gastrointestine of ingested radio strontium.
著者
森下 志子 森下 一樹 森田 正治 宮崎 至恵 甲斐 悟 中原 雅美 渡利 一生 松崎 秀隆 吉本 龍司 村上 茂雄 千住 秀明 高橋 精一郎
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D1179-D1179, 2005

【はじめに】シャトルウォーキングテスト(SWT)は慢性呼吸不全患者(COPD)を対象に開発された運動負荷試験である。そのプロトコルは標準化されており,その結果から運動処方を具体的に行うことが可能であるという特徴がある。健常者に用いられる運動負荷試験として20mシャトルランニングテストがあるが,元来,スポーツ選手の全身持久力を評価するために開発されたため,最初のステージで,予測最大酸素摂取量が24.5 ml/kg/minと設定されており,運動負荷が大きいという問題点を抱えている。SWTはCOPDを対象に開発されたものであるため,プロトコルが緩やかであり,走行困難な者でも実施可能である。しかし,SWTでの運動負荷の予測式はCOPDを対象としたものであり,健常者には当てはまらない。そこで本研究では健常者を対象にSWT中の酸素摂取量を測定し,その結果から予測式を算出することを目的とした。<BR>【対象】長崎県I町在住で,町が主催する健康教室へ参加した整形外科的疾患のない25名を対象とした。年齢は26~78(平均54.17±17.76)歳,男性5名,女性20名であった。<BR>【方法】測定は,身長,体重,握力,SWT歩行距離および運動終了時の実測酸素摂取量(実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>)を実施した。SWTは標準プロトコルに従って測定し,酸素摂取量は携帯型呼気ガス分析装置(MetaMax2,CORTEX)を用い,ブレスバイブレス方式で記録した。呼気ガス分析より得られた実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離の関係を検討するために単回帰分析を用いて予測式を作成した。<BR>【結果】実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離との関係は,実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>=0.030×SWT歩行距離+7.397(R<SUP>2</SUP>=0.841、p<0.01)となり,高い相関関係が認められた。実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>の予測式を作成する上で,年齢その他の要因の関与は認めなかった。SWTプロトコルにおいて,上記予測式を基にした各レベルの予測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>は,レベル1では7.697~8.297ml/kg/min,レベル2では8.597~9.497 ml/kg/minとなり,最高レベルであるレベル12では34.097~37.997 ml/kg/minと算出された。<BR>【考察】上記予測式の結果をMETsに換算すると,レベル1~12は2.1METs~10.9METsとなる。これをトレッドミルでの運動負荷試験として広く利用されているBruceプロトコルと比較すると,最大のレベルは3~4段階程度に相当する。Bruceプロトコルは,運動強度の増加が段階ごとに2~3METsと比較的大きく,日常的にトレーニングを行っていないものでも3段階までは到達可能である。今回の結果により,SWTでの運動負荷は,日常的にトレーニングを行っていない健常者に対する最適な運動負荷量を設定できるものと考える。
著者
隅 優子 山下 小百合 後藤 剛 渡利 一生
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb0606-Eb0606, 2012

【はじめに、目的】 当院では、他の診療機関にて筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)の確定診断を受けた長期療養患者を受け入れており、ALS患者の在宅生活を支援すべく、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、介護支援室を開設し、その一環として訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)を開始した。今回、訪問リハ開設から現在までの利用者の動向を調査した。また、現在利用中のALS患者の問題点と訪問リハの内容を、担当理学療法士(以下、担当PT)及び家族へアンケートにて調査し、各々に相違がみられるか比較検討した。【方法】 利用者の動向調査は、平成12年1月~平成23年10月の期間に当院の訪問リハを利用したALS患者21名(男性11名、女性10名)を対象とし、過去の診療録をもとに調査した。調査内容は、訪問リハ開設から現在までの利用者数、利用期間および訪問リハ開始時と終了時もしくは現在の寝たきり度、使用していた医療機器、福祉機器、利用していたサービスである。また、現在利用中のALS患者のアンケート調査は、平成23年10月現在の利用者8名(男性5名、女性3名、平均年齢69.3±13.8歳)を対象とし、担当PTに対しては「現在の問題点」と「リハビリの内容」、家族に対しては「家族が考える問題点」と「利用者に必要と思うリハビリの内容」を調査した。これらはあらかじめ各々10項目ずつ選択肢を挙げておき、優先順に5つ選択する形式をとった。「現在の問題点」及び「家族が考える問題点」の選択肢は、関節可動域(以下、ROM)制限、筋力低下、痛み、坐位・立位保持困難、移乗困難、移動困難、コミュニケーション困難、排痰困難、外出困難、日常生活動作(以下、ADL)困難の10項目を挙げ、「リハビリの内容」及び「利用者に必要と思うリハビリの内容」の選択肢は、ROM訓練、筋力訓練、疼痛に対する徒手療法、坐位・立位訓練、移動訓練、コミュニケーション訓練、排痰訓練、外出支援、ADL訓練の10項目を挙げた。【倫理的配慮、説明と同意】 第47回日本理学療法学術大会で発表するにあたり、ご家族の同意を得ており、個人情報の管理には十分配慮した。【結果】 平成12年1月に訪問リハのサービス提供を開始し、その年の利用者は3名、翌年は4名と徐々に増え、平成20年、21年、22年は11名と最も多かった。現在の利用者は8名で、これまでの利用者総数は21名である。平均利用期間は36.3±36.8カ月で、最も長い利用者は11年9カ月であった。訪問開始時の寝たきり度はA-1が1名、A-2が4名、B-1が7名、B-2が1名、C-1が2名、C-2が6名であったが、現在または終了時になるとB-2が2名、C-2が19名であった。使用している医療機器では、NIPPV使用が2名から0名、在宅酸素は4名から6名、気管カニューレは10名から18名、人工呼吸器は10名から16名、胃ろうによる栄養注入は9名から16名へと変化していた。福祉機器では、ベッドの使用が19名から20名、車いすの使用は開始時、終了時ともに16名、杖・歩行器は5名から0名、ポータブルトイレは5名から3名、移動用リフトは0名から2名、伝の心等のコミュニケーション機器は0名から1名へと変化していた。他のサービスでは、全員が開始時、終了時ともに訪問看護、ヘルパーを利用しており、過半数の方がレスパイト、訪問入浴を利用していた。現在、8名の訪問リハを行っており、寝たきり度は全員C-2で人工呼吸器を装着している。家族へのアンケート結果から利用者の問題点として「コミュニケーション困難」と答えた方が100%、「ROM制限」が87.5%、「ADL困難」が75.0%であった。担当PTでは「ROM制限」が100%、「筋力低下」が87.5%、「排痰困難」が75%であった。家族が利用者に必要と思うリハビリの内容は、「ROM訓練」が100%、「排痰訓練」が75%、「筋力訓練」が75%であった。担当PTでは「ROM訓練」が100%、「疼痛に対する徒手療法」が87.5%、「排痰訓練」が75%であった。【考察】 動向調査から、利用者は徐々に増加しているが、その中に占めるランクB・Cの割合も増え介護負担の大きい家族も多いのではないかと考える。アンケートでは、家族はROM制限以外にコミュニケーションやADLを問題と考えていたが、担当PTでは低い結果となった。また、ROM訓練や排痰訓練は家族・担当PTとも必要と考えていたが、筋力訓練に関しては担当PTでは低い結果となった。今後は家族が問題と感じている点を調査し、リハビリの内容だけでなく福祉用具の検討などアプローチに繋げると共に、家族に対し訪問リハの実施計画を十分説明し、お互いが共通認識を持ったうえでサービスを提供することが必要と考えた。【理学療法学研究としての意義】 ALS患者は進行に伴いADLや意思疎通が困難になるにつれ、家族の負担も大きくなる。その中で訪問リハの担当PTと家族の意見を一致させることは重要であり、今回の取り組みは意義があったと考える。
著者
山県 登 岩島 清 永井 輝夫 渡利 一夫 飯沼 武
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-46, 1966 (Released:2006-08-29)
参考文献数
13
被引用文献数
9 13

Two single doses of coupled radioisotopes of 132Cs-86Rb and 132Cs-42K were orally administered to a human subject. Body retention, urinary and fecal excretions as well as the plasma and erythrocytes contents of radioisotopes were determined. The proportion of urinary to fecal excretion was found different in cesium and rubidium, the urinary excretion being 85.3% of the total in the former and only 68.1% in the latter. Loss of cesium in the sweat amounted to 1.5 and 3.5% of the total excretion for the first two days. Uptake by the plasma of oral dose was rapid and the whole blood content reached max. 11.4% of the dose of cesium at 1 hour, while 2.9 and 2.4% respectively of rubidium and potassium was reached. The levels in the erythrocytes seemed to grow at a slower rate in cesium than in the other alkali elements. The different feature of blood metabolism found in the alkali elements was interpreted by the slow rate of clearance of ingested cesium from blood. Daily fluctuations of fall-out 137Cs in blood and the errors involved in the assessment of the total body burden of 137Cs by blood analysis were also discussed.