著者
佐久間 健 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.121, pp.79-84, 2004-11-26
被引用文献数
1

既存の群集シミュレーションでは,各集団や各人物に簡単な行動規則を与えて自然な振る舞いを生成する手法が多く用いられている.しかしながら,これらの手法では歩行者集団の密度や流動量を直接的には制御できないため,その集団的な振る舞いを正確にシミュレーションするには不向きである.そこで本研究では歩行者の行動の制御に人間の記憶と心理的なモデルを導入し,各行動に対する動作の生成にはモーションキャプチャデータの動的な処理を用いることにより,自然な歩行動作や衝突回避動作を生成する機構を提案する.この機構を用いた歩行者集団のシミュレーション結果を実測したデータと比較することにより,提案手法の精度と有効性を示す.Existing crowd simulations often introduce the control methods that give simple behavioral rules at each group or individual. These methods, however, are unsuited for exactly simulating group behaviors because of the lack of direct controls on the amount of density and flow of a pedestrian group. This research therefore proposes the method of generating plausible motions of gaits and collision avoidance by introducing human memory and psychological model to behavior controls of pedestrians, and by dynamically processing motion capture data. The accuracy and effectiveness of our method is shown by comparing the resulting simulation of pedestrian groups with measured data.
著者
向井 智彦 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.78-87, 2005-01-01
被引用文献数
2

代表的な仮想人間の動作生成手法であるキーフレーム法は,各キーフレームにおける姿勢を指定し,その関節回転角を適切な関数で補間することで動作を生成する.しかしすべての姿勢を手作業で設計するには膨大な労力が必要であり,最適な補間関数の設計には熟練を要する.一方,近年ではモーションキャプチャ法を用いて実際の人体運動を計測する手法が主流になっており,計測した動作データの効率的な再利用が重要な課題となっている.本論文では,キーフレーム法に基づく動作生成に動作データの運動学的特徴を効率的に利用する手法を提案する.本手法では,筆者らが既に提案した機械学習による動作生成法を拡張し,動作データを用いて学習の報酬関数を設計することで自然な姿勢を探索する.またキーフレームの補間関数を理論的な人体運動モデルと動作データを用いて設計することで,人間らしい滑らかな動作を生成する.本手法により動作データの自然さを反映した複合的な全身動作を効率的に生成できる.
著者
ロクマン ジュアンダ 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.744, pp.35-40, 2005-03-17

日常生活の中で、我々は環境内の一つ或いは複数のオブジェクトに関わるような行動を良くする。例えば、キーボードをタイプする、電話をしながら歩く、コップで水を飲む、本を読む等である。日常生活における人間の動作の多くは環境内のオブジェクトと密接に関係している。本論文では、オブジェクトとの関係における拘束を考慮して、観測された身体部分の動作を解析することにより、人間の動作を理解する方法について述べる。環境内のオブジェクトと人物の動作との関係の取扱いを容易にするために、環境の3次元モデル及び人物の上半身のスティックモデルからなる仮想世界を構成する。実環境における人物動作をこの仮想世界に反映させることにより、オブジェクトとの関係に基づく人物動作の理解を行う。机の前に座ったユーザが机上のオブジェクトを手で動かすようなシーンに対する実験例により、本方法による人物動作の理解の結果を具体的に示す。
著者
立木 翔一 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.683, pp.43-48, 2006-03-15

人と人とのコミュニケーションにおいて,3次元空間内の相対的位置関係の把握は日常的に行われる.人間共存型ロボットとユーザとが3次元空間内でインタラクションを行う場合についても,ロボットがユーザや空間内のオブジェクトとの相対的位置関係を把握しておくことが重要である.本論文ではロボット,ユーザ,オブジェクトの3者の相対的位置関係を考慮した,実空間内でのロボットとユーザとのインタラクションについて述べる.具体的には,ユーザが目的としたオブジェクトの位置に,ユーザを誘導させるような指示をロボットが行う.入力画像に対し顔領域や髪領域の抽出結果からユーザの位置や向きを認識し,さらに色情報からオブジェクトの位置情報を取得する.これらの認識結果を統合することにより相対的な位置関係を把握し,「1m右」,「2m前」などユーザにとって自然な指示を行う.ロボットの実機を用いた実験により,具体的なインタラクション動作を実証する.
著者
金子 崇之 深澤 良彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.98, no.558, pp.9-16, 1999-01-22
被引用文献数
5

デザインパターンと呼ばれる、オブジェクト指向ソフトウェアを設計する際の経験のパターンが注目を浴びている。このデザインパターンに従ってプログラムを書くことは、プログラム理解、再利用、保守を容易にする。しかしながら、このデザインパターンに従って書かれていない既存のプログラムも数多く存在する。本研究では、デザインパターンを意識せずに作成されたプログラムから、偶然利用されたデザインパターンや、少しの修正によってデザインパターンとなるようなクラス構造を抽出する。ソースプログラムのみを入力とし、クラス内マッチング、クラス間マッチングという二つのマッチングを用いて抽出を行う。これによりデザインパターンのメリットをデザインパターンを意識せずに作成されたプログラムに対しても与えることが可能となる。
著者
大場 克彦 井上 信介 二木 敬一 金戸 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.187-188, 1990-09-04

抽象データ型を用いて、代数的仕様記述法で得られるのと等価な木構造図が得られることを示した。この木構造図は、トップダウン設計法で作成するのと同じ手順で作成できるので、従来のプログラミング手法に慣れたプログラマでも、難解な理論を意識しなくても作成することが出来る。しかも、厳密に意味が定義された形式性を有している。このため、この木構造図を使って検証やソースコードの生成が可能である。一般にプログラムが順次、選択、反復の3つの制御構造の組合せで表現できることはよく知られている。抽象度が高いレベルでは順次処理だけでプログラムの構造を表現できるが、具体化した詳細な表現をするためには、選択や反復の制御構造が必要である。文献[1]で示した方法は、抽象度の高いレベルでの可能性を示したもので、より具体的な記述を可能にするためには、選択や反復などの制御構造を含めた記述を可能にする必要がある。本論ではこの点について論ずる。
著者
大場 克彦 金戸 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.185-186, 1990-09-04

信頼性の高いプログラムを開発する手法の1つとして、代数的仕様記述法が注目され始めている。しかし、逐次処理型の実用レベルのプログラムの仕様を、平均的プログラマが代数的仕様記述法を用いて書くのは難しい。平均的プログラマが利用できるようになるためには、難解な基礎理論を意識しなくても、定められた手順に従って記述すれば、厳密であいまいさのない形式的な仕様が得られることが必要である。これを可能にするために、抽象データ型を用いたプログラム設計法について検討した。
著者
金田 健 鈴木 和幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.454, pp.35-38, 2002-11-08

近年、ユーザの誤使用・不注意など、ヒューマンエラーに起因する製品事故が大きな割合を占めてきている。このような不特定多数のユーザを対象とした市場型製品への事故の未然防止法に関しては種々の手法が提案されている。本研究では、これらの方法のさらなる改善を目指し、Web上のFAQを利用したヒューマンエラー事前抽出方法を検討する。