著者
白石 智彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.495-499, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

神奈川県行政資料アーカイブは,県が作成した行政資料のうち電子ファイルの形で作成されたものを永続的に公開するものだ。収録数が順調に増えているのは従来の紙媒体の収集制度を援用していることが大きい。検索サイトからも検索可能で,直接その行政資料にアクセスできる。収録されたものの中には既に担当部署のWebサイトから削除されたものもあるが,遡及データの提出も増えており,このアーカイブの真価が発揮されつつある。今後,更に遡及分が増加し,また単発の広報物等も増加すればより多くの県の情報を伝達できるようになる。一方,元の行政資料を作成する時点での著作権処理が必要になる場合の,自治体内部への広報活動も重要になる。
著者
石川 一稀 中村 祥吾 宇田 朗子 斉藤 勇璃 根本 さくら 長野 恭介 山内 拓真 白石 智誠 太田 和宏 稲垣 武 村井 源 平田 圭二 迎山 和司 田柳 恵美子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.256-262, 2020-05-23 (Released:2020-06-26)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

本研究はコンピュータゲームの中でRole Playing Gameと呼ばれるジャンル(以降、RPG)の物語構造を分析した.対象としては「ドラゴンクエスト」シリーズ,「ファイナルファンタジー」シリーズの二作品を選出した.頻出が想定される物語の要素に基づいてタグを作成し,対象作品を分析した.その結果,基本的なRPGのシナリオはクエストと呼ばれる物語の単位の連続・入れ子構造で成り立っており,そのクエスト自体は「発生」「経過」「結末」の三つの要素で書き表せることが明らかになった.
著者
根本 さくら 石川 一稀 宇田 朗子 白石 智誠 中村 祥吾 長野 恭介 山内 拓真 村井 源 平田 圭二 迎山 和司 田柳 恵美子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.263-269, 2020-05-23 (Released:2020-06-26)
参考文献数
13

物語のシーンにおける登場人物の感情状態と,BGM の関係性は未だ明らかではない.しかし,この関係性が明らかになれば,物語のシーンに適したBGM の自動選択システムやBGM の自動生成システムの構築に活用できると考えられる.そこで本研究では,AI による自動生成が特に進んでいるゲームを題材とし,その中でも物語性が強くかつ人気を博しているという理由からRPG を対象とし,BGM 自動選曲システムの構築を目標としたデータ作成を行った.具体的には,あるシーンの登場人物の感情状態への評価付けと, BGM に対する音響特徴量の抽出行うことで477 シーンをデータ化し対応関係を分析した.
著者
斉藤 勇璃 白石 智誠 太田 和宏 根本 さくら 石川 一稀 宇田 朗子 小川 卓也 友広 純々野 中村 祥吾 山内 拓真 西川 和真 宍戸 建元 長野 恭介 蓬畑 旺周 稲垣 武 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二 角 薫 松原 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

シナリオライターの負担軽減と物語多様性の担保という観点から,ゲーム自動生成システムの開発の必要性が指摘されてきている.これまでに固有名の組みあわせによるシナリオ自動生成やダンジョン自動生成など,いくつかの挑戦は行われてきたが,ゲーム全体において一貫した世界観やストーリー展開を実現するのは困難だった.そこで本研究ではロールプレイングゲームを対象として,シナリオ自動生成,ダンジョン自動生成,BGM自動選択を統合したシステムの開発を行った.シナリオ自動生成においては,既存のゲーム作品のシナリオ分析結果に基づき,クエスト単位でのシナリオ自動生成を行った.次に生成された複数のクエストを統合してストーリーの破綻がない複合的なシナリオの自動生成を実現した.また,ダンジョンは自動生成を実現し,マップやキャラクターは生成されたシナリオに沿ったものを作成した.さらに,シナリオの各場面の機能や登場人物の感情状態に合わせたBGMの自動選択を実現した.これらのゲームの各種要素を自動的に生成して統合することで,ロールプレイングゲーム自動生成システムの構築を行った.
著者
白石 智宙
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.237-254, 2020 (Released:2022-01-19)
参考文献数
33

本稿は,既存の地域内経済循環概念のなかに,自治体を起点とした再帰的かつ連続的な資金の動きを「財政循環」という概念によって位置づけた。それは,単なる経済効果の一環としての自治体収入増減効果とは異なり,政府間財政関係において自治体の収入や支出のあり方を規定する諸要素を考慮に入れた点に独自性がある。そして,岡山県西粟倉村の「百年の森林事業」をケースとして実証分析を行い,「財政循環」の実態とそれを規定する諸要素との関係を定量的に示すことができた。具体的には,単純な税収と財産収入の増加による収入増よりも,国庫支出金や地方交付税を通じた収入への影響を加味した収入増のほうがより実態を反映しており,地域産業政策を適切に評価できることを示した。
著者
白石 智子 関口 和正 大森 毅
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.159-165, 2003 (Released:2009-04-11)
参考文献数
16
被引用文献数
5 5

‘OC-Hemocatch’, an immunochromatographic test for the detection of fecal occult blood was evaluated for the forensic identification of human blood. ‘OC-Hemocatch’ showed positive results for human blood to a dilution of 1:500,000 and provides the strongest detection line for a dilution of 1:20,000. On the other hand, the human blood diluted to 1:100 was negative for ‘OC-Hemocatch’ because of the high dose hook effect. While heating at over 150°C, long term exposing to sunlight, washing and bleaching of bloodstains prevented the detecting of human hemoglobin using ‘OC-Hemocatch’, contamination of blood with various body fluids did not affect it. Furthermore, ‘OC-Hemocatch’ detected human hemoglobin from old bloodstains stored for 15 years at room temperature when 5% ammonia was used for extraction. These results demonstrate that ‘OC-Hemocatch’ can be effectively applied to forensic identification of human blood.
著者
白石 智子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.252-262, 2005-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
34
被引用文献数
17 10

本研究では, 大学生の抑うつ傾向への対処的・予防的取り組みとして認知療法を基にした心理的介入プログラムを実践し, その評価を行った。研究1では, 大学生126名を対象に, 本プログラムの抑うつ感軽減効果及び抑うつ関連認知の変容効果について検証した。実験期間は3週間であった。分析の結果, 本プログラムを受けた認知療法群 (n=62) は, 統制群 (n=64) に比べ有意に抑うつ感の程度が軽減したことが示された。また, 抑うつ感の発現因と捉えられている否定的自動思考の頻度, 抑うつスキーマの程度も有意に軽減したことが示され, 本プログラムは将来に対する予防的措置としても有効であることが示唆された。研究2では, 本プログラムによる抑うつ感軽減効果の個人差について検討した。個人差要因となる変数には, 認知的変数として否定的・肯定的自動思考の頻度及び抑うつスキーマの程度を, 行動的変数として調整型・改良型セルフ・コントロール実行状況を想定した。分析の結果, 介入前における肯定的自動思考の頻度が効果の個人差要因となることが示された。
著者
三宅 義和 牟田 哲也 石塚 勝也 白石 智之 岩崎 仁 森 康維
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.929-935, 1995-09-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12

水溶液中でのテトラクロロ金 (III) 酸のアセトンジカルボン酸による還元反応を紫外・可視分光光度計で測定した.金イオン濃度の減少速度は, 210nmでの吸光度の時間変化から得られ, その反応速度は金イオンとアセトンジカルボン酸濃度に比例した.その速度定数の活性化エネルギーの値が-21.2kJ/molと得られ, この過程が金コロイドの核生成過程に対応していると推論された.一方, 生成した金コロイドは530nm付近に最大吸収波長があり, その波長での吸光度の時間変化は誘導時間を有し, シグモイダル曲線で表された.誘導時間は金イオン濃度, アセトンジカルボン酸濃度及び温度の増大につれ減少した.この過程の活性化エネルギーの値は85kJ/molであり, この誘導期間中に金コロイドの成長が進行することが示唆された.
著者
田中 伸治 白石 智良 小宮 粋史 花房 比佐友 林 誠司 平井 洋 桑原 雅夫
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.259-262, 2012 (Released:2012-04-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

交通シミュレーションを利用してCO2排出量等を推計する際には, 国内外で異なるモデルが使用される可能性が高いため, モデル検証の手続きを国際的に共通化することが重要である.そこで本プロジェクトでは, 交通シミュレーションモデルおよびCO2排出量モデルの検証の枠組みを提案し, 国際ワークショップを通じた合意形成のための議論を行っている.また, この検証に利用可能な実交通データを取得するため現地観測調査を行い, 得られたデータを利用して検証の枠組みの妥当性を確認するための試行検証を実施している.
著者
古川 聖 白石 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.690, pp.21-24, 2004-02-27

利用者がネットワークを通じてプレゼンス情報を交換するプレゼンスサービスを実現するにあたり,有望視される方式の一つにsIPおよびgIP拡張によるモデルがある.しかし特に大規模サービスの実現を目指す場合,機能配備・情報配備に関わる具体的な方法論が十分に整備されていないので,実装間の相互接続性が損なわれることがあった.本稿は大規模サービス実現に向けた要求条件として網による処理代行・不正利用防止・網による情報保持・スケーラビリティ担保を挙げ,これらを充足する方式としてプレゼンスエージェント・プロクシ・利用者ユーザエージェント等から構成される実現モデルを提案する.