著者
伊勢 孝之 高木 恵理 岩瀬 俊 楠瀬 賢也 山口 浩司 八木 秀介 山田 博胤 添木 武 若槻 哲三 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1175-1179, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

心臓サルコイドーシスの標準的治療はステロイドであるが,ステロイドを投与中であっても再燃を認めることも多く,またステロイドの多岐にわたる副作用も問題となることが多い.症例は70歳代,女性.心臓サルコイドーシスの診断でプレドニンを維持量5 mg/日で加療されていた.定期検査で施行した心電図で陰性T波,前壁心尖部に新規の左室壁運動異常を認めた.FDG-PET,Gaシンチグラフィーで壁運動異常部位に一致して集積を認め,心臓サルコイドーシスの再燃と判断した.本症例では,ステロイドの副作用として糖尿病,肥満,白内障などを認めており,ステロイド増量が躊躇され,メトトレキサートの併用を開始した.メトトレキサート開始後,特に副作用を認めず,心電図ならびに左室壁運動異常の改善が認められた.ステロイド投与で再燃を認める心臓サルコイドーシス症例にはメトトレキサート併用も考慮すべきであると考えられた.
著者
貝沼 世樹 鈴木 敦史 嶋村 延幸 河津 直樹 岡田 千丈 岡 巧 小磯 憲介 正垣 敦 矢ヶ崎 陽一 五ノ井 秀 市川 達也 上田 亨 水野 雅俊 杉岡 達也 森川 隆史 稲田 喜昭 若林 準人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 = ITE technical report (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.16, pp.1-4, 2015-03

1/1.7型2000万画素積層型CMOSイメージセンサを開発した.本センサは,複数のAD変換器,圧縮回路,高速I/Fを搭載することで低ノイズ,高速読み出し,動画・静止画の同時キャプチャ機能を実現した.マルチサンプリング機能を用いた1.3e-rmsのランダムノイズ特性,16Mpixel 120fpsを2.3Gpbs/lane,8Laneでの出力,2Link構成での4Mpixelと16Mpixelの同時出力を達成している.積層構造による信号処理の搭載だけでなく,新規アーキテクチャによる高速・高画質・高機能化への活用として提案する.
著者
室谷 智子 有賀 暢迪 若林 文高 大迫 正弘
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

明治22年(1889年)7月28日午後11時40分頃,熊本地方で地震が発生し,熊本市内で死者約20名,家屋全壊230棟以上,さらに熊本城の石垣が崩れるなどの被害が発生した.この地震の震源は,熊本市の西部に位置する金峰山で,マグニチュードは6.3と推定され(宇津,1982,BERI),地震発生から21日間で292回,5ヶ月間で566回の余震が観測された(今村,1920,震災予防調査会報告).震源が平成28年(2016年)熊本地震とは少し離れているようであるが,この明治熊本地震への関心は高い.国立科学博物館は,この明治熊本地震に関する資料を所蔵しており,本発表では,それらについて紹介する.熊本市に今も残る冨重写真館の写真師・冨重利平は,明治熊本地震の際,被害の様子を撮影しており,熊本城の石垣の崩壊や,熊本城内にあった陸軍第六師団の被害,墓石の転倒状況,城下町での仮小屋の風景など,11枚の写真を所載した写真帖が国立科学博物館に残されている.写真撮影のポイントは不明であるために完全に同じ場所か分からないが,明治熊本地震で石垣が崩壊した飯田丸や西出丸,平左衛門丸は,平成28年熊本地震でも崩壊している.冨重は軍や県の依頼によって写真を撮影する御用写真師でもあり,軍や県,地震学会の依頼で撮影したものかどうかの経緯は不明であるが,熊本へ震災状況の視察にやってきた侍従に県知事からこれらの写真が寄贈されていることから(水島,1899,熊本明治震災日記),県の依頼で撮影したものかもしれない.これらの写真は,日本の地震被害を写した最初の写真と思われ,国立科学博物館ホームページ「国立科学博物館地震資料室」(http://www.kahaku.go.jp/research/db/science_engineering/namazu/index.html)にて公開している.この地震の際には,帝国大学理科大学(現東京大学理学部)の小藤文次郎や関谷清景,長岡半太郎(当時は大学院生)といった研究者が現地調査を行っている.大きな被害を引き起こした地震の近代的調査としては,この熊本地震がほぼ初めての例となった.地震から11日後の8月8日に現地入りした長岡は,熊本市の西にある金峰山周辺の町村で建物被害や地割れを調べ,ノートや手帳に調査状況や建物被害,地割れ等の被害地点のスケッチを残しており,それらが国立科学博物館に科学者資料として保存されている.古い地震の被害状況を窺い知ることができる資料としては絵図が有効であるが,国立科学博物館では明治熊本地震の絵図も所蔵している.明治22年7月30日印刷,8月出版と記された「熊本県下大地震の実況」絵図は,家屋が倒壊し,下敷きになっている人々が描かれている.また,被害の状況を記す文章も書かれており,「実に近年稀なる大地震なり」と記されている.歴史上,熊本地方は何度も大地震に見舞われているが,平成28年熊本地震が起きた際,過去に熊本で大きな地震が起きたとは知らなかったという人が多かったことからも,被害を伴う地震が稀であるために,大地震について後世に継承されていなかったと思われる.
著者
高木 正則 若林 俊郎 勅使河原 可海
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.125-128, 2009
被引用文献数
1

我々は学習者が問題を作成し,その問題をグループ内で相互に評価できるWBTシステム「CollabTest」を開発してきた.CollabTestでは,学生が作成した問題を利用して確認テストを出題することもできる.本研究では,CollabTestを小学校5年生に利用してもらい,作問と相互評価,確認テストの解答を実践した.実践の結果,4割の児童がオンラインテストを繰り返し解答し,知識の定着に役立てていたことや,作問や相互評価活動を通して四字熟語の問題を解くことが得意になった児童が増加したことなどが示された.

2 0 0 0 OA 皇国女鑒

著者
前田若尾 著
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
1941
著者
若林 大雅 高野 公徳 千葉 斉一 芹澤 博美 島津 元秀 河地 茂行
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.99-105, 2016-03-31 (Released:2016-04-05)
参考文献数
20

症例は27歳,男性.眼球結膜黄染を主訴に受診し,閉塞性黄疸と診断され緊急入院した.十二指腸乳頭部癌と診断し,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後Gemcitabineによる補助化学療法を継続したが術後10カ月のCTで上腸間膜動脈および脾動脈幹近位リンパ節転移を認めた.化学療法をS-1に変更し,放射線治療を施行したところ再発巣の縮小とCA19-9の低下を認めた.しかし照射終了後に再発巣が増大しCA19-9も再上昇したため,術後26カ月よりS-1+Oxaliplatin併用療法(以下,SOX療法と略記)を開始したところ,一時CA19-9が低下し腫瘍縮小効果も示したが,徐々に無効となり術後40カ月で死亡された.本症例は,原発性硬化性胆管炎,膵・胆管合流異常,家族歴や印刷業の職業歴など胆道癌発症におけるリスク因子を認めない若年性十二指腸乳頭部癌である点に加え,術後のリンパ節転移再発に対して放射線治療やSOX療法といった集学的治療が予後延長効果を示した点において比較的まれな症例であった.
著者
小田口 浩 若杉 安希乃 伊東 秀憲 正田 久和 五野 由佳理 金 成俊 遠藤 真理 及川 哲郎 坂井 文彦 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1099-1105, 2007-11-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

長年にわたる先人の経験に基づいて形成されてきた呉茱萸湯証を再考した。84名の慢性頭痛患者に対してツムラ呉茱萸湯エキス (TJ-31) 7.5g/日を4週間投与した。投与後に患者がレスポンダーか否か判定を行った。投与前に43項目からなる漢方医学的所見をとり, レスポンダーか否かを目的変数にした判別分析 (厳密に言えば数量化II類) を施行した。最終判定を行った80名のうち57名がレスポンダー, 23名がノンレスポンダーであった。ステップワイズ変数選択により「 (他覚的) 足冷」, 「胃内停水」, 「胸脇苦満」, 「臍傍圧痛」, 「腹部動悸」の5項目が有用な項目として抽出された。これらを使用した判別分析の誤判別率は35%であった。特に23名のノンレスポンダーのうち20名を正確に判別することができ, この5項目は呉茱萸湯証でない者を除外するのに役立つと考えられた。経験的に形成された呉茱萸湯証に, 「臍傍圧痛」や「腹部動悸」といった徴候も加えることでさらに診断の正確度が増す可能性が示唆された。

2 0 0 0 OA 娯楽写真術

著者
若林春江 著
出版者
桑田商会
巻号頁・発行日
1921
著者
若田 武蔵 辻村 肇 辻 竜之介 松村 雅史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.79, pp.41-44, 2014-06-06

高齢者の健康管理・安全生活支援を行う見守りシステム、生活習慣病の対策として、日常生活における生体情報計測が必要である。本研究では、咽喉マイクロフォンを用いて口腔機能(会話・笑い・咳嗽・いびき・嚥下)のモニタリングを行うシステム構築を目的とする。特に口腔咽喉音のケプストラム分析を行い、会話・笑い、咳嗽、いびき、嚥下の基本周波数、スペクトル包絡を推定して特徴抽出を行う。