著者
山岸 哲 藤岡 正博
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.91-96, 1986-02-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
9 2

(1)1984年と1985年に長野県安曇野地方においてオナガの社会学的研究をしたさい,カッコウによる托卵が見られたので,その頻度とオナガの托卵への対応,カッコウの密度などについて調査した.(2)ほぼ全ての巣を発見できたオナガの3群の計41巣中31巣(75.6%)とその周辺の7群の計30巣中15巣(50.0%)でカッコウの卵が見つかった.全托卵例46巣中8巣では2個の,1巣では3個のカッコウ卵が産み込まれていた.(3)5月中旬に初卵が産まれた巣での托卵率(11.1%)はそれ以後に初卵が産まれた巣での托卵率(68.8%)よりも低かった.(4)産み込まれていたカッコウの卵の大きさ(23.4×17.4mm,n=13)は,オナガの卵(27.67×20.16mm,n=16)より小さかった.(5)カッコウとオナガの托卵-被托卵の関係は両種の長野県内での分布の拡大にともなって最近生じ,そのことが高頻度の托卵をもたらしているものと思われる.オナガが産卵期に長時間巣を留守にしてしまうこともカッコウに托卵されやすい要因の一つだろう.
著者
寺崎 修司 米原 敏郎 藤岡 正導 橋本 洋一郎 内野 誠
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.70-73, 1996-02-25 (Released:2009-09-16)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

症例は既往疾患のない38歳, 男性.ゴルフ練習を4時間した後, 右後頸部痛が出現した.その2時間後から左上肢のしびれと歩行障害を自覚し, さらに2日後から吃逆が出現した。第4病日の入院時には症候学的に右延随外側症候群を呈していた.第5病日の右椎骨動脈造影で右後下小脳動脈がV2 portionから分岐し, 右椎骨動脈のV3 portionから両側椎骨動脈合流部までの血管壁不整を伴う狭窄 (string sign) とその直後の閉塞 (tapering occlusion) を認めた.この部位は第56病日には再開通していた.これらの所見は頭蓋外から頭蓋内までの椎骨動脈解離を示唆するものと考えられた.MRIにて下部延随外側の右側に梗塞巣を認めた.椎骨動脈解離の原因としてゴルフスウィングによる外力が考えられた.
著者
遠藤 啓生 藤岡 正博 羽方 大貴
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第129回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.435, 2018-05-28 (Released:2018-05-28)

生物多様性に配慮した森林管理を実現するためには、人工林管理が森林性哺乳類に与える影響についての情報が必要である。そこで、2016年5月~6月に山梨県との県境部に近い長野県にある筑波大学川上演習林(標高1,400-1,780m)のカラマツ林2サイト(各4ha)において、半分を除草剤樹幹注入によって低木・亜高木を枯死させる枯損処理区、残りを対照区とし、樹上性哺乳類であるヤマネへの影響を調べた。各区に5か所の巣箱ポイントを設け、各ポイントに5個ずつ、総計100個の巣箱を設置した。2016年には7月~9月にしかヤマネ調査を行えず、巣箱利用率に違いは見出せなかった。2017年にはヤマネの全活動期間である5月上旬~10月中旬に隔週で調査した。2017年の結果を、巣箱ポイントごとのヤマネの在不在を応答変数、処理と調査セッションを説明変数、調査サイトと巣箱ポイントをランダム効果とする一般化線形混合モデルで解析したところ、ヤマネの巣箱利用率は枯損処理区よりも対照区で高かった。枯損処理区で利用率が低いのは特にシーズン前半であった。同時に行った開花結実調査の結果と合わせて、春から初夏に様々な樹種が開花結実することがヤマネの生息に重要と考えられる。
著者
藤岡 正樹 梶 秀樹 三平 洵
出版者
地域安全学会事務局
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.27, pp.101-104, 2010

Since 25^<th> June, 2009, the authors have released the new game software for earthquake disaster education on portable game terminal bases to the public market. This paper describes the development process of the software and proposes an educational and training. The paper first tries to identify the general problems of disaster education and training exercise for promoting people's awareness and responding skill to an occurrence of earthquake, and then formulates the conceptual framework to be installed in the software. The paper thus contributes to those who have same interests on a game as a disaster training tool.
著者
藤岡 正子 佐古 隆之 木目 良太郎 下村 浩祐 長田 卓也 村瀬 訓生 勝村 俊仁
出版者
Japanese College of Angiology
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.223-228, 2012
被引用文献数
1

要 旨:健常成人女性8名を対象に,随意最大筋力の30%強度,運動頻度1 Hzで疲労困憊に至るまで継続する掌握運動を1日1セット,週に5回,6週間のトレーニングを実施した。そのトレーニング前後に,漸増負荷掌握運動時における尺側前腕屈筋群の筋酸素消費量を近赤外連続光分光法を用いて評価した。その結果,最高筋酸素消費量はトレーニング前後で有意差は認められなかったが,最大運動強度はトレーニング後で有意に増加した。
著者
藤岡 正美 内田 敏夫 松永 武之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.26, pp.9-10, 1984-07-13

水稲安定生産の要(かなめ)としての苗は、昔から"苗半作"といわれるほどで、現在においても良苗を得るための種子選別法として塩水選が行われている。山口県では、昭和58年度はとくに内海沿岸を中心に籾枯細菌病が多発したが、籾枯細菌病は種子伝染するとされ、塩水比重が1.14以上の溶液で選別すれば防除上有効であるといわれる。これまで横井が水と食塩の重量によって塩水比重がどう変わるか報告した。その後現在に到るまでその値が引用されている。しかしながら、実際にその塩の量を用いて塩水を作るとかなり高い比重の塩水ができ、実用上問題があると考えられたので、種々の塩を用いて塩の量と塩水濃度との関係について検討した。なお、塩の提供等については専売公社山口支局及び山口県農業協同組合連合会ので協力があったので、ここに記して謝意を表する。
著者
梶木 慧一 高見 博 藤岡 正美
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.29, pp.38-39, 1988-08-01

台風12号(昭和62年8月30日〜31日)が朝鮮海峡を北上し日本海へ通過したが, 風台風であったため光市室積地区の水稲へ多大な被害を及ぼし, 共済被害面積率は40.9%に達した。このため, 海岸からの距離と被害について調査, 検討した。