- 著者
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原 純輔
秋永 雄一
片瀬 一男
木村 邦博
神林 博史
- 出版者
- 東北大学
- 雑誌
- 萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2006
これまでの研究の過程で、社会調査データアーカイブに関する整備体制と利用実態の国際比較を通して、わが国の現状を検討するという課題が、浮上してきた。そこで、世界最初の国勢調査実施国であり、データの整備と公開が進んでいるアイスランド国立大学およびアイスランド国立博物館における聴取調査を実施した(秋永雄一・原純輔)。また、昨年度に引き続き、社会調査データアーカイブについてのケルン大学社会調査データ・アーカイヴ、マンハイム社会科学方法論研究所での再調査(木村邦博・秋永雄一)を実施するとともに、ケルン大学におけるセミナーに参加した。この結果についても研究会で検討を行った。その結果、「公共財」としての社会調査データという理念が、両国に共通に存在しており、わが国との大きな違いとなっていることが明らかになった。また、過去2年間の実績をふまえて、SSM調査(報告者・片瀬一男。以下同様)、国民性調査(海野道郎)、生活時間調査(三矢恵子)、青少年の性行動全国調査(原純輔)、宮城県高校生調査(神林博史)に対象を絞り、調査の概要・成果に加えて、とくにデータの保存およびデータの公開・利用可能性に焦点をあてながら研究会における再検討を行った。その結果、企画者側の調査データの公開に関する姿勢は多様であるが、とりわけ社会的評価の高い調査では、データのとりかたに独特の工夫がされていることが多く、他の研究者がそれを利用することには相当の困難が伴うことを、具体的に明らかにした。以上の成果は、現在報告論文集としてとりまとめ中である。