著者
黒瀬 邁
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.405-409, 1965

燐酸欠乏桑葉中の非蛋白態窒素含量と蚕の生育阻害との関係を明らかにするために, 人工飼料に配合する普通桑葉粉末と燐酸欠乏桑葉粉末との混合割合を変えて蚕を飼育し, その生育におよぼす影響を調査するとともに, 同じく人工飼料を用いて燐酸欠乏桑葉に対する燐酸塩と糖の加用効果について検討した。<BR>その結果, 燐酸欠乏桑葉中の非蛋自態窒素含量と蚕の生育阻害程度との間には非常に高い相関が認められ, このことから桑葉中の非蛋白態窒素含量の多少は葉質の良否を考えるうえの一つの目安になるものと推定された。また, 燐酸欠乏桑葉粉末を含む人工飼料に対してはアデノシン三燐酸二カリウム, α-D-グルコース-1-燐酸二カリウム, 燐酸二カリウム, グルコースおよび蔗糖の加用効果が認められた。
著者
東 哲夫 木内 玄詔 小山 長雄
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.90-93, 1964-02-25 (Released:2010-11-29)
参考文献数
3

Silkworm larvae which had been reared by a sericulturist in Suwa City, Nagano-Ken were attacked and killed by an unknown insect. This injurious insect to silkworm larva was identified as Sclerodermus nipponicus Yuasa belonging to Bethylidae of Hymenoptera. The bee is a parasite of the larva of the Anobiidd beetle. In this case, however, the host beetle was Stenygrinum quadrinotatum Bates (Cerambycidae), which bored into mulberry shoots stocked at an attic of silckwormrearing room. The damage was certainly brought by such a course as;the bees from the host beetles-gall or walk to silkworm bed-→prick the silkworms injecting a poisonous fluid-→soon or later the solkworms fall in death.
著者
尾暮 正義 長沼 計作 原島 典雄
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.159-164, 1985-04-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
37

クワとコウゾとの属間交雑による雑種植物育成の可能性を究明するため, これらの交雑を試みた。クワとコウゾとの交雑において, クワを種子親に用いた場合は多くの完熟した椹が得られたが, 逆交雑では受粉後全部の花が落下ないしは萎凋した。着椹割合は種子親に用いたクワの品種・系統間で明瞭な差異がみられた。また, β-ナフトキシ酢酸の30~50ppm処理は着椹割合をかなり高めたが, ジベリン75~100ppm処理は著しく低下させた。クワ系統C 4081-G7の椹には1粒の種子も含まれていなかったが, 他の椹には多数の種子が含まれていた。得られた種子の大部分はしいなであり, 水々注ぐと水面に浮んだが, 沈むもの (沈種子) も含まれていた。この沈種子から発芽・生長した6個体について, 外部形態やアイソザイムパターンなどを調査した結果, いずれも属間雑種ではないことが判明し, クワとコウゾとの間に強い交雑不親和性が認められた。
著者
福田 宗一 酒井 績
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.395-400, 1956-12-28 (Released:2010-11-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1

I1 est bien connu, dans la sériculture, qu'il se trouve par hasard des vers à soie qui, après la montée, ne filent pas le cocon, malgre qu'ils atteignent a la maturité en temps normal, apparemment sains et se comportant naturellement. Tels vers à soie se trouvent souvent en abondance surtout dans les élevages au printemps et causent un dommage considérable.Peu est connue la raison pourquoi ces vers à soie ne fluent pas. Au printemps de 1955, nous avons rassemblé beaucoup de vers à soie de cette sorte apparus spontanément dans les élevages de notre laboratoire et des fermiers séricultueurs aux environs de la cité de Matsumoto. Dansle but de préciser la cause immédiate de non-filer, nous en avons examiné leur glandes séricigèneset en même temps vu s'ils n'etaient pas affectés par la grasserie.Au total 2251 vers appartenant à diverses races ont été examinés. I1 s'est trouvé que chez 1953 vers (soit; 86. 7%) les glandes séricigènes étaient anormales, 170 vers (7.6%)étaient affectés par la grasserie, et chez 128 vers (5.7%) restant aucune anomalie perceptible n'était découverte dans les glandes séricigènes et, aucunement atteints de grasserie.Sur 1953 vers portant les glandes séricigènes anormales, chez un seul les glandes ne s'étaient pas déformées, mais seulement colorées en brun partiellement, tandis que chez tous les autres les glandes se déforment caractéristiquement dans une partie definie (Fig. 1).Pour la plupart du cas, une constriction profonde s'était formée dans la division moyenne de la partie moyenne de la glande des deux côtés, tandis qu'on ne remarquait pas de changements notables dans les autres parties. Mais, en certain cas, au lieu de la constriction, il se trouve une transformation en filament d'une longueur variable de la division moyenne, et, en tel cas, des constrictions s'étaient produites un peu partout dans la partie postérieure de la glande. Généralement, l'anomalie des glandes se trouve symétriquement dans les deux côtés.La glande séricigène d'un ou deux côtés se rompt souvent en arrière de la constriction ou de la partie filamenteuse, et le contenu se répand dans l'hémolymphe. Par l'observation de tous les 12 heures sur les glandes séricigènes à partir de la montée des vers à soie, il semble que la rupture de la glande survienne, pour la plupart, pendant 48 à 60 heures après la montée.Les résultats observés susmentionnés permettent de montrer que la cause immédiate de nonfiler des vers anormaux qui se trouvent spontanément dans la sériculture, est due, dans la majorité des cas, à la formation de la constriction ou transformation en filament de la division moyenne de la partie moyenne des glandes séricigènes, qui empêche la substance soyeuse formée dans la glande d'être vomie.(Station de recherches sericicoles de Katakura, Matsumoto, Japon)
著者
呉 福泉 Lavina Barbara A. 池田 素子 白田 典子 蔡 月仙 藩 少茜 小林 迪弘
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蠶絲學雜誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.177-189, 2000-06-30
参考文献数
32
被引用文献数
5

中国でシロイチモンジヨトウ幼虫から分離したSeNPVを, Se301細胞を用いたプラークアッセイによりクローニングし, 15のクローン (G1-G15と命名) を得た。これらのクローンは, 変異体であると考えられる3種のクローン群 (G1, G3, およびG4群) に分類できた。G3は, G1とG4に比べて, Se301細胞での出芽ウイルス産生量など生物学的活性が高い傾向にあった。これらのクローンのBmN-4, IPLB-Ld652Y, Sf9, FRI-SpIm1229, TUAT-SpLi221およびCLS-79の各細胞における感染性を調べたところ, いずれもSf9細胞でBVと多角体を産生したが, Se301細胞での産生量より少なかった。FRI-SpIm1229細胞では, 有意なBV産生はなかったが, 多量のウイルスDNAが産生され, 少量ではあるが多角体とポリヘドリンが産生された。また, SeNPV感染FRI-SpIm1229細胞とLd652Y細胞ではアポトーシス様の形態を示す細胞が認められた。TUAT-SpLi221とCLS-79細胞では明らかな細胞病変効果は認められなかった。
著者
野口 洋子
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.230-236, 1995-06-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
13

5-bromo-2′-deoxyuridine 処理により分離された温度感受性変異株 (No. 20株, No. 128株およびNo. 217株) の増殖様式を in vitro および in vivo で検討した。No. 20株, No. 128株を培養細胞に接種後33℃で培養すると, ウイルスの増殖を示す組織学的兆候は観察されなかった。No. 217株の場合は, 33℃ではウイルスの形態形成や多角体形成が抑制され, ウイルス粒子の膜形成も異常や多角体への包埋の減少が電子顕微鏡観察で認められた。No. 128株とNo. 20株の33℃での混合感染で, 多角体形成細胞率が向上し, 明瞭な相補性が認められた。No. 128株とNo. 20株の場合は, カイコ幼虫に接種後25℃で飼育する期間が短い程病蚕の発生が抑えられた。この場合33℃の飼育のみでは幼虫の発病はみられなかったが, 25℃に移すと発病した。No. 217株接種蚕は, 33℃飼育では25℃飼育に比べて発病率が低下し, 発病時期も遅れる傾向を示した。
著者
野口 洋子
出版者
日本蠶絲學會
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.302-309, 1991 (Released:2011-03-05)
著者
羽賀 篤信 張 敏
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蠶絲學雜誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.17-21, 1998-02-27
参考文献数
10
被引用文献数
2

蚕の蛹脱皮殻とカブト虫幼虫のクチクラに1N HClを加え, 100℃で20分間処理をして, diphenol 類を除去した後, 1N NaOHを加え, 80℃, 36時間をかけて, タンパク質の除去を行い, 昆虫由来キチンを得た。さらに40% NaOH溶液中で, 110℃, 4時間加熱してキチンの<i>N</i>-脱アセチル化を行い, キトサンを精製した。キチン及びキトサンの化学構造を<sup>13</sup>C FT-NMR, <sup>13</sup>C CP/MAS NMRスペクトル, FT-IRスペクトル, 元素分析により明らかにした。また, HPLC, UV, <sup>13</sup>C CP/MAS NMRの分析結果から, 昆虫クチクラの主成分として norepinephrine, DL-β-(3,4-dihydroxyphenyl) α-alanine などの diphenol 類であることを確認した。蚕の蛹脱皮殻にはタンパク質が62~67%, diphenol 類が15~20%, 脂質が1~2%, キチンが15~18%含まれており, カブト虫幼虫クチクラにはタンパク質が40~50%, diphenol 類が20~25%, 脂質が5%, キチンが20~30%が含まれていることを明らかにした。
著者
村上 理都子 白田 昭
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蠶絲學雜誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.135-142, 1998-10-27
参考文献数
15
被引用文献数
1

クワ暗斑病菌, <i>Myrothecium roridum</i> が生産する毒性成分はセイタカアワダチソウ, ヨモギ, ギシギシ, エノコログサなどの雑草を含む46種の植物に毒性を示した。その中で, クズ, ヤブガラシ, ツキミソウには強い毒性を示し, オオバコ, ドクダミ, ススキ, ササには極めて弱い毒性しか示さず, 本毒性成分は選択毒性をもつことが示唆された。また, 本毒性成分の植物への毒性は展着剤の添加により著しく高まった。本成分の生産に適した培地はジャガイモ・スクロース・寒天培地, 培養温度は25-30℃であり, 水で容易に抽出できた。また, 熱安定性であることから, 80℃3分間で殺菌しても活性は低下しない。本毒性成分の雑草への毒性, 生産性, 植物の選択性等の性質は除草剤としても適しており, 有用な資材となる可能性がある。
著者
山崎 寿 西村 国男 田口 亮平
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.118-126, 1955-04-29 (Released:2010-11-29)
参考文献数
10

(1) 有明天柞蚕試験地の飼育用4年生櫟樹林において, 萠芽前に地上1.5-1.8mを残して主幹を伐採した主幹伐採区と, 無手術のまま放置した対照区とに柞蚕を放養して, 両区の蚕児の発育状態, 作柄及び飼育樹林の葉質を調べ, これに依り主幹伐採による葉質の変化並びにこれが蚕の作柄に及ぼす影響を考究した。(2) 本実験を行つた1953年は多雨寡照の気象状態を示し, 柞蚕の作柄と葉質との関係を追求するのに好都合の年であつた。(3) 主幹伐採区は対照区に比較して,(イ) 病蚕歩合少く, 健蛹歩合が大である。(ロ) 幼虫体水分率及び体液水分率は小であり, 幼虫体体液屈折率は大である。(ハ) 幼虫の体重が大で, 発育は斉一で経過が早い。(ニ) 繭重, 繭層重及び蛹体重は共に大であり, 繭層歩合は大差ない。(4) 主幹伐採区は対照区は比較して,(イ) 主幹及び側枝の頂芽の伸長が旺盛であり, それに着生する葉数も多い。(ロ) 葉は緑色が濃厚で, 葉身長, 葉巾が大で, 葉肉がより厚い。(5) 主幹伐採区は対照区に比較して,(イ) 葉の水分率が大で乾物率は少い。(ロ) 乾物中の蛋白質の割合が著しく多く, 炭水化物, 粗繊維, エーテル浸出物及び粗灰分の割合は幾分少い。(ハ) 灰分組成ではMn2O3及びMgOに著しく大であり, P2O5及びCaOは大差はないが, SiO2, SO3, Cl, K2O, Na2O, F12O3+Al2O3, は幾分少い。以上の結果を綜合するに, 野蚕飼育用櫟樹の葉は桑葉に比較して著しく粗硬で含水率や蛋白質含量がはなはだ少いが, 萠芽前主幹伐採を行い, 側枝の再生生長を促進させるときは, これに伴つて葉の含水率, 蛋白質含量を増大し, 炭水化物含量及び細胞液屈折率を低下せしめるが, これ等の葉質の変化は柞蚕の蚕作を明かに良好ならしめる。

1 0 0 0 抄録

出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.462-463, 1970

ハチノスツヅリガの結紮幼虫における核多角体病ウイルスの増殖<br>猩々蠅 (<i>Drosophila</i>) のラブソング<br>タマナキンウワバの核多角体病ウイルスに対する蛹の感受性1. 一般的なレスポンス<br>家蚕永続蛹の核多角体病ウイルスに対する感受性
著者
荻原 清治
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.265-277, 1942

セリシンのみから成る繊維を吐糸せしめ此れを試料として實驗し次の如き結果を得た。<BR>1) 纎維の斷面は正常繭糸と著しく異り甚だしく圓形に近くなり充實度に於て最大99.5%に達し最小のものでも50%を下らない。<BR>2) 同一繭の同一部分に於ての断面積の偏差極めて大である。<BR>3) 吐糸に融合して極めて太き形を示ずものもあるが此の接着部は明かに認めることが出來ない。<BR>4) 繭層は融合をして恰も一枚の膜状を呈する。<BR>5) 膨潤度に於て繊維相の方向には極めて低いが其れと直角方向には極めて大なる膨潤を示す。此れはセリシン粒子の配列が縦の方向に緊密にして横方向に粗なるものと推定する。又膨潤度は生成された繊維の状態、處理後變性を起したるもの等により異り又浸液の性質によりて異る。吐糸直後のものでは最小膨潤度に於て480-220%のものを得た。又乾熱處理したものは150%を得た。此等の最小膨潤點は如何なる試料を問はずpH=40-4.5附近にあつた。此れは從來の研究者によるセリシンの等電圏内にあることが考へられる。<BR>6) 扁光色に於て無扁光のものより微黄色のもの迄得た。最も多く現はれたのは微灰色-灰色程度である。無扁光部は纎構の處々にある瘤状部であつた。此れより見てセリシンも牽引された儘乾固することによりて粒子の配列を起すことが明かとなり松永博士、小原博士、清水正徳弐等によりて認められたセリシン粒子の結晶性を一層明かにすることが出來た。<BR>7) 以上の如き扁光色は其の膨潤により次第に低下し消失して來る。而して其の浩失膨潤度は如何なる纎維を問はず大體500-900%の膨潤點にあることを認めた。此の附近に達するとセリシンは過剰なる水会を吸着して散亂状態を呈して來るものと考へられる。<BR>8) 以上の結果によりて天然セリシンに於ては吐糸に常つて膠状の儘外界に出て牽引された儘乾固する時は粒子の配列を起し膠状の牽引が緩められる時は瘤状となりて配列度を低下することが明かであり正常繭糸にあるものが小原博士の述べる如く灰色迄を現はすとすれば此の場合に於てセリシンにも牽引が行はれてゐることが認められ第7報の推定を明かにするものである。又腺内にある間は膠状であるために吐糸孔の形に影響されることが少なく吐糸されて後、大部分が圓形に近づくと云ふことは第7報に推定せしセリシンの吐糸過程を一層明確にするものである。<BR>9) セリシンの研究に常つて試料の採取方法が其の結果に極めて大きな影響のあることを指摘して將來の此の方面の研究上の參考とした。<BR>10) ブイブロインの膠潤度はセリシンの其れに比較して極めて低い。
著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布
著者
四方 正義 村田 武 開発 基良
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.157-162, 1974

幼虫脱皮, 蛹化脱皮, そして成虫化脱皮の各脱皮殻のリピドと, 5齢幼虫と蛹の生体表面から得たリピドの炭化水素の化学的組成を比較し, 脱皮のための炭化水素の存在意義についても考察した。さらに, 脱皮殻リピドの炭化水素に対する飼料の影響を見るため桑育と人工飼料育による5齢脱皮殻 (蛹化脱皮殻) についても比較した。<br>1. それぞれの脱皮殻, 生体表面の炭化水素ともn27が最も多く存在する。10%以上存在するものは4齢脱皮殻 (幼虫脱皮殻) でn25, n27, n29, n31, 5齢脱皮殻と5齢生体表面でn25, n27, n29である。蛹脱皮殻 (成虫化脱皮殻) と蛹の生体表面ではn27だけである。<br>2. <i>n</i>-飽和炭化水素は4齢脱皮殻リピドの炭化水素で95.2%を占めるが, 蛹化・成虫化と変態に伴って脱皮殻リピドのそれが減少し, 蛹脱皮殻で35.4%になる。<i>iso</i>-飽和炭化水素では変態に伴って反対に増加する。<br>3. 総奇数鎖は4齢脱皮殻で90.3%であるが, 蛹化・成虫化と変態に伴って減少し, 蛹脱皮殻で48.7%になる。総偶数鎖は, 変態に伴って反対に増加する。<br>4. 蛹化脱皮直前に, 急増する脱皮殻リピドには<i>iso</i>-飽和炭化水素が多いことが判った。これは繭内における蛹化脱皮を容易にすると考えられる。<br>5. 人工飼料育では桑育に比較して蛹化脱皮殻リピドの炭化水素の組成が幼虫脱皮殻リピドの組成に傾いているように見られる。
著者
船田 敏夫
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.281-287, 1968

日本種3品種, 支那種3品種およびこれらの交雑種を用いて, 伝染性軟化病ウイルスに対する抵抗性の遺伝様式について究明を行ない, 次のことが推定された。<br>1) FV抵抗性は感受性に対し劣性形質として遺伝する。かつその遺伝は主遺伝子に支配されている可能性がある。<br>2) 実験の範囲内では, FV抵抗性に関する雑種強勢の効果はほとんど認められなかった。<br>3) 抵抗性系統の選抜は, 蛾区選抜の方法で比較的容易に行なわれた。
著者
小林 英子 佐藤 文子 鮎沢 千尋
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.311-318, 1968-08-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
9

高度さらし粉 (200倍) とホルマリン (2%) とを混合した場合の消毒効果が, 単独使用よりもとくに勝ることのない理由についての考察の一つとして, 混合後の有効塩素量およびpHの消長の観点から検討した。(1) 現在, 市販されている高度さらし粉剤としてのクロール石灰, クライト, 養蚕ライト, テトライトおよびクラチンの有効塩素量はいずれも58~64%であって, 無蓋のまま室温 (約23℃) に放置しても42時間以内ではその値は変らなかった。(2) 終末濃度をそれぞれ200倍および2%となるようにクロール石灰とホルマリンとを混合する方法を変えても, いずれも, 混合後有効塩素は速かに激減し, pH値も同じく速やかに低下した。(3) クロール石灰液に重曹あるいは塩酸を混合した場合, 有効塩素量は12時間経過頃より漸減し6時間で8.5程度まで低下した。(4) クロール石灰液を保存する場合, 密栓しても開放しても, 温度が10および20℃では有効塩素量は変らないが, 30℃では開放すると24時間頃より低下の傾向が見られた。(5) クライトとホルマリンとの混合液 (200倍と4%, 400倍と2%, 800倍と1%) の各液に蚕の細胞質多角体を20時間浸漬しても多角体の溶解は認められなかった。以上の結果から, 上記の方法による混合を行なった場合, 高度さらし粉に由来する有効成分は減少すること, 同時に生起するであろうホルムアルデヒドの消費を考えると混合液の消毒効果が単独使用よりもとくに勝る理由は見当らない。