著者
久光 彩子 曽我部 陽子 寺田 剛 大隅 有理子 寺田 早百合 平野 綾香 杉田 麻衣 松尾 扶美 片山 涼子 荻野 直人 高見 晋一 桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.43, pp.91-104, 2010-03

2009年7月22日、日本各地で部分日食が観測され、南西諸島においては皆既日食が観測された。近畿大学奈良キャンパスの位置する奈良県では9時46分に日食が開始し、11時05分に太陽の82%が欠ける最大食に達した後、12時25分に終了した。当日の天気は曇りで、時々太陽が雲越しに見え隠れしていた。最大食時には、鳴き声を出す昆虫類ではニイニイゼミ、キリギリスが減少し、ヒグラシが増加した。鳥類ではヒヨドリの鳴き声、ウグイスのさえずりの聞こえる数が少なくなった。チョウは全体的に活動する種数、個体数が減少し、ネムノキの葉は就眠運動により閉じる傾向が見られた。気象観測データは日射量や気温が低下しており、生物の行動はこれらの影響を受けたものと考えられた。
著者
坂東 誠 杉野 守
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-6, 1997-03-15

ウメノキゴケを3,4日毎にpH2の人工酸性雨に10分間,またはpH4及び5の人工酸性雨に90分間浸けると,2週間後のレカノール酸相対含有値が減少した。室内において,ウメノキゴケを0.15ppmのS0_2ガスに3,4日毎に90分間晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。都市域の外気にウメノキゴケを晒しても,レカノール酸相対含有値は有意に変化しなかった。また,都市域に降った雨にウメノキゴケを晒すと,レカノール酸相対含有値が有意に減少したが,非都市域の降雨では有意に変化しなかった。以上のことから,ウメノキゴケのレカノール酸相対含有値は,酸性雨の指標になり得ると考えられた。
著者
桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.45, pp.119-128, 2012

[Synopsis] The biodiversity in Beethoven's Pastoral Symphony is presented for discussion. The season of this symphony was inferred to be early summer, according to the song of birds (2nd movement), and the other motives of this symphony. Beethoven had recognized at least three species of birds; nightingale, quails, and cuckoo, and might have had a great interest in many plants and animals based on the many motives of this symphony. In this symphony, especially the final movement, Beethoven arrived at a conclusion of coexistence of nature and humans. [要約] ベートーヴェン作曲交響曲第6番「田園」における生物多様性について、考察した。初めに「田園」の季節について考察してみたが、よく言われていように、初夏の情景と考えられた。ベートーヴェンは少なくともサヨナキドリ(ナイチンゲール)、ウズラ、カッコウ、の3種類の野鳥を識別でき、これ以外にホオジロにも関心があったと思われる。その他にも、曲想からして、いろいろな生物をこの曲に取り入れていたと思われ、それらに対する、いつくしみの感情も強かったと思われた。第5楽章では、自然と人間の調和という結論に達していたように推察された。
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.44, pp.163-169, 2011-03

日本の豊かな生物相に対する理解を深めることを目的に、2010年2月28日から3月6日の7日間、近畿大学農学部生態調査班を中心としたメンバーで八重山諸島の石垣島と西表島にて両生類、爬虫類の調査・観察を行った。調査地を含む琉球列島は、地理的変遷から多くの固有種や固有亜種の生息地として知られている。今調査の結果として、全体では両生類が4科6種、爬虫類が5科8種確認され、このうち固有種が7種、固有亜種が3種、国の天然記念物が2種記録された。島ごとでは石垣島で両生類が3科4種、爬虫類が4科4種、西表島では両生類が3科3種、爬虫類が5科8種それぞれ記録された。
著者
奥村 博司 畠山 元 山地 弘起 石賀 伸太郎 若月 利之
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.71-80, 2007-03-31

The Nara Campus of Kinki University is located in the satoyama of Yata Hills. There are many terraced paddy fields and farm ponds on the campus that were abandoned in the previous six decades. In this study, the existing circumstances of the paddy fields, farm ponds and the surrounding Satoyama forest were investigated in order to complete basic information. These data will be useful for planning the restoration of the Satoyama.As a benchmark watershed, we selected 15-20 ha watershed for detailed survey on abandoned terraced paddy fields, farm ponds and the Satoyama forest. We established one ha Satoyama plot for detailed survey on vegetation, soil, and water condition. Some results of those were described by means of figures. After this, ecosystem model of the Satoyama should be developed for the planning the restoration of the Satoyama.記事区分:原著
著者
鶴田 格
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.44, pp.97-114, 2011
被引用文献数
2

本論文では、東アフリカのナイロート系牧畜民のなかでももっとも南に進出したマサイとダトーガにそれぞれ隣接し、それらの影響をうけてきた農牧民ゴゴ人とイラク人をとりあげて、その生活における農耕-牧畜複合の様態と隣接牧畜民との関係をまず1960年代の民族誌に依拠して記述する。さらに他の歴史学的研究や1960年代以降の臨地研究のデータを参照して、その歴史的変容について考察する。
著者
岡本 忠
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.61-68, 1992-03-15

接着性タンパク質の最近の進歩,特に水生動物の接着性タンパク質について紹介した.
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.42, pp.127-144, 2009-03

土壌動物の持つ機能についてリターバック法を用い、近大里山内において樹種毎に落葉の分解にどれだけ土壌動物が寄与しているのかを調べた。その結果、土壌動物は落葉量の多い11月や12月の時期には落葉量と同じように増えているが、落葉量が少ない4月から7月の時期にかけても個体数が多かった。また、8月の夏の時期にはもっとも少なかった。どの樹種においてもこの傾向が見られた。また、リターバック内の落葉の残存率は、9月頃まで減少し続け、その後は横ばいに推移している。分解速度にてヒノキの4ヶ月目と6ヶ月目にピークが現れたのは土壌動物の個体数増加に伴う分解促進の結果と思われる。落葉の分解が進むにつれて落葉中の窒素含有率が上昇している。これは落葉中の炭素が消費されていることを意味している。炭素は土壌動物や土壌微生物にとってエネルギー源であり、窒素は土壌微生物の体を形作る養分である。落葉の多い時期に、土壌動物の個体数が増えているのは、9月頃の分解のピークによって分解者以外の利用できる養分が増え、分解者以外の土壌動物の個体数が増えはじめ、それらが土壌中を動きまわることにより、土壌が攪拌され、新たな団粒の形成等により、分解者である中型土壌動物の生存可能空間が作られる。そこに落葉が供給されることにより、再び分解者の活性が高まったためであると考えられる。落葉の少ない、3月頃から8月の手前までの時期にも土壌動物は個体数を増やしているが、これは、寒くも無く、暑くもない温暖な気候である春という時期が土壌動物の活動を活発にさせ、個体数を増加させたものと推察される。8月の土壌動物の個体数が少ないときに分解速度が減少したり、落葉の多い時期に比例するように土壌動物は増えていることをはじめとするこれらの結果から土壌動物の落葉分解という機能が示された。また、落葉の分解にもっとも貢献していたのはダニ目のササラダニ亜目であった。
著者
細谷 和海 西井 啓大
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.36, pp.73-130, 2003

ブラックバスは北米原産のサンフィシュ科の淡水魚で、わが国には1925年に実業家、赤星鉄馬氏により神奈川県芦ノ湖へ移殖された。以来、本種は同湖から持ち出されることがなかったが、1970年代のルアー釣りブームを契機に一挙に分布域を拡大した。ブラックバスは魚食性が強く、コイ科を主体とする在来種の地域的な絶滅を引き起こすことが危惧されている。そのため、ブラックバスを対象とするルアー釣りをめぐり、在来種を保護しようとする側とルアー釣りを楽しみたい側とが激しく対立し、大きな社会問題となっている。問題を解決するためには、ブラックバスの食害に関する科学的データを社会に提供する必要がある。ブラックバスの生物学については、すでにアメリカにおいて1975年にStround and Clepperが総合書を取りまとめている。一方、もともとブラックバスが分布していなかったわが国ではブラックバスに関する情報は限られる。1992年に全国内水面漁業協同組合連合会が「ブラックバスとブルーギルのすべて」を、また、最近では2002年に日本魚類学会自然保護委員会が「川と湖沼の侵略者ブラックバス」を刊行している程度で、情報は充分とは言えない。サンフィシュ科魚類は北米東部を中心に9属32種が知られている。そのうち、日本の淡水域に移殖放流されたものはオオクチバス、コクチバス、およびブルーギルである。わが国において、ブラックバスという名称は慣習的にオオクチバスに当てられてきたが、コクチバスが定着して以来、両種の総称として用いられることが多い。本資料では、オオクチバスとコクチバスを対象とする。
著者
津田 良平
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.169-178, 1971-03-15

水中での物体の見え具合いは物理的要因と視覚生理との総合作用の結果として決まるものであるが、今回はその第一歩として人間の目を用いて網糸の見え方、即ち網糸の視程の研究を行なった。実験は水面の上から散乱光を照射した時の水平視程を測定すると共に、水中視程に大きな影響を与える物理的諸要因、即ち物体の色、反射率、透過率及び濁り、照射光度等をかえで視程測定を行ない、Koschmieder,Middletonの大気中の視程の理論式を実験条件に合う様に書きかえ、実測値を解析し、物理的要因とコントラストの識閾という生理的要因とに分けて視程に対する影響を調べた。 その結果、黒米では視角の小さい範囲では視角が減少すればコントラストの識閾は直線的に増加し、その直線の傾斜は水槽水の濁り、表面照度によってそれぞれ変化する事がわかった。この様な関係はBlackwellの大気中における実験でも確かめられている。
著者
寺下 隆夫 永井 勝 坂井 拓夫
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.95-105, 2001-03-31

[Author Abstract]The ectomycorrhizal fungi Tricholoma matsutake and Lyophyllum shimeji are famous and delicious edible mushrooms from Japan. Since they form mycorrhiza on the fine roots of living plants, their growth depends facultatively on living plants. To cultivate these fungi for in a pure culture, glucose and a few other monosaccharides must be used as carbon sources. In 1994,it was reported that L.shimeji can form mature fruit-bodies on a medium that consists mainly of barley grains ; in addition, they form without a host plant. These observations indicate that some mycorrhizal mushroom fungi have the ability to utilize barley starch. When fungi form fruit-bodies, large amounts of mycelia may be needed either to store nutrients or to transport nutrients to the fruit-bodies, or for both purposes. However, it is very difficult to cultivate large amounts of mycelia using monosaccharides in a pure culture. The addition of low molecular weight substances in high concentrations increases the osmotic pressures of a medium, which in this case would suppress the growth of the mycelium. Then, amylase productions during the vegetative mycelial growth of T.matsutake (No.114 and Z-1 strain), which hydrolize starch as a substrate for the growth of the fungi were examined using a somewhat modified matsutake liquid medium. Amylase activity (α-and gluco-amylase) in the culture filtrates had relatively high values at 40 days after the inoculation. Maximum activity was attained 80 days after inoculation. α-Amylase showed more activity than glucoamylase in both strains. Amylase activity in the culture filtrate of T.matsutake was assayed by using several kinds of starch as the substrate ; the starches were purified from barley (5 kinds), corn, sweet potato, and potato. The enzyme was most active in the presence of the starch prepared from the "Amagi" and "Ichibanboshi" strains in the "Nonwaxy" barley group among the starches. This activity was were observed at a circa 2.0-fold higher value than that of the control (potato). The addition of potato and yam to the culture medium increased the dry weight of mycelia 4.8-5.6 times, as compared to the control (without addition) ; moreover, the value of amylase activity was 1.9-2.6 times that of the control. A positive correlation between vegetative mycelial growth and amylase activity was detected. To elucidate the properties of extracellular amylases in the T.matsutake Z-1 strain, the amylase fractions obtained from the DEAE-Toyopearl column chromatography were identified. One type of α-amylase, glucoamylases and α-glucosidases showed activity upon analysis by thin layer chromatography using hydrolyzates.[JST抄録]菌根形成食用担子菌,ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)およびマツタケ(Tricholoma matsutake)の子実体形成研究についてレビューした。最初に,菌根形成きのこ類の人工栽培が難しい理由の一端を説明した。次に,ホンシメジが人工栽培化に至った過程,また,マツタケの人工的な子実体形成研究の現状について,これらの菌根菌類の生育生理の面から成育基質として重要な澱粉の利用性に注目して,アミラーゼなどの生成酵素との関連で述べた。マツタケ「シロ」中にどの程度の澱粉が含まれ,マツタケ菌がアミラーゼを生成してその澱粉をどの程度利用しているかなど今後解明すべき点は多い。記事区分:原著
著者
田尻 尚士
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.15-24, 1991-03-15

機械化による大規模製造法を基準としたダイズ原料による豆腐製造を行い,消泡剤(エマルジーA:グリセリン脂肪酸エステル,エマルジーS:グリセリン脂肪酸エステル,ダイズリン脂質,炭酸カルシウム,シリコン樹脂混合剤)と凝固剤(合成ニガリ,硫酸カルシウム,グリコノデルタラクトン;マグラクトン-70)の使用が豆腐物性におよぼす影響を検討した.消泡剤添加は直接に豆腐物性に影響せず豆乳,おからの歩留りに影響し,製品歩留りを左右するために,分散,混合性に秀れ,親水性,親油性に富み,界面での吸着性が敏速で平均的であることが重要である.凝固剤は離水性を左右して豆腐物性に直接影響する.ニガリは凝固速度が緩慢で,離水性に欠けて凝固度が弱く,一部型くずれするものが認められ,全般的に物性度が不足した.硫酸カルシウムは凝固速度が敏速で平均的で豆腐内面も緻密で光沢を有し,離水性に富み豆腐特有の舌ざわりと咀しゃく感を呈し,物性度は良好となり,豆乳重量に対して1.0%添加が最良である.マグラクトン-70は凝固速度が緩慢で均一性に欠け,離水過多となり,内面に小孔を有し,光沢性に欠け,咀しゃく感が粗雑で凝固過多となり,物性度が高く豆腐特有のソフト感に欠けることが認められた.pHおよび色調は直接豆腐物性に影響しない.水分含有量は豆腐物性に顕著に影響をおよぼし,全般的に離水性が不足すれば水分過多の原因となる.機械化大規模製造法は高温,短時間処理が多用されることから,消泡剤,凝固剤は耐熱性を有し,分散,混合性,親水および親油性に富むことが重要で,消泡剤はグリセリン脂肪酸エステル純度が高く,凝固剤は硫酸カルシウム純度の高いものが最適である.
著者
堀川 勇次 佐々木 勝昭 宇都宮 直樹
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.38, pp.19-30, 2005-03 (Released:2011-03-05)

近年、日本でもマンゴーのハウス栽培が盛んになりつつあるが、その害虫や訪花昆虫についてはあまり調べられていない。そこで、本研究ではマンゴーハウスに出現する害虫、訪花昆虫を調べ、効果的な防除法と受粉法について検討した。以下3種類の調査を近畿大学附属湯浅農場の2つの温室で行った。訪花昆虫調査では、全部で6目27科40種以上の訪花昆虫が確認された。中でも個体数が最も多かった昆虫は双翅目であった。本農場では受粉効率を上げるためセイヨウミツバチを放飼しているが、着果率はあまり良くない。今後、さらなる着果率向上を目指しミツバチと双翅目の併用を検討する必要があると考えられた。アザミウマ等の害虫調査では、粘着テープを温室内に設置し、付着した昆虫を調べた。その結果、7目21科26種以上が確認された。中でも重要害虫のアザミウマはチャノキイロアザミウマが最も多かった。また、アザミウマの捕獲個体密度は農薬散布区よりも無農薬区の方が圧倒的に多かった。被害果実も無農薬区では非常に多くなり、農薬散布は現在のところ不可欠であると思われた。吸蛾類調査では、全部で9科34種以上の蛾の温室への飛来が確認された。その中で口吻を果実に突き刺し果汁を吸っているところが確認された蛾はヤガ科の3種であった。これらヤガ科による果実への被害を未然に防ぐ必要があると思われた。
著者
鳥居 憲親 桑原 崇 鈴木 賀与 寺田 早百合 杉田 麻衣 平野 綾香 錦 一郎 桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.43, pp.47-74, 2010

The structure of wild bird communities in two areas of the Nara Campus of Kinki University was observed from June, 2008 to May, 2009. Pond A, Coppice, Farm and School Site A were the observation points in one area. The observation route in this area was named A-course. Pond E, East Ground, West Ground and School Site E were the observation points in the second area. The observation route in this area was named E-course.Among these environments, the greatest number of species was recorded at Pond A, where the wild bird fauna mostly consisted of waterfowl and rassland birds. The Index of species diversity H' at Coppice was the highest of this survey, where the wild bird fauna mostly consisted of forest birds. The number of species from the Red List of Endangered Animals at Farm was the second highest of this survey. The number of species at School Site A, where the wild bird fauna mostly consisted of common species, was the lowest among these environments. The total population of wild birds counted at Pond E, where the wild bird fauna mostly consisted of waterfowl and grassland birds, was the highest among these environments. The total population of Red List species found at East Ground, where the wild bird fauna mostly consisted of grassland birds, was the lowest among these environments.The Index of species diversity H' was the lowest at East Ground. The overlap indices Cπ at School Site E was the highest in combination with School Site A. The wild bird fauna at these sites mostly consisted of arboreal birds.
著者
中村 聡一 小林 博
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-12, 1990-03-20

1.グッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナ,ワキン,コメットについて鰓蓋運動数の温度変化を測定し,その値から温度係数Q_<10>とArrheniusの式のμを常温から下の温度範囲で求めた. 2.Q_<10>は,いずれの魚種においても中等度の温度範囲では2〜3の値を示したが,低温まひによる鰓蓋運動の停止直前の温度では変動が大きく3〜8の高い値を示した. 3.Log f と1/Tの関係においてグッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナでは,変曲点(臨界温度)が1つ求められ,その温度はグッピーとティラピアでは14.7〜15.9℃,他の魚種では9.2〜10.0℃であった. 4.μの値は臨界温度より高温では各魚種の間にほとんど差はなく1.0×10^4〜1.3×10^4であったが,臨界温度より低温ではμは高温側の値より大きく,魚種により変動が大きかった. 5.鰓蓋運動の停止温度の平均値はグッピー,ティラピアで9.6〜10.3℃,その他の魚種では3.7〜5.6℃の範囲内にあった.
著者
荒井 真帆
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.39, pp.55-73, 2006

In Nuwa Island, villagers organize annually a unique memorial service for the deceased, whitch is accompained by bon dance performance (Arabon-kuyou-odori) . The bon dance event is not only a mere memorial service of the community as a whole, but also an important occasion to come back home for those who now reside outside of the island. The analysis of the event, therefore, may have some sociological implications on social relations of villagees, who still retain tight-knit relations in the village community on the one hand, and now have wider social network beyond the village on the other. This paper aims at reporting various aspect and process of bon dance event, as an initial step for a further detailed analysis.1.はじめに2.元怒和地区の概況3.元怒和地区の盆踊りと仮装4.新盆供養踊りの仮装と「位牌踊り」5.盆踊りの運営について6.新盆儀礼の諸過程と社会関係7.おわりに記事区分:原著
著者
岡野 奨 光永 靖 坂本 亘 熊井 英水
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.79-82, 2006-03-31

生簀内における養殖クロマグロの遊泳行動を把握するためにバイオテレメトリーにより調査した。巡航遊泳時における尾鰭の振動数は1.8Hzであったのに対し,突進遊泳時における尾鰭の振動数は8.0Hzであった。巡航遊泳時および突進遊泳時における推定遊泳速度は,それぞれ1.1および5.2BL/sであった。クロマグロは尾鰭を振動させずに潜行(glide)し,再び尾鰭を振動させながら水面に向かうglide and swimming遊泳を示した。クロマグロは台風通過時に遊泳水深分布が中層に集中する特異的な遊泳行動を示した。大量の土砂と雨水,底網の吹かれが原因で遊泳水深の分布が中層付近に集中し,死亡したと推測される。
著者
犬塚 澄雄 山本 浩史 大石 武士 青木 晋平
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.13-17, 1988-03-20

キノコ残渣の養鶏飼料化を図るため,26週齢の産卵鶏(RIR系)を用い,市販の成鶏用配合飼料にシイタケ残渣を8%と12%代替した飼料を給与し,卵質に加えてとくに今までほとんど検討されていなかった血液成分への影響について,市販飼料の結果と比較して,調べた.供試したシイタケ飼料(8%と12%)の一般成分は,市販飼料と比較すると,粗蛋白質と粗脂肪の各含量が低く,粗繊維と粗灰分合量に富んでいることがわかった.体重は減少する傾向が認められ,飼料摂取量は8%代替では市販飼料とあまり差はなかったが,12%代替では有意(P<0.05)に減少した.飲水量は逆に増加した.産卵率は市販飼料に劣らない良い成績が得られ,飼料効率の点ではむしろ優れているようであった.卵重は12%代替で有意(P<0.05)に小さい結果を得た.卵殻厚も同様で薄くなった.ハウユニットには差はなく,卵黄の色調は消費者の嗜好性からみて,実用上で全く問題はないと思われる.血液成分については,T-cho, HDL-cho, TG,およびβ-Lpの各濃度は市販飼料の場合よりも低い価が得られ,とくに12%代替では有意差(P<0.01)が認められ,総体的に脂質の低減効果が認められた.Ca濃度も有意(P<0.05)に減少した.GやMgの濃度はほとんど変化はなかった.シイタケ残渣の代替率は8%と12%の間にその適正値が存在することが推測された.
著者
大石 武士
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.26, pp.p21-25, 1993-03

[Author abstract]The need for additions of selenium to livestock feed is being evaluated in Japan. We measured the selenium content of commercial formula feeds for poultry, and studied the effects of additional selenium on the selenium content and quality of the eggs. The selenium content of the feeds varied widely, but in most, there was less than 0.3 mg/kg. The selenium content of the yolk's was affected by the added selenium, but the selenium content of the white was not affected by added selenium. Egg weight, especially egg yolk weight, increased when selenium was added to the formula feed. Egg shell thickness tended to increase with added selenium, but Haugh Units and the egg yolk color were not affected by added selenium.[著者抄録]わが国においても家畜用飼料へのセレンの添加の是非が論議されているので,鶏用市販配合飼料中のセレン濃度の実態を明らかにするとともに,市販配合飼料を基礎飼料として,セレン濃度を段階的に増加させた場合の生産物である卵のセレン濃度や品質におよぼす影響について検討した。結果は次のごとくであった。市販配合飼料中のセレン濃度は,かなり変動が認められたが,その大部分は平均的には0.3mg/kg 以下のセレン濃度であった。セレン添加を行っても卵中のセレン濃度は僅かしか増加せず,特に,卵白中のセレン濃度は卵黄に比較して飼料のセレン濃度の影響は少なかった。卵重は飼料中のセレン濃度の増加によって改善され,特に卵黄重量でその傾向が強かった。卵殻厚も飼料中のセレン濃度が高くなると厚くなったが,これは飼料中のセレン濃度が増えると飼料摂取量が増加したことによる二次的な効果と推測された。ハウユニット,卵黄色調等は飼料中のセレン濃度の影響を受けなかった。記事区分:原著