著者
福田 健志 太田原 康成 西川 泰正 遠藤 英彦 佐藤 直也 山野目 辰味 小川 彰
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.745-747, 2003-11-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

A 38-year-old man complained of headache and nausea after traveling by aeroplane. On physical examination, high fever and nuchal rigidity were found. Computed tomography showed pneumocephalus. Magnetic resonance imaging showed sphenoid sinusitis. Cerebrospinal fluid examination revealed purulent meningitis. The patient was medically treated using antibiotic agents. The pneumocephalus disappeared and the purulent meningitis was resolved. We suggest that the barotrauma resulted in the pneumocephalus and purulent meningitis. Barotrauma is a potential cause of pneumocephalus, especially if the patient has parasinusitis.
著者
西川 泰央 吉田 洋
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.123-132, 1995-04-25
参考文献数
29
被引用文献数
5

ウレタン・クロラローズで麻酔したネコを用いて, 末梢入力に対する反射性の唾液(顎下腺唾液)分泌を調べるとともに, 咀嚼運動関連中枢である視床下部外側野, 扁桃体, 大脳皮質顔面野および大脳皮質咀嚼野への電気刺激による唾液分泌を調べて, 唾液分泌を含めた咀嚼運動への上位中枢の役割を検討した. 除脳動物を用いて口腔感覚による反射性の唾液分泌を調べたところ, 通常の咀嚼時に生ずるような非侵害刺激(触刺激および圧刺激)ではその分泌は少量であった. また, 上位中枢への電気刺激によって顎運動および舌運動が誘発されるとともに, 同側優位の唾液分泌が観察された. 唾液分泌量は非動化後も変化しなかったので, 咀嚼筋からの感覚情報は唾液分泌機序に関与しないことがわかった. さらに, 大脳皮質において, 一部の口腔内感覚投射部位と顎運動および唾液分泌に関連する局在部位とは, 小範囲で隣接しているかあるいは部分的に重なっていることが判明した. 以上の成績から, 上位中枢が反射唾液分泌に修飾作用を及ぼすとともに, 食物を咀嚼するために視床下部, 扁桃体および大脳皮質が活動し, 同時に口腔内からの感覚情報がこれらの上位中枢に達するとそこでの活動が高められ, その結果唾液分泌が促進されると考えられる.
著者
西川 泰
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究資料
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3-17, 1971-03-30

昭和41年台風26号の際に, 山梨県, 静岡県を中心にした山くずれの形態は, 地質条件ならびに雨量条件に対応した特徴を示している. 西湖北側に発生した山くずれは雨量との関係が最も深く, その他の地域の山くずれは降雨が契機となっているが地質構造との関係が深い. 西湖北側において, 山くずれによる土石流の規模が必ずしも大きくなかったが, 古くから開けていた集落に大打撃を与えたことは, 砂防ダムの効能の変化, 河川流路の改変など人為的な防災事業の限界を示したものと思われ, また, 山地災害における免疫期間の切れる機構を解明するかぎを与えているものである.
著者
福田 宏 西川 泰央
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.349-360, 1990
被引用文献数
1

視床髄板内核における三叉神経性侵害受容ニューロンの局在部位とその性質とを調べるとともに, 視床髄板内核の一つである外側中心核へ投射する延髄尾側部の侵害受容ニューロンを検索して, 三叉神経支配領域から視床髄板内核へ上行する侵害受容情報の機能的意義を解明した.<br> 実験には, ウレタン・クロラローズで麻酔したネコを用いた. 視床および延髄尾側部における単一ニューロン活動の導出には, 2% pontamine sky blue含有の1M酢酸ナトリウム溶液を充填したガラス毛細管微小電極を用いた. ニューロン活動の記録部位は, 電気泳動的に色素を注入し, 脳を灌流固定して組織学的に同定した.<br> その結果, 視床髄板内核である内側中心核, 外側中心核および束傍核に三叉神経支配領域から侵害受容性入力を受けるニューロンが検出された. これらの侵害受容ニューロンは, 角膜への圧刺激, 鼻背への叩打, 耳介, 舌および顔面への侵害性機械的刺激あるいは犬歯歯髄への電気刺激に反応した. このような末梢受容野の分布様式は延髄尾側部に存在する腹側網様亜核の侵害受容ニューロンの末梢受容野と類似しており, 腹側網様亜核ニューロンが直接的にあるいは脳幹網様体を介して間接的に視床髄板内核へ投射していることを示している.<br> そこで, 外側中心核に電気刺激を加えて, 延髄尾側部ニューロンの反応を調べたところ, 逆方向性に興奮する三叉神経性侵害受容ニューロンが, 腹側網様亜核背外側部から検出された. また, 腹側網様亜核ニューロンの半数以上が対側の外側中心核へ直接投射していることがわかった.<br> 延髄尾側部の腹側網様亜核で中継されて, 視床髄板内核に送られる三叉神経支配領域がらの侵害受容情報は, さらに大脳辺縁系に投射して, 三又神経系の痛みに伴う情動の発現に関与すると考えられる.
著者
長田 佳久 西川 泰夫 鈴木 光太郎 高砂 美樹 佐藤 達哉 鷲見 成正 石井 澄 行場 次朗 金沢 創 三浦 佳世 山口 真美 苧阪 直行 藤 健一 佐藤 達哉 箱田 裕司 鈴木 光太郎 櫻井 研三 西川 泰夫 鈴木 清重 増田 知尋 佐藤 隆夫 吉村 浩一 鈴木 公洋 椎名 健 本間 元康 高砂 美樹 仁平 義明 和田 有史 大山 正 鷲見 成正 増田 直衛 松田 隆夫 辻 敬一郎 古崎 敬
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 国内で行われてきた実験心理学研究に関連した機器や資料の現状の把握, 保管方法の検討及び活用方法に関して検討した。本研究活動の成果として,1) 国内の研究機関で保管されている機器の状態の把握,2) 廃棄予定の機器の移設,3) 機器・資料のデジタルアーカイブ化,4) 機器・資料の閲覧方法の検討の4つが挙げられる。これらの成果を通じて, 日本の実験心理学の歴史的資料を残し, 伝えるための手法に関する基盤を築いた。
著者
小中 裕喜 中川 隆志 津高 新一郎 西川 泰浩 有田 英一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SE,ソフトウェア工学研究会報告
巻号頁・発行日
vol.139, pp.7-8, 2002-10-10
被引用文献数
3

携帯電話などの組込機器における、画面の切替を伴うユーザインタフェースの設計再利用性の向上、設計開発コスト低減を実現する設計ツールを開発した。複数の画面状態とそれらの間の状態遷移、及び各状態におけるUI部品のレイアウトを定義可能な、ステートチャートオブジェクトという概念に基づき、個々のカスタム表示部品からアプリケーション、機器本体に至るまで、すべて同一の枠組みで設計し、組み合わせてシミユレートすることが可能である。またシミュレーション結果からの表示操作仕様書作成や設計データからのコード生成をサポートする。
著者
西川 泰浩 小中 裕喜
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1447-1455, 2005-06-15

本論文では,状態遷移図の記述における横断的要素の分離とその織り込み方法について提案する.近年,組み込み機器ソフトウエアの開発において,ユーザインタフェース・GUI開発の占める比率が大きくなり,その生産性向上が重要な課題となっている.この課題を解決するため,筆者らはこれまで画面の切替えを状態遷移としてとらえるユーザインタフェース設計ツールを開発してきた.しかしながら,状態遷移図中に横断的に含まれる共通要素を括り出して設計しようとすると,かえって状態遷移図の可読性と保守性が損なわれる場合があった.今回提案する方法では,状態遷移図の記述方法にアスペクト指向の概念を導入し,横断的要素を分離して記述することを可能とすることにより,この問題を解決する.This paper proposes a new design method for state charts where crosscutting elements are separated and weaved as needed. As graphical user interface plays a larger role in embedded software, improvement to its productivity becomes a more important issue in the software development. To overcome this issue, we have developed a user interface design tool that treat scene transitions as state transitions. There are some cases, however, where factoring crosscutting elements out of state charts would spoil their readability and maintainability. Our method solves this problem by introducing aspect-oriented concepts into designing state charts to enable the separation and weaving of crosscutting elements.