著者
楠 比呂志 土井 守
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.281-286, 2009-02

希少種の保全や外来種問題、また農作物への獣害や人獣共通感染症など、環境から産業、また健康までの広範多岐にわたって、ヒトと野生動物との関わりにおける困窮の度合いが、加速度的に増している。こうした憂慮すべき事態を打破するための技術の開発や対策の立案、そして人材の育成は、広く生物学系の最高学府に課せられた最優先課題のひとつであると著者らは考えている。そこで日本野生動物医学会の第14回大会が、獣医学系のない神戸大学大学院農学研究科を会場として、平成20年9月3日から7日までの5日間にわたって開催されたのを機に、産業動物を中心とした実学的な総合動物学の一分野である畜産学・応用動物学系の大学や大学院における野生動物教育の実態を明らかにすることを目的として、任意のアンケート方式による全国調査を実施したので、その集計結果について報告する。なお本報告は、第14回日本野生動物医学会大会の講演要旨集に記載されたものを、改変して再録したものである。
著者
前田 昌調
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.703-706, 2011 (Released:2012-12-03)
著者
松尾 雄二
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.835-840, 2015 (Released:2016-04-13)
著者
真並 恭介
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1163-1171, 2012-12

東日本大震災による原発事故は,福島県の家畜やペットなど,人間とともに生活していた動物たちの暮らしを揺るがし,運命を一変させた。その変動は人間から遠く離れて生きている野生動物にも及んでいる。野生動物は人間の生活から離れているぶん,大地に近く,大地とともに生きている。その大地が2011年3月11日から数日のうちに変わってしまったのだ。人間はいなくなり,目に見えない放射能を帯びた里山や森が広がっている。この美しく豊かな土地が野生動物のねぐらであり,生活の場であることに変わりはない。以前と違うのは,生きものを養う土や水や空気の循環のなかに,放射性物質が取り込まれてしまったことである。東日本大震災発生から1年になる2012年3月11日の前後,私は車で計画的避難区域などを回った。6日間の滞在中,原発から半径20キロ圏内の警戒区域のなかにも入ることができた。殺処分(安楽死)を免れて生き延びている牛に会い,野生動物にも出くわした。人間が姿を消した動物たちの別天地では,生は死と隣り合わせだ。放れ牛の群れが猛然と駆け過ぎ,悠然と草をはんでいるそばで,まだ死んで問もないと思われる牛が全身泥だらけで横たわっていた。
著者
斉藤 聡
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.115-122, 2010-01

ベトナムでの国際協力の現状と今後の展開。ベトナムと聞いて多くの日本人が思い浮かべるイメージはベトナム戦争ではないだろうか。米軍を相手にゲリラ戦を戦ったベトナム軍は、アメリカの支援を受けた当時の南ベトナム・サイゴン政府を壊滅に追い込み、サイゴン(現ホーチミン市)を陥落したのが1975年4月30日、現在もこの日は南部開放記念日として国民の祝日となっている。ベトナムは、中国、フランスによる植民地支配が続いた後、フランスやアメリカ、カンボジア、中国と次々と戦争が続き、侵略と抵抗の歴史を繰り返してきた。そのため、経済的に低迷する時代を長きに渡り経験してきた。1976年の南北統一によるベトナム社会主義共和国建国後、政治的安定を取り戻したベトナムは、「ドイモイ」と呼ばれる改革路線を打ち出し、市場経済の導入と対外開放政策による工業化による経済発展が著しく、7〜8%台の経済成長を続け、近年、日本や近隣諸国との経済・貿易面の交流も盛んになっている。日本政府はODAによる技術協力支援のひとつとして独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)による「ベトナム中小規模酪農生産技術改善計画」を2006年より開始した。筆者は2009年よりJICA技術協力専門家としてベトナムに派遣されており、今回、同計画の活動を中心に、ベトナムの酪農開発について紹介したい。
著者
渡邊 徹
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.623-628, 2010-06

酪農現場における飼料給与を中心とする飼養管理方法についての一考察。外的要因の主なものとして、気候や牛舎環境の影響、管理の不具合があります。具体的には、暑熱や寒冷の影響、牛床、飼槽、繋ぎ方等いわゆるカウコンフォートの項目としてあげられているものです。また、飼料の変動、牛の入れ替え、牛群内でのイジメ、近所での工事等も飼料摂取に影響を与えます。これら外的要因は牛に負担をかけ、ストレスが生じ、その結果飼料摂取量が低下します。ストレスとは物理的、精神的に外部から力が加わっている状態で、寒冷、暑熱、筋肉疲労、炎症、感染、怒り、不安などの物理的、化学的、精神的な負荷は全てストレスの要因となり得ます。また、ストレスが加わると副腎皮質からコルチゾール(糖質コルチコイドの一種)が分泌され、ストレスを緩和しようとしますが、コルチゾールは繁殖ホルモンやカルシウムの代謝などに大きな影響を与え、乳牛の生乳生産をマイナス方向に導きます。乳牛がストレスを感じるのは、行動に制約がある時、不快な時、不安な時等です。
著者
福本 学
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.33-40, 2013 (Released:2013-07-09)
著者
佐々木 脩 伊藤 寛治 乳井 恒雄
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.1061-1064, 2008 (Released:2011-01-18)
著者
萬田 富治
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.93-98, 2008 (Released:2011-01-18)
著者
川道 美枝子 川道 武男 山本 憲一 八尋 由佳 間 恭子 金田 正人 加藤 卓也
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.633-641, 2013-06

アライグマ(Procyon lotor)は北米原産の食肉目アライグマ科に属する中型の哺乳類である。日本での最初の野生化は,1962年岐阜県犬山市の施設で飼育されていた個体からと言われる(環境省,2011)。1970年代末に放映された連続テレビアニメ「あらいぐまラスカル」が人気を呼んだのも一因と考えられるが,ペットとして多数が北米から輸入されるようになった。その後,各地でのアライグマの拡大で,農作物の被害もあり,1994年に狩猟獣に指定され,有害駆除が容易となった。しかしながら,アライグマの拡大は進み,1998年には日本哺乳類学会が対策を求める決議を採択した(哺乳類保護管理専門委員会,1999)。アライグマが原産地で狂犬病を媒介することから,2000年に狂犬病予防法による動物検疫対象に指定されて輸入規制されるまでに(神山,2008),日本に多数が輸入されたが,輸入の実数は不明である。アライグマなどの侵略的外来生物の輸入や日本国内での増加を抑制するために2004年,「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以降外来生物法とする)」が成立し,2005年に施行され,アライグマは輸入,販売,飼養,運搬が規制される特定外来生物に指定された。しかし,法律施行までにすでに日本各地にアライグマは広がっていた。狩猟統計によると(環境省HP),2004年には22道府県で3,287頭のアライグマ捕獲が記録されている。2010年には狩猟,有害駆除,外来生物法に基づく捕獲で24,091頭が捕獲された(狩猟統計)。2010年に全47都道府県に分布することが確認された(国立環境研究所侵入種データベース,2010)。アライグマのもたらす被害としては,自然生態系への被害,農作物や養魚への被害,民家や社寺などへの侵入による汚損・破壊の被害,病気の伝搬の可能性が挙げられる。日本各地に分布するアライグマは主にペット由来とみなされる。アライグマは成獣になると飼育困難になり,野外に放されたり,器用な手先を使って檻から逃走して,各地で野生化したと考えられる。外来生物法が施行されるまでは,捕獲されたアライグマを奥山放獣するようにという行政指導も行われた。また,有害駆除が農作物被害のみに対応している場合も多く,家屋侵入被害は駆除対象とされなかったため,市民による違法捕獲後に山などに放されるケースも多かったようである。そうした事情がアライグマの急速な拡大に拍車をかけたと考えられる。
著者
真並 恭介
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1163-1171, 2012-12

東日本大震災による原発事故は,福島県の家畜やペットなど,人間とともに生活していた動物たちの暮らしを揺るがし,運命を一変させた。その変動は人間から遠く離れて生きている野生動物にも及んでいる。野生動物は人間の生活から離れているぶん,大地に近く,大地とともに生きている。その大地が2011年3月11日から数日のうちに変わってしまったのだ。人間はいなくなり,目に見えない放射能を帯びた里山や森が広がっている。この美しく豊かな土地が野生動物のねぐらであり,生活の場であることに変わりはない。以前と違うのは,生きものを養う土や水や空気の循環のなかに,放射性物質が取り込まれてしまったことである。東日本大震災発生から1年になる2012年3月11日の前後,私は車で計画的避難区域などを回った。6日間の滞在中,原発から半径20キロ圏内の警戒区域のなかにも入ることができた。殺処分(安楽死)を免れて生き延びている牛に会い,野生動物にも出くわした。人間が姿を消した動物たちの別天地では,生は死と隣り合わせだ。放れ牛の群れが猛然と駆け過ぎ,悠然と草をはんでいるそばで,まだ死んで問もないと思われる牛が全身泥だらけで横たわっていた。
著者
秋葉 和温
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.267-272, 2015-03

○和歌山市: (1) 近畿地区獣医師大会に出席した。宇治→京阪電車で淀屋橋→ここから御堂筋線で難波→南海線で和歌山駅→バスで県庁前の市民会館。終了後,和歌山城に登る。(2) 鳥取のクラス会が和歌山市の教職員宿舎で開かれ出席した。有馬先生も元気に出席された。その前に少し南の三井寺に参拝した。翌日,和歌の浦方面,北の根来(ねごろ)寺にお参りした。昼食後に解散となり,私は粉河寺,華岡青洲の家などを訪れ,五条→大和高田→奈良→宇治→黄檗下車,バスで帰宅した。○高野山: 陸軍獣医部の紫陽会主催の会合が高野山の宿坊であり,その世話を奈良県在住の小山方玄君がしたというので,出席した。宇治→近鉄特急で吉野口→ここからJRで橋本駅→ここで南海電鉄で高野山口下車→バスで会合の宿坊に行く。1泊した。何箇所かのお寺を拝観し,奥の院にもお参りした。ここで高野槙を購入した。500円だった。この木は今も我が家の庭にある。行きに吉野口でのJRへの乗り換えに時間がかなりかかったので,帰りはコースを変えた。このほうが,料金も安かった。南海電鉄で難波→御堂筋線で淀屋橋駅→京阪電鉄に乗り換え三室戸駅→バスで帰宅した。
著者
柳 京煕
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.598-602, 2009-06

2007年6月30日に米韓の両政府代表による米韓FTA協定書の署名が行われ、2007年12月に韓国の新大統領に当選した李明博氏は米韓FTAを強く支持していたことや、与党が国会の過半数を占めたことから、米韓FTAの国会批准は楽観的に思えた。しかし米韓FTAの推進の引き換えに、BSE問題で輸入が禁じられていた米産牛肉輸入の再開が進められたことが明らかになり、政権運営に大きな支障を来たしている。一方米国では民主党政権誕生により、米韓FTAの再交渉の話まで浮上しており、両国の国会での批准が遅れている。本稿ではこれら政治状況を含む最新の動向を紹介しながら、米韓FTAに伴う農業関連の交渉結果と、とくに畜産業へ及ぼす影響について考えたい。
著者
佐々木 脩 伊藤 寛治 乳井 恒雄
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.1061-1064, 2008-10

比内地鶏は秋田県農林水産技術センター畜産試験場と民間の種鶏場の秋田比内鶏を父親、ロードアイランドレッド種を母親として生まれる一代雑種で、肉色に赤みがあり、適度な脂肪を含み、風味と香気を持ち、秋田の郷土料理(きりたんぽ鍋)にかかせない地鶏であり、現在全国的なブランド鶏となっている。しかし、現在流通している比内地鶏の肉の大部分は雌に特化され、雄は肉が固い、肉色の赤味が濃い、脂肪量が少なく、雄臭が風味を損なうなどの理由で市場に流通することは少なく、素雛の段階でほぼ淘汰されている。一方、近年の比内地鶏の増加に伴う雌雛代や飼料価格の上昇による生産コストの引き下げが大きな経営課題となっている。そこで、雄の成長の速さを利用しつつ、肉質の改善と脂肪沈着を増加する方法として比内地鶏の去勢に着目した。著者らは比内地鶏の精巣の発達と去勢手術適期を調べ、手術による事故率と精巣再生率が低く養鶏農家への普及可能な去勢手術法について検討した。なお、鶏の去勢については外科的処置以外に、ホルモン剤の冠部皮下へのペレット埋没法や胸部筋肉への注射などによる化学的去勢法も知られているが、消費者のこれらの処置鶏への反応を考慮し今回は検討を加えなかった。
著者
水田 洋一
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.789-793, 1997-07
被引用文献数
1
著者
秋葉 和温
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.485-492, 2013-04

1906年(明治39年)の春,Lissabonで開かれたIntemationaler Medizinischer Kongressに出席し,たまたま重症を発して帰り,直ちにHamburgのEppendorf(エツペンドルフ)病院に入院した。その病気の原因は遠くさかのぼって,彼の自家実験にあったもので,激烈な肛門周囲炎を起こしたのであった。大腸の膿瘍は腹腔に溢れ,Notoperation(救急手術)のかいもなく,同年6月20日(1906年6月22日‐高田)昇天,彼の霊はこの世を去った。わずかに35歳の壮者は,わが学術界に大きな足跡を残して,昇天したのである。Hamburgの研究所より出版した615SeiteのSammelausgabeは,この天才的研究者の最後を飾るものである(1911出版)。この若い堅実な学者を失ったのは,測り知れぬ人類の不幸,かつ大きな損失で,世界の学界はみなこの不幸を悲しみ弔ったのであった。トーマス・D・ブロック著,長木大三・添川正男訳「ローベルト・コッホ」の236ページにはノーベル賞の項で,「1905年(明治38年)にはフリッツ・シャウディン(1871‐1906)が受賞者として指名されていた。シャウディンは原生動物について重要な報告を出していたが(その中のいくつかはのちに誤りとわかった),1905年春,エリッヒ・ホフマン(1866‐1959)と協力し梅毒の病原体としてスピロヘータ・バリダ(のちにトレポネーマ・パリドムと命名)を発見したと報告した。1905年4月末,当時パストウール研究所長であったエリー・メチニコフはシャウディンの指名についてノーベル賞委員会へ書簡を出した。私はシャウディンの仕事を高く評価はするが,ノーベル賞の候補者として支持することはできません。私は多年にわたりコッホを受賞者として推薦してきましたが,コッホが受賞しないかぎり,他の候補者を支持することはできません。私の意見では,ローベルト・コッホの医学への貢献は,他のすべての可能性のある候補者よりもはるかに超越したものであります。」と記載されている。そして「ノーベル賞委員会もついに決意した。1905年12月12日,彼の誕生日の翌日,コッホは受賞した。(当時の金額で15万ドイツマルク)。"ドイツ医学週報"には次のように記述されている。「"これ以上受賞にふさわしい人は考えられない"」と。
著者
秋葉 和温
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.303-309, 2009-02

鶏のロイコチトゾーン症と小倉喜佐次郎獣医学博士との関係、そして知り得た日本統治下の台湾の獣医畜産事情。今まで述べてきたように小倉先生や森下薫先生の台湾時代の様子が、少し明らかになったところで、次の疑問が湧いてきました。朝鮮総督府血清製造所(釜山)や満洲の獣疫研究所(奉天)などは、歴代所長や研究者名も、研究報告も、皆さん、かなり知っておられると思います。しかし、台湾に関しては、私自身は、板垣先生と、小倉先生との関係、石谷先生と台北帝大との関係などの、ほんの少ししか知っていないというのが実情でした。私はロイコチトゾーン症の調査研究を通じて、マラリアについての文献を読みましたが、その手懸りは森下先生の「マラリア原虫の生物学及び疫学に関する研究」(昭和38年)で、これから多くのものを学びました。その中には医学関係の研究者について、台湾医学会雑誌、その他に報告された文献が多数紹介されています。
著者
宮沢 正憲
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.1584-1588, 1969-12
著者
小林 克己
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.838-842, 2009-08

学生のための手計算とSAS JMPによる生物統計学へのいざない。前臨床試験および一般生物統計に関する統計解析Q&A。質問189:毒性試験でWilliamsの検定を用いたいと思っていますが、Dunnettの検定の方が良いのりでしょうか?回答:Williamsの検定は、毒性試験のように用量依存性を示す場合に応用できると自信は述べています。閉手順を利用しています。これは高用量に有意差がなければ全ての用量群に有意差がないとします。従って、被験物質の影響が良くでている場合は高用量**、中用量*、低用量というアスターリスクの表示となります。用量依存性を考慮したWilliamsの検定は、毒性試験のみに使用することと述べています。
著者
菅原 七郎
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.549-554, 2009-05

哺乳類の胚操作と畜産への応用と将来。ラクダのARTsと胚操作。世界の主要先進国では、ラクダ類は動物園動物やコンパニオン動物としてのみ活用されており、家畜として取り扱いはされていない。しかし、旧世界で本来ラクダが棲息していた地域の住民にとっては生活に必須な動物であったし、現在もその位置づけは一部の地域を除いて全く変わっていない。ラクダを家畜として生活を共にしている民は北アフリカ(ソマリア、エチオピアと周辺諸国)、中東諸国、アジア(インド、中国、モンゴル、ロシア)および南アメリカのアンデス山系の各国に分布しており、約2,000万頭を飼育している。アフリカ、ユーラシア大陸の旧世界に棲息するラクダは背にヒトコブとフタコブをもつ種類である。最近、これらラクダは中近東の石油産出国をはじめ、遊牧民が少なくなった諸国では飼養頭数が急激に減少している。中国、モンゴルでも交通革命や近代化の波に押されて減少に歯止めがきかなくなってきている。他方、新世界の南北アメリカ、とくに南米大陸に棲むラクダ属は、旧世界のラクダと比べ小型であり、ラマ、アルパカ、グアナコ、ビクーニャなどが生存している。アンデス山系のこれらのラクダも15世紀、スペインの侵攻と共にヨーロッパの家畜が移入されて徐々に減少してきている。現在、ビクーニャとグアナコは絶滅危惧種に指定されている。しかし、ラクダを家畜としている国や動物遺伝資源として活用する立場から、ラクダの改良増殖に家畜で実用化されている新技術や胚操作法を利用することが行われ始めている。本稿ではラクダの改良増殖法としての繁殖技術や胚操作法について最近の進展や利用状況などについて研究報告を紹介する。