著者
植田 義夫 小野寺 建英 大谷 康弘 鈴木 晃 中田 節也
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.175-185, 2001-08-30
被引用文献数
1

The Myojin-sho volcano is one of the active submarine volcanos in the northern part of the Izu-Ogasawara arc about 400 km south of Tokyo. This volcano is a somma edifice of the Myojin-sho caldera, 6.5 km×8 km in diameter and 1000 m deep. The topography, seismic profiler, magnetic and gravity surveys around the Myojin-sho caldera were conducted by the Hydrographic Department, Japan (JHD) in 1998 and 1999. The geophysical structures of the caldera were derived, and the possible cause of the caldera formation is discussed. The residual gravity anomalies were calculated from the observed free-air anomalies by subtracting the gravity effect of 2-layer subbottom model structure, which amounts to 10 m Gals in a localized zone from the caldera to the northern somma. Bouguer gravity anomalies with the assumed density of 2.0 and 2.4 g/cm^3 also show the positive anomaly over the same zone, which is accompanied by the acoustic and magnetic basement depression. Moreover, it seems that the sediment volume nearby Myojin-sho caldera cannot compensate the volume loss of caldera (20 to 41 km^3). These features insist that the Myojin-sho caldera is caused by the collapse of the pre-caldera edifice rather than the explosion. The origin of the high gravity caldera may be ascribed to the magma pocket causing the depression, instead of the high density erupted material filling the caldera floor. The magnetization intensity of 4.8-5.3 A/m at the Myojin-sho volcano is derived from the magnetic anomaly, which may claim that the Myojin-sho volcano consists of andesitic to basaltic rock rather than dacitic rock. On the other hand, magnetization of the central cone of Takane-sho volcano is estimated to be 1.1-1.9 A/m, which is consistent with the fact that dacite pumices were sampled.
著者
小谷 康弘 桜井 宏紀 照屋 匡 伊藤 嘉昭 武田 享
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.51-57, 1991-12-25

ウリミバエのガンマー線照射による不妊化の機構を組織学的に検討した。電子顕微鏡による精巣の観察では,照射虫の精原細胞,精母細胞は崩壊し,自由精子のみが存在していた。照射虫と交尾した雌の産下部の胚子発生過程の光学顕微鏡による観察では,卵割異常,胚盤葉形成阻害など発生初期の段階での異常がみられ,それ以降の胚子発生過程は認められなかった。ガンマー線照射により雄の生殖細胞は大部分が崩壊するものの,残った精子は受精には関与した。しかし,受精に関与した精子は胚子発生過程を停止させる異常精子であり,このことがほぼ100%の不妊化率を引き起こすものと推定された。光学顕微鏡による中腸の観察では,照射虫の中腸上皮細胞の萎縮や崩壊がみられた。このことから,ガンマー線照射により中腸組織に阻害を生じ,消化機能が阻害されることが,成虫の寿命低下の一因になっていると思われる。
著者
植田 義夫 小野寺 建英 大谷 康弘 鈴木 晃
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.175-185, 2001-08-30 (Released:2017-03-20)
参考文献数
31
被引用文献数
2

The Myojin-sho volcano is one of the active submarine volcanos in the northern part of the Izu-Ogasawara arc about 400 km south of Tokyo. This volcano is a somma edifice of the Myojin-sho caldera, 6.5 km×8 km in diameter and 1000 m deep. The topography, seismic profiler, magnetic and gravity surveys around the Myojin-sho caldera were conducted by the Hydrographic Department, Japan (JHD) in 1998 and 1999. The geophysical structures of the caldera were derived, and the possible cause of the caldera formation is discussed. The residual gravity anomalies were calculated from the observed free-air anomalies by subtracting the gravity effect of 2-layer subbottom model structure, which amounts to 10 m Gals in a localized zone from the caldera to the northern somma. Bouguer gravity anomalies with the assumed density of 2.0 and 2.4 g/cm3 also show the positive anomaly over the same zone, which is accompanied by the acoustic and magnetic basement depression. Moreover, it seems that the sediment volume nearby Myojin-sho caldera cannot compensate the volume loss of caldera (20 to 41 km3). These features insist that the Myojin-sho caldera is caused by the collapse of the pre-caldera edifice rather than the explosion. The origin of the high gravity caldera may be ascribed to the magma pocket causing the depression, instead of the high density erupted material filling the caldera floor. The magnetization intensity of 4.8-5.3 A/m at the Myojin-sho volcano is derived from the magnetic anomaly, which may claim that the Myojin-sho volcano consists of andesitic to basaltic rock rather than dacitic rock. On the other hand, magnetization of the central cone of Takane-sho volcano is estimated to be 1.1-1.9 A/m, which is consistent with the fact that dacite pumices were sampled.
著者
水谷 康弘 高谷 裕浩
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

半導体検査工程においてサブナノオーダの欠陥を光学的に検出する手法が求められている.一般的に,光学的な応答強度と対象物の大きさは相関があるため,欠陥が小さくなるほど強度が弱くなり検出が困難になる.そこで,本研究では,光学的に非常に弱い応答をする欠陥からの散乱光をイメージングするために,光相関イメージングを適用することを試みた.ここでは,フォトンカウンティングと組み合わせることで数フォトンレベルでのイメージングを可能した方法と,ディープラーニングと組み合わせることにより検出速度を高速化させた手法とを提案し実証した.
著者
若山 俊隆 丸山 直子 加藤 綾子 水谷 康弘 東口 武史
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

患者によって異なる外耳道の3Dマップを個別に取得し,最適化された音を鼓膜に伝えることができれば,うつ病や認知症の抑制に貢献できる.研究対象となる外耳道の緩やかなS字を描くような湾曲した細い管の形状を計測する方法は,医療分野にとどまらず産業分野においても必要不可欠な医術であるが,これを達成する方法は確立されていない.このような研究背景から,本研究では三次元音響解析からハウリングを起こしにくい発振器の最適な位置と角度を明らかにする外耳道完全3Dマップを作成するために,極細径の新規な円管ビーム光源と三次元動作解析により,湾曲した外耳道を形状計測できる光スキャナの開発を目的にしている.本研究では,従来の樹脂を用いた外耳道の型取りをなくし,光計測で瞬時に型取りするパラダイムシフトを起こす.このような研究目的を達成するために,本年度は細径の内管の内壁の三次元形状を計測するための方法を提案し,直径3 mmの細径光スキャナを開発した.本手法によって従来までは困難であった外耳道の形状計測を可能とした.さらに本方法に多関節アームを導入することで湾曲した外耳道の3Dマップを達成した.実験サンプルには外耳道模型を購入し、形状計測を行った.得られた光スキャナの結果をマイクロフォーカスX線CTの結果と比較すると計測エリア全体で0.5 mm以下の一致となった.通常、マイクロフォーカスX線CTでは被爆がある.また、シリコンなどの印象材では外耳道を傷つける恐れもあるが、本手法は非侵襲かつ非接触にこれらを計測することを実現した.その一方で,提案した方法の問題点も山積していることも明らかになった.次年度以降はこれらの問題点を突破することを目指す.それと共に取得された外耳道の形状から補聴器への応用を考えていく.
著者
村神 瑠美 倉山 太一 後藤 悠人 谷 康弘 田所 祐介 西井 淳 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】中枢神経系は複雑な歩行制御を,速度に依らない特定のシナジーを用いて簡易化し,恒常的な制御を行うとされている。Ivanenko(2006)らは健常成人の32個の下肢・体幹・肩の歩行筋活動パターンの90%以上が,わずか5つの因子で説明でき,さらにその因子は一定の速度範囲において不変であると報告した。しかし一方で,極端に遅い速度域で健常者が歩行した場合,歩幅や歩行率などの変動性が増大することから,極低速域では恒常的な歩行制御が成立しない可能性がある。脳卒中患者ではそのような低速度域で歩行している場合も多く,歩行介入を考えた場合,極低速域における歩行制御に関する知見は重要な意味を持つと考えられる。そこで本研究では極低速域における歩行制御を筋活動の側面から明らかにすることを目的に,健常者を対象として通常速度域から極低速域における筋電解析,運動学的解析を行った。【方法】対象は健常成人男性20名(26.8±4.53[歳],体重64±8[kg],身長1.72±4.31[m])とした。計測課題は10,20,40,60,80,100[m/min]の6条件でのトレッドミル歩行を擬ランダムな順序で実施した。表面筋電計(Trigno,DELSYS)にて,歩行中の体幹・下肢16筋(外腹斜筋,腹直筋,大腿直筋,外側広筋,長腓骨筋,前脛骨筋,ヒラメ筋,腓腹筋外側頭,半腱様筋,大腿二頭筋,脊柱起立筋,中殿筋,大殿筋,大腿筋膜張筋,縫工筋,長内転筋)を測定した。運動学的指標として歩幅,歩行率などを三次元動作解析装置(Optotrak,NDI)を用いて計測した。筋電解析は,最初に各速度における各筋の表面筋電図について,1歩行周期で正規化し,20歩行周期分の加算波形を作成した。続いて,被験者ごとに得られた16筋の加算波形に対して速度ごとに主成分分析を行い,固有値0.5以上の主成分波形を抽出した。更に速度60[m/min]の主成分波形と,その他の速度の主成分波形の間で相関係数を算出,正規化(Fisher-Z変換)した数値を各波形の類似度とした。運動学的解析については,歩行比(歩幅/歩行率)を算出した。統計は,主成分波形の類似度,及び歩行比について,速度を因子とした一元配置分散分析を実施し,有意差が得られた場合に下位検定として各速度間での多重比較(paired-t検定)を実施した。有意水準は5%とした。解析および統計にはMatlab 2012aならびにSPSS 19.0を用いた。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当院倫理委員会にて承認され,全対象者に内容を説明後,書面にて同意を得た。【結果】主成分分析の結果,平均で5.1個の主成分が得られた。主成分波形の類似度(相関係数のz値)は,第1主成分では極低速域(10,20[m/min],<i>z</i>=0.8)が他の速度域(<i>z</i>=0.9~1.1)に比べ有意に低下した(<i>p</i><.05)。第2~第4主成分では10[m/min]でそれぞれ<i>z</i>=0.6,<i>z</i>=0.5,<i>z</i>=0.4であり他の速度(<i>z</i>=0.7~1.1,<i>z</i>=0.6~0.9,<i>z</i>=0.5~0.8)と比べ有意に低下した(<i>p</i><.05)。第5主成分においては全速度間で有意差はみられなかった(<i>z</i>=0.3~0.6)。歩行比については,60[m/min]以上ではほぼ一定(0.0051~0.0056[m/steps/min])の値を示したが,低速域では10,20[m/min]でそれぞれ0.0093,0.0066[m/steps/min]と速度が低下するにつれて有意に増加した(<i>p</i><.05)。また極低速域では,歩行比の変動係数が10,20[m/min]でそれぞれ0.38,0.26となり,通常速度(0.15~0.17)と比べて増加傾向であった。【考察】極低速域における筋活動の主成分波形は,通常速度域とは有意に異なった。このことから通常速度でみられる恒常的な筋活動パターンは,極低速域では成立しないことが示唆された。特に20[m/min]以下の速度では,主成分波形の類似度が他の速度よりも有意に低下し,また運動学的な観察においても,歩行比が有意に増大し変動性も増加傾向にあったことから,これ以下の速度では歩行の恒常性が維持されず,通常速度域とは異なる歩行制御がなされていることが推察された。以上の知見より,極低速域にて歩行する患者への歩行介入において,いわゆる正常歩行パターンを適用することが好ましくない可能性を示した。【理学療法学研究としての意義】低速歩行に関して,従来のメカニズムとは異なる可能性があるという示唆が得られ,脳卒中患者など超低速歩行で歩行する病態へのアプローチにおける基礎的な知見を提供した。
著者
堤 章洋 水谷 康弘 岩田 哲郎 大谷 幸利
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2010年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.837-838, 2010 (Released:2010-09-01)

近年,細胞のような反磁性物質の非接触駆動法が必要とされている.本研究では,永久磁石によりパッシブに磁気浮上させた反磁性物質を非接触光駆動させる.装置は,永久磁石と感温磁性体からなる簡易な構成とした.感温磁性体の温度を光により変化させることで,磁束分布が変化し反磁性物質が移動する.光駆動モデルを構築し駆動原理を数値解析および実験より確認したので報告する.