著者
鈴木 二正 芳賀 高洋 大川 恵子 村井 純
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.10-19, 2016-10-07

昨今,3Dプリンタの教育利活用が注目されている.数年前までは非常に高価で,工業高校や専門学校,あるいは大学でなければ購入が難しかった3Dプリンタも,いまでは,個人で手軽に購入が可能となっている.しかし,いまのところ,3Dプリンタ学習は,中学校技術科や高校,専門学校,大学が中心で,小学校低学年で実践された例は確認できていない.そこで本稿では,小学校2年生に3Dプリンタ学習を実践し,小学校低学年では,どのような学習が可能かを検討した.
著者
野津田 雄太 高橋 健一 稲葉 通将
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.83-92, 2015-12-09

1990年頃から国内で理系離れが問題視されている.しかし,理系離れの要因として明確なものは存在しない.その分析に寄与するため,文系・理系の大学生の日常生活の習慣や科目の得意・不得意などの状況を調査した.本研究では,著者が所属する大学の学生を対象にアンケート調査を実施し,データマイニング手法を用いて,科目の履修・嗜好などの傾向から文系・理系への進路選択と相関のある要因と,学生の生活習慣から文系・理系学生の日常の傾向について考察を行う.用いたデータマイニング手法は決定木,主成分分析,ベイジアンネットワークである.分析の結果,小学校・中学校からの得意・不得意科目や日常生活における学生の嗜好と学生の文理に相関があることが分かった.From around the 1990s, undergraduate students majoring in sciences have decreased, and indifference to sciences has been spread. However, specific factors of the indifference to sciences are not clear. In order to contribute to the analysis, investigation on lifestyle and subjects studied in schools by students majoring in humanities and sciences is done. This paper describes experimental results to extract features of undergraduates majoring in humanities and sciences respectively to show factors that correlate with their course, i.e., humanities or sciences. In the research, data are collected through questionnaires to undergraduates. The questionnaire includes questions such as the lifestyle, subjects studied in schools. Then the data are analyzed by using data mining methods, namely decision trees, Principal Component Analysis, and Bayesian network. The analysis shows a correlation between students in sciences and humanities and lifestyle and a correlation between those students and subjects studied in elementary and junior high schools.
著者
坂東 宏和 山下 真幸 上西 秀和 蓼沼 隆 梅村 博子 冨士山 千晶 大橋 和也 坂田 信裕
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.52-62, 2017-06-14

本論文では,教師のPC画面を受講者へ提示しPCの操作方法を説明する場面において,受講者全員が必要なPC操作を把握できる環境の実現を目的とした,画面遷移参照ツールの提案と開発について述べる.本ツールでは,教師用PCのスクリーンショットにPC操作の内容を示す簡単な注釈を追記した画像を蓄積し,受講者が授業中の必要なタイミングでそれらを参照できる機能を提供する.これにより,教師のPC操作についてこられない受講者が,教師用PCの過去のスクリーンショットを参照しながら,各自のペースでPC操作を行えることが期待できる.また本ツールは,すべて自動的に実行されるため,教師に余計な負担をかけることなく活用できる.情報に関する授業の中で行った簡単な試用評価と,具体的にどのようなPC操作の把握が難しいのかを検討するために行った試用評価の結果,現在の表示内容では,CTRLキー・SHIFTキーなどの修飾キーの状態が分からない,表示と実際の入力が異なる場合に必要な入力操作を把握しにくいなど,必要なPC操作の把握が難しい場合があるものの,PC操作を学ぶ授業の理解に役立つ可能性が示唆された.
著者
Eiko Takaoka Takayuki Yonezu Takafumi Namekawa
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.10-17, 2015-01-23

We designed, developed, and evaluated computer programming education at high schools and universities in 2012 and 2013 to offer students an opportunity to experience practical programming. We provided a programming course to a high school, preparing content-rich materials. In order to generate motivation for learning in students, we set “to create practical applications” as a goal of the course. In 2012, only a few students could create practical applications; however, in 2013, we improved the teaching methods and by the end of the course, almost half of the participants were able to produce practical applications. In addition, some students applied their programs for the Live E! science contest and they received prizes in 2012 and two students applied and one of them received a prize in 2013. An additional notable outcome of the course that we provided was the extent to which first-year students became interested in programming.
著者
宮崎 誠 喜多 敏博 小山田 誠 根本 淳子 中野 裕司 鈴木 克明
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.66-75, 2016-10-07

我々は,熊本大学大学院教授システム学専攻で利用することを意図し,Sakai CLEのeポートフォリオツールであるOSPによるeポートフォリオシステムを開発した.開発にあたっては,本専攻のコンピテンシーベースの授業設計に合わせてシステムの要件定義を行い,OSPを採用したうえで不足した機能要件については,OSPをカスタマイズし,Blackboard Learning System CE6.0からSakai CLEへ自動連携するためのオリジナルツールを開発した.また本専攻のコンピテンシーリストにも対応しており,LMS上の学習成果物はeポートフォリオシステムに自動連携されるため,学生の最終試験の振り返りで利用した結果で有用であることが示唆された.
著者
中西 渉 辰己 丈夫 西田 知博
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.75-82, 2015-12-09 (Released:2015-12-04)

プログラミング教育では,テキストでソースコードを記述するテキスト型のプログラミング環境だけでなく,画面上の部品を組み合わせてプログラムを作成する環境も使われている.本研究では,テキスト型の初心者用プログラミング学習環境であるPENで実行できるソースコードを,ドラッグ&ドロップで作ったフローチャートから生成するPenFlowchartを開発し,これを用いて高校生を対象にプログラミング教育を行った.その結果を,PENだけで学習を行っていたときのものと比較して検討を行ったところ,授業の進行(特に序盤の演習)がスムーズになった.また,期末試験におけるプログラミングとフローチャートの変換を行う問題についても点数の向上が見られ,その傾向は成績下位者において顕著であった. Programming environments used in programming education may be text-based or use visual objects. In this study, we developed and evaluated PenFlowchart, which generates codes for PEN (a text-based programming environment for novices) by making flowcharts using objects manipulated by a mouse being used for programming education for high school students. The results of learning using PenFlowchart were compared with results using PEN alone. Also, we found that students' grades are improved (particularly in the case of poorly performing students) on the reference questions in term-end examinations, which ask conversion from text-based programs to flowcharts or vice versa.
著者
喜多 一
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.4-9, 2015-01-23

知識社会時代を迎える一方で,少子化が進行する現代の日本の大学教育は様々な課題を抱えている.情報技術の利活用はその課題解決の重要な手段となりうるが,同時に,情報技術の利活用自身が大学にとっての重要な課題ともなっている.本稿では大学教育の情報化について,個々の技術ではなく,情報化を推進して行くための組織としての課題と可能性について考察する.
著者
大岩 元
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.1-6, 2015-03-16

21世紀の市民社会を形成するための基礎としての識字教育として,プログラミング教育を行う必要があることを主張する.コンピュータの安易な教育利用が日本の教育に弊害を与えた例として,大学入試センター試験を示す.識字教育として行うプログラミング教育の内容は,市民が共有すべき知識/スキルであることから,目的/手段展開という一般性のある視点から行い,母語としての日本語を使うことで,プログラミング「言語」教育から決別すべきことを提案する.
著者
武井 恵雄
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-9, 2016-06-01

中央教育審議会での高大接続改革の検討が進み,わが国の初等中等教育にも大きな変革が予想される.その変革の1つは,学習指導要領がこれまでの内容中心から教育・学習の方法にまで踏み込むというものであり,授業設計等,学習科学の成果が生かされるようになるという期待も持てる.一方,高校の教科『情報』は,設置直後の事情に由来する問題が残っているが,これについても今回の改革に好ましい変化がもたらされる可能性がある.そのような中で今後重要となるのは,きちんと情報技術の特性を理解した専門性を持つ教員であり,そのような教員を育てるための枠組みの確立であるというのが著者の考えである.
著者
山口 昌也 大塚 裕子
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.25-37, 2021-02-22

本論文では,大学生を対象にした話し合い能力向上のためのトレーニングプログラムである「自律型対話プログラム」におけるディスカッション練習とリフレクション活動に観察支援システムFishWatchrを導入する方法を提案する.提案手法では,ビデオ収録したディスカッションをメンバ各自がFishWatchrでビデオアノテーションにより観察したうえで,全メンバの結果を参照しつつ,リフレクションを行う.提案手法を用いた実践は32名の大学生が参加した15コマの集中授業の一環として実施した.実践結果の評価として,(1)フィッシュボウルによる手法と提案手法とを観察とリフレクションの観点から定性的に分析し,提案手法の長所を明らかにしたうえで,(2)受講者へのアンケートとアノテーション結果により,長所が受講者に認識されたか,また,実践で活用されたかどうかを検証する.検証の結果,定性的分析により,提案手法の長所が「アノテーション結果の利用」「自己観察」「実シーンの参照」であることを示した.そして,(a)これらの長所が受講者の93.7%のアンケート結果で指摘されていること,(b)受講者の84.4%が自己観察として自分に対するアノテーションを実際に行っていたこと,(c)アノテーション結果が「他メンバの理解」「シーン理解」「リフレクション時の利便性向上」に活用されうることを確認した.
著者
川合 慧
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-15, 2020-02-21

東京大学教養学部における情報教育について,その始まりと進展,および最近の展開を,資料に基づいて示す.
著者
島袋 舞子 本多 佑希 兼宗 進
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.21-30, 2020-10-29

新学習指導要領で高等学校の共通教科「情報」では,情報Iにおいて人工知能(AI)やWeb APIなどの外部のプログラムとの連携を含めたプログラミングが扱われる.我々はその題材として,スマートスピーカーに着目した.スマートスピーカーのアプリケーションを開発することで,音声認識のAIやWeb APIを体験することができる.そこで,Webブラウザ上で動作するプログラム開発支援環境を開発した.本論文では,開発したプログラム開発支援環境の概要と,高等学校で行った授業を報告する.生徒へのアンケート結果と教員へのインタビューにより,高校生がスマートスピーカー専用のアプリを開発できることと,スマートスピーカーのアプリ開発をとおして生徒がスマートスピーカーの仕組みやWeb APIについて学ぶことが可能であることを確認した.
著者
原田 康徳
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-7, 2022-10-21

プログラミング言語ビスケットが誕生して19年になる.その間,単なるプログラミング言語の開発を越えて,ビスケットによる教材,ビスケットの指導法の開発にも関わってきた.ビスケットの指導者育成を目指した「ビスケットファシリテータ講習」は100回を超え,修了者も1,000名に達した.無償で提供しているアプリも,GIGAスクール構想で配布されたタブレットに採用された影響もありiOSだけで260万ダウンロードに達し,非常に多くの小学校に採用されている.本稿ではこの19年間を振り返って,どのようにビスケットとその周辺が変わってきたのか,そしてこれからどの方向に進むべきなのかを述べる.
著者
赤澤 紀子 赤池 英夫 柴田 雄登 山根 一朗 角田 博保 中山 泰一
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.19-34, 2022-10-21

2022年度より,高等学校の「共通教科情報科」は,必履修科目の「情報I」と選択科目の「情報Ⅱ」が設置され,すべての高校生が,プログラミングなどを含む情報の科学的な理解を主とした「情報I」を履修することになる.また,2025年度入試から「情報I」が大学入学共通テストで出題されることが正式に決定された.これにより,各大学の個別入試においても入試科目に「情報」が設置される可能性が増してきた.大学入学試験として情報を出題するためには,大学など出題する側と,受験する高等学校側で,出題内容や範囲,用語などの共通な知識体系が必要となる.しかし現在はまだ,「情報科」の知識体系は明確に定められていない.そこで,本研究では,知識体系の明確化を目標として,「情報I」の教科書で用いられる用語から知識体系に関する考察を行う.
著者
赤池 英夫 島崎 俊介 成見 哲 Hideo Akaike Toshiyuki Shimazaki Tetsu Narumi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.51-63, 2022-06-23

本研究では,本学学内における対面での利用のみを想定して作成されていた実験システムを,やむを得ない理由で遠隔対応させ使用した結果,教育にどのような影響を及ぼしたかを調査した.対象となる実験システムは,本学3年生の実験科目の中のFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて初歩的な論理回路を設計する課題で用いられている.作成した回路の動作確認に実機の物理的な操作をともなうため,例年,受講生は機器の設置された計算機室に一堂に介して課題に取り組んできた.2020年度は新型コロナウイルス感染症対策として入構禁止措置がとられたため,学外から機器を操作する仕組みを導入し実験を遂行した.とくに致命的なトラブルもなく実験を行うことはできたが成績の低下がみられた.遠隔対応とすることで学生の望むタイミングで課題に取り組めたことが見出されたものの,対面であれば容易に行える学生の理解度チェックがオンラインでは難しいことも分かり,ひいてはそれが成績低下の一因であることが示唆された.
著者
大場 みち子 伊藤 恵 下郡 啓夫 薦田 憲久
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.8-15, 2018-02-20

我々は,プログラミングの思考過程,文章を論理的に構成する思考過程および数学の問題解決の思考過程が,相互に関係していると仮説を立てている.そこで,プログラミングスキルや文章を論理的に構成するスキルの両方を向上させるような,数学教材を開発できると考えて研究を進めている.本稿では,プログラミングスキルと論理的な文章を作成するスキルとの関係性を,それぞれのスキルのアウトプットに焦点を当てて論じる.プログラミング力判定の指標としての大学初年次プログラミング教育科目の成績評価点および期末試験の素点を利用し,レポート課題に対する「論理力」と「言語能力」それぞれの評価点合計との相関を分析した.大学生85人を対象に評価した結果,プログラミング力と論理的な文章作成力のうち「論理力」との間で強い相関が認められた.一方,プログラミング力と「言語能力」の間には部分的に弱い相関が認められた.
著者
美馬 のゆり
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-9, 2019-10-11

日本では人生100年時代といわれ,生涯学び続ける時代が到来した.学校教育から,職場での研修,地域活動や生涯学習施設,家庭まで,学習の場である学校,職場,地域では,学習者の背景は多様性を増してきている.これらの課題の解決において,情報科学・工学からの貢献が期待されている.社会全体に共通の教育にかかわる問題を解決するために,情報科学・工学,教育工学,認知心理学の横断的な観点から,学習方法や学習内容について歴史を振り返る.そこから,これらの分野の研究者が協力し,ラーニングトランスフォーメーションに向けた実現フレームワークを設計するための方向性を示す.
著者
森本 尚之 和気 尚美
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.16-27, 2020-02-21

三重大学では2018年度に学部入学生を対象にしたノートパソコン必携制度(一種のBring Your Own Device, BYOD)を導入した.本実践論文では,三重大学のノートパソコン必携化にあたってのインフラ整備やノートパソコンの初期セットアップなどにおける課題を整理し,それらへの対応を実例を交えて報告する.また,入学生アンケートの結果や制度導入に合わせて開設した相談窓口「ICTサポートデスク」の活動状況などを基にして制度開始の状況を分析し,学生間のさまざまなピア・サポート(同じ立場・似た立場の人同士の助け合い)が重要な役割を果たしたことと,スムーズな必携制度導入のための組織間連携の重要性を述べる.
著者
奥村 晴彦
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.1-8, 2018-10-30

真偽より共感で情報が選択されるといわれる"post-truth"(脱真実)時代の情報リテラシー教育について論じた.共感ではなく真偽に基づいて情報を選択できるようにするための「ファクトチェック」を取り入れた授業を提案する.ファクトチェックのいろいろな例をあげた.データに基づいて判断するファクトチェックは,高等学校新学習指導要領の数学や情報におけるデータやデータサイエンスを重視する流れとも符合する.
著者
美馬 のゆり
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-9, 2019-10-11

日本では人生100年時代といわれ,生涯学び続ける時代が到来した.学校教育から,職場での研修,地域活動や生涯学習施設,家庭まで,学習の場である学校,職場,地域では,学習者の背景は多様性を増してきている.これらの課題の解決において,情報科学・工学からの貢献が期待されている.社会全体に共通の教育にかかわる問題を解決するために,情報科学・工学,教育工学,認知心理学の横断的な観点から,学習方法や学習内容について歴史を振り返る.そこから,これらの分野の研究者が協力し,ラーニングトランスフォーメーションに向けた実現フレームワークを設計するための方向性を示す.