著者
南谷 和範 工藤 智行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.174, pp.11-15, 2011-07-28

障害を持つ受験者に対しては冊子による試験方式のみでは公平な受験機会の保証が難しい。今回、視覚障害受験者への音声による出題に的を絞り、大問形式の長文問題を出題できる試験問題リーダー(文書ブラウザ)を開発した。試験問題を格納する文書フォーマットとしては、DAISY 2.02フォーマットを元にして、出題に不可欠な機能拡張を加えたフォーマットを用いた。DAISYフォーマットで定義される見出しを点字ディスプレイ上に点字シンボルとして提示することで、ユーザは試験問題のアウトライン、文書要素の論理的なツリー構造を理解できる。
著者
羽田 久一 広石 達也 三次 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.334, pp.69-74, 2008-11-27
参考文献数
7
被引用文献数
3

大型ディスプレイの低価格化とコンピュータの遍在に対するコストの低下に従いキオスク端末やデジタルサイネージ等といった情報提供用のコンピュータの需要が高まってきている。現在のこれらのサイネージ用ディスプレイへのインターフェースは小型のキオスク端末に関してはタッチパネルを用いるものが広く使われているがキオスク端末以外のものでは、考慮されていない事が多い。本研究では通る、立ち止まる、近づくといった公共空間でのディスプレイに対する自然な行動をトリガーとするインタラクション性を与えることを目標する。このときに利用者を認識することでその嗜好にマッチした情報を提供することを考慮にいれ、RFタグを用いた個体認識と距離計測を利用したシステムを提案する。UHF帯域のRFIDシステムを利用することで、タグからの受信電力およびタグからの受信IDを利用してこれら2つの目的を同時に満たすシステムを構築した。
著者
岡本 学 田中 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.311, pp.111-116, 2001-09-10
被引用文献数
1

ネットワーク上での電子投票では, 二重投票や票の水増し・改ざんが憂慮される.また集計局が悪意をもてば, 集計中にその結果を洩らして利用する不正なども存在し得る.それらを防ぐ手段が提案されているが, 投票者の負担が多くなりがちであったり, 集計局を複数設置する必要があったりする.ここでは, PIN番号を付記したカードをあらかじめ作成して匿名に配布し, 投票者は単に自分が投票したい候補に対応したカードを提出することで投票作業が完了する方式を提案する.投票締切まではどのカードがどの候補に対応しているか公表しないため, 一つの集計局設置で済み, また, 集計局が途中経過を知ることはできない.
著者
中津留 義樹 平松 良介 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.57-62, 2011-05-06

本稿では,エンタテインメントで用いられるコントローラを軟体物質で構成された柔軟性を持つものにすることで,より多くの感覚を使え,より多くのモーションを許容する体感型コントローラを実現できると考える.従来研究として曲げセンサを使用した軟体コントローラにより,その有用性が確認されている.しかし,従来の曲げセンサによる方式では耐久性に問題があった.そこで,本稿では曲げセンサに替わる大気圧センサを使用したボール型軟体コントローラを提案する.展示を通して提案した新方式の耐久性と操作性の検証を行う.
著者
今枝 卓也 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.39-44, 2008-07-10
被引用文献数
2

近年,ユビキタス研究の発展により,様々なセンサが環境内に埋め込まれるようになってきた.しかし,環境内に埋め込まれたセンサ情報の取得はデータベースに関する知識の無いユーザには敷居が高く,センサ利用の妨げになっている.また,センサが多量になると,得られる情報が煩雑になりすぎ目的の情報にたどり着けないという問題が発生する.本研究ではこれらの問題を解決するために,Augmented Reality(AR)技術を用いてセンサ情報を可視化し,センサ情報フィルタ機構と容易に理解可能なインターフェースを備えた"uMegane"システムを開発した.
著者
柴原 花奈 荒木 雅弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.260, pp.31-36, 2009-10-22

視覚を失った人が点字の学習をするためには,他者の補助を必要とする.単独では,点字表現と共にその点字と対応する音韻との関係を知ることができないからである.このことが,点字を学習することへの心理的ハードルとなる場合がある.そこで,文字コード-点字変換器である点字ディスプレイ・音声認識器・音声合成器を組み合わせる事によって点字とその読みの対応を学習するシステムの構築を試みた.本研究では,このようなシステムをマルチモーダルインタラクションシステムの一例としてとらえ,情報処理学会情報規格調査会の提案するMMI標準アーキテクチャ上で実装した.
著者
杉村 直紀 原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之 難波 嘉彦 吉田 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.25, pp.7-12, 2002-04-12
被引用文献数
2

将来、電磁波低減型照明器具の開発を解析シミュレーションにより行えるようにするため、本報告ではそのモデル化技術について述べている。さらに、その技術を使った電磁波低減型照明器具の検討の一例を紹介し、実測にてその妥当性を検証した。最終的には0.05〜0.50MHzの周波数範囲で約3dB以内で高精度な解析モデル化技術が開発された。
著者
中西 洋喜 加藤 治久 渡辺 敏暢 石上 玄也 西牧 洋一 丸木 武志 吉田 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.655, pp.45-51, 2002-02-15

流星は,彗星を起源とする塵が大気圏に突入して発光する現象であり,この塵には生命の起源となった有機物が含まれている可能性が示唆されている.本論文では,しし座流星群をはじめとする様々な流星群を,大気圏外から観測を行い,イメージおよび分光データを取得する小型衛星,LEOLEO(Leonid-Meteor Observer in Low Earth Orbit)-IIを提案する.本衛星には,I.I.CCDカメラ及び分光器が搭載される.これにより地上からでは大気の影響で観測が極めて困難であった,流星の紫外線領域での分光観測が可能となり,これまで得ることができなかった貴重なデータを得ることが期待できる.
著者
楢橋 祥一 岡崎 浩司 福田 敦史 河合 邦浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.7-11, 2006-07-20

移動端末を介して提供されるモバイルサービスは将来,あらゆる機器やモノが電波を介してネットワークに接続され実空間と仮想空間が連携するモバイルユビキタス化に対応することが期待されている.モバイルユビキタス化された世界では,機器やモノを取り巻く環境に応じてさまざまな周波数帯の適用が考えられることから複数の無線システムが混在・共存することが想定される.移動端末において複数の周波数帯に対応できるReconfigurable RF回路を構成することは,将来のモバイルサービス提供における技術的要のひとつである.RF-MEMS (RF Micro-Electro-Mechanical-Systems)デバイスはReconfigurable RF回路を構成するキーデバイスのひとつとして着目されており,RF-MEMSデバイスを応用した各種無線回路が提案されている.本稿では,RF-MEMSスイッチを用いた帯域切替型整合回路(Band-Switchable Matching Network; BS-MN)を用いた4バンド高効率電力増幅器(Power Amplifier; PA),くし歯型線路とスイッチを用いた可変共振器およびフィルタ,ならびにRF-MEMSスイッチの動向について述べる.
著者
八木 教行 森 美怜 濱本 晶子 橘 聡子 中野 政之 芥川 正武 高橋 章 池原 敏孝 木内 陽介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.154, pp.79-82, 2007-07-13

殺菌法には薬剤殺菌,加熱殺菌,UV殺菌,オゾン殺菌等があり、目的に応じて様々な方法が用いられている その中でもUV殺菌は薬剤殺菌とは異なり残留性が無く,耐性菌を作らないという利点がある.現在,UV殺菌では主に殺菌等として,波長260nm付近のUVを放射する殺菌用水銀ランプが用いられているが,水銀ランプに含まれる水銀の毒性による環境や人体への影響が問題となっている.そこで,より電力消費が小さくで環境に配慮した殺菌技術の開発を目標とし,本研究では,現在広く用いられている殺菌用水銀ランプの代替として波長365nm,出力15mW/cm^2のUV-LEDを用いて殺菌が行うことこができるかを検証した.その結果,現段階ではUV-LEDでは殺菌用水銀ランプよりも時間はかかるもの10〜30分程度の時間をかければ殺菌が可能であることがわかった.このことから,UV-LEDは殺菌装置への応用が十分可能であると考えられる.本論文では,殺菌の応用としてタンク水の殺菌を検証する.
著者
平本 毅 高梨 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.7-12, 2012-08-11

本稿では,科学館の新規展示物制作の打ち合わせ場面において,制作チームのメンバーが,将来的に生じることが見込まれる行為を身振りを交えて演じながら他メンバーに説明する際にみられる,聞き手への「振り向き」を分析する.分析の結果,(1)「振り向き」が,将来的に生じることが見込まれる行為がもちうる「問題」のイメージを共有するために形成される,演技を伴う説明の「区切り」の到来を投射する役割をもつこと,(2)「振り向き」が,演技という活動のための身体の志向と,想像を協働で行うための聞き手とのやり取りを行うための身体の志向とを両立させる手続きになっていること,(3)「振り向き」のタイミングが,この手続きのはたらきにとって決定的な役割を果たすことが明らかになる.
著者
枝廣 正人 山下 慶子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.603, pp.19-24, 2007-03-08

マルチコア向けの並列ソートアルゴリズムMap Sortを提案する.今後単体CPUの性能向上が鈍化し、プロセッサがマルチコアによって性能向上する時代では、並列対応されていないソフトウェアは計算機が進歩しても性能は向上しない。従って単体CPUでは従来と同等処理時間で、かつ並列CPUではスケーラブルに性能向上するようなアルゴリズムが必須となるが、我々はそれをスケーラブルアルゴリズムとよんでいる。本論文ではソート問題を取り上げ、新しいスケーラブルアルゴリズムMap Sortを提案する。Map Sortの時間に関する計算複雑度はN個のデータ、P台のCPUで0((N/P) log N)であり、単体CPU上での下界値0(N log N)の(1/P)である。また計算機実験の結果、単体CPU上のクイックソートと比較し、単体CPUでは同等性能、4CPUでは3倍の性能向上であることが示された。
著者
福田 恵美子 舛井 道晴 伊藤 暢彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.383, pp.23-26, 2007-12-06

検索連動型広告とは,検索エンジンに入力された語に関連する広告を配信する広告手法である。広告枠はオークションによって取引され,Yahoo!,Googleなどでは"一般化セカンドプライスオークション"(GSP)が採用されている。GSPは,誘因両立性をもつことで知られるヴィクレイ・クラーク・グローブス(VCG)メカニズムと似た構造を持つ。Edelman and Ostorovsky [1]では,GSPにおいては各入札者の入札と収益が安定しないことを示している。それに対し,VCGでは理論的にはそのような不安定性はない。また,Edelman et al. [2]では新たに局所的エンヴィ・フリー均衡を定義し,入札者の戦略を制限したGSPにおける均衡では,VCGにおける支配戦略均衡による収益以上となることを示した。これらの結果を受け,本稿では経済実験によりGSPとVCGの比較を行った。
著者
米谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.328, pp.29-32, 2003-09-20

神戸大学大学院総合人間科学研究科対人行動研究室では、これまで10年に渡って私の指導の下に表情研究がなされてきた。われわれは表情を顔・頭部における社会的行動とみなし、通常の対人コミュニケーション場面における日本人の一般的な表情表出(Facial Display)を研究している。この報告ではそのために開発された視線や頭部の動きも含めた顔の各部の時系列的変化をとらえるための表情記述法(J-FACT)を説明し、これを用いて進めてきたわれわれの研究をレビューする。
著者
森 達哉 木村 達明 池田 泰弘 上山 憲昭 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.287, pp.5-10, 2010-11-11

本研究は分散コンピューティングシステムにおいてMapReduceによる大規模データ処理を実行した際にシステム全体に生じるワークロードをネットワークの観点から分析した結果を報告する.12台の計算機で構成されるHadoopクラスタを利用し,Masterサーバおよび各々のSlaveサーバで取得したMapReduce Jobのログ,およびSlaveサーバ間の通信をキャプチャしたデータを収集した.はじめにMapReduceジョブを構成する各々のタスクとネットワークに生じ得る負荷の関係をケーススタディによって明らかにする.つぎに,MapReduceに与えるパラメタによって,ノード間のデータ転送に用いられるTCPフローのサイズ,持続時間,レートの分布が変わることを示す.最後にMapReduceジョブによるネットワーク負荷を計測する際に注意すべき点について論じる.
著者
松田 理沙 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.368, pp.111-118, 2007-11-28

Rich Internet Applications, which interact with users dynamically and which content changes dynamically, are emerged with Ajax and JavaScript technologies. These dynamic Web pages, however, may cause accessibility problems. We carried out a case study with two Google applications, iGoogle and Google document, to examine 1) what kind of accessibility problems are came out, and 2) which problems are resolved by a code with good practice and which problems is inevitable.
著者
石橋 智幸 顧 優輝 脇屋 達 真部 雄介 菅原 研次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.7-12, 2009-09-18

情報過多の問題を解決するために様々な推薦システムが研究,開発されてきたが,いずれも推薦対象を限定したものが多い.これは,個人の嗜好に関する情報の獲得の難しさや推薦対象であるWebページの情報が膨大であることに起因する.その一方で,近年,SNSの1つであるソーシャルブックマークの情報を利用する事で,個人の嗜好や有益な情報源を抽出するという新しいアプローチが注目されている.そこで,本研究では推薦対象を限定しない個人化度合が高い推薦を行うために,ソーシャルブックマークからアイテムグループ生成・推定し,ユーザの嗜好推定を行い,類似ユーザを見つけ,そこから嗜好に近いWebページを推薦するシステムを開発する.
著者
宮部 真衣 吉野 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.325, pp.85-90, 2008-11-20

機械翻訳を用いたコミュニヶーションにおいて,翻訳リペアは不適切な翻訳箇所を減少させるための方法として重要な役割を果たす.翻訳リペア作業はユーザへの負担が大きいため,修正の必要な単語の類義語や関連語を提示することによる言い換え作業の支援が必要である.しかし,提示数が多い場合,適切なものを選び出すことは容易ではないと考えられる.本稿では,より適切な言い換え候補の抽出のためにWeb日本語Nグラムを用いたフィルタリングを提案する.また,2-gramおよび3-gramのデータを利用し,前方品詞2-gram,後方品詞2-gram,3-gramの3種類の単語の組み合わせによるフィルタリング実験を行い,以下の知見を得た.(1)Web日本語Nグラムを用いたフィルタリングにより,90%前後の単語について,言い換え候補を7語未満に絞り込むことができており,多数の候補を絞り込むことができる可能性がある.(2)閾値を0とした場合,3-gramによるフィルタリングにおいて抽出失敗率が最も高く(34.4%),後方品詞2-gramが最も低く(15.9%)なった.また,除外失敗率については前方品詞2-gramが最も高く(52.7%),3-gramが最も低く(28.6%)となった.(3)複数品詞により構成される言い換え候補については形態素解析を行い,言い換え候補の構成品詞数に応じて利用するNグラムデータを変更することで,抽出失敗を減少できる可能性がある.
著者
趙 剛 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.311, pp.23-28, 2000-09-14
被引用文献数
2

近年、画像内容検索技術が非常に注目されており、本研究室では、キーワードによる画像検索システムを提案してきた。従来システムの検索アルゴリズムでは、各量子化器の出力値が0か1の二値であり、最終出力に対して同等の影響を持つ。しかし、実際には量子化器の検索への重要性にばらつきがあるため、検索効率に悪影響を及ぼしていた。本稿では、量子化器の出力値の多値化による検索アルゴリズムを導入する。その実現手法として、実数値による重みの概念を導入して、量子化器単位における重み付け法やクラスタ単位における重み付け法を提案・実践し、対ユーザーインターフェースを作成し、実画像を用いた検索実験で提案アルゴリズムの有効性を確認した。