著者
手塚 和佳奈 井澤 美砂 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.169-176, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究は,各教科等において想定されるメディア・リテラシーを検討することを目的とした.平成29年告示小学校学習指導要領における教科等の目標及び内容に関する記述から,メディア・リテラシーに関連すると考えられる記述を抽出し,メディア・リテラシーの構成要素(中橋 2014)に対応づけて分析した.その結果,全ての教科等でメディア・リテラシーの構成要素と対応づけることができ,教科等により関連づけた構成要素の種類やその内訳の特徴が異なることが示された.
著者
井澤 美砂 大行 莉乃 堀内 蓮太郎 神生 凌我 佐藤 和紀 森下 孟
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.130-135, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究では,教員養成学部生の情報モラル指導力育成に対する有効性とICT活用指導力への影響を明らかにすることを目的とした.学校現場で児童生徒に指導を行っている外部講師による講義後,受講生を対象に情報モラルの意識及びICT活用指導力に関するアンケート調査を実施した.その結果,本講義を通じて情報モラル教育について学ぶ良い契機となったことが窺えたが,実践的なICT活用指導力の向上にはつながらなかった.
著者
齊藤 陽花 金松 萌々花 南條 優 下﨑 高 小泉 遥香 佐藤 和紀 森下 孟
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.96-101, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究では,X大学の教員養成学部1年生を対象に,高校時のオンライン授業の経験の有無が,ICT活用指導力にどのような影響を及ぼすのか検討することを目的として,それらに関するアンケートを実施した.その結果,①オンライン授業の経験をしていた学生の割合は,高校2年次が最も高く,次いで高校3年次,また,高校1年次はオンライン授業の経験はほとんどなく,②オンライン授業の経験により,オンライン授業に対する肯定的な意見や情報モラル指導に関する意識を持つことができると示唆された.
著者
石川 奈保子 城 綾実 牧野 遼作 宗政 由桐
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.64-71, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本研究では,コロナ禍における子ども向け科学館の来館者対応に関する半構造化インタビュー調査を実施した.その結果,以下の2点が明らかになった.(1)科学館本来・従来の展示物を触って楽しむ・学ぶという目的を大事にしながら,少しでも安心して体験できるよう幾重にも工夫を施していた.(2)リアルタイム・生配信・動画配信の3形態でのオンライン科学教育コンテンツによる「体験」の提供を試みており,これまで少なかった小学校高学年の利用者,遠隔地の利用者を獲得した.
著者
中村 美智子 冨永 敦子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.4, pp.45-52, 2021-12-03 (Released:2021-12-03)

学生チューターを活用した学習支援センターが日本の大学に定着している.しかし,チューターに求められる「学習支援力」とは何か,それを育成するチューター研修とはどのようなものかに関する知見は少ない.本稿では,この問題への探索的な試みとして,チューターによるスキャフォルディング・ストラテジーの分析を行った.分類されたモデル例をもとにストラテジーの習得を促すチューター研修について考察する.
著者
宮尾 万理
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.4, pp.140-143, 2021-12-03 (Released:2021-12-03)

学校教育において思考力・判断力・表現力の育成が重視されているが,思考力とは具体的に何ができる能力で,その国際的な水準とは何なのか.大学英語教育が担うべき思考力育成の具体策を探る一環として,本研究はCambridge International AS & A Levelsにある『Thinking Skills』科目のシラバスとモデル試験問題を分析した.その結果,諸外国で高等教育を開始するまでに,論証に含まれる証拠を評価・使用する力および推論を分析・評価・構築する力を身につけるよう求められていることがわかった.
著者
山本 良太 鈴木 慶樹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.4, pp.25-32, 2021-12-03 (Released:2021-12-03)

本研究では,結びつきが弱いと想定される正課と正課外の学習活動がどう連関しキャリア展望を軸にした学習へ発展するか,という問いから,著者間の対話データを分析した.その結果,正課にはキャリア展望を意識させるシステムがあり,学生は状況や環境に支えられながら正課や正課外を問わず没入を通じた学習へと参加し,双方を接続させる機会を通じて経験を掘り起こしながらキャリア展望を具体化する可能性が示唆された.
著者
澁川 幸加
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.80-87, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本稿では,高校と大学における遠隔授業や「ハイブリッド化」の制度上の特徴と相違を整理した.具体的には,①遠隔授業の制度上の相違を整理した結果,大学は教室外の自宅等から受講できる同期・非同期双方向型の遠隔授業が,高校は生徒が教室で受講する同期双方向型の遠隔授業が実施できること,②ハイブリッド化の相違を卒業単位・一単位・活動レベルで検討した結果,高校では一単位レベルの方法が限定されることや,活動レベルに対応するハイフレックス型が原則実施できないことなどを示した.
著者
八木澤 史子 安里 基子 遠藤 みなみ 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.118-123, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

クラウドでの共同編集機能を用いて,若手教師が作成した学習指導案を,ベテラン教師の助言を受けながら修正するという実践を行った.修正は2つの方法で実施した.1つめは,クラウドサービスのアプリを利用した「共同編集機能のみ」,2つめはクラウドサービスのアプリに加えて,テレビ会議システムを利用した「共同編集機能およびオンラインによる対話」であった.結果,2つの方法ではやりとりされたコメントの数に違いがあることが示唆された.
著者
高橋B. 徹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.59-63, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

大学でのキャリア教育において自己分析と業界・企業分析を深めさせることは新卒の離職率を抑える上で重要である.一方で,キャリアに対する前向きな態度も離職率を抑える上で寄与すると考えられる.本稿ではそれらが就職後の就職先への満足度にどの程度相関があるかの調査を行った.調査の結果,自己分析や業界・企業分析やキャリアに対する前向きな態度と就職先への満足度に相関が認められた.一方で,キャリアに対する前向きな態度があっても,自己分析や業界・企業分析ほど満足度には結び付かないことも分かった.また,そもそもキャリアに対して前向きな態度を持つものほど自己分析と業界・企業分析をしていることが明らかになった.
著者
山本 朋弘 野上 俊一 石田 靖弘 小柳 和喜雄 廣瀬 真琴
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.120-127, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

本研究では,児童生徒一人1台の情報端末が整備された教室環境を想定した,教員養成課程の大学生に今後必要となるICT活用指導力に関する指標について検討した.海外のICTコンピテンシーを参考に検討した結果,教師の学びや新たな技術や方法への対応,授業のデザイン等,指標を定期的に更新する視点について整理した.また,授業でのICT活用や校務の情報化について,ICT活用指導力に関する具体的な場面と具体例を示す必要があるとともに,SNSやAI,VR・AR等の新たなテクノロジーや新たな方法への理解を加えることが必要であることを提案した.
著者
塩崎 雅基 永田 正樹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.13-16, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

現在,データを収集し分析・可視化できるエンジニアの育成が急務となっている.これらのスキルを持った人材をデータサイエンティストと呼ぶが,分野の対応領域が幅広く,明確な定義づけが難しい.そのため,教育手法も確立されておらず,就職した学生のミスマッチが発生している.本研究ではデータサイエンティストの教育手法開発及び,就職マッチングシステムの開発を目指す.