著者
武田 佐知子 池田 忍 脇田 晴子 太田 妙子 堤 一昭 井本 恭子 千葉 泉 福岡 まどか 三好 恵真子 宮原 暁 住村 欣範 深尾 葉子 生田 美智子 松村 耕光 藤元 優子 宮本 マラシー 竹村 景子 中本 香 藤原 克美 古谷 大輔 村澤 博人 鷲田 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は大きく分けて二つある。一つは、従来のカタログ的な着衣研究ではなく、個別地域の具体的な文脈から引き離さず、着衣、身体、女性の関係を読み解くための共通の枠組を構築し、ローカルな視点とグローバルな視点の接合によって開ける多様性のなかの着衣研究の可能性を提示したことである。男性身体の周縁に位置づけられた女性身体の可変性、着衣による身体のイコン化と増殖現象、共同体による着衣身体の共有と変換、ジェンダー秩序のなかで受容される女性身体の意味とその操作、そして既存の共同体の集合的に実践や意識/無意識が、視覚表象と深く関わり相互交渉がなされていることを明らかにした。二つめは、日本では「着衣する身体の政治学」と題し、タイでは「着衣する身体と異性装-日・タイの比較-」と題した国際シンポジウムを開催し、単に抽象的、モデル的に着衣研究の事例を理解するのではなく、現場に即した肌に触れる知を通して、実践知と暗黙知を提示したことである。
著者
米田 信子 中島 久 小森 淳子 竹村 景子 米田 信子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では「スワヒリ語圏」におけるスワヒリ語すなわち「超民族語」(民族を超えた共通語)と諸民族語の相互の影響を明らかにするために,東アフリカにおいてスワヒリ語と各民族語に関する社会言語学的調査および記述言語学的調査を行なった。スワヒリ語圏には異なるタイプの言語接触の状況が存在するが,各地域での調査結果を比較しつつ網羅的に言語状況を捉えたことにより,スワヒリ語圏の言語文化的な動態をより正確に記述することができたと思われる。
著者
竹村 景子 井戸根 綾子 宮崎 久美子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

3年度にわたって、東アフリカ海岸地方において現地調査を展開した。各人が対象地域において女性のライフヒストリーの収集にとって適当と判断した地点に密着し、イスラームとの関わりや結婚生活の実態、家族との繋がりにっいて詳細に聞き取った。また、1964年のザンジバル革命、2000年のタンザニア総選挙、2008年のケニアの大統領選挙および国会議員選挙についての意見を含め、女性たちの政治との関わりもある程度聞き取ることができた。ライフヒストリーの聞き書きに当たっては、調査対象となった女性たちが日常的に用いているスワヒリ語変種で話してもらっており、その意味で、3年度にわたって収集した語りは、言語学的および社会言語学的な価値もある資料となっていると思われる。
著者
萬宮 健策 堀 一成 松本 健二 石島 悌 平松 初珠 片桐 真子 米田 信子 藤家 洋昭 山根 聡 宮本 マラシー 竹原 新 竹村 景子 高橋 明 近藤 久美子 長谷川 信弥
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

言語横断的な会話文および語彙データベース作成が、本研究の最大の目的であった。言語によってデータベースの大きさにばらつきは出たものの、多言語間での語彙や短文の簡易検索や、一部の言語における映像資料との連携などが可能となった。日本では商業ベースで注目されることが少ない、いわゆるLCTL(LessCommonlyTaughtLanguages)の外国語教育への応用も含め、これまでにあまり例を見ない使用に耐えるデータベースが構築され、当初の目的は概ね達成できたと考える。