著者
高谷 美正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.445-450, 1995-07-31
被引用文献数
1
著者
勝俣 昌己
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.871-875, 2014-10-31
著者
河村 武
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, 2001-03-31
著者
菅原 広史 松元 三展 遠峰 菊郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.637-649, 2008-08-31

関東の南岸域に発生した局地前線について航空機観測を行い,上空でのエアロゾル分布と局地前線に伴う視程の悪化について議論した.2003年12月19日の午前に観測された局地前線は,夜間に関東内陸の地面付近に蓄積した寒気と,南よりの暖気移流との間で発生した.前線面付近でのエアロゾルは粒径ごとに異なる温位層内に分布しており,前線面の上部で高濃度になっていた.その後正午ごろには地面付近の寒気は解消したが,局地前線は西風と北西風とのシアへと変質した.この時,前線面の寒気側下層で粒径3.0μm以下のエアロゾル濃度が高くなっていた.この領域では午前に20km以上であった視程が5km程度にまで下がっており,この視程の低下はエアロゾルの増加によるものであった.
著者
中井 専人
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.187-199, 2015-03-31

多雪,少雪の地域的な分布と変動を定量的に把握するため,積雪深観測地点ごとの冬季最深積雪をもとにした"多雪指数"を定義し,その全国分布図を作製した."多雪指数"を用いることにより,積雪の多い冬でも広域の積雪分布の特徴がかなり異なることを示し,山雪-里雪,西偏-北偏,太平洋側-日本海側という経験的に言われている多雪の偏りについて定量化を行った.平均多雪指数と冬季モンスーン,大循環等の指数との関係を調査したところ,2010年代では1980年代より温かくても多雪になる傾向,また寒冬及び冬季アジアモンスーンが強いほど多雪になりやすい傾向が示された.北極振動指数,WP指数(西太平洋パターン指数),Nino3.4指数についてはいずれも負の値が大きいほど多雪となりやすいという結果が得られたが,多雪指数の変動のうちこれらを説明変数として説明できるのは半分弱であった.
著者
鵜沼 昂 村田 文絵
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.119-125, 2012-02-29

2005-2009年の5年間の気象庁降雨レーダー及び気象庁メソ数値予報モデルの高知市上空850hPa面における風を用いて,閾値を30mm/hとした四国地方における降水の風向別頻度分布を作成した.次にその頻度が高い地域において30mm/h以上の降水が2時間以上持続する降水系のうち線状を成すものを停滞性の線状降水帯として抽出した.その結果,低気圧や前線の影響下においてS或いはSW風時に特定の場所に高頻度で発生する南西-北東或いは西南西-東北東の走向をもつ3本のラインを抽出した.このうち南西-北東の走向をもつものは窪川-高知-繁藤ラインと佐喜浜-日和佐ラインでそれぞれ14例と9例みられた.また西南西-東北東の走向をもつものは安芸-魚梁瀬ラインで6例みられた.その他台風に伴うSE風時に現れやすい南-北の走向をもって室戸岬から北に伸びるラインを3例抽出した.
著者
植田 宏昭 安成 哲三
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.199-215, 1998-03-31
参考文献数
14
被引用文献数
4

気候平均場に見られる150°Eでの7月下旬のconvection jump(対流活動の突然の強化)と梅雨明けとの関係を、1993/94年の日本付近の冷夏/暑夏時について調べた。Convection jumpを左右する25°N、150°E付近の7月上中旬の海面水温は、1993(94)年は29℃以下(以上)であった。このため1993年は顕著なconvection jumpが見られず、梅雨明けも明瞭ではない。一方1994年は7月上旬のフィリピン周辺の対流強化による熱源の影響が中緯度偏西風帯に及ぶことにより定常ロスビー波応答が生じ、同時に西南日本で梅雨明けした。続いて7月中旬のconvection jumpによって関東以北も梅雨明けが引き起こされ、偏西風の北上によって定常ロスビー波が消滅した。Convection jump領域を含む盛夏期の20°N付近での対流活動は、1994年は1993年に比べ相対的に活発で、これに伴う上昇流が日本上空で収束していた。
著者
新田 尚
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.894-900, 2009-11-30
参考文献数
12
著者
記載なし
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.410-413, 2004-05-31

(1)今年の梅雨入りは,沖縄地方では平年より遅く,奄美地方はやや遅かった.九州から本州にかけては,6月10日前後にほぼ一斉に梅雨入りした.梅雨明けは,沖縄地方と奄美地方ではともに平年並みであったが,それ以外の地方では平年よりかなり遅れた.西日本では梅雨明けの直前に集中豪雨による災害が数回発生した.梅雨期間の総降水量は西日本では平年を大きく上回った所が多かった.(2)台風の発生数は21個と少なかったが,早い時期から日本への接近があり,発生した台風の半分以上の12個が日本に接近した.また,5月には台風第4号が,8月には台風第10号が四国に上陸した.
著者
植田 宏昭 小塙 祐人 大庭 雅道 井上 知栄 釜江 陽一 池上 久通 竹内 茜 石井 直貴
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.777-784, 2011-09-30

筑波山の東西南北4斜面上に,標高約100m間隔で気温ロガーを設置し,2008年6月1日から2009年5月31日までの期間において,30分間隔の通年観測を行った.斜面温暖帯を定量的に議論するために,麓からの逆転強度を斜面温暖帯指数(Thermal Belt Index;TBI)として定義した.TBIの大きさは,冬季を中心に極大となり,標高200〜300mを中心に斜面温暖帯が形成されていた.斜面温暖帯の年間発生日数を各斜面で比較すると,西側103回,東側99回,南側59回,北側35回であった.斜面温暖帯を規定する広域の逆転現象との関係を議論するために,平野部に設置されている気象観測鉄塔データと斜面上の気温を比較した.
著者
鈴木 知道 玄地 裕 飯塚 悦功 小宮山 宏
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.383-391, 2001-06-30
被引用文献数
8

東京都で発生しているヒートアイランド現象に対し, 統計解析的アプローチをとることによって, 真夏の東京都の気温が地域と時刻によってどのように変化するのかを明らかにした. 着目したのは気温日変化パターンであり, 解析には東京都各所100地点において観測された1時間間隔のデータを4日分用いた. 統計解析手法の一つである主成分分析をこのデータに適用した結果, 気温日変化パターンの変動を代表する特性値である3つの主成分が得られた. 3つの主成分の吟味から, これらは気温レベル, 気温の日較差, 気温変化の緩急を表しているといえる. そして観測された100地点に対し, 主成分分析の解析結果をもとにグループ化を行った. その結果, 観測地域をそれぞれ特徴を持つ7つのグループに分類できた. また, 同時期のアメダスのデータを用いて解析の妥当性を検証した.
著者
中西 幹郎 菅谷(大鶴) 真子
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.729-739, 2004-10-31
被引用文献数
2

午前中晴れた夏の日(午前晴天日)の午後に東京湾周辺で発生する雲列と,関東平野規模の局地気象および午後の降水との関係を調べるため,午前晴天日を静止気象衛星の可視画像に基づいて6つに分類し,特徴的な雲列が現れた2つのタイプと快晴に相当するタイプを解析した.東京湾を囲むような雲列の日は,相模湾沿岸で南寄りの風,鹿島灘沿岸で東寄りの風が吹き,午前晴天日の中でも格別,平野で午後に降水がある日(平野降水日)になりやすかった.平野降水日は850〜500hPaの上空の湿度が高く,14時頃までに山岳域で積乱雲が発生した.雲列は,この積乱雲やそれに伴う発散風が1つの誘因となって発達し,雲列の直下,多くは埼玉県南部に降水をもたらした.ほかの2つのタイプの日は,上空の湿度が平均的に低く積乱雲が発生しにくいだけでなく,関東平野全域で南寄りの風が吹いて山岳域の積乱雲や発散風の影響が平野に及びにくいため,平野降水日にほとんどならなかった.
著者
中西 幹郎 菅谷 大鶴 真子
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.729-739, 2004-10-31
参考文献数
16
被引用文献数
2

午前中晴れた夏の日(午前晴天日)の午後に東京湾周辺で発生する雲列と,関東平野規模の局地気象および午後の降水との関係を調べるため,午前晴天日を静止気象衛星の可視画像に基づいて6つに分類し,特徴的な雲列が現れた2つのタイプと快晴に相当するタイプを解析した.東京湾を囲むような雲列の日は,相模湾沿岸で南寄りの風,鹿島灘沿岸で東寄りの風が吹き,午前晴天日の中でも格別,平野で午後に降水がある日(平野降水日)になりやすかった.平野降水日は850~500hPaの上空の湿度が高く,14時頃までに山岳域で積乱雲が発生した.雲列は,この積乱雲やそれに伴う発散風が1つの誘因となって発達し,雲列の直下,多くは埼玉県南部に降水をもたらした.ほかの2つのタイプの日は,上空の湿度が平均的に低く積乱雲が発生しにくいだけでなく,関東平野全域で南寄りの風が吹いて山岳域の積乱雲や発散風の影響が平野に及びにくいため,平野降水日にほとんどならなかった.
著者
岩坂 泰信
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.47-52, 2014-01-31
著者
柴田 清孝
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.709-722, 2013-09-30

厳冬期の2013年1月12日に凍結した風蓮湖(根室)ごしに距離10〜20kmの範囲に1つの虚像の下位蜃気楼と数個の虚像の上位蜃気楼を併せ持つ蜃気楼が観測された.この蜃気楼について安定成層の温度プロファイルを仮定してレイ・トレーシングを行い,観測された蜃気楼を定性的に再現することができた.また,これらの成因について調べ,曲率半径のプロファイルが極小層をもつとき,その近辺の全反射による光が蜃気楼を形成することがわかった.極小層の下に極大層がある場合は,この層によるあまり曲げられないレイが重なり,ある距離で多像になる.下位蜃気楼のみがある場合も安定成層による全反射で再現することができた.曲率半径の極値の高度は温度の変曲点高度に対応し,安定成層で温度が下に凸から上に凸に変わる変曲点で曲率半径は極大,逆に上に凸から下に凸に変わる変曲点で曲率半径は極小になる.さらに,複数の距離で複数の虚像を示す蜃気楼は大気の温度構造の情報量を多く含むので,逆問題を解くには有利であり,蜃気楼から温度構造が得られる可能性について言及した.