著者
間下 以大 新谷 晃一 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-7, 2015-05-11

人の空間知覚において,左側を見る場合は左眼を,右側を見る場合は右眼を優位に用い,正面を見る場合は利き眼を優位に用いていることが確認されている.これらの違いを考慮することで人と空間のインタラクションをより深く理解し,身体動作を用いたユーザインタフェースをより使いやすくできる可能性がある.本稿では,ユーザインタフェースとして利用される代表的な身体動作として指差しに着目し,利き目,利き手の違いと指差し動作の精度について被験者実験を行い,その分析結果について報告する.具体的には,被験者の頭部を固定し,着座した状態で,格子状のターゲット群に対して利き手および非利き手で指差しを行わせ,眼と指先を結ぶ直線を用いて指差し位置推定を行った.その結果,指差し動作においては利き手よりも利き眼の違いが重要であることなどが統計的に確認された.
著者
竹村治雄 西田知博
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.139-148, 2015-04-15

情報通信技術が教育に及ぼす影響は大きい.ここでは,eラーニングの学習環境やコンテンツの作成にかかわる3氏に話を伺った.今,注目されているMOOCを始め,それを支えるプラットフォームの翻訳,コンテンツのディレクションや標準化などについて,各氏の経験に基づくノウハウなどが語られた.
著者
服部 雄一 中澤 篤志 町田 貴史 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.51, pp.145-150, 2006-05-18
被引用文献数
1

時系列3次元データは、応用範囲が広く今後の発展が期待される研究分野である。この時系列3次元データはデータサイズが非常に大きく、これらを伝送および保存する際は圧縮処理が必要不可欠となる。本稿では、データの時間的冗長性を削減することを目的として、3次元に拡張したHuモーメント不変量を用いた時系列ブロックマッチングによる圧縮法を提案する。この手法では、従来手法では考慮されていなかった物体の回転運動を検出することで、圧縮率の向上を図っている。Time sequence 3D data has a broad range of application and is a research area expected for the future development. The time sequence 3D data has such a huge data size that data compression is essential when it is transmitted and saved. This paper proposes a compression method by using the time sequence block-matching with extended 3D Hu invariant moment for the purpose of reduction of the data time redundancy. In this method, the data compression ratio is improved by detecting the rotational motion of an object that is not considered in the existing method.
著者
清川 清 竹村 治雄 片山 喜章 岩佐 英彦 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1517-1526, 1997-09-25
被引用文献数
21

仮想空間内で3次元形状を生成できるモデラ(仮想物体モデラ)には直感的操作性など多くの利点がある. 仮想物体モデラの利用者を束縛せずに, 効率良くかつ正確な形状生成を可能とするには, 特殊な装置を要する力覚提示装置などを用いずに, ソフトウェアによる適切な操作補助手法を導入することが有効である. このような考えに基づき, 我々は仮想物体モデラVLEGOを開発した. VLEGOはブロック玩具を模倣し, 1) 形状プリミティブ同士の相対位置を離散的に制約する, 2) 形状プリミティブ同士の干渉を検出し, 干渉を回避するよう位置を補正する, 3) 二つのカーソルを用いて柔軟な両手操作を可能にする, の三つの特長を有する仮想物体操作補助手法を導入している. この結果, VLEGOは操作に熟練を要さずに直感的に正確な形状生成が行える環境を提供する. 本論文ではVLEGOの設計方針と基本機能について述べる. 更に, VLEGOの仮想物体操作補助手法が作業効率に与える影響を実験により評価する.
著者
大西 崇之 リンダマン ロバート 清川 清 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.361-367, 2012

We propose a 3D selection method with multiple multi-touch touchpads. We employ two touchpads, which allows users to rest his arms during manipulation. Our method uses an asymmetric bimanual technique to define a 3D volume which in the best case requires only a single action. The technique also supports other typical manipulations, such as object and camera translation and rotation. The proposed method is compared with a double mice implementation, resulting that subjects interacting with the proposed method were less accurate but quicker to select objects.
著者
金川 将成 清川 清 竹村 治雄 横矢 直和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.23-24, 1997-09-24
被引用文献数
1

利用者を選ばない分かりやすいユーザインタフェースの構築を目指し, コンピュータグラフィクス(CG)による人物像に対してジェスチャや自然言語による対話を可能とするマルチモーダル対話システムが研究されている[1]. このようなジェスチャを用いた擬人化インタフェース(以下, ジェスチャインタフェース)では, ジェスチャの認識やCGの提示などに時間を要するため, ユーザの入力から計算機の応答までに大きな遅延が起きやすい, 応答遅延は操作性やユーザの操作感を悪化させるため, 応答遅延がユーザの感覚に与える影響を調査することが重要である. 従来, マウスの移動に遅れてカーソルが表示されるなどの, ユーザ自身の動作が遅れて反映される場合の遅延(以下, 自己動作遅延)の影響は調査されている[2]. しかし, たとえ高い即応性が要求されるシステムであっても, ユーザが計算機を自己の対峙者とみなす場合は, 予め遅延を想定するため, 自己動作遅延の場合と遅延の許容範囲が異なる可能性がある. そこで本研究では, 計算機を対峙者とみなすようなジェスチャインタフェースに高い即応性が要求される場合について, 許容できる最大の遅延量や知覚できる最小の遅延量を実験的に調査する.
著者
岸下 直弘 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.85-90, 2012-06-19
参考文献数
12

近年,超広視野且つウェアラブルな光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(See-Through Head-Mounted Display)の開発が進められている.これが実現すれば,ウェアラブル拡張現実感(AR)システムにおいて周辺視野の利用が可能になる.しかし,AR環境において広視野を活かした情報提示に関する研究はほとんどなされていない.そこで本研究では広視野シースルーHMDの利用を想定し,周辺視野を有効活用した情報提示手法を検討した後,その有効性を没入型投影ディスプレイCAVEを用いたバーチャルリアリティ(VR)空間により評価する.情報提示手法としては,注釈対象に向かう紐付きの注釈をHMDの視野周縁付近に表示するというシステムを実装した.実験の結果,視野角を問わず,注釈対象の位置に重ねて注釈を表示する手法に比べ,視野周縁に注釈を移動することにより注釈対象の発見率は向上した.また視野角を問わず,注釈に点滅による誘目動作を行わせても発見率は向上しなかった.
著者
尾上 良雄 山澤 一誠 横矢 直和 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.151-157, 1997-05-15
被引用文献数
7

移動ロボットの遠隔操作や多人数で行う遠隔通信会議などにおいて,遠隔地の情景を画像として提示するテレプレゼンス技術の必要性が高まっている.遠隔地の画像を観察することにより,前者においてはロボットの周囲の状況の理解が深まり,後者においては臨場感が増すという利点がある.従来は,視野の狭い固定されたカメラの利用や,見回しに時間遅れが生じる回転するカメラの利用が一般的であった.本稿では,全方位視覚センサを利用し,利用者の視線に追従しながらその方向の透視投影画像を生成・提示する実時間テレプレゼンスシステムについて報告する.
著者
竹田 夏木 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.794-800, 2009-06-01
参考文献数
16
被引用文献数
5

In a virtual reality (VR) environment, a wide field-of-view (FOV) image contributes to improve the immersive experience and situation awareness. The typical FOV of a head mounted display (HMD) is around 20 to 40 degrees, and widening this has been a technological challenge for decades. We designed a new HMD that has a hyperbolic half-silvered mirror. This HMD can resolve the technological challenges and provide a wide FOV, large observational pupil, and optical see-through display. We made a prototype HMD and a VR walkthrough system that displays a pair of stereo images with a FOV of over 120 degrees. This paper reports our HMD ' s basic concept and the implementation of the prototype.
著者
荒木 昭一 横矢 直和 岩佐 英彦 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.1704-1711, 1996-10-25
被引用文献数
32

従来の動的輪郭モデル(Snakes)では,Snakes内部の複数対象物を独立して抽出できないため,対象物の数だけ初期輪郭を与える必要があった.本論文では,Snakesによる複数対象物の自動抽出を目的として,複数対象物を包含するように初期輪郭を一つ与えるだけで,それらを独立して抽出できるSnakesを実現するため,面積項による収縮型のSnakesが変形の際に自己交差を起こすという挙動に着目し,Snakesを自己交差部分で切り離して複数に分裂させる分裂型の輪郭モデルを提案する.提案手法は,分裂により生じた小さな輪郭モデルを消滅させることにより,画像中に散在するノイズや抽出対象外の小物体に捕獲されにくく,初期輪郭を対象物から離して与えても安定して対象物を抽出できるため,例えば,画像の枠を初期輪郭として,複数対象物を自動的に抽出することもできる.提案手法の有効性を示すため,まず人工画像を用いた動作確認実験を行い,次に実画像を用いた実験として,顕微鏡写真からの複数細胞の抽出および動画像を用いた複数移動物体の抽出・追跡への適用例を示す.
著者
清川 清 竹村 治雄
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

今年度は、前年度の研究成果を継承し、協調作業のための超広視野頭部搭載型映像装置について検討を進めた。まず、超広視野頭部搭載型ディスプレイ(Head Mounted Display, HMD)に関して、まず1. 前年度に試作したHMDであるHyperbolic Head Mounted Projective Display(HHMPD)のためのGPUを用いた高速なコンピュータグラフィックスの描画手法を開発した。これにより実時間性の高いアプリケーションの製作が可能となった。また、2. 同装置を用いてVRウォークスルーシステムを開発して学術展示などで専門家より高い評価を得た。一方、超広視野頭部搭載型カメラ(Head Mounted Camera, HMC)に関して、3. 双曲面ハーフミラーの形状に関する種々のパラメタの関係式を導き、それらのトレードオフについて検討した。また、4. 求めた関係式を用いてミラーパラメタの選択とその結果得られる視体積形状や視野角などの情報を実時間で確認・検討可能なシミュレーションプログラムを開発した。さらに、5. 実際に単眼の試作システムを開発し、利用者視点での広視野映像を撮影できることを確認した。さらに、6. 得られた利用者の眼球映像を用いた実時間の視線検出システムの開発を行った。その結果、装着者の視線方向を5度〜15度程度の精度で実時間で検出可能であることを確認した。今後は、これらの装置を用いて、実際に協調作業を実施し、その有用性を確認していく予定である。
著者
竹田 夏木 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.215, pp.59-63, 2009-10-01

双曲面ハーフミラーを用いた頭部搭載型プロジェクタ(HHMPD,Hyperbolic Head Mounted Projective Display)は,理論的には180度を越える水平視野を供することが可能であり,一般的なHMD(Head Mounted Display)に比べ,没入感や状況認識において有利である.HHMPDは双曲面ハーフミラー・プロジェクタを搭載した装置を頭部に着用し,周辺環境に配した再帰反射スクリーンを介して映像を提示するディスプレイである.再帰反射スクリーンへの入射角や投影距離などの要素により,映像には輝度差が生まれ,またその差は着用者の動きに伴い動的に変化する.本研究では,HHMPDを用いる際の輝度差を表すモデルを作成し,これを補正する手法を検討する.
著者
中澤篤志 ニチュケクリスチャン ラドコフアレクサンダー 竹村治雄
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.41-48, 2011-07-20

注視点推定技術は心理学やライフサイエンス,マーケティングやユーザインタフェースの分野で広く使用されている.従来の注視点推定システムは,ユーザの装着装着が必要だったり,システムの使用前に校正(キャリブレーション)を行う必要があり使用が煩雑であるという問題点がある.またこの校正は,ユーザの前面に仮想的な平面を想定し,眼球の角度と平面上の位置を対応づけるという原理に基づいており,ユーザが校正時と異なる環境に移動したり複雑な奥行きを持つ環境では大きな誤差が生じる.本論文ではこれらの問題を解決するため,眼球表面上で反射する環境光の反射像を用いた新しい注視点検出手法を提案する.本手法は眼球に入射する環境の反射光から直接注視点を推定するため,従来法の問題点を解決することができる.まず我々は眼球の幾何モデルに基づき,注視点からの光が眼球表面反射画像中で反射する位置(Gaze Reflection Point(GRP))を求める手法を開発した.これにより,眼球表面反射画像中のGRPでの画像特徴と環境画像の特徴を比較することで注視点を推定することが可能だが,実際の眼球表面反射画像は輝度・解像度ともに低く,品質の良い画像が得にくいため直接的な比較は困難である.これを解決するため,環境に高速度のパターン光を投影することで,眼球表面反射画像と環境中の点を高速かつ頑健に対応付ける手法を開発した.我々は高輝度LEDを格子状に配置しパターン光を高速にコントロールする高速度パターン光プロジェクタを開発し,高速かつ頑健な注視点検出を実現した.複数の被験者による注視点推定結果により,事前の校正や装置装着を必要とせず,従来法と同程度の精度で注視点を推定できることを確認した.
著者
竹村 治雄 清川 清 間下 以大
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

学習システム自身がユーザ自身やユーザ周囲の状況(コンテキスト)を的確に把握し、コンテキストに応じて学習コンテンツの提示内容や提示手法を動的に変更することで移動中の連続した学習を支援する、適応的かつ連続的な学習支援システムを対象とした研究開発を行った。
著者
石淵 耕一 岩崎 圭介 竹村 治雄 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.1218-1229, 1996-07-25
被引用文献数
19

本論文では, ユーザインタフェースのための画像処理を用いた実時間手振り推定手法について述べる. まず, 手形状が非剛体であることを考慮し, 画像処理を用いた手振り推定手順を定式化する. 次に, 実時間処理を達成するために, パイプライン方式並列処理を用いた実時間手振り推定手法を提案する. 特に提案手法では, 安定した手振り推定を行うため, 手の大局的特徴を用いて指先の誤検出点を除去する. その後, オクルージョンが手振り推定に与える影響について調べると共に, その解決策を複数カメラの配置問題に帰着させる. 更に, 提案手法を実際に装置化し, この装置を用いたユーザインタフェース環境の構築を通じて, 本手法の有効性を示す. その際, オクルージョン問題や手の姿勢問題が完全に解決されずとも十分なインタフェース環境が構築可能であることも併せて示す.
著者
足立 智章 小川 剛史 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.490, pp.7-12, 2004-11-30
被引用文献数
5

本稿では,著者らがこれまでに提案したテレプレゼンスシステムを拡張し,協調作業に適した遠隔指示が可能なテレプレゼンスを実現する.従来のシステムでは,ビデオ映像と3次元実環境モデルを併用することで,実時間性と写実性,および自由な視点移動を同時に実現したが,観察者から遠隔地へのフィードバツクは不可能であった.本稿では,観察者が仮想環境の提示されたスクリーン上でマウス操作により指示を与え,遠隔の作業者がHMDを通して対応する実環境上に3次元ポインタや線画による指示を直接観察できる遠隔指示機構について述べる.また,実現したテレプレゼンスシステムを用いて,観察者のマウス操作による指示が意図どおりに作業者に伝わることを確認した動作実験について報告する.
著者
横矢 直和 竹村 治雄 神原 誠之 山澤 一誠 大隈 隆史 荒木 昭一
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.現実世界と仮想世界の幾何学的位置合わせ拡張現実環境を構築するための最も基本的な課題である現実世界と仮想世界の位置合わせ問題に関して、複数の基本手法を開発した。具体的には、(1)ステレオカメラで取得した現実世界の映像からのマーカと自然特徴点の自動切換え追跡に基づくビジョンベース手法、(2)ジャイロセンサを併用することによる位置合わせのロバスト化手法、(3)赤外線ビーコンやRFIDタグのような環境インフラと歩数計測を用いるセンサベース手法、(4)屋外においてGPSとジャイロセンサを併用する手法等である。2.現実世界への注釈情報の付加現実世界の特定の場所・物に関する注釈情報を提示するためのユーザインタフェースの研究を行い、ユーザの眼前の実物体に対するオブジェクト名の重畳表示とユーザが注視している物体に対する詳細情報の提示からなる2段階情報提示法を開発した。またネットワーク環境において実時間で注釈青報の追加・更新・引用を行うためのネットワーク共有型注釈データベースの設計・実装を行い、複数のユーザが場所に依存した情報の実時間での発信と共有を行うための基本的な枠組みを確立した。3.プロトタイプシステムの開発上記1、2の成果を統合して着用型拡張現実感システムのプロトタイプを複数開発し、実験を通して機能実証を行った。開発したシステムではいずれも、現実世界の映像に注釈を重畳合成したものをユーザに提示するビデオシースルー型拡張現実感方式を採用した。最終的には、屋内外無線ネットワーク環境(IEEE802.11a及びb)での技術デモを行い、着用型拡張現実感システムの可能性を世に示した。
著者
松村 未来 アヌラグアグラワル 中澤 篤志 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.115, pp.169-176, 2008-11-20

本研究では,取得したレーザーレンジデータと Google Maps 画像を共に複数クラスに領域分割し,クラスの関係を考慮した位置合わせを行うことによって,実環境をモデリングする手法を提案する.実環境のモデリングにおいて,近年レーザーレンジセンサなどの距離センサが広く用いられている.しかし市街地のような広域環境をモデリングするためには,環境中の様々な場所で獲得した複数の距離 (レンジ) データに対して,位置合わせを行う必要がある.本手法ではまず初めに得られたレンジデータとその周囲の地理情報をそれぞれ,あらかじめ設定したいくつかのクラスに領域分割する.その後,両データのクラスが一致する地点を探索することで,レンジデータ撮影地点の判別や,相互の位置合わせを実現する.In this research, we propose a method for taking expansive 3D models of environments using highly-ac curate laser range data. Laser range data is taken using distance sensors called laser range sensors, which have grown in use over recent years, including such practical applications like Google's street-view. However, trying to model a large-scale environment like a city requires taking data from various locations around the environment, and this data must be aligned with respect to each other. In our method, we initially decide on a location to model, taking range and map data for it and classifying it into multiple regions. We then find the location and orientation on the map that allows the two results to match, giving the location and orientation of the captured range data.
著者
横矢 直和 山澤一誠 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.42, no.13, pp.59-70, 2001-12-15
被引用文献数
11

近年,レンズ・ミラー系の組合せによって側方360 度の視野をビデオレートで撮影できる様々な全方位画像センサが開発されるようになってきた.このような全方位ビデオカメラの中でも特に,1 点中心投影の光学特性を有するカメラは,撮影された全方位画像から任意形状のディスプレイ・スクリーン面への透視投影画像を計算によって生成できることから,最終的に人間への画像・映像提示を目的としたメディア応用に適している.本論文では,全方位画像からの任意視線画像の実時間生成による,視覚情報メディアへの全方位ビデオカメラの応用について述べる.具体的には,全方位ビデオカメラHyperOmni Vision を用いて筆者らの研究室で進めてきたテレプレゼンス,代理身体としての移動ロボットの遠隔操縦,およびビデオサーベイランスに関する一連のプロジェクトの概要について述べる.Recently an increasing number of catadioptric video-rate omnidirectional imaging sensors with 360-degree of horizontal view have been developed. Among those omnidirectional video cameras, ones which satisfy the single-viewpoint constraint are suitable for emerging interactive media-oriented applications, because perspective re-projection onto any display or screen sufaces can be computed from captured omnidirectional images. This omnibus paper describes a number of applications of catadioptric omnidirectional video camera HyperOmni Vision to visual information media, especially focussing on our recent activities including telepresence, teleoperation of mobile robot, and video surveillance. All of these applications are based on computing view-dependent perspective images from omnidirectional video streams in real time.
著者
神原 誠之 横矢 直和 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.367-373, 2002
被引用文献数
3

This paper describes a method to extend the registration range ofa visionbased augmented reality (AR) system. We propose to use natural feature points contained in images captured by a pair of stereo cameras in conjunction with pre-defined fixed fiducial markers. The system also incorporates an inertial sensor to achieve a robust registration method which can handle user's fast head rotation and movement. The system first uses pre-defined fiducial markers to estimate a projection matrix between real and virtual world coordinate systems. At the same time, the system picks up and tracks a set of natural feature points from the initial image. As a user moves around in an AR environment, the initial markers fall out from the camera frame and natural features are then used to recover the projection matrix. Experiments for evaluating the feasibility of the proposed method are carried out and show the potential benefits of the method.