著者
箸本 健二 武者 忠彦 菊池 慶之 久木元 美琴 駒木 伸比古 佐藤 正志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-47, 2021 (Released:2021-03-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本稿は,立地適正化計画の実施主体となる332市町村へのアンケート調査を通じて,立地適正化計画の導入意図,施策の概要,実施上の課題を分析・検討した.その結果,多くの地方自治体が,政策の理念や必要性には理解を示している一方で,主に経済的理由から都市機能の誘導は限定的な施策にとどまる.また,ローカルな政治的文脈への配慮から,都市機能の集約化や強制力を伴う居住誘導の導入にも慎重な姿勢を崩していない.立地適正化計画をコンパクトシティ実現の切り札と位置づける国と,さまざまな制約条件の下で実施可能な事業を優先せざるを得ない地方自治体との温度差は,現時点では大きいといわざるを得ない.
著者
岩間 信之 浅川 達人 田中 耕市 駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.70-84, 2016 (Released:2016-06-23)
参考文献数
39
被引用文献数
1 3

本研究の目的は,住民の買い物利便性(食料品アクセス)および家族・地域住民との繋がり(いわゆるソーシャル・キャピタル)を基にフードデザート(以下FDs)を析出するとともに,FDsの特徴を地理学的視点から明らかにすることにある.研究対象地域は,関東地方の県庁所在都市A市の都心部である.分析の結果,低栄養のリスクが高い高齢者は,全体の49%に達した.地区別にみると,都心部のなかでも市街地中心部と市街地外縁の一部において,低栄養高齢者の集住がみられた.なかでも,市街地中心部において食生活の悪化が顕著であった.市街地中心部ではソーシャル・キャピタルの著しい低下,市街地外縁では食料品アクセスとソーシャル・キャピタルの相対的な低さが,高齢者の食生活を阻害する主要因であると考えられる.従来,FDs問題研究では買い物先空白地域に注目が集ってきた.しかし本研究から,ソーシャル・キャピタルが希薄な大都市中心部でも,FDsが存在することが明らかとなった.
著者
岩間 信之 佐々木 緑 田中 耕市 駒木 伸比古 浅川 達人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.178-196, 2012-12-31 (Released:2013-01-31)
参考文献数
27
被引用文献数
1 4

本稿の目的は,被災地における食品流通の復興プロセスを明らかにするとともに,仮設住宅入居後における買い物環境の変化と食品供給問題改善のための課題を整理することにある.研究対象地域は岩手県下閉伊郡山田町である.東日本大震災により,山田町の市街地は壊滅的な打撃を受けた.震災発生当初,被災者は深刻な食糧難に見舞われた.現在,商業施設の復興はある程度進んでいるものの,仮設住宅の住民の間で買い物環境が悪化している.市街地および仮設住宅周辺において,フードデザートエリアの拡大が確認された.
著者
駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.192-207, 2010-03-01 (Released:2012-01-31)
参考文献数
25
被引用文献数
5 6

本研究は,徳島都市圏における大型店の立地展開とその地域的影響が,出店規制に基づきどのように変化してきたかを明らかにした.徳島都市圏では,大店法の施行から現在に至るまで,大型店の出店に対する規制はそれほど厳しく行われてこなかった.そのため,大店法が強化された1980年代に,県外資本によって大型店の出店が進んだ.大型店の郊外化・大型化は,大店法が緩和された1990年代ではなく,大店立地法が施行された2000年以降に顕在化した.これらの結果は,大店法の施行期間において出店調整に対して行政の関与があったために独自規制や出店拒否が行われず,大店立地法の施行以降も新たな制度に基づく規制の実施に消極的であるという徳島都市圏における出店規制の実態から説明される.加えて,出店規制は,商業集積や消費者買物行動に対しても,間接的に影響を及ぼしてきたことが確認できた.
著者
駒木 伸比古 佐藤 正之 村山 徹 森田 実 小川 勇樹
出版者
[三遠南信地域連携研究センター]
巻号頁・発行日
2017-09-30

本図説を作成するにあたり,以下の助成金を利用しました。・文部科学省「共同利用・共同研究拠点(越境地域政策研究拠点)」(代表者:戸田敏行)・日本学術振興会科学研究費「ポストまちづくり三法時代における大規模集客施設の越境地域政策に関する地理学的研究」(代表者:駒木伸比古)・日本学術振興会科学研究費「民主主義の規模と行政の自律的裁量」(分担者:村山徹)
著者
駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.154-163, 2016-09-30 (Released:2016-10-11)
参考文献数
23

2015年12月に「平成26年商業統計調査」の結果が公表されたことで,2008年11月に「平成19年商業統計調査」の結果が公表されて以来,ほぼ7年ぶりに日本における商業動向を把握することが可能となった.この背景には,2012年の経済センサスの設立および実施が挙げられる.本稿では,経済センサス実施にともなう商業統計における調査方法および項目の変化とその利用について解説することを目的とした.実態に応じた調査が実施されたことで,最近の商業・流通業の動向に応じた分析や状況把握が可能となった.ただし調査対象および方法が変更されたため,時系列変化を検討する際には十分な注意が必要である.
著者
岩間 信之 中島 美那子 浅川 達人 田中 耕市 佐々木 緑 駒木 伸比古 池田 真志 今井 具子 貝沼 恵美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.170-185, 2023 (Released:2023-06-09)
参考文献数
61

本研究の目的は,外国人散在地域を事例に,外国にルーツのある子どもたちの成育環境と健康状態の関係を解明することにある.外国人労働者が増加する今日,外国人世帯の生活環境の改善は喫緊の課題である.中でも,外国人散在地域では,外国にルーツのある子どもたちの健全な成育環境の確保が難しいと推測される.そこで本研究では,外国人散在地域に該当する地方都市を事例に,3歳児健診データを分析した.その結果,成育環境の悪化がう蝕(虫歯)などの健康被害を誘引し得ることが明らかになった.特に,所得が低く社会的に孤立していると考えられる外国人世帯の子どもたちの間で,健康被害が顕著であった.一方,社会的統合の程度が高いと推測される世帯では,こうした傾向はみられなかった.社会的排除状態にある外国人世帯は,家族や社会から十分な支援を受けにくい.このことが子どもたちの成育環境を悪化させ,健康被害をもたらすと考えられる.
著者
久保 倫子 駒木 伸比古 田中 健作
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.76-90, 2020-03-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
80
被引用文献数
1

本研究は,高齢化と居住環境の悪化が進展する郊外住宅地の居住実態について,高齢者の身体・住宅,居住地域,さらに広域のスケールに着目し,高齢者の生活実態や生活上認識する不安,居住環境を総合的に分析することにより,高齢期に住み続けられる居住環境の実現に向けた課題を明らかにすることを目標とした.その一過程として,岐阜市郊外のK地区をとりあげた.特に本研究では,食生活,住宅の維持管理,居住地域の物質的・社会的環境, 広域的な活動および交通手段の考察に重点を置いた.その結果,事例地区の高齢者の多くは地域への愛着と自立した生活継続への希望を有しているが,身体,住宅,居住地域,より広域なスケールで不安や困難に直面しており,それらの克服に向けた調整を通じて住み続けられる条件を蓄えていることが明らかとなった.高齢化と都市縮退に対応した都市インフラ整備,サービス環境の充実,さらに高齢者の変化と多様性を踏まえた,総合的な議論が求められる.
著者
浅川 達人 岩間 信之 田中 耕市 佐々木 緑 駒木 伸比古 池田 真志 今井 具子
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.21-34, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
16
被引用文献数
3

The purpose of this study is to analyze, based on evidence, factors preventing the elderly from maintaining a healthy diet by using a revised food access indicator that takes food availability in stores into account. The area being studied is A City, a regional city in the northern Kanto region of Japan. The dependent variable in the study was dietary diversity score, which is a measure of the risk of adverse health effect caused by deterioration of diet. Multilevel analysis was used for the analysis of factors to allow individual level factors and group level factors to be analyzed independently.Regarding the individual level factors, results of the analysis suggest that FDs problems are present in areas with reduced food access, reduced social capital, or both, which supports the previous finding of FDs study groups. Among the group level factors, the presence of a store within a close distance of 500m most strongly affected the diet of the elderly. However, when a supermarket with nearly 100% food availability was located about 400m away or further, the condition for raising dietary diversity score from low to high was not met. In contrast, when the data was analyzed by assuming the shopping range to be 2km each way, the availability of a store as fully stocked as a supermarket within about 1.3km met the condition for raising dietary diversity score from low to high.
著者
駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.127-139, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
23

本稿は,マイクロジオデータである「商業集積統計」を用いて,中心市街地活性化計画認定都市の基本計画区域内における商業・サービス業の集積状況を業種に基づき分析・検討したものである.その結果,人口規模の小さな自治体ほど,基本計画区域内への商業・サービス業の集積が高まる傾向にあることが明らかとなった.また業種によってその集積状況は異なっており,高次の業種は集積する一方で,日常的に利用される業種の集積は低かった.さらに,基本計画区域内での業種構成は地域性がみられてグループ化が可能であること,自治体の人口規模とも関連していること,そして地理的分布にも特徴がみられることが明らかとなった.
著者
駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000073, 2018 (Released:2018-06-27)

1. 研究の背景と目的本シンポジウムの趣旨は「不動産の利活用から地方都市再生を考える」であるが,地方都市再生において中心市街地活性化は重要テーマのひとつに位置づけられる。中心市街地活性化法は1998年の制定から2006年,2014年の二度の改正を経て現在も続けられており,自治体は各種事業などを展開している。ここで,法律に基づき基本計画を策定する際に各自治体によって定められる中心市街地の「位置および区域」について注目したい。中心市街地活性化法における中心市街地は,「都市全体の維持に必要な商業・サービス業をはじめとする都市機能が集積する原則として単一の中心核」のように要約される。こうした中心市街地の社会・経済状況や政策・事業の実施状況については,地理学に限らず都市計画などの隣接分野でも研究がなされてきたが,目標指標の特徴と到達状況を検討した伊藤・海道(2012)は,共通の指標で判断することが難しく,「地域特性をふまえた説明力のある指標」が必要であることを指摘している。そこで本発表では,中心市街地活性化基本計画認定都市における中心市街地(基本計画区域)における都市・商業機能の集積状況を,統計結果および施設立地状況から明らかにする。2. 分析方法本発表では,2017年12月現在,中心市街地活性化基本計画によって設定されている141都市144基本計画区域を研究対象とした。自治体区域全体に占める中心市街地活性化区域における都市・商業機能の集積状況について検討する。商業機能については,商業統計に基づく事業所数,従業者数,年間販売額,売場面積,そして大型店の立地とする。都市機能については,公共施設,医療機関,福祉施設,文化施設,バス停,鉄道駅とした。これらのデータについて,認定自治体全域および中心市街地における立地状況についてGISを用いて計測し,その集積状況について算出した。また,これらの結果を用いて,類型化を行った。3. 分析結果平成14年および平成26年の商業統計メッシュ統計結果を用いて,区域における小売業の事業所数,従業者数,年間販売額,売場面積について推計するとともに,自治体全体に占める中心市街地の割合について算出した。その結果のうち,年間販売額に関して,その変化率と集積率の推移との関係をしめしたものが図1である。r=0.61と両者の間には中程度の正の相関がみられ,中心市街地における小売業が活発になるほど,集積も高まる傾向にあることが明らかとなった。ただし,正の値を示す中心市街地は144区域中3区域(2.1%)に過ぎない。一方,年間販売額は減少しているものの集積率が高まっている中心市街地が6区域あり,これらの自治体については,「集積」という観点からは成功しているとみることができる。発表当日は,そのほかの都市・商業機能の集積状況の結果を提示するとともに,いくつかのタイプに分けて考察した結果について報告する。
著者
畠山 輝雄 駒木 伸比古
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p><b>1</b><b>.はじめに</b></p><p></p><p> COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大に伴い,人間の移動がウイルス感染拡大に影響するという観点から,各国で独自の移動制限が行われた。日本でも新型インフルエンザ対策特別法(以下,特措法)に根拠を置く緊急事態宣言に伴い都道府県を単位とした「移動自粛要請」という形で対策が行われた。このような中,特措法や緊急事態宣言に関わるさまざまな計画や提言,方針において「地域」が使用され,それらを背景として,国内の移動制限が行われた。しかし,これらで使用された「地域」は,異なる空間的範囲や用途による抽象的な表現であったため,具体性の欠如や実態との乖離が生じている。</p><p></p><p> 地理学では,地域概念として「地域」を類型化し説明してきた背景があるため,本報告では緊急事態宣言に伴う移動制限に対して地域概念という視点から考察する。</p><p></p><p><b>2</b><b>.研究方法</b></p><p></p><p> まず,COVID-19の感染者数の空間分布について,各都道府県のウェブサイトから抽出したデータにより都道府県単位と保健所管轄区等の単位により比較をした。その上で,移動制限に関する権限の考察を,特措法の条文と各都道府県の新型インフルエンザ対策行動計画から考察した。そして,移動自粛要請を都道府県単位とした経緯について,新聞記事検索や政府の関連資料,全国知事会資料から考察した。さらに,海外の移動制限との比較をするために,各国における日本大使館のウェブサイトに掲載される資料から考察した。</p><p></p><p><b>3</b><b>.都道府県単位の移動制限と地域概念</b></p><p></p><p> COVID-19の感染者数の空間分布は,一般的に都道府県単位で公表されているが,保健所管轄区等の単位で再集計したところ,都道府県内でも空間分布に地域差があり,一様ではないことが明らかとなった。</p><p></p><p> 以上よりCOVID-19の感染分布と移動制限を地域概念から考察すると,COVID-19の感染拡大地域は「等質地域」であり,感染要因は飛沫感染や接触感染が多いことを考えると,人間の行動圏(「機能地域」)と大きく関係する。このような等質地域や機能地域という実質地域で生じている問題を,「都道府県をまたぐ移動の自粛」という形式地域単位での移動制限によって感染防止対策をした。</p><p></p><p> 都道府県単位で移動制限を行うメリットには,万人にわかりやすく,規制や監視をしやすいことが挙げられる。都道府県知事には,緊急事態宣言により住民の移動自粛要請をする権限が国から委譲され,それにより自動車ナンバー調査や都道府県境による体温チェックなどが行われた。しかし,特措法では自粛要請として強制力はない。つまり,上記のような移動制限の明確化は,結果として自粛警察による監視を促す結果となった。これはデメリットでもあり,移動に関する明確な境界設定による差別や偏見がおき,県外ナンバーへの嫌がらせも生じた。</p><p></p><p><b>4</b><b>.都道府県単位の移動制限の経緯と諸外国との比較</b></p><p></p><p> そもそも,特措法には移動自粛についての言及はあるが,その空間的範囲については明確に示されていない。なぜ,「Stay home」だけではなく,都道府県という空間的範囲への言及が必要だったのであろうか。これは,2020年3月中旬から4月にかけて大都市圏での移動自粛要請やコロナ疎開と呼ばれる大都市圏から地方圏への移動による感染拡大が背景であると考えられる。政府の方針において最初に都道府県単位の移動制限の言及があったのは4月7日の7都府県への緊急事態宣言時であり,4月16日の緊急事態宣言の全国への拡大時により強調されることとなり,その後は既成事実化された。</p><p></p><p> 諸外国では,日本と同様に州や県単位での移動規制が多い。しかし,これは日本とは異なり法的強制力があるゆえ意味のあることである。そのような中,フランスでは自宅からの距離による移動規制をしていることは興味深い。</p><p></p><p> 日本においては,都道府県界という移動境界を明確化することはデメリットの方が大きいため,フランスで行われた機能地域的対策が,現行法の強制力がない中ではより現実的ではなかろうか。また,今回のように都道府県に強力な権限を委譲していくことを今後さらに進めていくのであれば,より住民の生活圏に合致する都道府県域の再編も視野に入れる必要がある。</p><p></p><p> </p><p></p><p> 本研究の遂行にあたっては,科学研究費補助金(基盤研究(B)「ローカルガバナンスにおける地域とは何か?地方自治の課題に応える地理的枠組みの探究」研究課題番号20H01393,研究代表者:佐藤正志)を使用した。</p>
著者
李 虎相 兼子 純 駒木 伸比古
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.199-208, 2018 (Released:2018-04-13)

本稿は,韓国の基本的な人口動態を明らかにするとともに,少子高齢化の進展する日韓の地方都市に対する活性化策について検証することを目的とする。韓国国内の地域別の人口分布とその変化についてみると,首都ソウルおよび首都圏への一極集中が進んでおり,それらの地域以外からの人口流出によって都市間格差が拡大している。首都圏に隣接する忠清南道の都市群を事例として,その人口動態を分析した結果,首都圏に近接して位置する人口規模の大きい都市ほど人口増加を示す一方で,下位都市では大幅な人口減少を示しており,道内部でも二極化する構造が明らかとなった。加えて本稿では,そうした都市間格差を是正するための日本と韓国における都市活性化策について,特に2000年代以降の地方都市への施策を比較・検討した。両国に共通する特徴として,1990年代の景気後退の影響により,政策の方向性が経済成長を前提とした国家主導型から,低成長時代を見据えた地域主導型に転じていることを指摘できる。