著者
谷口 忠大 高橋 佑輔
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.571-580, 2011 (Released:2012-01-21)
参考文献数
30
被引用文献数
1 3

In this paper, we proposed a simple urban model including individuals' travel behavior and residential choice behavior. Multi-agent simulation framework is described. We performed several experiments to evaluate political measures which will solve problems about motorization. As a result, drastic mobility management scheme increased the number of travelers using a train, and the distribution of residences became compact. However, it also increased many agents' total costs of living because of high rent and several kinds of cost including time cost and fatigue cost to reach a station. On the other hand, raising gas price made CO2 emission less and kept total cost of living lower than the drastic mobility management measure. This suggests that to have people use train or bus by changing their attitude might be socially more expensive than to make people chose whether they use car or not under the condition that gas price is raised.
著者
岡田 雅司 谷口 忠大
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2M1OS19a01, 2022 (Released:2022-07-11)

本稿では、世界モデルに基づく強化学習であるDreamerV2とDreamingを拡張したDreamingV2を提案する。DreamerV2は潜在状態をカテゴリ変数で表現する離散世界モデルを用いた強化学習手法である。またDreamingは、対照学習により、一般的な世界モデル学習におけるオートエンコーディング(再構成)の過程を用いない強化学習手法である。提案するDreamingV2は、DreamingV2の離散状態表現とDreamingの再構成不要な世界モデル学習の両者を採用した手法である。5つのロボットアームのタスクのシミュレーション実験において、DreamingV2はDreamerV2および最新の世界モデルを上回る性能を達成した。DreamingV2は実世界の不連続的なダイナミクスを離散表現で適切に表現でき、また実世界の複雑な画像観測の再構成を不要とすることから、DreamingV2はロボット強化学習の有効な手段であると考えられる。
著者
谷口 忠大 岩橋 直人 新田 恒雄 岡田 浩之 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回 (2011)
巻号頁・発行日
pp.2B2OS22a1, 2011 (Released:2018-07-30)

ロボティクス,音声言語,画像研究を含むマルチモーダルインタラクション研究の発展に伴い,自律ロボットが人間と共生することを目標としつつ,記号過程を内包した人間知能構成論的理解を進める研究が始まっている.ロボットが人間や環境との相互作用を通して,コミュニケーションに必要な知識を発見・理解・学習・運用する過程の研究を計算論的に統合することは重要である.本発表では当該研究領域について概説する.
著者
奥 健太 赤池 勇磨 谷口 忠大
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.95-106, 2013-02-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Bibliobattle, which is a framework that supports information sharing by introducing books together among participants, has been spread all over Japan. We consider that the Bibliobattle possesses a filtering method that selects a recommendation book from enormous books by presenters. In this paper, we verify what kind of recommendation methods the Bibliobattle possesses when we regard it as a kind of recommender systems. Compared with baseline systems, including a keyword search system, a recommender system by content-based filtering, and that by collaborative filtering, the recommender system by the Bibliobattle is superior to them from the viewpoint of diversity, novelty, and overall satisfaction. In addition, this paper showed that is was superior to them from the viewpoint of explanation because of its characteristics of that the presenters introduce their favorite books together.
著者
古賀 裕之 谷口 忠大
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.144-156, 2014 (Released:2014-11-14)
参考文献数
19

本稿では話し合いにおいて,参加者の自由な発話タイミングを阻害することなく,均等な発話を促すことのできるコミュニケーション場のメカニズムとして発話権取引を提案する.発話権取引では参加者に等しい数の発話権が与えられ,これを自由に行使することで参加者は話し合いに参画することができ,また,発話権は自由に融通しあう事ができる.このメカニズムの特徴を実験に基づいて検討した.また,経済学的な考察を与えた上で,付加的な要素として発話振興券を導入し,その導入効果を実験に基づき評価した.発話権取引は,話し合いにおいて誰かが司会を行う負担を減らし,また,意思表示や理由に関する発言数を増やすことが分かった.
著者
益井 博史 中林 一貴 谷口 忠大
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1C4OS6b02, 2020 (Released:2020-06-19)

コミュニケーション場のメカニズムデザインとは,ディスカッション,ディベート,会議,そして相談を行うグループを間接的に制御するために,ルールやインセンティブを含んだ話し合いの制度を設計することである.コミュニケーション場のメカニズムは,実際のコミュニケーションに制約を課すと考えられる.それらの制約は,人工知能に基づく技術の発展に有益であると仮定した.この論文では,自動音声認識システムと発話権取引を例として取り上げて、この概念を評価する.実験により,発話権取引を導入すると、音声認識のパフォーマンスが向上することがわかった.
著者
椹木 哲夫 土屋 和雄 門内 輝行 冨田 直秀 横小路 泰義 尾形 哲也 青柳 富誌生 水山 元 中西 弘明 堀口 由貴男 青井 伸也 谷口 忠大
出版者
京都大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

複雑なシステムの中におかれたヒトや生体は,自らを取り巻くところの環境や社会を能動的に意味づけ,価値づけ,自らの棲む世界として秩序化していくことができる.本研究課題では,このような自律的主体の「多様性の生成と選択」の機構を「記号過程」に求め,記号の生成・利用のダイナミズムの観点から,生体細胞から環境適応機械(ロボット),社会組織に亘る様々なレベルにおける適応システムの同型性を見いだし,個々のシステム要素が外部・内部の物理的環境との相互作用を介して機能が形成される一般的過程について追究した. 5カ年の成果により,目的をもって生きる存在としての自律的な主体(人,ロボット,細胞)が, 他者主体を含む環境との相互作用を通して,意味の世界を創出して伝達する仕組み(記号過程)を解明し,システムが人を育て,人がシステムを育てる相互主導性を担保できるシステムの設計論を確立することができた。
著者
谷口 彰 萩原 良信 谷口 忠大 稲邑 哲也
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

人間の生活環境で動作するロボットは,未知環境においても適応的に環境の地図を生成し場所の概念を学習することが求められる.本研究では,周囲環境からの観測情報に基づき地図と場所概念を逐次的に獲得する手法SpCoSLAMを提案する.実験では,SpCoSLAMのオンライン学習アルゴリズムにより未知環境からの場所概念獲得が可能となることを示す.
著者
劉 海龍 谷口 忠大 高野 敏明 竹中 一仁 坂東 誉司 田中 雄介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

車両を流れる信号は年々増加しており,それらの時系列信号を人間が直感的に理解するのは困難である.本稿では Deep Sparse Autoencoder を用いて車両の運転挙動データを表現する低次元特徴量を抽出することで,運転状況の可視化を試みる.ここでは 100 次元の運転挙動データから 3 次元の特徴量を抽出し,RGB の色空間に対応させて地図上に可視化する手法を提案する.
著者
谷口 忠大 高木 圭太 榊原 一紀 西川 郁子
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.1078-1091, 2009-12-15
被引用文献数
2 9

近年,CO<SUB>2</SUB>排出量の抑制や,化石燃料の将来的な枯渇を背景に再生可能エネルギーの利用が注目されている.しかし,既存の中央集権的な電力ネットワークは系統末端での非定常発電を前提とする再生可能エネルギーとは必ずしも相性がよくないと言われる.このため,マイクログリッドを始め分散型の電力ネットワークが研究されている.本研究ではその一つである自律分散型の電力ネットワークであるECOネットを取り上げ,ECOネット内の発電消費の末端ノードであるミニマル・クラスター間での電力売買を通じた電力融通の自動化の為の機構について検討する.電力売買の自動化の為には,各ミニマル・クラスターにおける電力ロスの発電・消費における諸条件に基づき電力売買の方策を最適化する事が望まれる.本稿では,電力売買を行うエージェントの学習に強化学習を用いる事で電力ロスを低減し,収益を最大化させるような適応的取引エージェントの構築を目指す.ただし,そのような系ではマルチエージェント強化学習の系となるために,不完全知覚問題や同時学習問題が発生することが指摘されている.本稿ではそれらの問題に強いとされる方策勾配法,特にその一種である Natural Actor-Critic を用いて適応的取引エージェントを構築する.また,提案手法の有効性を示すために,6個のミニマル・クラスターにより構成されるローカルクラスターを対象にシミュレーション実験を行った.シミュレーション実験では,Natural Actor-Criticによりエージェントが適切な取引を学習する事が出来る事が示されたのと同時に,マルチエージェント強化学習環境下においても少なくとも一体固定的な取引を行うエージェントの居る条件下では良好な学習結果を生むことが示された.
著者
谷口 忠大
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

This paper describes the problems of approaches towards‘’symbol systems ’’in the research eld of arti cial intelligence. In conventional arti cial intelligence researches, amodal symbolic systems have been explicitly or implicitly assumed. In contrast with such approaches, we insist that a symbol system have to be considered as a part of an emergent system called symbol emergent system. Based on the concept, we describe the importance of the approach called symbol emergence in robotics.
著者
谷口 忠大 椹木 哲夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.493-501, 2004 (Released:2004-09-03)
参考文献数
13
被引用文献数
2 3

In this paper, a new machine-learning method, called Dual-Schemata model, is presented. Dual-Schemata model is a kind of self-organizational machine learning methods for an autonomous robot interacting with an unknown dynamical environment. This is based on Piaget's Schema model, that is a classical psychological model to explain memory and cognitive development of human beings. Our Dual-Schemata model is developed as a computational model of Piaget's Schema model, especially focusing on sensori-motor developing period. This developmental process is characterized by a couple of two mutually-interacting dynamics; one is a dynamics formed by assimilation and accommodation, and the other dynamics is formed by equilibration and differentiation. By these dynamics schema system enables an agent to act well in a real world. This schema's differentiation process corresponds to a symbol formation process occurring within an autonomous agent when it interacts with an unknown, dynamically changing environment. Experiment results obtained from an autonomous facial robot in which our model is embedded are presented; an autonomous facial robot becomes able to chase a ball moving in various ways without any rewards nor teaching signals from outside. Moreover, emergence of concepts on the target movements within a robot is shown and discussed in terms of fuzzy logics on set-subset inclusive relationships.
著者
中村 友昭 西原 成 長井 隆行 船越 孝太郎 長坂 翔吾 谷口 忠大 岩橋 直人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本稿では,マルチモーダル情報によって構築される物体概念と,人の発話を教師なしで形態素解析することで切り出される単語から,ロボットによる語意の獲得を行う.ロボットは,言語などの初期知識を持たないことを想定しているため,音声認識では必ずしも正しく人の発話を認識できるとは限らない.そこで,本稿では物体概念と同時に言語モデルも学習することで,認識誤りの影響を低減し,概念・語意の獲得が可能であることを示す.