著者
法橋 尚宏 太田 浩子 林 綺婷 和辻 雄仁
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220519160, (Released:2022-07-12)
参考文献数
32

エスノグラフィックリサーチは,“エスノグラフィックインタビューと参加観察を主とするフィールドワーク(現地調査)によって,イーミックとエティックな視点から対象の生活世界で起きている現象や文化を記述する方法論”である。これは方法のトライアンギュレーションであり,フォーマルインタビュー,インフォーマルインタビュー,参加観察,質問紙調査,既存の書籍・文献・ウェブサイト資料の収集,写真撮影,映像撮影などを行う。データ収集と分析を繰り返しながら,問いや仮説を精緻化する。信用可能性,確認可能性,脈絡に応じた意味,反復的パターン形成,飽和,転用可能性などを質的評価基準として,信憑性を保証する。すべてのデータは定性化してフィールドノーツに記述し,コーディングを行い,コードの類似性と相違性の観点からカテゴリー化した後,テーマにそってストーリー化して報告書にまとめる。
著者
林 陽子 森本 美智子 神原 千比呂 中村 珠恵 谷村 千華
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.2_49-2_56, 2011-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
36

本研究の目的は,自覚症状ならびにストレス認知と心理的状態の関係を明らかにすることであった。対象は満20歳以上の入院患者81名であった。自覚症状の測定にはIPQの12項目にCMIを参考にした13項目を組み合わせて用い,ストレス認知の測定には病気関連不安認知尺度,心理的状態の測定にはHADSを用いた。まず自覚症状の因子妥当性と信頼性を確認し,自覚症状,ストレス認知,心理的状態の相関関係を確認した。次に従属変数を心理的状態とし,自覚症状が直接的またはストレス認知を介して影響するとする因果モデルを設定し,関連性を検討した。結果,自覚症状はストレス認知および心理的状態に影響を与えており,ストレス認知は心理的状態により強い影響を与えることが明らかになった。これは,看護師が入院患者の心理的な健康状態を維持するうえで,自覚症状のマネジメントのみならず,ストレス認知についても把握し,介入することの重要性を示唆している。
著者
石飛 マリコ 越田 美穂子 尾形 由起子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.5_13-5_24, 2013-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
26

本研究は,高齢な親と同居している男性統合失調症患者が「自立」に向かうプロセスを明らかにすることを目的とした。男性統合失調症患者7名に半構成的面接を行い,M-GTAを用いた分析の結果,【頼みの綱は親の支え】【親のかかわり変化の気づき】【ケアされる側からケアする側への行きつ戻りつの逆転】【親への依存と自立の混在からの葛藤】【つきまとう病の存在】【気負わない親子関係】【社会のなかの居場所の獲得】【親が他界することへの前準備】の8つのカテゴリーが生成された。【親のかかわり変化の気づき】【ケアされる側からケアする側への行きつ戻りつの逆転】【社会のなかの居場所の獲得】が「自立」に影響していた。 男性統合失調症患者と親との立場の逆転が生じていることを肯定的に受け止め,自信や意欲の向上につなげること,社会から孤立しコミュニケーションが乏しく,ストレス対処方略が少ない男性統合失調症患者の特徴を踏まえた支援が必要である。
著者
則包 和也 白石 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1_75-1_82, 2008-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
46

本研究の目的は,統合失調症患者と健常者の表情認知における視線運動の違いを明らかにすることである。統合失調症患者4名と健常者6名を対象として,提示した表情写真が表す感情を読み取る際の視線の動きを,視線運動解析装置で記録した。その結果,統合失調症患者は健常者と比較して,視線の平均停留時間が有意に短く,平均移動速度が有意に速いことが明らかになった。また,統合失調症患者は,注視点の数が有意に少ないことが明らかになった。これらの結果から,統合失調症患者は対人関係において,相手の顔に視線を向けないことから,表情をよく見ていないことが考えられた。また,統合失調症患者は顔の一部分だけを見る傾向が強く,表情を漠然とみており,視覚情報の不足が推測されること,および顔のパーツを選択的に捉える能動的な視線の動きが少ないことが明らかになり,表情認知機能の障害との関連が示唆された。
著者
新田 真由美 板山 稔 天谷 真奈美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.5_31-5_40, 2011-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
26

精神疾患をもつ患者の喫煙率は健常者より多いにもかかわらず,積極的な禁煙指導は少ない現状がある。本研究は,統合失調症をもつ患者の禁煙認識や禁煙阻害因子に着目し,よりよい禁煙支援方法を考察するための研究である。研究期間は平成20年5月7日から平成20年5月31日。研究対象者は病院の外来およびデイケアに通院する喫煙中の統合失調症患者16名であった。半構造化面接を行い,分析にはKJ法の手法を用いた。結果,統合失調症患者の禁煙認識と禁煙阻害因子を説明する10のグループが導き出された。統合失調症患者の禁煙認識は,「喫煙者として社会のなかで窮屈さを感じている」などであった。また,禁煙阻害因子は,「日常生活を送るなかで,タバコが日々の営みの支えや,潤い,楽しみ,さらには達成感を与える役割を果たしている」などであった。禁煙を支援する際には,QOLを高める介入や社会からのはたらきかけ,禁煙の目的の設定などが重要であると考えられた。
著者
小川 賀惠 森 千鶴
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.5_709-5_719, 2022-01-20 (Released:2022-01-20)
参考文献数
55

目的:統合失調症者は未来への不安が強く,生きる意味を感じづらい傾向があり,それらは退院を阻害している。希望をもつことや情緒的なサポートを実感することが人生の意味を高め,回復につながると考えた。本研究では,人生の意味,時間的展望,情緒的サポートの関連を明らかにすることを目的とした。方法:入院中の統合失調症者48名から人生の意味を測定するPILテスト,時間的展望体験尺度,情緒的支援ネットワーク尺度の回答を得た。データの相関関係を算出し,さらに共分散構造分析を用いてパスモデルを作成した。結果:時間的展望は人生の意味に影響していることが認められた。また,妄想上の人物による情緒的サポートが目標をもつ支えとなっていた。結論:妄想を問題視するのではなく,妄想を持ちながらも現実に根ざした現在と未来を描けるよう障害を受容し,障害とつきあっていく実感や自信をもてる援助の必要性が示唆された。
著者
新田 真弓 安部 陽子 佐々木 美喜 千葉 邦子 髙田 由紀子 辻田 幸子 古谷 麻実子 鶴田 惠子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.5_763-5_776, 2022-01-20 (Released:2022-01-20)
参考文献数
36

目的:病院に勤務する女性看護職の妊娠継続を困難に感じた体験を明らかにする。方法: 平成27年〜29年度日本学術振興科学研究費補助金(基盤研究(C)15K11569)「病院看護職の個人および職場の特性と妊娠・出産に関する階層モデル」第1段階の面接調査で収集したデータの2次分析を行なった。結果:7名の語りから,【妊娠前と同じように働くことを自分に課してしまう】【業務の中で母児ともに危険にさらされる】【切迫早産の不安を抱えながら,子宮収縮抑制剤内服の副作用に耐えて働く】【妊娠による体調変化を相談しても,これまで通りの働き方が求められる】【上司の言動で,働き続けることがつらくなる】のテーマが抽出された。結論:看護職者は周囲に迷惑を考慮し妊娠前と同様に業務を遂行しようとしていた。一方で診療報酬による制限や人材不足により妊婦の負担軽減が難しい状況があることも示唆された。
著者
國方 弘子 中嶋 和夫
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1_67-1_71, 2006-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
27

本研究は,統合失調症患者の社会生活技能と自尊感情の因果関係を明らかにするために,地域で生活する患者61名の縦断データを用いて,社会生活技能と自尊感情の因果関係モデルを作成し,モデルのデータへの適合を検討した。結果,統合失調症患者の高い社会生活技能は自尊感情の高さを規定するが,高い自尊感情をもっていることが統合失調症患者の社会生活技能を良好にするわけではないということが示された。本研究の成果は,統合失調症患者がより良い自尊感情を得るには,社会生活技能を高めたり維持することが有効な方法の一つであるというエビデンス(evidence)を得たことであるが,今後,統合失調症患者の自尊感情が変容するプロセスについて質的な研究が必要である。
著者
白石 裕子 舟越 和代 中添 和代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.5_47-5_58, 2002

3歳児を持つ母親51名を対象に虐待傾向の項目を含んだ育児意識調査と,P-Fスタディを用いて欲求不満場面の言語的特徴から母親の虐待傾向とその関連要因を検討した。 虐待傾向と母親役割否定意識には正の相関が,サポート意識とは負の相関があった。 虐待傾向高群・低群間では,P-Fスタディに見る言語的特徴に有意な差異はなかった。 しかし,母親役割否定意識が高い母親に,欲求不満の原因を他人や環境のせいにし,素朴な攻撃性を示す傾向があった。 母親役割否定意識が低い母親は欲求不満解消のために自己反省から問題の解決に向かう傾向があった。 また,サポート意識が高い母親は,不満場面においてストレスを解消するために素直な言動を示し,自我を強調する傾向があることが示唆された。 本研究では,質問紙と投影法を併用する事により,質問紙調査のみでは測定できなかった無意識の不満や自己欺瞞などの傾向が見出された。
著者
青栁 寿弥 竹内 登美子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.2_151-2_161, 2017-06-20 (Released:2017-08-30)
参考文献数
20

病院で働く看護師が抱く認知症患者の対応困難な現状を踏まえ,本研究は,一般病院で働く看護師を対象として,教育内容の質が確保された「認知症高齢者のコミュニケーション法」のe-learning教材を開発することを目的とした。開発した教材は,動画やアニメーションを取り入れて臨場感を高めたこと,および実践に活かせるよう事例展開を組み込み,よくある誤り事例から考えさせる内容で構成し,教材と受講者とのインタラクティブ性を確保した点に特徴がある。看護師15名を対象として,開発した教材による学習効果を検討した結果,教材学習前より学習後の目標達成度伸び率が有意に上昇した(p< .05)。また,教材学習後の自由記述を質的帰納的分析した結果,「患者の隠れた思いに気づく」や「患者とのかかわりで得られた成功体験」等のカテゴリーが得られた。以上より,本研究における e-learning教材の質が保証された。
著者
谷田 恵子 楊箸 隆哉 本田 智子 柴田 真志
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_191-1_198, 2011-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
28

本研究では,睡眠時の心拍変動(HRV)データを1分と5分間区分でMemCalc法により周波数解析してHRV指標を求め,PSGで判定した各睡眠段階におけるHRV指標についてそれぞれ比較検討した。20~44歳の女性8名から得られた16夜分のPSGおよびHRVデータを解析した。HRV解析は,超低周波数高領域(0.016~0.04Hz:VLF-hi),低周波数(0.04~0.15Hz:LF),高周波数(0.15~0.4Hz:HF)の各帯域のパワースペクトル値を算出した。LF/HF,HF/(LF+HF),HF/(VLF-hi+LF+HF),VLF-hiの4つの指標において,1分と5分間区分解析共に,REM睡眠,浅睡眠,深睡眠の各睡眠段階間に有意な差が認められた。これまでHRV周波数解析指標の算出は5分間区分が主であったが,睡眠段階の推定にはPSGの1エポック20~30秒により近似する1分間区分解析結果を用いる方が有用である可能性が示唆された。
著者
小島 德子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.4_775-4_786, 2019-09-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
30

目的:産褥早期に直接授乳をしている褥婦への足湯を継続して行い,乳汁分泌に及ぼす足湯の介入効果を検討することである。方法:母乳育児を希望する経腟分娩後の褥婦を対象に,血圧,脈拍数,乳房皮膚温,直接授乳量,搾母乳量,乳汁分泌量,硬結の有無,乳房の熱感・乳房緊満感の有無について,ランダム化比較試験を行った。結果:乳房皮膚温は足湯群が産褥2日目から,コントロール群が産褥4日目から経日的に上昇した。搾母乳量(補正値)は,産褥2日目・5日目において足湯群に有意差が認められ,乳汁分泌量は産褥5日間すべて足湯群が多かった。硬結の消失時期および乳房の熱感や乳房緊満感の出現時期は,足湯群がコントロール群よりも早かった。結論:足湯は血流を促進させて皮膚温を上昇させ,かつ代謝の亢進を促し,乳房皮膚温の上昇,乳汁産生量の増加,乳汁貯留の軽減,乳汁の分泌開始時期を早める効果をもつことが明らかになった。
著者
加藤 晶子 森 將晏
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_131-4_136, 2010-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
10

看護師が静脈穿刺を目的に駆血帯を装着する方法について、主に駆血圧について検討を行った。6医療施設の看護師74名に採血を想定して各人の駆血帯を同一対象者の上腕に装着してもらった。駆血帯装着部位は静脈穿刺想定部位から平均9.1㎝中枢側で、ほぼ教科書通りであった。しかしながら、駆血圧は60㎜Hgから271㎜Hgまで広い範囲に分散しており、平均は145±56.1㎜Hgと高かった。ほぼ適切と考えられる100㎜Hg以下は20名(27%)と少なく、200㎜Hg以上の高圧で装着する看護師が16名(22%)もいた。駆血圧は1週間あたりの静脈穿刺回数や経験年数にもあまり関係が見られなかった。また巻く強さについての気持ち(少しゆるめに巻いたなど)と駆血圧間には関係がなかった。これらのことは、看護経験の長さや、静脈穿刺の頻度などが適切な駆血圧で駆血帯を装着することには役に立っていないことを示している。この原因としては、駆血帯の構造上意図した強さで装着することが難しいことなどが考えられた。
著者
小林 宏光 津幡 美江 大泉 直子 表 絵美 林 悠佳 森下 道子 中田 弘子 川島 和代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_131-1_136, 2009-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
15

橈骨動脈の触診によって得られた脈拍数の正確さについて検討した。脈拍数の測定時間は10, 15, 30 および 60秒間であった。被験者は看護学専攻の学部学生25名と臨床経験3年以上の看護師22名,計47名であった。各測定時間における脈拍数は重複する60秒間に測定された心電図より得た心拍数と比較され,その差を測定誤差とした。学生群では,どの測定時間でも実際よりも少なめに脈を数える傾向がみられた。看護師群ではこのような誤差の偏りはみられなかった。各測定時間での測定誤差の平均は,学生群で4.26(10秒), 2.46(15秒), 1.36(30秒), 1.42(60秒)であった。看護師群では2.86(10秒),2.44(15秒),0.97(30秒),0.82(60秒)であった。全体的に看護師群の方が学生群よりも誤差が小さい傾向がみられたが,両群の差は統計的有意とはならなかった。どちらの群でも30秒測定と60秒測定の間には有意差はなく,この結果から30秒測定の有効性が示唆された。
著者
加藤 美智子 宮本 優喜子 松岡 淳夫
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.4_64-4_71, 1986-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
18

The purpose of this study is to find the opportune time of and the tolerable number times for effective hand washing of usual disinfection on 0.02% Hibitane (Chlorhexidine) solution setting in a basin. We examed the effectiveness for removing the bacterium after hand washing with rubbing or simple soaking for estimate time (5, 10, 20, 30, 40, and 60 sec.) in 0.02% Hibitane solution, on fingertips where spreaded those suspension. And we tested the potential activity of disinfection to Staph. aureus and E. coli on the samples which were picked up at every 10 members of 100 student-nurses washed their hand in a basin setting 0.02% Hibitane solution. The results and conclusion are as follows; 1) Even after 100 members handwashing in the same basin, Hibitane solution was sufficiently effective disinfecting to Staph. aureus. 2) Whereas E. coli were not, were still found 60 members hand washing. 3) White turbidity of solution in a basin were found after 40 members used and dirty turbid were gradually found until 80 members finished. 4) Contaminated bacteria on fingertips were remained under simple soaking for 60 sec. and under washing with rubbing hand for shorter than 40 sex. in solution. 5) These suggested that the sign of exchange, using for 0.02% Hibitane solution in a basin, is the which appear by about 40 members used.
著者
余傳 節子 國方 弘子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20191010072, (Released:2020-04-02)
参考文献数
37

本研究は,地域で生活する精神障害者が他者や集団との関わりで「自己有用感」を回復するプロセスについて明らかにした。地域で生活する精神障害者10名に半構成的面接を行い,M-GTAを用いて分析した。その結果,1つの【コアカテゴリー】と6つの《カテゴリー》が生成された。地域で生活する精神障害者は,《他者から気にかけられる喜び》《他者とつながる安心感》を持つことで自己の存在を確認し,《他者からの受容感》を得て,自己も受容していた。この体験を行き来しながら《他者と支え合う自負》を感じ,自己の存在への自信を感じ始めていた。さらに,《他者や集団の役に立つ満足感》を得ることで自己の存在意義を確認し,社会に目を向け《社会的価値を模索する責任感》を持ちながら生活していた。以上の「自己有用感」回復のプロセスは,精神障害者が僅かなことから自己の存在意義や存在価値を見出す自分なりの【生きる意味の集積】であった。
著者
三上 佳澄 對馬 明美 西沢 義子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_93-1_101, 2010-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
27

本研究は,看護者が患者の姿勢からどのような感情を認知しているのかを養護教諭と比較し,明らかにすることを目的とした。対象者は看護者195名,養護教諭40名である。基本,不安,落胆,緊張,興味,怒り,喜びの7つの感情を表している姿勢を刺激図版として用いた。対象者には刺激図版を提示し,その患者がどのような感情状態であるかを気分調査票を用いて評価した。不安や落胆の感情を表現していると考えられる姿勢は,抑うつ感や不安感の得点が看護者,養護教諭ともに高く,これらの感情を適切に認知していると考えられる。看護者は経験年数によって認知する感情に違いがあり,経験年数が少ないほど得点が低い傾向にあった。看護者,養護教諭ともに1つの姿勢でも複数の感情認知得点が高く,特定の感情だけを認知していないことが示唆された。姿勢から認知する感情は看護者と養護教諭,経験年数により差異があることが考えられる。