著者
田中 栄士 小野 圭昭 権田 悦通
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.152-160, 2001-06-25 (Released:2017-04-20)
参考文献数
26
被引用文献数
5

本研究は水嚥下時の口腔期から咽頭期への嚥下動態を経時的に観察し, 口腔期から咽頭期にかけての嚥下機能を明らかにすることを目的とした, 嚥下機能に問題のない健康な成人男性8名を被験者とした各被験者に5から50mLの間で5mLごとの異なる量の水をランダムに口腔内に含ませ素早く嚥下する一回嚥下, ならびに, 嚥下量, 嚥下速度とも被験者任意で試行する連続嚥下を行わせ, 下顎運動と口腔および咽頭の嚥下圧を同時記録し, 口腔内圧, 中咽頭圧, 下咽頭圧ならびに, 各最大圧と下顎運動との時間的関係について分析を行った. その結果 1. 一回嚥下量の増加に伴って, 口腔内圧には差は認められず, 中咽頭圧ならびに下咽頭圧は有意に上昇した. 2. 一回嚥下では嚥下量の増加に伴って, 口腔期から咽頭期への移行時間を表す閉口点と最大中咽頭圧点の時間差ならびに最大口腔内圧点と最大中咽頭圧点の時間差に有意な減少が認められた. 3. 一回嚥下において, 大きな嚥下量(35〜50mL)で最大口腔内圧と最大中咽頭圧の発生時間に逆転現象がみられた. 4. 連続嚥下の各サイクルは, 最初と最後を除いて一回嚥下の動態と類似していた. 5. 嚥下量の近似した一回嚥下と連続嚥下を比較すると, 下顎運動との時間的パラメータにおいて連続嚥下の方が有意に小さな値を示した. 以上のことから, 嚥下運動は嚥下量や嚥下様式の違いによって一定の特徴を示し, 特に下顎運動と嚥下圧の関係は嚥下様式ごとに, それそれの協調活動を持つことが明らかとなり, 嚥下評価に下顎運動と嚥下圧を同時に測定することが有用であることが示唆された.
著者
田中 栄一 鳥越 喜一 竹本 武史 絹巻 煕 織田 勝
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.4-11, 1963
被引用文献数
1

パイロットプラントで試作したラテックスマスターバッチ法によるカーボンブラックマスターバッチ及びオイルブラックマスターバッチの物性及びカーボン分散度をバンバリーマスターバッチと比較検討し次の結果を得た.<br>1) 物性: ラテックスマスターバッチが伸び, 引張強さ, 耐摩耗性, 耐屈曲性, 引裂強さにおいてすぐれており, 300%モジュラスはやや低い. 反発弾性, 永久伸び, カタサは両者に差が認められない.<br>2) カーボンの分散: 顕微鏡観察によるとラテックスマスターバッチはバンバリー練り3分で分散は完全になっており30分練りのものとの差はまったく認められない. バンバリーマスターバッチは10分練りのものまでカーボンブラックの凝集塊が存在するが, 15分練ることによりその分散はラテックスマスターバッチの3分練りにほぼ等しくなり, 30分練ることにより全く等しくなる.
著者
横堀 武夫 皆川 七郎 渥美 光 小野寺 真作 大内田 久 大路 清嗣 岡村 弘之 大塚 昭夫 川崎 正 木村 宏 国尾 武 鈴木 正彦 田中 吉之助 田中 栄 高瀬 恭二 高橋 賢司 玉手 統 宮本 博 村木 潤次郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.74, no.630, pp.830-831, 1971-07
被引用文献数
1

材料の強さと破壊の問題は, きわめて複雑であって, 従来, 固体物理学, 確率統計論, や金および金属組織学, 弾塑性力学などの連続体力学, 材料試験などの異なる立場から, それぞれ独立に研究が進められていた. これら各分野の研究の相互の関連を究明し, 情報を交換し, 知識の交流をはかること, 特に微視的立場と巨視的研究との結びつきを重視し, 問題の解明に資することを目的として, 境界領域としての材料強度研究会が, 昭和42年7月に, 主査以下19名の委員をもって発足し, 昭和44年6月に予定の2年の会期を経過したが, さらに1年の会期延長を認められて, 昭和45年6月末に満3年の会期を終了して解散した.
著者
金 明哲 田中 栄一 丁 光躍
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.人工知能及び認知科学, pp.480-481, 1990-03-14

近年,中国語の計算機処理の研究が進んでいる.中国語を併音で計算機に入力したり,中国語音声の機械認識をするとき,中国語の言語情報を有効に利用しなければならないことは疑いない.そこで中国語の性質を知るために文献2)の中国語高頻度単語6321語について,声母,韻母の出現頻度,声調分布,字数による単語長,声母数に基づく単語の分布,同字数単語中に占める近距離単語数などの調査を行なった.
著者
繪内 利啓 杉山 愛 馬場 恵子 丸峯 良子 水嶋 由紀 高原 香織 井上 寛子 田中 栄美子 馬場 広充
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-46, 2006-09

本研究では,学級全体にSSTを実施するというCSSTを,A小学校において200X年2月〜200X+1年1月まで計5回にわたり実践した。ここでは学級全体の社会的スキルの向上と,学級の仲間関係の改善を目的とし,岡田(2001)の「指導のための児童用ソーシャルスキル尺度」を用いて,「集団行動」,「協調行動」,「セルフ・コントロール・スキル」,「仲間関与スキル」,「言語的コミュニケーション・スキル」の5領域で,その効果を判定した。その結果,ある程度長期間継続することでCSSTの効果が得られることが示唆された。
著者
劉 紹明 田中 栄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.1358-1371, 1995-10-25
被引用文献数
4

本論文は根があり順序がない木(R木と言う)および根がなく順序がない木(単に木と言う)について,それぞれ,強構造保存写像に基づく距離(SSPD),C写像に基づく距離(CD)および極大C写像に基づく距離(MCD),の3種類の距離の計算法を提案している.R木の場合,いずれも,時間計算量はO_T(m_aN_aN_b),空間計算量はO_s(N_aN_b)である.木の場合,3種類の距離の計算法の時間計算量はO_T(max(m_a,m_b)^2N_aN_b),空間計算量はO_s(N_aN_b)である.ここで,二つのR木,あるいは二つの木をT_a,T_bとするとき,m_a(m_b),N_a(N_b)よそれぞれT_a(T_b)の頂点の最大次数,T_a(T_b)の頂点数である.SSPD,CDの計算法は,R木および木の場合とも,従来の計算法より効率が良く,MCDは本論文で提案した距離である.R木および木の距離は,化学で研究されている構造・活性問題をはじめとして,多くの構造比較問題に応用できる.
著者
永田 裕保 山本 照子 岩崎 万喜子 反橋 由佳 田中 栄二 川上 正良 高田 健治 作田 守
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.598-605, 1994-10
被引用文献数
19

1978年4月から1992年3月までの過去15年間に大阪大学歯学部附属病院矯正科で治療を開始した, 口唇裂口蓋裂を除く矯正患者4, 628名(男子1, 622名, 女子3, 006名)を対象とし, 統計的観察を行い以下の結果を得た.1.大部分の患者は半径20 km以内から来院しており, 大阪府下居住者であった.2.男女比は男子 : 女子=1 : 1.9であり年度による大きな変動はなかったが, 9歳以降年齢が高くなるにつれて女子の割合が上昇した.3.治療開始時の年齢は7&acd;12歳が大半を占めた.近年13歳以上の割合が増加を示した.咬合発育段階では, IIIB期が最も多かった.4.各種不正咬合の分布状態は, 男子では反対咬合の割合が最も高かった.一方, 女子では, 叢生の割合が最も高かった.男女ともに年々反対咬合の割合が低下し, 叢生の割合が上昇した.5.Angle分類については, 男女ともにAngle I級が最も多く, 骨格性分類では, 男子で骨格性3級, 女子で骨格性1級が最も多かった.咬合発育段階別の骨格性分類では, 骨格性2級はIIC期からIIIA期にかけて増加を示し, 骨格性3級はIIC期とIVC期に多かった.IIIC期からIVC期におけるAngleの分類と骨格性分類との関係について, 男女ともAngle I級では骨格性1級, Angle II級では骨格性2級, Angle III級では骨格性3級が多く認められた.