著者
長田 和美 三輪 智也 長 篤志 一川 誠 水上 嘉樹 多田村 克己 三池 秀敏
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.100-109, 2008 (Released:2009-10-30)
参考文献数
31

Psychological researchers have pointed out that as the distance between a viewer and an object increases, the perceived size of the object becomes larger than the size predicted using the linear perspective. This phenomenon is called “size constancy”. The purposes of this study are to determine a magnification-rate function for rendering a graphic image to fit it with size and distance impressions obtained in real space observation at a given distance, and to assess the validity of the magnification-rate function for computer graphic images. In the first experiment, we investigated the perceived size of an object placed at different distances, ranging from 1 to 10 m (short distance conditions), and from 4 to 120 m (long distance conditions). We found that the Z-ratio function (Thouless, 1931) can predict the perceived size for an object under the short distance conditions; however, it failed to predict the perceived size under the long distance conditions. Therefore, we applied a logistic function to predict the perceived size of an object under both the short and long distance conditions. In the second experiment, we asked observers to rate the fit of the size and distance of a computer graphic image with the perceived size and distance of objects in a real space. The size and distance of objects in the graphic images were determined using the magnification-rate function in terms of the logistic function, or the conventional linear perspective. We found that the observers gave higher scores for the images generated using the magnification-rate function than those generated using the conventional linear perspective. These results indicate that the magnification-rate function obtained in this study is more useful than the linear perspective in rendering computer graphic images to fit the size and distance of objects in the images with the real space observation.
著者
多田村 克己 中前 栄八郎
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.385-391, 1995-08-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
16
被引用文献数
1

We describe a method for rendering the surface of water, focusing on the problem of realistic color rendering. This method takes into account scattered and absorbed light, interreflection between objects located above the water surface and between those in the water, the shape of the bottom surface of the water and shadows cast on/under the water surface. It can be applied to point light sources with various characteristics of luminous intensity distributions and spectra. Two examples show the effect of the depth and quality of water on this color, comparing simulations with photograph of a pool. They suggest that this method is useful for designing lighting for scenery surrounding water
著者
三浦 房紀 鈴木 素之 村上 ひとみ 中村 秀明 多田村 克己 瀧本 浩一 朝位 孝二 大島 直樹 久長 穣 榊原 弘之 三石 真也 中田 幸男
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、行政と住民が協力して災害時の情報を収集、処理、提供するとともに、災害時要援護者の安否確認を迅速に行い、救助活動を支援するシステムの開発を行った。入力情報には、気象庁の情報のほか、地震計と3次元雨量計を設置して、独自でも入力できるシステムとした。広く住民に情報を提供するためには、デジタルサイネージを用いて、安否確認システムの要援護者が持つ端末はスマートフォンを用いて、サーバはクラウドシステムを用いてシステム構築を行った。宇部市をモデル地域として、市の防災や福祉に関連する部署、高齢者、聴覚障碍者の協力を得て、プロトタイプシステムを構築、その機能検証を行った。
著者
中前栄八郎 多田村 克己 西田友是
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1077-1085, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文は 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を表示するための手法として 処理の速いスキャンラィン法を基本とし 局所的にレイトレーシング法を適用する手法を提案するものである.レイトレーシング法は 光の鏡面反射・屈折を考慮することが可能なことや 各種形状の物体を取り扱えるメリットがある一方 一般に探索する光線と物体との交点を求めるために膨大な計算時間を必要とする欠点がある.そこで 外接箱(bounding box)を用いてこの計算量を節減する手法が開発されている.しかし この手法は 光源数が増すにつれ 影の計算時間が大きな割合を占める欠点がある.これらの問題を解決し 光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を高速に表示するために 次のような特徴を持つ手法を提案する.1)レイトレーシング法は鏡面反射や屈折を考慮する物体のみに適用する.この際 可視面(視点からの光線と最初に交わる面)は スキャンライン法によって容易に求められるから レイトレーシング法を適用する領域を容易に局所化することができる.2)レイトレーシング法を適用する際の視点からの光線の探索および形の処理に 外接箱と影空間(shadow volume)を用いる.これにより 計算点に他の物体が影を落とすか否かの判定を高速化できる.
著者
永井 康雄 藤原 雅俊 多田村 克己 秦 学英 中前 栄八郎
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.45-56, 2006-06-20 (Released:2008-04-11)
参考文献数
37

本論文は, 自然光環境下で使用する屋外移動体, 例えば車等の比較的小さい工業製品のデザイナーへの支援システムとして, 臨機応変に現場撮影可能な可搬性に富んだ2種類のパンビデオシーケンス撮影技法と, この背景パンビデオシーケンスを活用し, 設計段階でデザイナーが気軽にCGモデルを試行錯誤できる幾何学的・光学的に均整のとれた2種類の合成法を提案する. (1) 背景パンビデオシーケンスに移動体を同期させる方法であり, デザイナーは合成のためのスキルを必要としない. (2) 移動物体に背景パンビデオシーケンスを同期させる方法であり, デザイナーは移動体の軌道・速度を自由に設定できる.先ず開発の本題の背景を記述し, 背景パンビデオシーケンスの撮影手法, カラーデザインのための天空輝度分布取得法, 移動体に背景パンビデオシーケンスを同期させるための再編集法, CGモデルと背景パンビデオシーケンスの合成法を提案し, 適用例を挙げてその有用性を示す.
著者
絹田 翔平 多田村 克己
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.18, pp.61-65, 2019

本論文では,1枚の水流静止画から水流アニメーションを特別な知識や技能を必要とせずに生成するための支援ツールを提案する.岡部らにより,水流ビデオデータベースを用意し,水流を含む静止画像とそのアルファマット,および水流の方向を指示することにより,静止画中の水面を動かしたアニメーションを生成する手法が提案されている.この手法は,ユーザによる水流の方向指定,類似画像探索等に画像処理の知識を必要とする.この問題を解決すれば,この手法利用者のすそ野拡大が期待できる.そこで,この問題を解決するインタラクティブな操作による水流アニメーション生成のための支援ツールを提案し,適用例によりその有用性を確認した.
著者
田村 克己 松園 万亀雄 關 雄二 岸上 伸啓 樫永 真佐夫 石田 慎一郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、世界各国の開発庁や国連機関、国際的なNGO やNPO とそれらの援助活動を調査することを目的として、アメリカやイギリスなど世界各国の開発庁、ワールドバンクや国連環境計画などの国連機関、グリーンピースなどの開発支援NPO・NGO の目標、基本方針、開発援助プロジェクトとその実際の活動、文化人類学など社会科学が開発援助プロジェクトの立案・実施・事後評価において果たす役割を調査し、比較した。さらに、現地の開発援助活動やそれらの諸影響をグアテマラやケニア、ミャンマー、タイなどで調査し、個々の開発援助機関の開発実践を検討した。欧米の開発援助機関では、開発の事前調査やプロジェクト立案、プロジェクトの事後評価の分野において文化人類学者や文化人類学的な知見を活用していることが判明した。
著者
中前 栄八郎 西田 友是 金田 和文 多田村 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1515-1527, 1993-08-25
被引用文献数
5

コンピュータグラフィックスは,その誕生から30年を過ぎ,その適用範囲は極めて多岐にわたり,90年代,完全に応用の時代に入った.ここでは,ホトリアリズムの中でも大気や水など,3次元空間に分布した気体や液体およびその中の漂遊微粒子(ちり,煙,霞,混濁微粒子等)の光学現象のモデル化によるホトリアリスティックな画像生成手法について議論する.すなわち,光源として,強い方向性を与えることのできる点光源,太陽直射光,大気の散乱による2次光源としての天空光を対象とし,被照体としては,一般の固体のほかに,上述の空気分子,エーロゾル,水分子,混濁粒子による光の散乱,吸収および水面における反射,屈折を考慮した光学モデルを考える.このモデルによって,スポットライト下の煙や,ヘッドライトによる光束,晴天,曇天下の風景,霧の効果,水質による水の色の変化,水中照明,宇宙から見た地球など,ホトリアリスティックな画像生成が可能になることを示す.