著者
伊藤 啓
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.307-317, 2012-08-01 (Released:2012-08-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

遺伝子の変異や目の疾患によって色の知覚が異なる人が,日本には500万人以上存在する。これらの人は,特定の組み合わせの色が識別しにくい以外に,赤い表示を見落としやすい,色名がわからないなどの不便が生じる。フィルターやパソコンソフトで提供されているツールを使うと,こうした色の見分けにくさを疑似体験できる。色を使ったデザインを行う際は,これらのツールで確認しながら,できるだけ見分けやすい配色を選ぶ,形の違いなど色以外の方法を併用して情報を伝える,色名を表記するなどの工夫を行い,伝えたい情報が誰にでも理解してもらえるようなカラーユニバーサルデザインに配慮する必要がある。
著者
岡田 久幸 宮崎 龍一 伊藤 啓史
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
バイオマス科学会議発表論文集 第12回バイオマス科学会議 (ISSN:24238333)
巻号頁・発行日
pp.81-82, 2017-01-12 (Released:2017-01-20)

"Bamboo Frontier Vision" constructed in Nankan-machi, Kumamoto is consisted in the three companies. One is the bamboo material processing plant and a 2nd is the raw material pretreated plant and a 3rd is the energy plant. They are the first processing, commercialization and energy use of the balance material consistently focusing on the bamboo for the area resources. We find out the ash from combustion of bamboo and bark material has the sterilization and deodorant effect. In this case, the ash could be used for valuable with no expenses. We report the possibility of ash for sterilization and the deodorant effect.
著者
門倉 暁 伊藤 啓 宮本 武明 稲垣 博
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.419-425, 1981
被引用文献数
2

種々の可溶化羊毛ケラチンと2価銅イオンとの錯生成反応をゲル濾過法を用いて詳細に検討した. 試料としてシスチン残基にカルボキシメチル, α, β-ジカルボキシエチル, アミノエチル, およびスルホン酸基を導入した4種類の誘導体を調製した. ゲル濾過実験はSephadex G-25ゲルカラムを使用し, 溶出液に0.05M酢酸緩衝液を用い, pH 4.5~6.5の範囲で行った. 結合等温線は系のpHのみならず試料タンパク質間で非常に異なり, 導入された置換基の影響を強く受けることがわかった. 結合等温線から錯体の結合定数およびケラチンタンパク質の結合サイト数の算出はケラチンタンパク質中の結合サイト群を結合定数の大きい強いサイト群と小さい弱いサイト群の2種類に大別して行い, それぞれの結合パラメータを求めた. ケラチンタンパク質に導入されたアミノ基は非常に強いサイト群として作用するのに反し, カルボキシル基は比較的弱いサイト群を形成することがわかった.
著者
千葉 宏文 小笠原 光矢 谷地 一真 伊藤 啓紀 新海 洋彦 小野寺 美緒 石山 文威 萱場 尚一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.1475-1481, 2021-07-10 (Released:2022-07-10)
参考文献数
9

54歳,女性.8年前に完全型Behçet病(Behçet's disease:BD)と診断.インフリキシマブ投与で安定していた.また,ラベプラゾール10 mgを長期内服していた.体重減少の精査で,回盲部に円形の深掘れ潰瘍を認め,腸管BDと診断した.高度下痢が持続し,上下肢のしびれ・脱力を伴い,Ca 6.0 mg/dl,Mg 0.5 mg/dlと著明な電解質異常を認めた.プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の長期内服とBDの腸管病変のため,Mg吸収障害を来たし,二次的に低Ca血症を呈したと考えられた.
著者
鈴木 康秋 伊藤 啓太 上原 聡人 上原 恭子 久野木 健仁 藤林 周吾 芹川 真哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.923-930, 2018-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

68歳,男性.肝障害精査にて当科受診.トランスフェリン飽和度,血清フェリチンが高値のため,鉄過剰症が疑われた.肝MRI(magnetic resonance imaging)IDEAL(Iterative Decomposition of water and fat with Echo Asymmetry and Least-squares estimation)IQのR2*MapによるR2*値が著明に高く,高度の肝内鉄沈着所見を呈した.肝組織生検の鉄染色では,肝実質細胞内に高度の鉄沈着をびまん性に認め,肝ヘモクロマトーシスの診断となった.MRI IDEAL IQによる新たな鉄測定法は,ヘモクロマトーシスの非侵襲的検査法として有用である.
著者
伊藤 啓 伊藤 大介 齊藤 泰司 松下 健太郎 江連 俊樹 田中 正暁
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.118-124, 2020-03-15 (Released:2020-04-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

In the design study on sodium-cooled fast reactors, .it is important to investigate the gas entrainment (GE) phenomena in detail. In fact, a lot of analytical, experimental and numerical studies have been conducted to clarify the onset condition of GE and some GE onset models have been proposed. However, few studies on the modeling of entrained gas flow rate has been conducted due to the difficulty on modeling the gas bubble entrainment at a free surface, which is accompanied by complicated free surface deformation. In this paper, the authors propose a mechanistic model to predict the entrained gas flow rate by a free surface vortex. The model contains the theoretical equation of transient gas core elongation and the empirical equation of critical gas core length for gas bubble detachment. The mechanistic model is applied to predict the entrained gas flow rate in a simple GE experiment. As a result, the predicted results show qualitatively good agreement with the experimental results of the entrained gas flow rate. Therefore, it is confirmed that the proposed mechanistic model can predict the entrained gas flow rate by a free surface vortex.
著者
伊藤 啓子 山崎 昇 篠原 文陽児
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 13 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.271-274, 1989 (Released:2018-05-16)

CAIシステムは、伝統的な一斉授業の中では必ずしもも十分ではない個別化や個性化指導を具体的に可能にしつつ、かつ、これらに関わる要因を科学的に分析、解明する手段となる。 本研究では、小学校5年81名を対象に、算数科における「分数」単元の中の「異分母分数のたし算」を、一斉授業とCAIシステムを使って学習させ、CAIによる学習は内向的性格の児童に、一斉授業は外向的性格の児童に、それぞれ効果的であることを実験的に明らかにしている。なお、一斉授業が内向的性格の児童に対して適切な援助を必要とする学習形態であること、および、CAIコースウェアの開発にあたっては、学習者の能力、適正、興味などが考慮すべき要因であることを指摘している。
著者
上川内 あづさ 伊藤 啓
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.282-285, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
16

The human ability to sense gravity and sounds relies on specialized vestibular and auditory organs, respectively, in our inner ear. In the fly, the ability to hear has been ascribed to the antenna, whereas the gravity sensor had remained unidentified. We found that the fly has implemented both sensory modalities into a single system, the Johnston’s organ, which houses specialized clusters of mechanosensory neurons. Each cluster monitors specific movements of the antenna and feeds into distinct neural pathways that are reminiscent of the vestibular and auditory pathways, respectively, in our brain.
著者
宮薗 久信 橋本 恵司 飯野 靖子 伊藤 啓介 中島 昭彦 Hisanobu MIYAZONO Keiji HASHIMOTO Yasuko IINO Keisuke ITOU Akihiko NAKASIMA 九州大学歯学部歯科矯正学講座 九州大学歯学部歯科矯正学講座 九州大学歯学部歯科矯正学講座 九州大学歯学部歯科矯正学講座 九州大学歯学部歯科矯正学講座 Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society = Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.325-334, 1999

本研究の目的は日常的に口呼吸をしている患者の顎顔面の形態的特徴を分析し, かつ, それらの特徴が環境要因によるものか遺伝的要因によるものかについて検討することである.小学児童58人(男子23人, 女子35人, 6∿12歳)と両親について正面側面の頭部X線規格写真(以下, セファロ)を撮影した.口呼吸の判定は, 他覚症状や既往歴についてのアンケート調査, 問診および視診を併せて行い, 口呼吸群(以下, M群)と鼻呼吸群(以下, N群)に分けた.統計分析するために標準値からの離れ度(SDU)を用いた.SDUは個々の患者が属する性別・年齢群に該当する標準値との差を標準偏差で割って求めた.形態分析の結果, 側面セファロで有意な特徴が示された.すなわち, M群は下顎が後方に回転していて, 上顎前歯が舌側傾斜していた.しかし, 正面セファロ分析で2群間に有意差はなかった.側面セファロにおける親子の相関に関して, M群は親子相関が低い傾向が推察された.しかし, 正面セファロの親子相関で特徴はなかった.以上のことから, M群の顎顔面形態は形態遺伝学的影響に加えて口呼吸という機能的影響と関連していることが示唆された.その結果, 上顎歯列の狭窄や下顎の後方回転などを生じるものと推察された.したがって, 矯正医はこれらの原因を除去することを治療方針に考慮すべきであり, 加えて, 後戻りの防止のためにも口呼吸の改善を図るべきだと考えられた.
著者
伊藤 壽啓 喜田 宏 伊藤 啓史 大槻 公一 堀本 泰介 河岡 義裕
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1997-1998年にかけて香港において鶏由来高度病原性インフルエンザウイルスがヒトに伝播し、18名の市民が感染し、うち6名を死に至らしめた。このウイルスはいずれの株も鶏に対しては一様に全身感染を引き起こし、高い致死性を示したが、哺乳動物に対する病原性では明らかに2つのグループに区別された。すなわちグループ1は50%マウス致死量(MLD_<50>)が0.3から11PFUの間であり、もう一つのグループ2はMLD_<50>が10^3以上であった。この成績から鶏由来高度病原性インフルエンザウイルスの哺乳動物に対する病原性にはウイルス蛋白の一つであるヘマグルチニンの開裂性に加えて、さらに別の因子が関与しているものと推察された。一方、野生水禽由来の弱毒インフルエンザウイルスを鶏で継代することにより、弱毒株が強毒の家禽ペストウイルスに変異することが明らかとなった。この成績は自然界の水鳥が保有している弱毒のインフルエンザウイルスが鶏に伝播し、そこで受け継がれる間に病原性を獲得し得る潜在能力を保持していること、また鶏体内にはそのような強毒変異株を選択する環境要因が存在することを示している。また、この過程で得られた一連の病原性変異株はインフルエンザウイルスの宿主適応や病原性獲得機序のさらなる解明のための有用なツールとして今後の研究に利用できる。そしてそれはプラスミドから変異インフルエンザウイルスを作出可能なリバースジェネティクス法の併用によって、さらに確実な研究成果が期待されるであろう。現在はその実験系を用いた人工ウイルスの作出に成功しており、今後、最終段階である感染実験による病原性獲得因子の解析を計画している。
著者
伊藤 啓一
出版者
大阪観光大学
雑誌
大阪観光大学紀要 (ISSN:1881638X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-7, 2011-03-20
著者
伊藤 啓
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

昨年度解析を始めた、1050色の色票を色名に従って被験者に分類してもらい、「ある色名の範囲内に感じられる色」と「その中でもっともその色らしいと感じられる色」の分類を行う実験で、L錐体を持たないP型(1型)色覚の人に続き、M錐体を持たないD型(2型)色覚の人の解析を行った。D型ではP型よりもC型と知覚が一致する色の種類が若干多かった。3つの色覚タイプを合計すると、赤・ピンク・オレンジ・クリーム・黄色・緑・水色・青・黒ではどの色覚タイプでも同じ色名に感じられる色域が見つかったのに対し、茶色・ベージュ・黄緑・薄緑・青紫・薄紫・紫・赤紫・灰色ではどの色覚タイプでも同じ色名に感じられる色域の範囲が狭く、これらの色で共通の色認識を得る困難さが判明した。また、これまでの知見をベースにして分かりづらい配色を分かりやすい配色に自動的に置き換えるシステムの試作として、昨年度までに作成したどの色覚でも比較的分かりやすい配色セットを用いて、近隣の色域の色をこれら20色の方向ヘシフトさせるアルゴリズムの開発を始めた。境界部の色の扱いが難しく、まだ安定して動作するシステムには至っていないが、今後引き続き検討を継続する。並行して、テレビ放送局からの依頼を受け、従来から各放送局で使用色が統一されておらず、しかも混同しやすい色があると視聴者からクレームが寄せられていた津波・大津波警報の画面表示について、より見やすい配色の検討を行った。このシステムには津波注意報・津波警報・大津波警報の3色の表示色と、陸地・海の2色の背景色の、合計5色が必要であり、しかも注意や警戒感を呼び起こすことができる色の範囲は限られている。数十種類の試作画面を被験者によって比較検討した結果、黄・赤・赤紫の表示色と灰色・濃紺の背景色を用いた組み合わせが最適と判断され、実際に放送局の警報システムに組み込む検討が始められた。
著者
門倉 暁 伊藤 啓 宮本 武明 稲垣 博
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.419-425, 1981
被引用文献数
2

種々の可溶化羊毛ケラチンと2価銅イオンとの錯生成反応をゲル濾過法を用いて詳細に検討した. 試料としてシスチン残基にカルボキシメチル, α, β-ジカルボキシエチル, アミノエチル, およびスルホン酸基を導入した4種類の誘導体を調製した. ゲル濾過実験はSephadex G-25ゲルカラムを使用し, 溶出液に0.05M酢酸緩衝液を用い, pH 4.5~6.5の範囲で行った. 結合等温線は系のpHのみならず試料タンパク質間で非常に異なり, 導入された置換基の影響を強く受けることがわかった. 結合等温線から錯体の結合定数およびケラチンタンパク質の結合サイト数の算出はケラチンタンパク質中の結合サイト群を結合定数の大きい強いサイト群と小さい弱いサイト群の2種類に大別して行い, それぞれの結合パラメータを求めた. ケラチンタンパク質に導入されたアミノ基は非常に強いサイト群として作用するのに反し, カルボキシル基は比較的弱いサイト群を形成することがわかった.