著者
神保 五彌
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.76-80, 1973

江戸時代後期の庶民の生活のなかにとけこんだ酒の姿を, 早稲田大学の神保先生の流麗な筆をおかりしておとどけする。上酒1升が夜鷹蕎麦20杯分, 下酒1升が同じく5杯分とあるから2,000円から500円位にあたるだろうか, 今にくらべて酒の値段はそれほどかわらない時代の話である。

4 0 0 0 OA 味噌のにおい

著者
伊藤 寛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.500-504, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
37

われわれ日本人は味噌のにおいに郷愁を覚え, これを香りとして受容する。外国人は味噌のにおいを嫌うようだが, においのない味噌はその名に価しないものであろう。しかし,「味噌の臭きは喰われず」という諺にも注意しなければなるまい。それはともかく, 味噌のにおいの究明は本質的な研究課題の一つであり, 最近は新しい機器分析法によって追々成果をあげている。本稿は著者らの研究を基にして化学成分の面から味噌のにおいについて解説していただいた。香味の醸成技術に役立てて欲しいと思う。
著者
山下 勝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.273-278, 1987-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7

江戸で灘酒と肩を並べていた参州・知多酒が鬼ころしといわれる程の辛口酒であったという史実は興味深い。筆者はさらに, 辛口酒の鍵が仕込配合にあることに着目.自ら試醸を行ってその史実を実証するところまで踏みこんだ。郷土酒史としては緻密かつユニークな一文であり, 往時の申国酒をほうふつとさせる。
著者
小池 五郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.410-413, 1976-06-15 (Released:2011-11-04)

食品の酸性, アルカリ性が話題になることが多いが, それは生理的にどのような意義があるのだろうか, 今回は栄養学の権威である著者に, この点をわかりやすく解説していただいた。結論として, 食品の酸性, アルカリ性と摂取後の体液のpH等との間には直接的な関係はなく, 栄養学上, 食品の酸, アルカリ性はほとんど問題にされていない。ただ食品の「酸とアルカリのバランスをとる」ことを強調することによって「栄養的バランス」が「自然にとれるようになる」ことに重要な意義があると著者はのべている。
著者
小田 きく子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.263-268, 1980-04-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

駅売弁当が出現してから100年近くになるが, その間には世の中の移り変わりに伴ない, その内容, 価格は変化している。最後は駅売弁当の現状について述べていただいた。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.925-927, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)

最近, サワープレットという少々酸味のあるパンをよくみかける。その昔, 日本酒造りに使われた翫, 水翫のつくり方と “ソックリさん” がパンづくりに生かされているのである。そこで, 筆者と老舗の製パン業者と会話を交えながら, 伝来の水翫とパンの個性化について記述いただいた。微生物利用は無限の可能性を秘めている。何かのヒントにでもなればと願うしだいである。

3 0 0 0 OA 米の匂い

著者
安松 克治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.826-834, 1967-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
45

米の匂いに関係する物質は極く微量成分であるが, このような匂い成分の研究方法としては, 一般にどのような方法が可能であろうか。また, 米飯の匂いの本体は何か, 古米の匂いは, 外米の匂いは。なお著者は, 長年, 米の匂いを手がけてきた第一人者である。

3 0 0 0 OA 土浦の醤油

著者
柴沼 庄左衛門
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.495-497, 1987-07-15 (Released:2011-11-04)

我が国の伝統的調味料である醤油も, 江戸時代には各地に銘醸地があり, 醸造家も相当数に上っていたが, 当時の姿は現在を映していないもののようである。時の政治・経済が大きく影響していることは酒造家の場合と共通している。その変転の有様を土浦の醤油史として本稿にまとめて頂いた。機械化・合理化の革新にもまれながら現在に至り, 地方の醤油銘醸家として今後どのように対応していくか, それがまた新しい醤油史を繰り拡げていくのであろう。
著者
佐々木 銀彌
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.643-647, 1973-09-15 (Released:2011-11-04)

中世のインテリを代表する僧侶たちが室町幕府の禁止令にもかかわらず育ててきた天野酒, 菩提泉などのまぼろしの銘酒とはどのようなものであったろう。ビールやブドウ酒の歴史のなかに生きている僧房の酒の時代が清酒にもあったのである。
著者
田中 利雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.175-181, 1987-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

食文化に食事の形態と食器がつきものであるように, 飲酒文化にも飲み方や酒器は切リ離せない。特に清酒は燗という独特の飲酒習慣が培われてきたため, その酒器も時代変遷をたどっている。本稿は燗に視点をあてて酒器の移リ変リを探リ, 飲酒を通して時代風俗やライ7スタイルを点描している。酒器-つとっても文化の香を感じる一編である。
著者
大塚 謙一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.83-86, 1974-02-15 (Released:2011-11-04)

熟成の問題は醸造物にとって, その付加価値を高める常に最も重大な手法であり, 多様化の時代に入り, 益々その重要性が高まりつつある。本年はこの問題について一連の解説を予定しているが, まずこの方面の権威である大塚博士に御執筆をお願いした。熟成と調熟を明確に区別すべきだなど, ユニークな提案が盛リ込まれている。
著者
松本 武一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.460-465, 1981-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1