著者
高野 洋雄 鎌倉 和夫 峯松 宏明 依岡 幸広 久重 和久 清水 栄一 佐藤 祐一 福永 昭史 谷脇 由彦 谷條 薫一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.845-856, 2006-11-30

2004年8月30日,九州から中国地方を進んだ台風第16号により,瀬戸内海沿岸では記録的な高潮が発生した.これにより,高松港や宇野港などでは既往最高潮位を更新した.この高潮事例について,潮位データの解析を行い,高潮モデルを用いて数値実験を行った.その結果,今回の高潮に最も寄与したのは吹き寄せ効果であり,台風の移動に伴って高潮域が瀬戸内海を東進する状況を再現できた.特に,この過程の中で,高松付近では最大偏差の発生時刻が台風第16号の最接近時より2時間程度遅れて,大潮期間の満潮時刻とほぼ一致したことが既往最高潮位につながったことがわかった.また,瀬戸内海の形状と台風の移動に伴う風向の変化を考慮することにより,瀬戸内海における吹き寄せ効果を6つの海域に分けて考えることができた.さらに,海域毎で吹き寄せ効果と吸い上げ効果の寄与の比率の違いについても評価した.その結果,それぞれの効果の顕著なタイミングは,台風の位置や風だけでなく,地形などの影響も受けて,海域毎に異なることがわかった.
著者
村上 正隆
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.715-720, 2003-09-30
被引用文献数
2
著者
岸保 勘三郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.423-424, 2001-06-30
著者
松野 太郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1071-1073, 2011-12-31
著者
岩崎 博之 武田 喬男
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.161-170, 1993-03-31
被引用文献数
6

1985年から1988年の梅雨期についてメソスケール雲クラスターの出現特性の調査を行った.雲クラスターの平均寿命は14時間未満,最大直径の平均は170kmであった.最大直径の大きな雲クラスターほど,長寿命(>12時間)のものの割合が増えた.華北地方では総観規模の低気圧と低気圧との間に位置した相対的に気圧が高い期間に,また,華南地方では亜熱帯高気圧の西進に伴う気圧が高い期間に雲クラスターの出現個数が増加した.日本の南海洋上では,雲量の30日周期変動に伴う雲量の多い期間に,梅雨前線近傍で出現個数が増加した.大陸上の雲クラスターは午後から夕方にかけて出現し易く,雲量の多い華南地方に比べて雲量の少ない華北地方では午後から夕方にかけて出現する頻度が高かった.海洋上の雲クラスターは夜間から早朝に出現し易かった.寿命が12時間を超える雲クラスターは短期間(5〜10日)に集中して現れる傾向があり,その中で移動速度の遅いものは東経110〜140度の範囲の梅雨前線付近に比較的多く観測された.
著者
藤部 文昭 田畑 明 赤枝 健治
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.617-626, 1995-09-30
参考文献数
11
被引用文献数
3

台風8922が房総半島を北東進した際の下層風の特徴を,その北側を進んだメソスケールの寒冷前線に注目しながら解析した.このメソ前線は当初は薄い寒気を伴うものであったが,台風が近づくとともに寒気の厚さが増して強いシアを伴い,その後面にはごく低い高度に30ms^&lt-1&gtの風速極大が存在した.この前線付近では台風本来の渦状の気流は著しく変形され,弱風から強風への不連続的移行や,台風経路の左側における時計方向の風向回転など,台風通過時としては異例の変化が認められた.また,前線の後方には大きな上昇流が存在し,幅30〜40kmの強雨帯が現れた.
著者
北畠 尚子
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.357-370, 2000-05-31
被引用文献数
2

日本付近の低気圧の, 特に閉塞期の構造を検討するため, 1994年4月12日から13日にかけて日本海で急発達した、低気圧の解析を行った.この低気圧は, 最初に大陸上で発生したときは前線に対して寒気側に位置していた.急発達期の初めには低気圧は前線上に位置し, Shapiro and Keyser(1990)の提案した概念モデルのfrontal fracture・Tボーン構造を持っていた.さらに最盛期には低気圧は再び寒気内に進み, 古典的温暖型閉塞の構造になった.このように1つのシステムのライフサイクルの間に2つの低気圧モデルの構造が現れたのは, 圏界面ジェット気流の変化と, それに伴う鉛直循環によるdry intrusionの寄与が考えられる.さらに, 低気圧の急発達は, 下層の前線に着目した既存の低気圧モデルの段階とは必ずしも一致しなかった.これも圏界面擾乱の発達に伴う対流圏上層の暖気移流に関連していると考えられる.
著者
齋藤 仁美
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.950-954, 2009-11-30
著者
木本 昌秀
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.439-448, 2005-06-30
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
石原 正仁 田畑 明
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.215-226, 1996-04-30
参考文献数
24
被引用文献数
3

対流雲の雲底付近に発生するダウンバーストは, 地上の人や建物などに被害を与えるだけでなく, 離陸や着陸の態勢にある航空機に大きな影響を及ぼす. こうしたダウンバーストの発生を予測する因子として, レーダーエコーの強い部分 (降水コア) が上空から地上に向かって降下する現象が以前から指摘されていた. 今回, この予測因子の有効性を実測データをもとに検討した. 1987年9月7日, 千葉県佐倉市付近に発生した対流雲を2台のドップラーレーダーを用いて観測したところ, その雲底下に小規模なダウンバーストが認められた. ほぼ7分間隔で得られた反射強度の鉛直分布を見ると, ダウンバーストが地上付近に出現する約20分前に, 高度3.5 km 付近に降水コアが現れた. その後降水コアは6 ms^<-1>の速度で降下し, ダウンバーストの発生とほほ同時刻に地上付近に達した. こうした現象は, 1987年7月25日の羽田空港付近に発生した大型の対流雲においても確認された. これらのことから, レーダーによって対流雲内の反射強度の鉛直分布を連続的に観測し, 降水コアの降下を自動検出することで, ダウンバーストの発生をある程度予測できる可能性のあることが分かった.
著者
榊原 保志 原 芳生 加藤 俊洋
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.537-543, 1996-08-31
被引用文献数
8

郊外に水田が広がる埼玉県越谷市南東部において, 都市域と郊外を代表とする2つの地点に臨時観測点を設置し, 約1年間にわたり気温観測を行った. ヒートアイランドは夜間には一年中認められ, 中でも7月・8月と11月・12月の2つの時期に明瞭に出現した. そして7月・8月の正午にはすでに1℃以上のヒートアイランドが生じた. 1日の変化では日没後数時間に最大になり, その後徐々に小さくなり, 7時から11時の時間帯で最小になった. また, 風速が大きくなるほどヒートアイランド強度が小さくなる傾向は, 冬季に見られるものの夏季には認められなかった. さらに臨時定点観測に並行して移動観測を実施し, 双方の信頼性を検証した. その結果, 臨時定点における観測値は移動観測により得られる都市域と郊外の代表的数地点の平均値と比べ, どちらも約0.3℃の差異が見られた. 臨時定点観測と移動観測から得られるヒートアイランド強度には大まかな対応が見られることが分かった.
著者
新野 宏
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.833-841, 2002-10-31
参考文献数
30
著者
土井 妙子 細見 正明 溝口 次夫 佐藤 純
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.827-834, 1993-11-30
被引用文献数
4

筑波山山頂のオゾン濃度と地表付近の大気中の^7Be濃度を測定して,これらの濃度の季節変化を比較した.筑波山におけるオゾン濃度と^7Beの地上濃度の季節変化のパターンはよく合致し,それぞれの月別平均値は4月と5月に高くなり,7月に低く,10月にも小さいピークが見られる二山型を示した.筑波山山頂のオゾン濃度と土浦市のオキシダント濃度を比較すると,土浦市のオキシダント濃度は年間を通じて山頂より低く,秋季のピークは顕著ではなかった.秋季にピークが見られないのは,秋季から冬季にかけて頻繁に出現する接地逆転層のためと考えられた.
著者
森 征洋 鎌田 章司
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.79-88, 1994-02-28
被引用文献数
6

"肱川あらし"と呼ばれる特異な現象が発生する愛媛県肱川河口付近の風の日変化の平均的特性について調べた.河口付近にある長浜の風の日変化は瀬戸内海沿岸の平野部とは大きく異なった特徴を示し,日中に比べて夜間から早朝に風速が強くなり,陸風が顕著に発達する.長浜では総観場の気圧傾度が小さく,天気がよい場合に,夜間,風速が1Om/sを越えるような強い陸風が発生することがある.この長浜の夜間の強風は,対比を行った沿岸平野部では見られないもので,特異な地形で生ずる強風の典型例を示している.
著者
森 博之
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.757-759, 2007-08-31
被引用文献数
3
著者
森 博之
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.201-203, 2008-03-29
参考文献数
1
被引用文献数
2