- 著者
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宮嶋 雅一
木村 孝興
近藤 聡英
下地 一彰
新井 一
- 出版者
- 一般社団法人日本脳神経外科コングレス
- 雑誌
- 脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.4, pp.276-282, 2013 (Released:2013-04-25)
- 参考文献数
- 34
未熟児の水頭症の主な病因は脳室内出血であり, 出血の程度と水頭症の発症には相関がある. 髄鞘化に乏しい未熟な脳は圧迫を受けると容易に変形するため, 未熟児では頭囲が拡大する前に著明な脳室拡大を生じる. 周術期管理は, 利尿剤やステロイド剤の投与などの内科的治療と腰椎穿刺の反復, 髄液リザーバー留置による間欠的髄液穿刺排液, 脳室帽状腱膜下シャント, PIカテーテルによる持続脳室ドレナージなどの外科的治療がある. その後進行性に脳室拡大を認める場合は, 患児の体重が2,000gを超えた時点で, VPシャントを行う. シャント術は機能不全や髄液過剰排出などの合併症が問題となるが, 特に未熟児脳室内出血後水頭症では, 治療に難渋する多嚢胞性水頭症や孤立性第4脳室をきたしやすい. 将来の精神運動発達障害の要因は, 水頭症よりも出血の重症度と分娩前後の問題によると考えられている. 未熟児水頭症では, その周術期管理が患児の予後を左右する重要な要因になる.