著者
田代 崇 上田 高徳 堀 泰祐 平手 勇宇 山名 早人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.149, pp.23-28, 2006-07-06

近年のWebページ総数の飛躍的な増加に伴い,歌詞や新聞記事の無断引用などの著作権侵害のWebページの数も増大している.そこで本稿では,著作権違反の疑いのあるページを自動検出するシステムを提案する.本システムではまず,検索ワードを,指定された文章を文節単位に区切り組み合わせることにより生成し、GoogleやYahoo!が提供しているWebサービスを用いて著作権違反の候補ページを収集する.次に候補ページを類似度をもとにランキングを行ない,ユーザーに提示する.ランキングに用いた類似度は文節をもとにした最長共通部分列から求める.評価実験を行った結果,歌詞,新聞記事,ブログ等からなるWebページをシードとして,著作権侵害ページを検出することができた.
著者
福永 富之 葛 崎偉 中田 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.404, pp.59-64, 2004-10-28

より安全なネットワーク・コミュニケーションを行なうために、ペトリネットに基づいて多段的暗号化を行う公関鍵暗号MEPKCが提案されている。従来の公開鍵暗号と異なり、MEPKCは鍵生成器を公開し、その鍵生成器より生成される複数の暗号化鍵は、平文を暗号文に段階毎に暗号化することに用いられる。MEPKCでは、ペトリネットを鍵生成器とし、また初等T-invariantを暗号化鍵としている。本論文では、MEPKCの暗号化鍵を生成する方法を開発するために、線形計画法を適用して全ての初等T-invariantを計算する方法について議論する。
著者
手塚 奨 中里 秀則 太田 現一郎 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.399-403, 2009-02-24

大型地震に代表される,大規模災害が発生した時には平常時の数十倍のトラヒックが発生する.この場合の通信の確保が重要な命題となっている.その対策として,アドホックネットワークやAP(Access Point)間無線通信が注目され,様々な検討がなされている.本報告では,アドホックネットワークの通信安定エリアまでマルチホップさせ,バックボーンを確保するという概念をベースとして,被災地において被害を免れた既存網を補間要素として利用する通信制御方式を提案する.本方式では,構築するマルチホップネットワークにデータ伝送,既存網に位置管理を担わせ,通信を実現させる.また,ユーザ端末には第4世代携帯電話を想定している.
著者
サルワシュ マーテー 古井 貞煕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.527, pp.141-146, 2002-12-12

本論文では、形態素単位による音声認識における音韻論と形態構文論のモデル化への新しいアプローチについて述べる。提案法は、我々が構築しているハンガリー語の大語彙連続音声認識(LVCSR)システムによって評価されている。タスクは、主要日刊新聞を流暢に読み上げた文音声の認識である。接辞や複合語のために膨大な数になる単語形を十分にカバーするために、形態素に基づく語彙単位をシステムに用いている。基本的な発音モデルと形態素Nグラムに対して、新しい音韻論モデルと新しい統計的形態構文言語モデル(SMLM)を評価した。柔軟性の高いトランスジューサに基づくシステム構成のおかげで、これらの新しい要素は、デコーダ自体を変更することなく、基本的なモジュールと親和性よく統合されている。ベースラインシステムに比較して、提案した音韻論モデルにより誤り率が8.32ルにより誤り率が17.9%低下した。1350形態素のハンガリー語ディクテーションタスクで、最良の構成で14.75%の形態素誤り率が得られている。
著者
小林 英俊 高見 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.167, pp.1-4, 2006-07-12
被引用文献数
1

階層化Mobile IPv6(HMIPv6)においてはHome Agent(HA)ルートと直接相手端末と通信できるルートが存在し、移動端末(MN)の位置情報の漏洩、ハンドオーバの頻度等を考慮すると必ずしも直接通信経路が適しているとは考えられず、通信の状況に応じた選択指針が必要となる。本稿では、経路ごとのパケット遅延計測により経路を選択するためのHMIPv6の構造に適した通信経路選択法を提案する。パケット遅延計測は2つの経路属性に依存しない汎用的なpingを用いた往復遅延時間(RTT:Round Trip Time)による計測方式とした。また、MAPリンク内滞在時とMAPリンク外移動時を考慮したパケット遅延推定アルゴリズムを提案し、計測部分の簡易な実験での検証とHAに対するパケット遅延計測負荷に関する机上評価を行い、有効性を示した。
著者
高橋 裕樹 イスマイル オマール 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.62, pp.31-36, 2003-05-14

Cookieのみでセッション管理を行っているウェブサイトでは,Cross-Site Scripting(XSS)脆弱性を利用した攻撃によってCookieが漏洩し,Cookieに関連づけられた個人情報が漏洩の危険にさらされる.この間題に対し,Webサーバ側でのXSS対策手法が存在するが,XSS脆弱性の危険性は軽視されており,また運用面での負担が大きいことから,これらの既存の対策手法には限界がある.本論文では,クライアントがWebページに入力した情報を利用してXSS脆弱性の有無を自動判定し,XSS脆弱性を持つWebページの情報を収集,共有するシステムを提案する.提案システムにより,XSS脆弱性を狙った攻撃からユーザを保護することが可能となる.また,収集した脆弱性情報によって,XSS脆弱性を保持するサーバに対して警告を発することも可能となる.
著者
郭 怡 内山 尚志 長谷川 明弘 史 学敏 中川 弥栄子 田中 政春 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.330, pp.23-29, 2000-09-22
被引用文献数
1

痴呆脳に脳容積の萎縮、神経細胞の脱落、脳血流量の低下などの変化が観察されている。そこで、我々はこれらの病理変化から考え、電気刺激が神経活動を誘発できる事実に基づき、末梢神経に電気刺激を加えることによって、低下した神経活動を活性化させ、痴呆症状の改善さらに痴呆のリハビリを目指している。痴呆患者20人を被験者にし、脳神経により近い眉間(睛明穴)に微弱な電流を1回つき30分間、週3回、一ヵ月間行った。その結果、刺激群はコントロール群に比べ、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)及び短期記憶検査の得点が有意に上昇した。したがって、末梢神経への電気刺激が導入神経を通して記憶などの高次脳機能関する中枢神経に伝達され、その活動を賦活したと推測される。
著者
賀沢 秀人 Arrigan Thomas 平尾 努 前田 英作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.407, pp.25-30, 2003-10-30

近年, 自動要約研究め分野では, 共通のデータセットを用いて互いの技術を比較的に評価する動きが盛んである. しかし, 現状では主に人間の主観評価にもとづいて比較をおこなっているため, 追加実験をおこなっても以前の結果と比較することが困難であるという問題点がある. そこで, 本研究では, 人間による要約とプーリングデータを用いて要約の自動評価を行う方法を提案し, 疑似データによる精度評価を行った結果について報告する. 実験の結果, 提案手法は, 従来用いられてきた正解要約との重複度にもとづく方法より, 高精度な評価ができることがわかった. また, 精度向上にはプーリングデータが重要な役割を果たすこともわかった.
著者
藤井 博文 神原 誠之 岩佐 英彦 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.488, pp.31-36, 1999-12-03
被引用文献数
7

現実環境に仮想物体を合成することで現実環境に情報を付加する拡張現実感において,現実環境と仮想環境の位置合わせは重要な問題である.本稿では,位置合わせのためのビジョンセンサ(ステレオカメラ)とジャイロセンサを組み合わせたマーカ追跡法を提案する.提案手法は,ステレオカメラから得られるマーカの三次元位置情報とジャイロセンサから得られるカメラの姿勢情報を利用し,カメラの平行移動を考慮したマーカの移動位置予測を行なうことによってロバストなマーカ追跡を実現する.また本稿では,提案手法とビジョンセンサのみを用いたマーカ追跡手法とを比較した実験について述べ,提案手法の有効性を示す.
著者
田島 敬史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.202, pp.105-110, 1999-07-22

半構造データに対する検索を記述する場合, データの構造が不規則である点と, あらかじめ与えられたスキーマがない点が問題となる。これまでに提案されている半構造データのための検索言語では, これらの問題をワイルドカードを導入することで解決している。しかし, 全体のデータ構造がわからない状態で検索を記述する場合, ワイルドカードが思わぬデータにマッチし, 検索結果に不必要なデータまで含まれてしまうことがある。そこで本論文では, どのようなデータがより解として適当と思われるかの優先度を記述できる構文として、case構文、smallest matchingの構文、minimal matchingの構文の三つを持つ検索言語を提案する。これらの構文を用いることにより, 全体のデータ構造を知らない場合でも, 必要なデータとだけマッチする検索文をより容易に記述できる。
著者
シン ソル 橋本 弘太郎 谷川 智洋 岩井 俊雄 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.80, pp.71-75, 2007-05-28

The purpose of the system is to allow users to analyze features of their movement behavior using data obtained from the Suica card. People use the Suica card routinely in their daily lives, and often do not realize that it maintains information regarding their travel behavior. Thus our system allows users to visualize information about their own behavior, often allowing them to discover patterns which they may not have realized were present. The system visualized the movement behavior using an intuitive tree-based display. Also, the effect of the system is to encourage people to collect their lifelog actively. And, the system will be installed in a public place, allowing people to share and compare their movement patterns.
著者
前川 泰之 白石 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.40, pp.17-22, 2000-05-05

大阪電気通信大学(寝屋川市)構内の衛星通信実験局で過去14年間連続測定を行ったCS-2、CS-3、およびN-STARビーコン波(19.45GHz、右旋偏波、仰角49.5°)を用いて、各種前線通過時の降雨減衰の累積時間と継続時間特性を調べた結果、4dB以下のしきい値では温暖・寒冷・閉塞前線、5dB以上のしきい値では停滞前線や夕立・台風による降雨時に発生する減衰がより大きな累積時間率を占めることが分かった。また、継続時間率分布は3〜10dB程度のしきい値に対し、寒冷前線、停滞前線、夕立・台風の順に大きくなり、しきい値が低い場合には温暖前線がしめる時間率が大きくなり、高くなると停滞前線南側の影響が大きくなることが示された。
著者
田辺 亮 山崎 隆浩 芦澤 芳夫 岡 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.322, pp.21-26, 2004-09-21

sub-100nm領域の極微細MOSFETにおいては,従来のDrift-Diffusion輸送モデルで完全に記述するのは難しく,モンテカルロ法による解析が注目されている.最近ではFinFET,TriGate FETなどNon-Planarデバイスが非常に注目されており,これらは従来の2次元シミュレーションでの解析は難しい.そこで,我々は富士通製モンテカルロ・シミュレータFALCONを3次元に拡張し,マルチゲートデバイスの検討を行った.第一原理擬ポテンシャルバンド計算プログラムと結合することにより,歪みSiの計算を行い,さらに,Bohmポテンシャルを用いる量子補正により量子効果の計算も同時に可能にした.
著者
源河 直也 横山 節雄 中村 直人 山田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.55, pp.21-26, 1995-05-20
被引用文献数
2

前回,東京学芸大学における教育環境とそれら資源を活用するための情報教育の必要性について述べた.それに基づき,筆者等は,WWWとそのブラウザーであるMosaicを用いた教材を開発したことについても述べた.本報告では,前回報告を行わなかった東京学芸大学教育情報科専攻のカリキュラム構成について述べ,次に,カリキュラムの導入段階の考え方について述べる.最後に,電子教科書を用いた情報科学概論と演習の構成を紹介する.
著者
宮本 貴朗 田村 武志 廣石 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.291, pp.1-5, 1997-09-26
被引用文献数
8

我々は、教育CALSの基本概念に基づき、良質な電子教科書が容易に作成できる開発支援システム (モデル) を作成した。はじめに、「良い教科書」といわれる教科書の構造・特徴を分析し、その構造・特徴をDTDにより定義した。これが電子教科書作成支援モデルである。教育対象知識をこのテンプレートに書き込むことにより容易に電子教科書を作成することができる。
著者
矢部 博明 西村 拓 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.23-30, 1999-07-15

動画系列とその意味する単語の記号列に基づくジェスチャ認識手法を提案する。まず、Incremental Path Methodと呼ぶ方式で、ジェスチャー動画像データからそのnetworkモデルの自動作成を行い、ネットワークのトポロジ解析によりジェスチャの部分共通性、特異性を抽出することで、ジェスチャ動画像の自動文節をする。ジェスチャ動画像系列に現れるジェスチャの順序と、その意味する単語記号の記号系列の順番が一致しているとき、テキストデータについても、同様に自動的に文節化する。それぞれのネットワークの間で部分的対応を取ることで、ジェスチャ動画像について自動的に意味付けを行う認識方法を提案する。さらに、本方式の有効性を検証するために、テキスト付き手話データを対象とした認識実験を行い、本手法の有効性を検証する。
著者
宮崎 修次 小林 幹 江島 啓 出尾 美佳 高口 太朗 森野 佳生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.560, pp.37-42, 2008-03-20

Watts-Strogatzモデルの遷移行列の固有値統計を調べ,規則グラフとランダムグラフの領域でそれぞれ異なる特性が現れ,第一第二固有値間隔がリンク組換率の冪関数となり,スモールワールド性が規則グラフとランダムグラフを繋ぐある種の臨界状態であることを示す.また,mixiネットワークのある利用者から距離2で切断した部分ネットワーク上の酔歩による大偏差統計解析を行う.ノード毎に定義された特性量の分布の違いが動的構造関数に反映されることを示し,観測されたq相転移を遷移行列の対角ブロック構造を用いて説明する.最後に,異なる時刻の状態変数を独立した状態変数とみなすことで,森の射影演算子法に現れる記憶項を無視する時間相関関数計算法を説明する.この手法をフラクタル拡散係数が現れるカオス拡散モデルに適用し,厳密な結果とよく一致することを示す.
著者
戸田 誠之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.708, pp.15-24, 2002-03-05
被引用文献数
1

本稿では,グラフ同型性判定問題の計算量に関する研究動向を概説する.まず,この判定問題がNP困難ではないと予想させる二つの基本的な根拠を説明し,次に,グラフの様々なクラスに関する同型性判定問題の計算量について解説する.なお,本稿は文献[戸田,グラフ同型性判定問題の計算量,電子情報通信学科論文誌D-I,2002年2月掲載予定]から抜粋したものである.より詳しい内容については,この文献かまたは文献[戸田,グラフ同型性判定問題,日本大学文理学部叢書,冨山房,2001年11月]を参照されたい.
著者
ウッディンM. メスバ 山下 源 曹 ユン 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.473, pp.101-106, 2000-11-23

本論文では, 動作記述中の各変数に有効ビット幅のアクセス頻度を用いて, システムのパフォーマンスとコストが最適となるデータパス幅を設計の早い段階で見積もる手法を提案する.この手法を用いることで, シミュレーションとデータパス幅の変更を繰り返すことなく, システムデータパス幅を決定することができる.実験では, MPEG2ビデオデコーダのコストとパフォーマンスを考慮してシステムのデータパス幅を決定し, プロセッサシステムのデータパス幅を最適化した.
著者
倉谷 和彦 増山 博之 笠原 正治 高橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.87-92, 2008-09-04

近年,インターネットを利用した実時間通信サービスとして,Peer-to-Peer (P2P)技術に基づいたユーザ管理機構をもつSkypeが注目を集めている.Skypeではユーザノードから選ばれたスーパーノードによってユーザ情報の管理,呼設定,Network Address Translation (NAT)越えの中継がなされており,スーパーノードはユーザノード数に応じてその数を動的に増減させることで負荷の分散を図っている.本稿ではこの機構に着目し,スーパーノード利用型P2P実時間通信網の負荷分散性能を解析的に検証する.具体的には,一般ユーザの参加を非斉時ポアソン過程で表現したM(t)/M/∞待ち行列モデルでユーザノード数の状態確率を計算する.数値例より,ピアノード数が大規模に変動する環境下においても,スーパーノードに対する負荷を高めることなく実時間サービスを提供できることが明らかにされた.