著者
谷口 忠大
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.77-87, 2013 (Released:2013-01-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In this paper, we propose a new learning model for decentralized autonomous smart grid involving adaptive trading agents which can sell and buy electric power effectively in a local electric power network. We name the electric power network i-Rene (inter intelligent renewable energy network). The trading agents manage the amount of electric power generated by solar panels or other renewable energies by trading electric power stored in a storage battery in a house. The agent learns a trading strategy by maximizing its utility. Based on the proposed system, we evaluated its price formation and effectiveness of the adaptive trading method through simulations. Additionally, we propose a new variable consumption model for decentralized autonomous smart grid involving living people consuming electric power and the adaptive trading agents. To model demand side management which can control the amount of electric power consumption, developing variable consumption model is essential. We added a variable consumption model to the i-Rene model. We evaluated its price formation and effectiveness of the decentralized autonomous smart grid to equalize fluctuating demand.
著者
谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

汎用AIは本来,地球上の生命がそうであるように,自律的に環境で活動しその感覚・運動情報から適応的かつ発達的に知能・機能を形成すべきである.記号創発ロボティクスは感覚運動情報から言語利用までをボトムアップに繋げ,トップダウンな社会からの制約も考慮に加えて記号創発システムの理解に構成論的にアプローチする学問領域である.階層ベイズモデルや深層学習をさらに統合し,より統合的な汎用AIに向かっていくための記号創発ロボティクスが目指す自律適応型AIアーキテクチャについて議論したい.
著者
谷口 忠大 椹木 哲夫
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.12, pp.440-449, 2005-12-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
28

This paper discusses a relationship between symbol emergence and embodiment. Symbol emergence is an alternative approach to overcome symbol grounding problem. We believe human beings' symbols constructed and held internally are originally based on our own embodiment. Therefore, autonomous social robots will also have to construct their own symbols by themselves. In addition to this, we have a nonlinear hypothesis about symbol emergence. To realize symbol emergence inside of autonomous robots, we propose Dual-Schemata model. This model enables an autonomous robot to generate its own symbols, called perceptional schemata, depending on its embodiment. In the end, we show that this symbol emergence has a nonlinear relationship with embodiment.
著者
谷口 忠大 山川 宏 長井 隆行 銅谷 賢治 坂上 雅道 鈴木 雅大 中村 友昭 谷口 彰
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2M6OS19d04, 2022 (Released:2022-07-11)

本発表では著者らが提案し推進する全脳確率的生成モデル(WB-PGM: Whole-Brain Probabilistic Generative Model)のアプローチとその展望について概説する。世界モデルはセンサ・モータ情報を行動主体の主観的な視点からコーディングする予測モデルである。マルチモーダルな情報を統合し、複雑な身体を統御し、環境に適応できる人間の知能、および発達的なロボットの構成をその延長線上で捉えようとすると、その認知アーキテクチャとしての構造を検討する必要が現れる。WB-PGMは、人間の全能の構造に学ぶとともに、予測学習を基礎に据えた確率的生成モデルにより認知アーキテクチャを構築しようというアプローチである。本発表ではその基本的な考え方と展望に関しての報告する。
著者
尾崎 僚 谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

幼児の語彙獲得の過程において,連続音声信号からの単語分割が重要なタスクであると知られている.音声言語は,音素と音素の組み合わせによって単語を構成する二重分節構造を持つ.二重分節構造を持つ時系列データを解析する手法の一つに,ノンパラメトリックベイズ二重分節解析器がある.ノンパラメトリックベイズ二重分節解析器は計算コストが非常に大きく,大規模な音声データの解析には非常に長い時間を要するという問題があった.本研究では,ノンパラメトリックベイズ二重分節解析器の高速化を図る.本研究ではルックアップテーブルを導入することで,ノンパラメトリックベイズ二重分節解析器の高速化を実現する.本研究では,推論計算過程の効率化により,計算量オーダを3 次オーダから2 次オーダに削減し,実行時間を90%削減した.
著者
田渕 一真 谷口 忠大 椹木 哲夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第20回全国大会(2006)
巻号頁・発行日
pp.212, 2006 (Released:2006-12-07)

強化学習を行う際,学習者は事前知識を持たなければ膨大な学習時間を費やさねばならない.これに対し,人間は他者の行動を,それが必ずしも最適な行動とは言えない場合でも模倣することにより探索時間を効率的に低減していると考えられる.本研究では機械学習の研究において,従来別々の問題として考えられて来た模倣学習と強化学習を,自然な形で融合させる学習手法を提案する.
著者
谷口 忠大 中村 仁美 熊谷 歩 矢野 史朗
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.37-56, 2014-06

In this paper, we proposed a novel serious game for decentralized autonomous electric power network called i-Rene (inter intelligent renewable energy network). Renewable energy sources and micro energy-storages have been attracted in years past. We have proposed a concept which not only improves energy independence but also achieves an optimal allocation of renewables by introducing market mechanisms based on artificial learning multi-agent system. Although such decentralized network would play an important role to install further renewable energy, there is no similar system in this real world today. Many people are unfamiliar with such renewable energy network. It means that the many people are not ready to adopt such decentralized autonomous electric power network. This has been an invisible barrier to install the new electric power network. To solve this problem, we propose to use a serious game. We developed a handon game simulating i-Rene based on serious game concepts. We evaluate the performance of this platform through two experiments.
著者
嶋本 正範 谷口 忠大 大矢 智子 塩瀬 隆之 川上 浩司 片井 修
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.661-661, 2007

社会的生活の本質が他者との相互作用であると考えに基づき,ゲーム理論は社会的構造や社会的変化の研究に微視的な基盤を与えるものとして盛んに研究が行われた.しかし,実際に人間がゲームにおいてどのように振舞うかという研究分野である実験ゲームでは,ゲーム理論で仮定されているような合理的な行動を人間はとらないことが知られている.近年,このような人間の非合理的な行動などが行動経済学などの分野によって注目されるようになってきた. 本研究では,意思決定という行動のインタラクションだけでなく,ゲーム理論では取り扱われなかったコミュニケーションに着目し,ネットワークの構造によっておこる,局所的なコミュニケーションが人間の意思決定にどのような影響を与えるかを,ネットワーク構造の形態によって分析する.
著者
古賀 裕之 谷口 忠大
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.144-156, 2014

本稿では話し合いにおいて,参加者の自由な発話タイミングを阻害することなく,均等な発話を促すことのできるコミュニケーション場のメカニズムとして発話権取引を提案する.発話権取引では参加者に等しい数の発話権が与えられ,これを自由に行使することで参加者は話し合いに参画することができ,また,発話権は自由に融通しあう事ができる.このメカニズムの特徴を実験に基づいて検討した.また,経済学的な考察を与えた上で,付加的な要素として発話振興券を導入し,その導入効果を実験に基づき評価した.発話権取引は,話し合いにおいて誰かが司会を行う負担を減らし,また,意思表示や理由に関する発言数を増やすことが分かった.
著者
白井 亨 谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,自動作曲の分野で言語モデルであるn-gramモデルを用いた研究が多くなされている.しかし,メロディーの持つn-gram長は未知であり明確な答えは存在しない.そこで,本研究では階層Pitman-Yor言語モデルを拡張した可変長n-gram言語モデルを用い,推定したn-gram長に基づいて新たなメロディーを生成する手法を提案する.また,被験者実験を行い,その有効性を従来手法と比較・検証する.
著者
長坂 翔吾 谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

階層 Pitman-Yor 言語モデルでは入力文書より言語モデルを解析することにより、未知語を含む文書であっても教師なし形態素解析により単語分割を行うことができる。 この手法を動作解析に適用することで、教師なし学習によって非文節運動系列から動作の抽出を行う。
著者
濱畑 慶太 谷口 忠大 岩橋 直人 西川 郁子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ロボットが人間の非分節な動作系列を観察することを通じて多様な動作を獲得することは未だに困難である.そこで,本研究ではDirichlet過程と相互情報量を用いることで,人間の連続的な行動系列から状況に応じた動作を抽出するメカニズムの提案を行う.実験では,モーションキャプチャを用いて計測を行った人間の連続的な行動系列から状況に対応した複数の動作の抽出を行った.