著者
小菅 康晴 富永英義 伊藤 典男 小松 尚久 金 東輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1023-1032, 1995-04-15
被引用文献数
15

本論文で提案する情報冷蔵庫システムは、将来のマノレチメディア情報化時代に適した情報配送インフラストラクチャとして、センタエンド形情報提供システムにおける情報配送の効率化と、配送された情報を利用者の独自の要求に沿って編集加工する手段の提供と、利用した情報のみに課金する手段の提供を目指すものである。本システムにおいては、情報センタは全ユーザ装置(UE)へ同時に情報配送を行い、各UEは配送された情報を内部の大容量記憶部に蓄積保存する。利用者は、UEに蓄積された情報から必要なものを選択、編集、加工して利用し、料金は蓄積された情報ではなく利用した情報に課せられる。本システムの特徴は、蓄積を前提とした情報の同報配送と相手選択通信により効率的/経済的情報配送と利用情報のみへの課金を行う点、およびUEでの情報蓄積機能を情報の配送速度と再生速度の分離、利用者独自の情報検索、編集、加工にも活用する点にある。本論文ではシステムの基本構成および制御と、構成上の最大のポイントであるUEの構成および制御について明らかにする。
著者
金尾 健美
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-28, 2006

Voici la premiere edition de deux manuscrits inedits et sa version japonaise accompagnee par un commentaire; ils sont conserves aux Archives Departementales de la Cote-d'Or a Dijon et cotes B11210. Ce sont deux lettres redigees par les membres de la Chambre des Comptes de Dijon concernant le marche monetaire aux derniers mois de 1420. Ils rapportaient que le prix de l'argent surpassait le prix officiel, 26 francs le marc, et s'approchait de 32 francs et que la demande de plusieurs maitres particuliers de monnaie pour en acheter etait anormalement forte. En ete 1420, Philippe le Bon, due de Bourgogne, ordonna la fabrication de monnaie de 80 mille marcs d'argent dont une grande partie serait affectee a l'acquittement de la rancon de Guillaume de Vienne en otage, conseiller fidele a son pere defunt, feu duc Jean sans Peur. Et encore la lettre annonce que deux ateliers monetaires essayerent avec ardeur a Troyes mais avec repugnance a Dijon a fabriquer un denier noir dont l'aloi etait 2 grains et demi, et echouerent egalement a le forger. L'equipe dijonnais craignit que la fabrication d'une telle mauvaise monnaie leur perdit la confiance du peuple et qu'elle nuisit a la gloire du duc finalement.
著者
倉橋 良雄 新木 康夫 金原 太郎 PONTZEN Rolf 山口 勇
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.22-28, 1998-02-20
被引用文献数
8

カルプロパミド(ウィン^[○!R])はP. oryzaeやV. dahliaeなどの平面培養やいもち病菌の振とう培養での菌の色素沈着を強く抑制した.そしてそれらの野生株の培養物の抽出によって白色の結晶が単離された.薄層クロマトRf 0.36付近のスポットから得られた白色結晶の化学分析値は既に報告されているシタロンのデータとよく一致した.カルプロパミド10μg/mlを処理したそれらの培養物中には多量のシタロンと少量のバーメロンが蓄積したが, 2-ハイドロキシジュグロンは検出されなかった.P. oryzaeのアルビノ変異株(P_2-alb)の振とう培養にシタロンを加えると速やかに代謝され, その培養は薄い褐色となった.しかしその培養にあらかじめカルプロパミドを加えるとシタロンはあまり代謝されないで培地中に残った.P. oryzaeのアルビノ変異株(P_2-alb)の平面培養の菌叢先端に局所処理したシタロンとバーメロンは黒色色素に変換されたがその着色はカルプロパミドによって阻害された.これらの試験結果はカルプロパミドが菌類メラニン生合成においてシタロン及びバーメロンの脱水反応を阻害することを示唆している.
著者
根本 幸人 後藤 慎弥 金井 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.55-60, 2009-01-15

近年,多様に変化し,膨大に増加し続ける Web ページの中で,価値ある情報が埋没する問題が出てきている.その中で, Web ページ間の link 構造を利用した従来の Web ページ評価手法だけでは必ずしも欲しい情報が得られなくなっている.そこで本稿では, Web ページ評価のために, Web ページ間の link 構造だけでなく,ユーザ, Web ページ及びそれらの関連情報を考慮したモデルを提案する.また,本モデルを用いて,実際のソーシャルブックマーク上で Web ページに対して付加されているタグを利用してユーザおよび Web ページの評価値を算出し,本モデルの性質を明確化する.Useful Web page is buried under huge number of Web pages which keep increasing explosively in recent years. Evaluation methodologies of Web pages, which are used at present based on link structure between Web pages, unfortunately do not work very well. Therefore, social bookmark services where bookmarks are shared and grouped using tags become popular. In this paper, a Web page evaluation model is proposed. The model consists of users of Web and related information as well as link information. Then, evaluation values of Web pages based on the model are calculated using actual Web pages and characteristics of this model are clarified and discussed.
著者
磯野 春雄 安田 稔 三輪 幸司 金山 秀行 山田 千彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.518-525, 1992
被引用文献数
13

メガネが不要な40インチ液晶投与型立体カラーテレビディスプレイ装置を試作した.この装置の特徴は, 左右2台のテレビカメラで撮像した映像を水平方向に1画素毎に縦縞のストライプ像に合成したあと, 1台の高性能液晶ビデオプロジェクタを用いてレンチキュラースクリーンの背面に投与する表示方式にある.この方式は, 液晶ビデオプロジェクタによって投与したストライプ像とレンチキュラースクリーンとの光学的な位置合わせを高精度かつ容易に行うことができる.また, レンチキュラースクリーンとして, 内部が中空構造の高性能なスクリーンを新しく開発した.この結果, 40インチの画面全体にわたって均一で明るく, 鮮明なフルカラーの立体動画像をメガネなしで見ることができた.
著者
金子 邦彦
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.289-295, 1995-04-05
被引用文献数
2

我々が,例えば,生物界の現象を眺めていくと,進化にしても,発生にしても,なんらかの階層性があるように感じられる.なぜだろうか?こういった階層性を作り出していくダイナミクスは何なのであろうか?それとも,われわれの脳の情報処理の特性として,階層的にとらえようとしてしまう傾向があるだけなのだろうか?1984年,ポスドクでロスアラモス研究所に行った時,なにをやりたい?って聞かれてこう答えたことがある.階層性の理由は,たとえば効率という点で考えてみると,いくつか見出される.実際,「しょっちゅう電話で仕事を邪魔される時計屋さんの時計の作り方」とか「不正確な動作をする素子で,いかに信用できる情報処理系をつくるか」などといった例で階層的構成の有利さは議論されている.前者は,モジュール構造を作った方が電話で邪魔されてもそのモジュールだけやりなおせばよいので全部最初からやりなおさずにすむ,後者は並列入れ子の素子でエラーを除去するといったものである.また,モジュール構造を含んだ進化過程は実際にも見出されているし,また最適化を行う上で有利であることがシミュレーションによっても示されている.しかし,一方で,そういう階層的な構造がどうやってできたかについては,上の議論は何も答えてくれない.「前もって,遺伝子にかきこまれているから」とかいった,ある意味で「逃げ」の解答をしたくないのであれば,たとえば,全く同一のルールで発展するような要素の集団が分化していって階層的な構造をつくりだすこと(さらにはそれがいかに動的に変化していくか)を見ていかねばならない.さて冒頭の問に戻る.4年後の88年,再び,ロスアラモスに滞在することになった時,あれはどうなった?と問われた.その段階でも,それに対する満足な答えを持っていなかったし,実際は,今も持っているかはそう確かではない.ただ,たまたま,この滞在中に解答への一つの方向を見出せた(とも考えられる)ので,その後の発展を含めて解説をしていきたい.
著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.468, pp.7-11, 2009-02-27

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
金 永模 福田 武司 鎌田 憲彦 小原 秀彦 横尾 敏明 木島 直人
出版者
社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 = JOURNAL OF THE ILLUMINATING ENGINEERING INSTITUTE OF JAPAN (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.472-477, 2008-08-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

Transparent glass films with homogeneously doped light emissive molecules can be prepared by using the sol-gel process. As part of our work on improving the durability of water-soluble polysilanes against UV light irradiation, we fabricated Eu(TTA)3Phen-doped sol-gel glasses and studied their optical characteristics. Using a three dimensional dense glass network protects the Eu complex from free oxygen and water in an ambient and also improves the durability without any loss of light output. By adding the Eu(TTA)3Phen beyond the limit of solubility in a starting solution, we demonstrated that the glass encapsulation prevents oxidation of the Eu-complex and also preserves its excitation intensity at a wavelength of 400 nm.
著者
金 相鎬 関山 浩介 福田 敏男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. C (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.75, no.756, pp.2253-2258, 2009-08-25

The poor operation for information systems such as car navigation systems may result in the visual workload. To reduce the visual workload produced by information systems and their use during vehicle operation, we propose a user-adaptive vehicle information interface with a reconfigured navigation sequence. We propose the information assistance interface which recommends a preferred content in short time without following the hierarchical steps because of the hierarchical structure of most car navigation systems. Our proposed user-adaptive interface consists of user modeling using a hidden Markov model (HMM) and symbol matching which is the reconfiguration of a navigation sequence. The interface learns a user's navigation patterns based on accumulated navigation sequences. The navigation sequence is reconfigured by the user model and a clue. The symbol matching is performed in compliance with the user's selection and the navigation sequence is recommended to the user. Experimental results showed that reconfiguring the navigation sequence and switches reduced navigation reaction time.
著者
金 淵培 江原暉将
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.1018-1028, 1994-06-15
被引用文献数
16

日英機械翻訳の精度を低下させる要因の一つとして、文が長すぎるということがある。文が長くなると係り受け構造が複雑となり、構文解析ができず、翻訳に矢敗することが多くなる。この問題を解決するため、われわれは日本語の長文を複数の短文に自動的に分割する研究を行った。われわれの手法は、形態素、品詞、文節カテゴリのようなさまざまな情報をフレキシブルに組み合わせて分割点の認定が行えるという特徴をもつ。さらに、分割を行うと、分割後の文に主語がなくなることがあり、この現象も機械翻訳の精度を悪くする。そこで、主語のなくなった文に対して、自動的に主語を補完する研究を行った。主語補割こは、学習データを用いて、主語になる名詞の特徴ベクトルの確率分布を推定した後、各主語候補に対して主語になれる確率値を算出して主語補完を行う統計的方法を用いている。約400文のニュース文を対象に分割と主語補完の実験を行った。分割点の認定には、分割点が記述されているパターン約100個を用いてパターン・マッチングを行い、約88%の分割点認定率を得た。 また、主語補完の補完率は76%であった。本論文では、短文分割の有効性と方法括よび主語楠完について述ぺる。
著者
吉山 友二 尾鳥 勝也 厚田 幸一郎 矢後 和夫 藤金 治雄 緒方 憲太郎 二神 幸次郎
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.365-369, 2007-04-10
被引用文献数
2

Elcatonin injection is used for the treatment of osteoporosis in Japan. In order to compare the original product with generic versions, we measured the elcatonin content and amounts of impurities in both using high performance liquid chromatography, and observed changes in content with time under the conditions of light exposure and shaking. We found that elcatonin content and amounts of impurities varied among the generics and that changes in content with time under the above conditions for some generics were greater than the changes for the original product. These results suggest that some generic products should not be considered to be equivalent to the original product.
著者
金子 拓也 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.187, pp.17-24, 2000-07-07
被引用文献数
1

(社)日本電子工業振興協会対話理解技術専門委員会は、広い意味での対話処理の研究開発に資するため、対話データの収集と構造化を実施し、その成果であるタグ付き対話コーパスを公開するとともに、その収集および構造化の方法に関する提言を発信することを目的として活動している。今年度は昨年度までに作成したマルチモーダル対話コーパスの配布を進めるとともに、このデータに対するタグ付け作業をほぼ完了し、2000年6月にタグ付きコーパスを部分公開する予定である。本報告ではマルチモーダルデータ構造化の諸相という観点から、人間の言語行動における複数モダリティー(統語構造・共参照、対話構造、韻律、表情)の構造化技法と構造化データの性質について報告する。