著者
塚原 佳子 松岡 淳夫
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1_91-1_95, 1986-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
23

The purpose of this study is to verify the interceptal effect for microorganism within the expilium by the usual mask made pile gauze. Our experimental verification is as follows. (1) The experimentation for permentation of microorganism on piled thick gauze under the dry and wet situation. (2) The experimentation for passability of microorganism through piled gauze with the artificial quiet expiratory air flow under dry and wet situation which was sent out by our designed respiratory model. For the indicating microorganism was used Bc. Cerratia. On these result, the interceptibility of microorganism by piled gauze mask decreased along its humidity increased and microorganism passed to the outside gauze-face by quiet expirium in 1 hour.
著者
吉井 美穂 八塚 美樹 安田 智美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_125-1_129, 2009-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
7

近年,入院患者におけるペットボトル飲料の利用は増加しており,直接口を付けて飲むいわゆる口飲みが多く行われている。そのため,細菌が混入する確率は高く,免疫力が低下している患者にとっては問題であると考えられる。今回,入院患者のペットボトル保有状況と保存方法の実態を把握し,それに基づいた細菌学的調査を行うことを目的に研究を行なった。結果,飲用頻度は多いものから茶,スポーツ飲料,ミネラルウォーターの順であり,保存方法としては常温保存と冷所保存ともにほぼ同数であった。また,実際に被験者によって口飲みされた飲料水を用いて検証したところ,スポーツ飲料水からは室温,冷所ともにほとんど菌の増殖は認められなかった。茶飲料水では室温保存において時間の経過とともに細菌の増殖が認められ,24時間以降,細菌増殖が著しく測定不能となった。一方,冷所保存では24時間まで平均46CFU/mlと一定菌数を維持していたもののそれ以降抑制されていった。また,ミネラルウォーターにおいても室温保存において経時的な細菌増殖が認められ,冷所保存でも10時間までは細菌増殖が認められたが,それ以降菌数の減少を認めた。 今回の結果より,スポーツ飲料水からは,保存方法の違いに関係なく細菌増殖が抑制されていることが明らかとなった。しかし,茶およびミネラルウォーターの一度口をつけたペットボトル飲料水からは菌が検出され,保存方法によっては飲料水基準を満たさず,衛生学的に問題であることが示唆された。
著者
嶌田 理佳 上野 範子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_87-2_99, 2002-06-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
107

アメリカやイギリスでは1990年頃までにほとんどの施設でナースキャップが廃止された。 私服導入を含めたユニフォームの変遷と共に必然的に廃止に至ったと考えられるが,この背景にはナースキャップの表現する看護婦像が専門職のものとしてふさわしいかどうかを議論したフェミニズムの視点もあったと考える。 歴史的に欧米でも女性は主体的に生きることは許されず,一生を男性に捧げるものとされてきたが,看護が伝統的に女性の職業であったために,1960年代まで看護婦は医師や病院経営者ら男性による支配をうけてきた。 その後,女性のみに着用が求められるナースキャップは,差別的であるとの指摘や伝統的女性観を想起させ,新時代の看護婦のイメージとして不適切との主張がナースキャップ廃止に影響を与えたのではないかとみられる。 この論文では英米の文献を参考に看護史と女性史に基づき,ナースキャップの表現する女性性と看護婦像について考察した。
著者
古賀 佳代子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.4_83-4_93, 2011-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
24

水俣病補償制度の申請に至るまでの心理的プロセスを明らかにすることを目的に,水俣病補償制度に認定申請した経験がある者に聴き取り調査を行った。その結果,水俣病補償制度の申請に至るまでの心理的プロセスは,【怒りや不安などの葛藤】【自己実現の模索】【新しい人生に向けての決心】の3つのカテゴリーと8つのサブカテゴリーに分類された。 「申請する」は,ただ単なる補償してほしいという思いだけではなく,そこには,自分のいままでのつらい過去を認め,新しい未来に向けての決意という2つの意味が込められていた。また,「申請する」という行動変容に最も大きく影響していたのは,他者の支援(声かけ)と社会の動き(補償制度)であった。まだ何らかの補償を受けていない方に対して,表面上のみならず内に秘めた思いも汲み取り,その人の方向性を見出すことが保健師には求められる,と示唆を得ることができた。
著者
黒田 寿美恵 船橋 眞子 中垣 和子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.2_141-2_150, 2017-06-20 (Released:2017-08-30)
参考文献数
57

目的:看護学分野における「その人らしさ」の概念を明らかにし,その人らしく生きることを支える援助への活用可能性を検討する。方法:『医中誌Web版(ver.5)』を用いて検索語「その人らしさ」で文献を抽出し,Rodgersの概念分析の手法を用いて分析した。結果:「その人らしさ」は「内在化された個人の根幹となる性質で,他とは違う個人の独自性をもち,終始一貫している個人本来の姿,他者が認識する人物像であり,人間としての尊厳が守られた状態」と定義された。結論:「その人らしさ」の概念に対する看護師の理解が深化することで,その人らしく生を全うできるための援助の実現可能性が高まる。「その人らしさ」を尊重した看護を行う際には患者の身体状況に考慮する必要があるため,看護師の職責が十分に発揮されることが重要である。また,「その人らしさ」の帰結は看護師がケアの場で「その人らしさ」をとらえる方法と同一と考えられた。
著者
今井 芳枝 雄西 智恵美 板東 孝枝
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.2_73-2_85, 2016-06-20 (Released:2017-01-27)
参考文献数
83

本研究の目的は「納得」の概念分析を行い,納得の定義を明確にし,納得を導く看護支援を検討することにある。研究方法はRodgersの概念分析を用いて「納得」の概念分析を実施した。その結果,対象文献74文献より,8つの属性,4つの先行要件,7つの帰結が抽出され,納得は『ある事象に対して自分のもつ価値や自分への利益を明確にすることで理解を深め,認知的にも感情的にも受容した状態であり,主体的かつ他者との信頼関係のなかで生み出される流動的な状態』と定義された。納得の概念は,利益,能動性,信頼関係の特徴があると考えられた。納得の概念分析より,治療を受ける患者に対して,主体性を尊重しながら,患者のもついままでの経験を踏まえつつかかわる重要性や,納得を支えるうえで,日々の看護師の行う日常生活援助が鍵となることが示唆された。
著者
加藤 まり 門間 晶子 山口 知香枝
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20191125077, (Released:2020-05-01)
参考文献数
34

本研究は,知的障害を伴わないASDがある母親が経験している子育てを,母親の視点から明らかにすることを目的とし,研究協力者6名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果,母親の子育ては,ASDとの診断を受けておらず子どもが乳幼児の頃は【“世間並み”との隔たりにもがき,我が子より自分のことで精一杯】であった。しかし,【自らの診断を揺れながら受け入れ,折り合うことを獲得する】ことで,〈我が子と自分のありのままを尊ぶ〉子育てへと転換した。そして,我が子やASDの人々が世の中に受け入れられるよう【ASDと付き合いながら親子で自分らしく生き,社会に発信しようとする】に至っていた。ASDの母親への子育て支援は,母親のペースや子育ての具体的な見通しを大切にし,自らのユニークさや自分らしい子どもとの関係の結び方に気づけるような関わり方が求められている。
著者
佐藤 美紀子 原 祥子 福間 美紀 加藤 真紀
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20190603055, (Released:2019-09-11)
参考文献数
115

脳卒中患者のセルフマネジメントに関する研究の動向と実態を明らかにすることを目的に,文献レビューを行った。医中誌,PubMed,CINAHLにおいて,国内文献7件,国外文献98件が抽出された。研究は2000年以降に報告されており,過去5年間の国外の介入研究が増加していた。国内では,実態調査と文献レビューのみであったが,国外では,尺度開発,支援ツールの開発,介入プロトコル,介入研究,介入プログラムの評価も行われていた。セルフマネジメントのプロセス全体を評価した実態調査は十分に行われておらず,介入プログラムも開発段階であった。適切なセルフマネジメント行動により,心身機能やQOLの向上が期待できる一方で,退院後の療養支援環境が十分に整っていないことが一因となり,適切な行動がとれない患者が一定割合で存在する実態が明らかになった。プロセス全体を評価できる指標や尺度の開発,実態に基づく介入プログラムの開発が求められた。
著者
嶌田 理佳 上野 範子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_87-2_99, 2002

アメリカやイギリスでは1990年頃までにほとんどの施設でナースキャップが廃止された。 私服導入を含めたユニフォームの変遷と共に必然的に廃止に至ったと考えられるが,この背景にはナースキャップの表現する看護婦像が専門職のものとしてふさわしいかどうかを議論したフェミニズムの視点もあったと考える。 歴史的に欧米でも女性は主体的に生きることは許されず,一生を男性に捧げるものとされてきたが,看護が伝統的に女性の職業であったために,1960年代まで看護婦は医師や病院経営者ら男性による支配をうけてきた。 その後,女性のみに着用が求められるナースキャップは,差別的であるとの指摘や伝統的女性観を想起させ,新時代の看護婦のイメージとして不適切との主張がナースキャップ廃止に影響を与えたのではないかとみられる。 この論文では英米の文献を参考に看護史と女性史に基づき,ナースキャップの表現する女性性と看護婦像について考察した。
著者
吉田 聡子 佐伯 由香
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.4_11-4_17, 2000-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Lavender,Rosemary,Citronellaの3つの精油を吸入した際の自律神経系に及ぼす作用について調べた。Lavenderの香りは,交感神経系を抑え,精神・心理面だけでなく身体的にもリラックス効果をもたらした。逆にRosemaryのように精神・心理的にリフレッシュ・スッキリとした気分を感じさせるような香りは,その作用によって一過性に交感神経系を刺激する効果を持っていることが考えられた。嗜好において個人差の大きなCitronellaのような香りでは,精神・心理面にも被験者間でかなりばらつきがあり,自律神経系への効果も複雑であった。看護領域で芳香療法を用いる場合,精油自体の持つ生理的作用と個人の嗜好とを考慮し選択する必要性のあることが考えられた。
著者
深井 喜代子 大名門 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.3_39-3_46, 1992-07-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
26

88名の健康な学生(男27名,女61名,18-37才)を被験者として,注射針刺入部としてよく選択されている三角筋,前肘,手背各部の皮膚痛覚閾値を,タングステン製(直径140μm)の刺激毛を用いて痛点分布密度を測定する方法で調べた。その結果,三つの皮膚領域とも,痛点分布密度(prick painとdull painの総数)は男性より女性の方が有意に大きかった(平均痛点数:男,7.6-11.0/4mm2,女,10.2-12.2/4mm2)。部位別では,手背部(男,7.6±4.7/4mm2,女,10.2±4.2/4mm2),三角筋部(男,9.1±5.0/4mm2,女,10.7±4.4/4mm2),前肘部(男,11.0±4.1/4mm2,女,12.1±3.3/4mm2)の順で痛点分布密度が小さかった。この傾向は注射針刺入時の鋭い痛みに相当するprick painのみの分布に着目しても同様であった。このような痛覚閾値の部位差,性差について考察した。本実験の結果から,看護者は,健康な青年層では,女性は男性より痛覚閾値が低いこと,そして手背部の閾値は比較的高いことを考察して注射や採血を行うべきであると結論した。
著者
荒木田 美香子 豊増 佳子 仲野 宏子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220411159, (Released:2022-07-12)
参考文献数
11

目的:本論文はコンピュータ支援質的データ分析ソフトウエア(CAQDAS)の使用状況と,使用経験のある研究者の経験を読者に提供することを目的とした。方法:CAQDASを使用した質的研究を医中誌WebとJ-STAGEから抽出し,発行年や研究分野を分析した。さらに,CAQDASの使用年数が異なる2名の研究者が体験談を報告した。結果:2010〜2021年に発行された質的研究からCAQDASを使用した論文を95件抽出した。医学・保健学,教育学,看護学の各15の研究論文がCAQDASを使用しており,「Nvivo」が最も多く使用されていた。2名の研究者は,分析プロセスを記録して保存する機能により解析作業が向上すること,効率的な再分析が可能になり結果の信頼性が向上したと報告した。結論:CAQDASは様々な研究分野で使用されており,質的研究の分析作業の効率と信頼性の向上が期待される。
著者
鵜飼 和浩 山本 恭子 森本 七重 松下 紀美子 山田 みゆき 尾崎 富美代 田中 美代子 谷垣 友子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.4_59-4_66, 2003-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
26

看護職の石鹸と流水による手洗いの有用な方法について,石鹸泡立て時間,流水すすぎ時間,手拭き乾燥方法を種々に設定し除菌効果より検討を加えた。 その結果,流水時間を15秒間とした場合,石鹸泡立て時間8秒間群と15秒間群で手洗いによる有意な細菌数の減少を認めたが,30秒間群では減少は認められなかった。 石鹸泡立て時間を15秒間とした場合,流水すすぎ時間は15秒間,30秒間,60秒間群共に手洗いによる細菌数の有意な減少を認め,60秒間群の除菌効果が最も高かった。 ペーパータオル使用枚数は2枚以上で除菌効果があり,特に3枚使用群が最も高く,1枚では除菌効果は認められなかった。 布タオルの連続使用ではタオルに付着した細菌数は漸次増加し,手洗いによる除菌効果を認めたのは1人目のみであった。 以上より石鹸と流水による手洗いでは石鹸泡立てを8~15秒間行い,泡とともに存在する細菌を時間をかけ十分に洗い流し,ペーパータオル2枚以上,出来れば3枚を使用し十分に手指を乾燥させることが重要である。 また,共用タオルは使用する毎に手洗いによる除菌効果が低下するので,その使用は厳に慎むべきである。
著者
樽矢 裕子 濱本 洋子 佐藤 鈴子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.4_25-4_35, 2015-09-30 (Released:2016-02-28)
参考文献数
30

本研究は,高齢患者の退院前カンファレンスの場で訪問看護師が実践しているケアの継続に向けたアセスメントのプロセスを明らかにすることを目的とした。訪問看護師12名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析した。その結果,訪問看護師は,《患者・家族が望む生活にあわせたケアにする》《ケアを患者・家族自身のことと思えるようにする》《ケアの負担に配慮する》ことを通して,訪問看護師が【患者・家族に受け入れられる関係をつく(る)】っていた。さらに,在宅療養開始後の《トラブルを予測する》《トラブルに備える》アセスメントをし,【患者・家族に受け入れられる関係を維持できるように備え(る)】,在宅ケアにかかわる【専門職間の協力関係をつくる】 ことによってケアの継続をしようと考えていた。このアセスメントのプロセスは,患者・家族の在宅療養に対する不安の軽減に有用と考えられた。
著者
出口 睦雄
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.4_59-4_65, 2009-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
35

【目的】 男性看護師の職務ジェンダー意識と職務ジェンダー意識に関わる要因および職務満足の関係を明らかにする。【方法】 愛知県下10の精神病院に勤務する看護師を調査対象とし質問紙調査を実施した。男性看護師127人を分析対象とした。【結果】 看護拒否の体験が多く,メンターがいない者に職務ジェンダー意識が強いことが示された。また職務ジェンダー意識が強いほど,職務満足因子の「専門職としての自律」が低かった。【結論】 今後,男性看護師を増加させることにより,男性看護師の職務ジェンダー意識が払拭され,職務満足感が高まると期待される。それにより専門職としての看護師の位置づけがより一層強固なものとなるであろう。
著者
大釜 信政
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.2_63-2_72, 2016-06-20 (Released:2017-01-27)
参考文献数
13

看護師の裁量権拡大について,高齢者施設入居者の家族の認識を明らかにするため,質問票調査の実施(有効回答者数:305名)に加え,より具体的な家族認識を探るため,質問票に回答した家族の中から5名を抽出し,半構成的面接調査を実施した。 本調査結果から,看護師が行う医行為への賛否やその理由,実施条件等が明らかになった。また,看護師が行う診療に対する認識と,家族や入居者の属性,診療状況との関連は否定的である旨が示唆された。
著者
後藤 喜広
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20210925149, (Released:2022-04-25)
参考文献数
44

目的:総合病院に勤務する男性看護師が経験するセクシュアル・ハラスメント(以下SHと略す)の内容の類型,およびSHに対する対処行動について類型,分析し,その特徴を明らかにする。方法:A団体に所属する総合病院で働く男性看護師9名を対象に,半構造化面接で得られたデータを質的に分析した。結果:男性看護師が経験するSHの内容は【看護業務が発生に起因する】【男性性が意識されて発動する】【身体が軽々に扱われる】【経過のなかで加害者が複数化する】の4つのカテゴリー,SHに対する対処行動は,【個人のみで行う対処行動】【他者が介在する対処行動】の2つのカテゴリーに分類された。結論:看護師の業務の特殊性および権力構造を背景としたSHが発生していたことから,看護の職場環境においては,性別および被害者,加害者という一義的な立場ではなく,双方的,多面的な立場の理解が得られるような倫理教育の必要性が示唆された。