著者
池田 忍 イケダ シノブ Ikeda Shinobu
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.259, pp.192-201, 2013-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第259集『空間と表象』上村清雄 編"Space and Representation" Report on the Research Projects No.259
著者
北原 恵 小勝 禮子 金 惠信 香川 檀 レベッカ ジェニスン 池田 忍
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本プロジェクトは、美術(史)で周縁化されてきた女性アーティストに焦点を絞り、海外・日本におけるジェンダーの視点からの美術史研究や、表象文化理論とアート実践の調査を行い、特にアジア太平洋戦争期の女性美術家の活動を実証的に跡付けることによって、戦争や暴力、ディアスポラに関わる表象・アートを明らかにした。
著者
小沢 朝江 池田 忍 水沼 淑子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

(1)近世内裏における天皇常御殿と女御常御殿を比較すると、同じ用途の部屋でも天皇御殿の方が天井が高く、仕様も高い。また本途(1坪当たりの大工工数)は、天皇常御殿の御学問所など表向の御殿に次いで高いのに対し、女御常御殿は若宮御殿よりも低い。したがって両常御殿の寸法の差異は、女性の身体寸法に合わせたものではなく、天皇と女御の「格」の差を表現したものと判断される。(2)女御御里御殿は、女御の御産に用いる御殿であり、延宝度以降南東隅を上段、上段の西室を二の間、北室を寝所兼産所とする平面を踏襲したが、寛政度以前が上段・寝所を中心とする内向きの御殿であるのに対し、寛政度は、上・下段から成る儀式空間に変化した。この寛政度上段・二の間の「錦花鳥」「子の日の小松引き」の障壁画は、一見異なる画題ながら「根引きの小松」のモチーフで連続する。小松は、江戸時代中期以降定着した「内着帯」に用いられる道具のひとつで、寛政度の障壁画は御里御殿が「内着帯」の儀式空間に変化したことを視覚的に表現したと考えられる。(3)旧東宮御所(明治42年竣工、現:迎賓館)は、従来欧州の宮殿建築を参考にしたと指摘されていたが、洋館でありながら明治宮殿(明治21年竣工)や近世内裏の配置を参考に設計され、特に1階の寝室や居間は、東宮が東宮妃側を訪れるという近世以来の用法を前提に計画されたことが判明した。一方、東宮妃側にも政務を行う御学問所や内謁見所を設けた点は近世と大きく異なり、東宮妃の公務への関与が想定された。また、各室を東宮・東宮妃側で同型同大で設け、意匠にも大きな格差をつけないこと、東宮妃側のみ子ども用の椅子やフットレスト(足台)を配置したことは、東宮妃が東宮と「一対」であり、東宮妃が理想の妻・母であることを強調したと考えられ、明治天皇以前とは異なる「理想の家族」という新たな天皇・皇后像の表現が意図された。
著者
若桑 みどり 池田 忍 北原 恵 吉岡 愛子 柚木 理子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本課題は、20世紀において、男性が支配する国家が起こした世界戦争において、主導権を持たない女性が、ただに「被害者」となったのではなく、さまざまな方法で、戦争遂行に「利用」され、そのことによって一層その隷属性を悪質化したことを明らかにした。以下、代表および分担者の研究成果の要旨を個別に簡略に述べる。若桑は、南京の性暴力の「言説史」を中心課題として研究し、南京で性暴力を受けた被害者に関する日本ナショナリスト男性の「歴史記述」がこの被害を隠蔽したばかりでなく、この性暴力を批判した女性たちをも攻撃し、その言論を封殺したことを明らかにした。これは被害者としての女性への性暴力のみならず、女性の被害を記録する「女性の告発」をも抹消する行為であった。池田は、民族服の女性表象に着目し、アジア・太平洋戦争期における植民地・侵略地への帝国の眼差しを分析した。総力戦体制下の女性服めぐる言説と表象は、国家による女性の身体の管理と動員に深くかかわっていることを明らかにした。北原は、第一次世界大戦期にアメリカ合衆国で制作された戦争プロパガンダポスターに焦点をあて、女性が、男性を戦争へと誘惑する強力な徴発者として利用されたことを明らかにした。この誘惑する女性を媒介としてこれを「守る」男性性が「真のアメリカ人」として構築された。吉岡は中国入スターとして使用された日本人女優李香蘭の仮装と国籍の移動(バッシング)を分析し、植民地と宗主国の国境を逸脱する女が戦略的に植民地民衆の慰撫に利用されたことを明らかにした。
著者
池田 忍
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.259, pp.192-201, 2013-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第259集『空間と表象』上村清雄 編"Space and Representation" Report on the Research Projects No.259
著者
池田 忍 イケダ シノブ IKEDA Shinobu
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.279, pp.191-204, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第279集 『歴史=表象の現在』上村 清雄 編"The Presence of History as Representation", Chiba University Graduate School of Humanities and Social Sciences Research Project Reports No.279近年、アイヌの人々を主体とする文化の発信力は高まり、その需要や研究の状況は大きく変わりつつある。とりわけ、かねてより知られる木彫、刺繍、アットゥシ織といった工芸分野を中心に展覧会の機会が増えた。背景には、「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統に関する知識の普及及び啓発に関する法律」(本稿では通称の「アイヌ文化振興法」を用いる)の成立(一九九七)以後、衆参両議院における「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択され(二〇〇七)、内閣官房長官の要請により設置された「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が報告書を提出(〇九)、白老ポロト湖畔に「民族共生の象徴となる空間」となる国立博物館の二〇二〇年度開設が決定する(一三・七)といった国の政策の進展がある。「アイヌ文化振興法」の成立以降は、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(通称の「アイヌ文化財団」を用いる)が予算措置の面でも重要な役割を果たし、各地の博物館や美術館と共に主催する展覧会において、国内外のアイヌ工芸や民具のコレクションが継続的に紹介されるようになった。また博物館や美術館に限らず、現代の作品に触れる場、機会も開かれている。しかしながら、アイヌの人々が手がける造形は必ずしも「工芸」分野に限らず、またたとえ「伝統」的とみなされる木彫や刺繍などの手法を用いても、それぞれの作家がめざす表現世界は広がりをみせている。版画、イラスト、アニメーション、映像作品などを手がける表現者が現れている。そのような状況下で、「アイヌ・アート」という呼び名がさまざまな文脈で用いられ始めた。それは、…
著者
武田 佐知子 池田 忍 脇田 晴子 太田 妙子 堤 一昭 井本 恭子 千葉 泉 福岡 まどか 三好 恵真子 宮原 暁 住村 欣範 深尾 葉子 生田 美智子 松村 耕光 藤元 優子 宮本 マラシー 竹村 景子 中本 香 藤原 克美 古谷 大輔 村澤 博人 鷲田 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本研究の成果は大きく分けて二つある。一つは、従来のカタログ的な着衣研究ではなく、個別地域の具体的な文脈から引き離さず、着衣、身体、女性の関係を読み解くための共通の枠組を構築し、ローカルな視点とグローバルな視点の接合によって開ける多様性のなかの着衣研究の可能性を提示したことである。男性身体の周縁に位置づけられた女性身体の可変性、着衣による身体のイコン化と増殖現象、共同体による着衣身体の共有と変換、ジェンダー秩序のなかで受容される女性身体の意味とその操作、そして既存の共同体の集合的に実践や意識/無意識が、視覚表象と深く関わり相互交渉がなされていることを明らかにした。二つめは、日本では「着衣する身体の政治学」と題し、タイでは「着衣する身体と異性装-日・タイの比較-」と題した国際シンポジウムを開催し、単に抽象的、モデル的に着衣研究の事例を理解するのではなく、現場に即した肌に触れる知を通して、実践知と暗黙知を提示したことである。
著者
池田 忍 柴 佳世乃 久保 勇 伊東 祐子 亀井 若菜 水野 僚子 土屋 貴裕 成原 有貴 メラニー トレーデ 須賀 隆章 中村 ひの
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究は、日本の中世の物語絵画、とりわけ多様な知識や情報を共有し伝達する媒体であった絵巻の描写を手がかりに、身分と階層を跨る絵巻制作者と享受者の重層的な世界観を明らかにしようとするものである。本研究では、中世の人々の日常生活、労働、信仰、行事、儀礼、合戦の他、異国や異域、神仏化現の舞台となる「場」(型)を抽出・収集し、そこに描かれた建築や環境、多様な「もの」に、身分差や階層差、ジェンダーの差異がどのように描き分けられ、関連付けられているかを具体的に検証し、物語絵画、とりわけ絵巻という媒体の歴史的特性を明らかにした。