- 著者
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瀧井 正人
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.1, pp.12-19, 2013-01-01 (Released:2017-08-01)
- 参考文献数
- 21
1型糖尿病は,若年発症,インスリン注射の必要性,少数派ゆえの周囲の無理解など,病気に関する負担は大きく,心理社会的問題の頻度は高く概して重篤である.1994年以降に当科を受診した,心理社会的問題を抱えた1型糖尿病患者約250名のうち,実に約7割が摂食障害を併発していた.若い1型糖尿病女性の約1割に摂食障害が併発しているといわれており,血糖コントロールの著しい悪化,糖尿病合併症の早期の発症・進展など医学的な問題も大きい.一方,インスリン注射の不適切な使用などによる自己破壊的行動は,1型糖尿病におけるもう一つの重大な問題である.本稿では,これらの2つの問題を中心に,その病態と治療・対策について述べた.