著者
高橋 恵美子
出版者
東京大学大学院教育学研究科生涯学習基盤経営コース内『生涯学習基盤経営研究』編集委員会
雑誌
生涯学習基盤経営研究 (ISSN:1342193X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.19-42, 2016-03-22

本研究の目的は,学校司書の職務内容が文部省の見解ないしは文部科学省会議報告においてどのように変化してきたかを明らかにし,考察することにある。時期は1997年より2015年までを扱う。学校司書は,2014年6月の学校図書館法改正ではじめて法律に明記されることになったが,現実には1950年代においても法律に記載のある司書教諭より多数存在し,学校図書館活動を担う職員として実践を蓄積していた。さらに1997年の学校図書館法改正による2003年4月の司書教諭の全国的な発令までは,学校司書が実質的に学校図書館の活動を支えていた。こうした背景の中で,文部省の見解及び文部科学省会議報告で言及される学校司書の職務内容が,学校図書館現場の実態とどう異なっていたかを明らかにし,そのうえで学校司書の職務内容の変化についての考察を試みる。
著者
吉田 真美 高橋 恵美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.358-361, 2008-10-20
参考文献数
14

世界の料理書を資料として,豆を使用した料理を検索し,その内容から各国の豆料理の豆の種類,調理法,調味法,完成料理の種類などを精査した。世界には,国民1人当たりに日本よりも多量の豆類が供給される国が多く存在し,それぞれの国に伝統的な特徴のある豆料理が存在し,食文化の一端を担っていた。その中から,インド,トルコ,メキシコ,ヨーロッパ(イタリアとフランス)を選択し,豆料理の特徴について記し,その特徴をもったレシピを紹介した。
著者
安澤 亨 飯田 孝男 室井 健一 市村 通朗 高橋 恵一 佐野 浩
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.3728-3731, 1988-09-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
2
被引用文献数
54 72

The structures of new antitumor antibiotics, Duocarmycin A, C1 and C2, isolated from the culture broth of Streptomyces sp., have been determined on the basis of chemical and physicochemical evidence.
著者
高橋 恵利子 畑佐 由紀子 山元 啓史 前川 眞一 畑佐 一味
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.59-64, 2015-12-12

本研究は日本語学習者の発音の自動評価システムの開発を目的としている.そのための基礎調査と して,中国人日本語学習者の音声データと,それに対する母語話者の一対比較評価データから,課題 文及び評価方法の妥当性について検討した. 評価者の属性に関わらず母語話者の評価はほぼ一致して いたことから,一対比較による評価方法を用いれば,評価者の属性に関わらず,妥当な評価値が得ら れる可能性が指摘できる.今後,さらに評価対象とする音声データを増やして今回の結果を検証する 必要がある.また,一対比較による膨大な評価作業における評価者の負担を軽減するため,一般母語 話者を対象としたクラウドソーシングを採用することの意義と課題について言及する.
著者
高橋 恵利子 畑佐 由紀子 山元 啓史 前川 眞一 畑佐 一味
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-107, no.5, pp.1-4, 2015-08-02

本研究の目的は,外国人日本語学習者の発音能力を簡易に診断するシステムを開発することである.その目的を達成するためにはさまざまな問題があるが,本稿では音声データの収集形式の問題と評価者の問題を取り上げる.音声データの収集方法としては,短文を読み上げ,それを録音する方法 (読み上げ課題) と,同じ短文をあらかじめ録音したものを聞いて発音したものを録音する方法 (リピート課題) の 2 つを検討する.録音の評価者は,全員日本語母語話者 (日本語教師,日本語教育未経験者) とし,これらの条件で,6 名 (母語話者 2 名,ほぼネイティブ水準の発音技能を持つ者 2 名,顕著な外国人訛りを持つ者 2 名) の音声提供者の録音資料を用い,一対比較法による評価実験を行った.実験の結果,データの収集方法については,いずれの方法によっても 0.86 以上の相関係数が得られたが,リピート課題 (0.86 以上) よりも読み上げ課題 (0.92 以上) の方が,若干高かった.これにより,今後のシステム設計計画では,一般の母語話者を評価者とし,あらかじめ音声材料を準備する必要のない読み上げ課題によるデータ収集方式を採用することにした.
著者
中野 裕介 豊嶋 克行 垂水 浩幸 土井 健司 高橋 恵一 林 敏浩
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.14, pp.1-7, 2010-05-13

商店街は,それぞれの店と顧客とのソーシャルグラフ上に形成されたリアルなネットワークである.しかし近年郊外型の大型店舗の出店や人口の空洞化により,全国的に商店街のネットワークが縮小している.本研究では都市におけるアフォーダンスに着目し,twitter や IC カードを用いた地域ネットワークの形成を促進する取組を行っている.The shopping district is a real network on the Social Graph which shows the relation between the shops and the customers. However, increasing of shopping mall in suburb and becoming hollow of population have created worry about reducing the network of any shopping districts. In this research, we have concentrated on "affordance" in urban development, and improved to build up the network of local as using "twitter" and IC cards.
著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.3-17, 2012-07-21

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。
著者
高橋 恵子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.7-16, 60, 1968-03-31

本研究は.依存性がいちおう発達の最終段階に達していると思われる青年後期において,それがどのような様相を呈しているかを,依存構造というモデルをとおして解明しようとするものであった。その結果明らかにされたのは次の3点である。 1)依存構造:依存構造には限られてはいるがかなり多くのさまざまな対象が含まれ,それぞれ異なった機能を与えられ,分化した位置を占めている。そして,この対象間の機能分化は,各個人が相対的に強い依存要求をひきおこす,その個人の存在を支える機能を果たすという意味で中核になっている単数または複数の焦点を中心に,いく人かの対象がそれぞれの役割りを与えられ,それぞれの意味を持ち,さまざまに位置づけちれていることを予想させる。 2)依存構造の類型:依存構造の構造化の様相-対象の数,焦点の有無,焦点の数,焦点と他の対象との機能分化などは各個人において異なるのであるが,焦点が何かによって依存構造を類型化してみると,同じ類型間には対人的依存行動の共通点が認められることが明らかになった。 3)大学生女子における依存性:青年においてもここで問題にする意味での依存性が認みられる。つまり,現象的には自立的であると考えられている大学生においても,少なくとも女子では依存要求が認められる。そして特に顕著なことは次のようなことである。 (1)単一の焦点になる対象としては,母親,愛情の対象,尊敬する人などが多く,同性の親友や父親は少ない。 (2)女子青年と母親との情緒的結合は強い。このことは他の研究(たとえば,久世・大西,1958)でも指摘されていることであるが,本研究でもこれと一致した結果が得られた。母親は単一の焦点となる傾向が大であり,複数焦点型でも焦点のひとりはほとんど母親であり,親密度も高い。 (3)母親を焦点とするものは,他の型に比べ家族中心的傾向がある。またこの型では恋人もないものが多く,親友との結合も弱く,青年期の発達からみて問題を感じさする。 (4)焦点が多いもの,および明確でないものでは,高得点の対象のひとりにほとんど必ず母親が含まれる傾向があり,類型の特徴も母親型の様相を呈し,上記の(3)と考え合わせて,母親以外の単一の焦点の顕在化が発達の方向かもしれない。 (5)大学生女子では父親との結合はそれほど強くはない。父親は情緒的に拒否されているわけではないが,依存構造のなかでは道具的色彩の増した位置づけがなされていると予想される。また,父親は尊敬する人と競合的な立場にあり,尊敬する人を焦点とする依存構造ではほとんど父親はしめだされる傾向がある。 (6)一般に女子青年の依存構述においては同性の親友の占める位置は少ない。
著者
高橋 恵子
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究はわが国における友情概念を検討することを目的とした。Piaget, Selman, Younissなどの欧米の友情概念についての先行研究と比較しながら、友情について、わが国の子どもやおとなが持っている素朴理論を明らかにした。如何なる人間関係を友情と呼び、友人にどのような機能を求めているのか、それはいわゆる西欧流の、いいかえれば、これまでわが国の発達研究が当然としてきた友情概念と同じか否かを明らかにすることをねらいとした。具体的には、友人と呼ぶ人間の範囲、その人々との関係の質(情緒的、道具的な関係)について検討すること、そしてまた、友情概念が実際の友人との関係に直接的に関連しているか否かを明らかにすること、を目的として3種の個別面接調査を実施した。面接を録音し、後にすべて文字化してプロトコルを作成して分析した。調査対象は小学2年生から大学生までの男女、計約300名であった。その結果、主に以下の4点が明らかになった。(1)いわゆる親友の概念(たとえば、どのような関係を親友と呼ぶか、親友はどのような心理的機能を持っているかなど)では、たとえば、ベルリンの子どもと差はなかった。(2)しかし、親友といわゆる友だちとのつきあいについて差をつけるかという質問では、ベルリンの子どもが親友を誰よりも大切にするとしたのに対し、わが国では親友だけではなく誰とも仲良くするのが望ましいとした。(3)それは、わが国では友だちと呼ぶ人間関係の範囲が欧米に比べて広く、ちょっとした知合いでも「友だち」と表現するような、「友だち」と言う言葉の使い方が異なっていることと関連していた。(4)しかし、わが国の子どもがだれとでも同程度に付き合っているのではなく、親しさの程度を区別して、ベルリンの子ども同様、選択的につきあっていることがわかった。
著者
工藤 俊輔 高橋 恵一 那波 美穂子 安田 智子
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.1-8, 2008-10

本研究の目的は, A養護学校における理学療法士・作業療法士(以下PT・OT と略) 導入の効果を明らかにし, 今後の連携を円滑に進めるための要因を探ることである. 53人の教員を対象にアンケートによる意識調査を行い, 著者等の実践に基づく考察を加えた. 52人(回収率98%) の教員から回答があり, (1) PT・OT に対する期待としてポジショニング指導と摂食指導についてのニードが最も多かった. (2) 教職員の役割については, 自立活動の取り組みが1位を占めていた. (3) 養護学校の課題としては表現できる力を養うという項目が1位を占めていた. (4) PT・OT が4月より導入され, 役だったかどうかという設問に対しては49人(94%) が役立ったという評価をしていた. しかも39人(75%) からのコメントがあった. 結論としてPT・OT と教員間の連携が促され, この12ヶ月間の活動は全体として一定の評価ができるものと考えた.