- 著者
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南里 明子
溝上 哲也
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.9, pp.835-841, 2014-09-01 (Released:2017-08-01)
労働者における血中の葉酸,ビタミンB_6,ビタミンD,さらに,食事全体を考慮した食事パターンと抑うつ症状との関連を検討し,以下の結果を得た.1)男性では血中葉酸濃度が高いほど,3年後の抑うつ症状が少なかった.2)血中ビタミンB_6濃度が高いほど,3年後の抑うつ症状が少ない傾向であった.3)冬場の血中ビタミンD濃度が高いほど抑うつ症状が少ない傾向であった.4)野菜や果物,大豆製品,きのこなどの高摂取により特徴づけられる健康日本食パターンは,抑うつ症状の低下と関連していた.健康日本食パターンは,葉酸やビタミンC,ビタミンEなどの摂取と関連しており,これらの栄養素の複合効果により,抑うつ症状が低下したと考えられる.本研究は対象者数が少ないことなどいくつか限界点もあるため,今後さらに規模を拡大し前向き研究や介入研究により,うつ病予防につながる食事要因について検討を行う必要がある.