著者
平塚 祥子 熊野 宏昭 片山 潤 岸川 幸生 菱沼 隆則 山内 祐一 水柿 道直
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.224-229, 2000-02-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
5 7

The failure of patients to comply with treatment regimens recommended by their physicians is a significant clinical problem. Researches on the assessment of compliance have, however, been precluded by methodological difficulties such as lack of adequate measures. The purpose of this study was to develop a self-administered questionnaire to evaluate drug compliance. First, questionnaire containing a 52-items complied by two doctors, a pharmacist and a nurse, was tested on 81 outpatients, all volunteers, attending the departments of psychosomatic medicine and internal medicine. Four items were temporarily removed for later analysis because they directly inquired about drug compliance (drug compliance items). The other 48 items were analyzed and three factors consisting of 26 items were further studied : expectation on taking medicine, rejection to taking medicine and seeking knowledge of drugs. Chronback's alpha coefficients representing internal consistency of the three factors were sufficiently high (ranging from .75 to .84). Furthermore, we preformed a simplified pill count to validate the 4 drug compliance items. There was a weak to moderate correlation between the result of pill count and each of 4 drug compliance items. A new self-administered questionnaire of 30 items was thus developed and named the Drug Compliance Scale.
著者
松本 聰子 熊野 宏昭 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.425-432, 1997-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21
被引用文献数
4

摂食障害患者は健常者よりも食事制限の程度の高いことが指摘されているが, これまでその具体的内容の違いについての検討は行われていない。そこで本研究では, ダイエット行動尺度, EAT-20,BingeEating尺度を女子高校生2,019名, 女子大学生847名に施行し, 実際にどのくらい, どのような食事制限を行っているのかというダイエット行動と摂食障害傾向, さらにbingeeatingとの関連の検討を行った。その結果, ダイエット行動には構造的ダイエットと非構造的ダイエットがあり, 摂食障害傾向が高くなるにつれて, 構造的ダイエットも非構造的ダイエットも高頻度で行うようになるが, 摂食障害群では特に非構造的ダイエットの頻度の高いことが示唆された。また, bingeeatingにはダイエット行動の中でも非構造的ダイエットのみが影響していることが明らかにされた。
著者
富田 望 今井 正司 山口 摩弥 熊野 宏昭
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.12-21, 2016-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Post-event processing (PEP) とは社交状況の回顧を意味し,社交不安の維持要因とされる。近年,反芻や心配と注意制御機能の関連が報告されているが,同様の反復的思考であるPEPとの関連は明らかでない。また,PEP時の観察者視点を測定する指標も作成されていない。本研究では,PEP時における想起視点機能尺度の作成とともに,実験的な社交状況で生じるPEPと注意制御機能の関連性を明らかにした。大学生を対象に,注意制御に関する質問紙と認知課題,スピーチ課題を行った。翌日にPEPを測定し,PEPと注意制御との相関分析を行った。その結果,想起視点機能尺度の下位尺度を用いてPEPの観察者視点を測定できることが示唆された。また,PEPおよび回避的な観察者視点と選択的注意との間に有意な相関が示された。したがって,PEPを低減するためには特に選択的注意に着目することが有用であると考えられた。
著者
鈴鴨 よしみ 熊野 宏昭 山内 祐一
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.417-424, 1997
参考文献数
14

この研究の目的は, タイプA行動パターン, 職場ストレス(Karasekのdemandcontro1-supportモデルにより定義), および生活習慣の歪みの間の関連を, 以下のような仮説に基づいて検討することであった。1)タイプA行動パターンと職場ストレスは, 運動不足, 飲酒, 喫煙, 食行動の異常といった健康に対して悪い影響を及ぼす行動的リスクファクターを助長する。2)タイプA者が高ストレイン状況下におかれるとより多くの生活習慣の歪みを呈する。2職場の649名の職員(男性442名, 女性207名)に質問紙(「JobContentQuestionnaire(JCQ)」, 「前田式A型傾向判別表」, その他生活習慣の歪みについて尋ねるもの)による調査を行った。そして, タイプA行動パターン, 職場ストレス, および生活習慣の歪みの間の相互連関を各性別ごとに分散分析により検討した。この研究はパス解析を用いて行った以前の研究を再解析したものである。再解析を行った理由は, パス解析ではタイプAと職場ストレスの相乗効果が検討できず, 上記の2番目の仮説の検証が十分にできなかったためである。さらに, 以前の研究では26項目から成るJCQを用いたが, JCQの信頼性と妥当性を検討した最近の研究の中で22項目4下位尺度版の利用が推奨されていたため, 今回は22項目に基づいて新たに算出し直した結果に基づいて解析した。その結果, 以下にあげるような関連がタイプAまたは職場ストレスと生活習慣の歪みとの間に見出され, 2,3の結果を除き, 第一の仮説はおおむね是認されたものと考えられた。1)男性のタイプA者には喫煙者が多く, 女性のタイプA者はアルコールをよく飲む。2)仕事の要求度の高い男性はアルコールをよく飲む。3)裁量の自由度の高い男性には喫煙者が多い。4)同僚のサポートが十分にある男性は間食が少ないが, アルコールをよく飲む。5)仕事の要求度と裁量の自由度がともに高い女性は間食が多い。6)裁量の自由度と同僚のサポートがともに低い男性は最も運動不足である。また, 第二の仮説は以下のような点で検証された。1)裁量の自由度の低い男性のタイプA者は最も運動が不足していた。2)仕事の要求度の高い女性のタイプA者と仕事の要求度の低いタイプB者の双方で喫煙者が多い傾向にあった。以上から, 今回の研究では, 全体的に仮説を支持する結果が得られたということができよう。今後は, より多くの職場を対象にして, 職種をより詳細に分類した研究, そして, タイプA行動パターンと職場ストレスの身体的および心理的リスクファクターに対する影響も検討できるような研究をさらに進めることが望ましい。
著者
Samir Al Adawi 鄭 志誠 辻内 琢也 葉山 玲子 吉内 一浩 熊野 宏昭 久保木 富房
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.933-941, 2005-12-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
22

国際的にみて, 精神的外傷を引き起こすような死別に対し, 十分に対処がとられている社会は少ない.これにもかかわらず, 死別に対する反応を社会的特性という観点でとらえる人類学的研究はごくわずかであり, 死への悲嘆反応は, 心身医学的問題としてとらえられている傾向がある.本稿では, オマーンの伝統的な社会に存続する不慮の死における死者の生き返り(zombification), そして呪術や魔法に関する信仰(信念)を紹介する.これらの反応は社会的に容認されており, 死者の死の否定を基礎としている.さらに考察では, これらを説明モデルという概念を用いて分析し, 世界各地で観察される類似する悲嘆反応を欧米のタナトロジー(死亡学)研究におけるそれと比較し, 新たな視点で論じる.
著者
松本 聰子 熊野 宏昭 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.11-23, 1999-09-30

本研究の目的は父親,母親,同胞,女友達,男友だちのうち誰からの「やせに対する社会的圧力」という社会的影響が最も強く,そしてどのように摂食障害の発現に影響しているのかを明らかにすることであった.なお,対象は女子学生2,866名,平均年齢は17.20歳(SD=1.81)であった.その結果,いずれの社会的影響も自己像不満,やせ願望,摂食障害傾向,そしてダイエット行動と関連しており,その中でも女友達からの影響は最も関連が強く,父親からの影響は最も弱いことが明らかにされた.また,重回帰分析の結果から,自己像不満には肥満度の影響度の方が社会的影響よりも強かったが,その他の変数に対しては社会的影響の方が強いことが示された.パス解析の結果,肥満度は自己像不満を媒介してのみ、一方,社会的影響は自己像不満とやせ願望,そして食事強迫に直接影響し,それらを媒介してダイエット行動に結びついていることが明らかにされた.
著者
鈴木 勝己 辻内 琢也 辻内 優子 熊野 宏昭 久保木 富房
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.185-191, 2007-03-01

近年,心身医療における物語りに基づく医療(narrative-based medicine; NBM)に関する研究では,病者の語りを質的に分析していく意義が理解されつつある.医療人類学によるNBM研究への貢献の一つは,病いの語りの質的調査において,病者・医療者・調査者間の交感的な関わりを含めた相互作用を理解しようとする点にあるだろう.病いの語りの医療人類学研究では,質的調査の中で生じた相互作用を考慮しつつ,病者の生活世界を精緻に理解しようとするからである.今回の報告では,精錬された病いの語りは病者の証言(witness)であり,その証言が証人である医療者と外部の第三者から確認されていくことが,NBMの実践においてきわめて重要であることを提示したい.本報告における証言は,全人的医療の理解に貢献し,NBM研究における重要な概念と考えられるからである.病者・医療者・第三者の相互作用は,病いの語りを精錬させ,病者が病いの専門家としての自負をもち,医療への過度な依存から脱していく臨床プロセスが確認される可能性がある.ここで問うべきは,病者の個人的経験に関する証言は,心身医療における治療の根拠となるのか,という点であろう.医療人類学は,病者の証言の理解を通して,NBMのあり方について根源的な問いを投げかけている.
著者
平塚 祥子 熊野 宏昭 片山 潤 岸川 幸生 菱沼 隆則 山内 祐一 水柿 道直
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.224-229, 2000-02-01
被引用文献数
1

The failure of patients to comply with treatment regimens recommended by their physicians is a significant clinical problem. Researches on the assessment of compliance have, however, been precluded by methodological difficulties such as lack of adequate measures. The purpose of this study was to develop a self-administered questionnaire to evaluate drug compliance. First, questionnaire containing a 52-items complied by two doctors, a pharmacist and a nurse, was tested on 81 outpatients, all volunteers, attending the departments of psychosomatic medicine and internal medicine. Four items were temporarily removed for later analysis because they directly inquired about drug compliance (drug compliance items). The other 48 items were analyzed and three factors consisting of 26 items were further studied : expectation on taking medicine, rejection to taking medicine and seeking knowledge of drugs. Chronback's alpha coefficients representing internal consistency of the three factors were sufficiently high (ranging from .75 to .84). Furthermore, we preformed a simplified pill count to validate the 4 drug compliance items. There was a weak to moderate correlation between the result of pill count and each of 4 drug compliance items. A new self-administered questionnaire of 30 items was thus developed and named the Drug Compliance Scale.
著者
平泉 武志 熊野 宏昭 宗像 正徳 吉永 馨 田口 文人 山内 祐一
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.397-405, 1998-08-01
被引用文献数
1

本研究の目的は, 自律神経機能, 心理・行動特性の面から, 医療環境下と非医療環境下にみられる血圧格差と, 心理的ストレス負荷時昇圧の類似点および相違点を比較することにより, 「白衣現象」の機序を明らかにすることである.対象は, 3回以上の外来受診にて収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を満たし, 重度の臓器障害を伴わない未治療本態性高血圧症患者86例(年齢20〜75歳, 平均55歳;男性33名, 女性53名)である.非服薬下に外来随時血圧と24時間自由行動下血圧の測定を行い, 随時血圧と昼間(6〜12時)血圧の平均値の差を白衣効果と定義した.次いで, 十分な臥位安静の後に, 無負荷の状態で10分間, 数列逆唱による心理的ストレス負荷状態で6分間, 立位負荷状態で7分間, 血圧とRR間隔を一拍ごとに記録し, 心理的ストレス負荷時昇圧度を評価すると同時に, スペクトル解析により血管支配性交感神経活動と圧受容体反射感受性を評価した.さらに心理テストと半構造化面接を施行し, 種々の心理・行動特性を評価した.以上の自律神経機能の指標と心理・行動特性を説明変数に, 白衣効果と心理的ストレス負荷時昇圧を目的変数としたステップワイズ法による重回帰分析を行った.心理的ストレス負荷時昇圧には, ストレス負荷時血管支配性交感神経活動が正の関連を示したのに対して, 白衣効果には安静臥位時血管支配性交感神経活動が負の関連を示した.一方, 心理的ストレス負荷時昇圧には「神経症傾向」, 「怒り」, 「生活習慣の歪み」が正の関連を, 「タイプA行動」が負の関連を示したのに対して, 白衣効果には「抑うつ」が正の関連を, 「不適応」と「怒り」が負の関連を示した.また, 白衣効果と心理的ストレス負荷時昇圧との間には, 有意な相関はみられなかった.以上の成績から, 白衣現象は自律神経機能, 心理・行動特性のいずれの側面からも, 心理的ストレス負荷時昇圧とは異なる現象であることが示唆された.
著者
久保木 富房 野村 忍 熊野 宏昭 末松 弘行
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.107-113, 1996-02-01
被引用文献数
1 1

摂食障害における死亡率の検討は現在までにいくつか報告されている。欧米および本邦でのそれらの報告では1〜10%とあり, 多数例による報告では4%とほぼ一致している。当科の23年間の外来患者中の摂食障害患者は724名である。これら全例についてその予後を調べ, どれほどの患者がどのような状況, 状態で死亡しているのかを調べてみた。当科の外来カルテ, 台帳およびデータベース, さらに担当医への質問紙などより資料を集め, 724名中データの得られた434名について該当者のリストをつくり, それぞれ担当医に直接依頼して, 症例サマリーと以下の項目についての回答を得た。全症例の中で死亡を確認できた症例数は9例あり, 全例女性で, 死亡時の年齢は17〜48歳(平均28歳)であった。発症時年端は14〜21歳(平均17歳)で, ANのみの症例は4例, AN+BNの症例が5例であった。また, 死亡時の体重は17〜66kg(平均35kg)で, 肝障害が確認されていた症例が6例, 浮腫が4例.低K血症が5例, 低血糖発作が4例であった。そして, 死因としては衰弱死3例, 飛び降り自殺2例.服薬自殺未遂後の心不全1例, 突然死2例, 癌死1例であった。さらに心理社会的な面では, やせ願望(肥満恐怖)は全例に強く認められ, 自殺企図4例, 人格障害4例, 母子共生6例, 強迫性5例, Hy傾向3例であった。また, 治療者側の反省点としては以下のことが挙げられた。(1)AN3例(No.1,3,9)→衰弱死この3例に共通する治療者側の反省点は, 治療関係の確立と治療動機づけができなかったことである。No.9の症例においては父親の単身赴任によって母親の負担が増加し, 母親が治療者へ陰性の転移を強く示し, 治療上の問題点とされていた。(2)AN+BN2例(No.5.8)→飛び降り自殺不安定な精神状態への対応が十分でなかったこと, 慢性的なうつ状態に対する評価と対策がとれなかったこと, さらに自殺の予知と対応が不十分であったこと。(3)AN+BN(No.6), AN(No.7)→突然死身体状況の的確な評価ができなかったこと。(4)AN+BN(No.4)→薬物自殺→心不全bulimia症例とのつき合い方, 治療者と患者との距甦の問題, identity crisisや大学への不適応などの問題が十分扱えなかったこと。(5)AN+BN(No.2)→癌死引きこもり(schizoid)への対応が不十分であったこと。両親への対応が十分でなかったこと。摂食障害における死亡は最悪のことであり, 今後さらなる検討が必要と考える。また, 長期化しsocial abilityの低下している症例も多く, Garfinkelらは25%と報告しているが, これらの症例についての今後の検討も重要な問題と考えている。
著者
志村 翠 堀江 はるみ 熊野 宏昭 久保木 富房 末松 弘行 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.62-69, 1994-09-30

日本語版Eating Disorder Inventory-91(EDI-91)を新たに作成し,Eating Attitude Test(EAT)とともに首都圏在住の514名の健常女子(12〜36歳)を対象に実施した。因子分析を行った結果,91項目,11の原尺度と異なり,68項目からなる解釈可能で高い信頼性をもつ6つの因子が抽出された。各因子と原尺度との関係は以下のようであった;第I因子,"痩せ願望","過食";第II因子,"ボディーイメージ";第III因子,"衝動統制","内界への気づき","対人不安","無力感";第IV因子,"成熟恐怖";第V因子,"他人不安","対人不信";第VI因子,"禁欲主義","完壁主義","無力感"。相関分析の結果,各因子とEATとの間には有意な相関がみられた。
著者
鈴木 伸一 熊野 宏昭 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.597-605, 1998-12-01
被引用文献数
2

本研究の目的は, ストレス対処過程のeffort-distress次元における心理・生理的反応を検討することであった.被験者は男子大学生22名であり, 実験群と統制群に振り分けられ, effort条件とdistress条件の実験に参加した.測定指標は心拍数, 収縮期血圧, 拡散期血圧, 皮膚電気伝導水準, 末梢皮膚温, effort-distress得点, 心理的反応, であった.分散分析と回帰分析の結果, effort状態では心臓血管系の反応が顕著であり, 拡散期血圧がeffort状態の変化に対応して変化すること, distress状態では抑うつ・不安反応が顕著であり, 皮膚電気伝導水準がdistress状態の変化に対応して変化することが明らかにされた.本研究の結果は, ストレス状況における認知・行動的状態とストレス諸反応との対応関係を明らかにするものであると考察された.